著者
東山 薫
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.359-369, 2007-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
39
被引用文献数
8 5

本研究では, Wellman & Liu (2004) の主張する多面的な“心の理論”の発達が, 日本の子どもにおいても同じように見られるかを追試すると共に, 誤答した子どもの説明を分析することによって, より詳細に日本の子どもにおける“心の理論”の発達を検討することにした。すなわち, 誤信念課題において指摘されてきたような通過率の遅れがこの尺度でも見られるか否か, 日本の子どもがWellmanらの結果と同じ順序で段階的に心の理解が進むか否か, 誤答分析によって“心の理論”課題を誤る原因を明らかにすること, を目的とした。3~6歳の子ども120名にWellmanらの多面的な“心の理論”課題を実施したところ, Wellmanらと同様に年齢と共に段階的な発達が見られたが, 誤信念課題において従来指摘されてきたように, 多面的な概念を含む“心の理論”課題においても, 日本の子どもは通過率が低かった。誤答の説明を分析すると, 4, 5歳児の3割近くが信念課題をどのように考えたかうまく説明できない場合と, 理解できていない場合とが含まれていると考えられた。最後に, Wellmanらの課題の可能性と今後の課題について論じた。
著者
山口高等学校 編
出版者
山口高等学校
巻号頁・発行日
vol.昭和18年至昭和19年, 1944
著者
鈴木 勇波 川本 真也 肥田 不二夫 土田 修
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2014 (Released:2014-07-04)

これは産学共同プロジェクトの一つとして行った手洗い衛生環境を考えたハンドドライヤーのデザイン開発研究である。 近年、流行性感冒はじめ様々な感染による疾病発生により人々の手指衛生に対する意識・要請が高まってきている。従来型のハンドドライヤーの多くは送風により手に付いた水滴を吹き飛ばし、手を乾かすだけで多くの水滴は霧状となり様々な細菌とともに周囲に飛散飛沫させていることが近年明らかになってきた。このような衛生問題を改善するため完全吸引循環式ハンドドライヤーの普及を進めている(株)T社と連携し、理想的な手指衛生環境を実現させるために現在業務用機を民生用機として公共の場にも設置する必要があると考えている。 本研究はデザイン本来の目的の一つである人の心理、行為に訴える「機能」と「造形」の高い次元での調和であるが、 人々の安全・衛生を守り健康的な生活を送ることが「幸せ」 な生活の基本であることをその根本において人間工学とユニバーサルデザインの観点から人に優しく親近感のあるデザインを目標に進めて来た研究成果報告である。
著者
住田 幹男
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.282-291, 2000-05-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
41
被引用文献数
1

Recent advances in rehabilitation process have resulted in shorter length of hospital stay and better functional ability for the spinal cord injured patients. The incidence of spinal cord injury in the elderly population is much higher in Japan when compared with other western countries. The mortality rate of the spinal cord injured patients aged 60 years and over is six times as high as that of the general elderly population. The leading causes of death in post injury period are pulmonary disorders and sepsis instead of urinary disorders that were prevalent in former decades. There have been many reports that the elderly patients have poorer prognosis than their younger counterparts. In order to reduce the mortality rate and to improve poor prognosis, we have to pay more attention to pulmonary disorders in the same way as we have done to urinary disorders. The discharge rate to nursing homes is several times as high for the elderly as compared with younger patients. We have to organize a comprehensive long life care system for the elderly group in the community.
著者
藤田 誠 小泉 章夫 飯島 康男 播 繁 樋口 聡 原田 浩司
出版者
日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. C-1, 構造III, 木質構造, 鉄骨構造, 鉄骨鉄筋コンクリート構造 (ISSN:1341447X)
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.267-268, 2003-09

愛媛県武道館の構造材料には愛媛県産スギによる集成材とともに、樹齢数百年のスギ原木を円柱加工したスギ円柱材(径620㎜)が使用されている。このスギ円柱材の長さは約5~13m、末口径800㎜以上の原木を八角形に製材、熱気乾燥後、円柱に加工され、最長約29mまで木ダボにより縦継ぎされている。これらスギ大断面円柱材の材内には、乾燥工程で生じる含水率傾斜の存在が危惧される。そのため、木ダボの引抜性能に及ぼす被着材の含水率の影響を実験的に検討するとともに、木ダボにより縦継ぎされたスギ円柱材の曲げ性能を評価した。
著者
今井 真士
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.188, pp.188_129-188_138, 2017-03-30 (Released:2018-12-19)
参考文献数
16
著者
稲橋 正明 吉田 清 蓼沼 誠
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.1006-1015, 1999-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

窒素源の種類によつては培養条件により, 高頻度にTTC染色性のないコロニーが現れることを見出した。それらTTC染色性のない酵母の性質及び醸造特性について調べた。セリン, チロシン, アスパラギン及びアスパラギン酸を単独添加した培地を用い35℃ 以上で培養した場合に, TTC Whiteのコロニーが高頻度で出現した。これらTTC Whiteのコロニーの出現は特にアスパラギン酸及びアスパラギンを用いた場合に著しかった。TTC White株はグリセリン培地に生育せず, チトクロームa+a3の吸収スペクトルが消失していることから呼吸欠損菌であった。これら呼吸欠損菌を用いて小仕込みを行い, 小仕込み酒の成分結果を親株 (TTC Red) と比較したところ, 発酵の遅れ, 酸度の上昇 (リンゴ酸, 酢酸の増加), 香りの低下を招いた。
著者
Kaori Nagatou Takashi Morifuji
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE (ISSN:21854106)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.111-122, 2011 (Released:2011-01-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

An enclosure method for complex eigenvalues of ordinary differential operatos is presented. We formulate the eigenvalue problem as a nonlinear system and apply a fixed point theorem to enclose eigenvalues and eigenfunctions or a basis of the corresponding invariant subspaces in case of multiple eigenvalues. Some enclosure examples are given.
著者
森 朋子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.706, pp.2671-2678, 2014-12-30 (Released:2015-01-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 4

This paper aims to clarify the spatial composition of a mountain settlement through its formative process in modern times by the scope of the relationship between a water system and a village community in Ainokura, one of world heritage villages in Shirakawa-go and Gokayama. The following three points were clarified. 1. Three types in the relation between a water system and "kumi", the smallest unit in a village community, are classified. Since they reflect on a classification as spatial units in a settlement, the space of a mountain settlement consists of them. 2. While each "kumi" has a dominant family, there is a spatial framework and role in a settlement. 3. The framework of a settlement determines the direction of its expansion and contraction.
著者
安部 伸太郎 廣田 一紀 平田 和彦 竹本 光一郎 井上 亨 比嘉 和夫
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.52-55, 2013 (Released:2013-03-22)
参考文献数
11

硬膜外自家血注入を3カ所に行うことで,外傷性低髄液圧症候群が治癒した症例を報告する.患者は44歳の男性で,入院の3週間前に後頸部から背部にかけて強くマッサージをされ,その翌日から起立性頭痛が生じた.頭部と頸部MRI,MRミエログラフィー,RI脳槽·脊髄液腔シンチグラフィー,髄液圧測定により,硬膜下血腫を伴う外傷性低髄液圧症候群と診断したが,髄液の明確な漏出個所は特定できなかった.入院での安静臥床と輸液による保存的治療を開始したが,入院7日目に頭痛は増悪し,硬膜下血腫は増大した.入院11日目に瞳孔不同をきたしたため穿頭血腫除去術を行い,同日に第7頸椎/第1胸椎間の硬膜外腔に自家血13 mlを注入した.しかし,頭痛は消失しなかった.入院15日目の腰部MRI,17日目の胸部MRIで,胸椎下部から腰椎上部にかけての硬膜外腔に髄液が漏出していたが,明確な漏出個所は不明であった.入院19日目に第3/4腰椎間の硬膜外腔に自家血16 mlを注入したが,頭痛は消失しなかった.入院22日目に第9/10胸椎間の硬膜外腔に自家血12 mlを注入し,2時間後に頭痛は消失した.頭痛が消失して1カ月後には,硬膜下血腫と瞳孔不同は消失した.

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出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.44(10), no.557, 1990-10