著者
米山 美智代 八塚 美樹
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.16-24, 2009-12-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
6

本研究の目的は,健康成人女性におけるフットマッサージは生理的ストレスを反映する血漿アドレナリン,血漿ノルアドレナリンを減少させ,心理的ストレス指標に影響を与える血漿ドーパミン,血漿セロトニンを増加させるという仮説を検証することである.12名の健康な成人女性 (23~44歳) を対象に,20分間のフットマッサージを行う方法と 20分間の安静臥床を行う方法の両方法を実施し,血漿カテコールアミン,血漿セロトニン,血圧,脈拍,VAS,POMS を測定した.その結果,フットマッサージによって血漿ノルアドレナリン,血圧 ・ 脈拍は減少し,血漿セロトニンは増加した.同時に測定したVAS ・ POMSでは「快」「リラックス」「活気」の感覚を増加させ,「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「疲労」「混乱」を減少させていた.以上から,フットマッサージはストレスを反映する生理的および心理的ストレス指標に影響を与えることが明らかとなり,健康成人女性が有する程度の生理的 ・ 心理的ストレス反応の改善手段として有効であることが示唆された.
著者
石郷 友之 近藤 蕗 立石 莉穂 野々山 雅俊 藤居 賢 木明 智子 中田 浩雅 野田 師正 宮本 篤
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.201-209, 2018 (Released:2019-01-29)
参考文献数
30

糖尿病性腎症は末期腎不全(end-stage renal disease:ESRD)や血液透析の主要な原因の一つである。また、ESRDや血液透析患者では心血管イベントや死亡率の増加が報告されており、腎機能の低下や透析導入を遅らせることは重要な課題である。近年、glucagon-like peptide 1(GLP-1)受容体作動薬であるリラグルチドの腎保護作用が報告されている。しかし、デュラグルチドについては海外でアルブミン尿の減少効果が示されているのみであり、本邦においてデュラグルチドの腎機能への影響についての報告はまだない。その為、我々はデュラグルチドの血糖コントロールおよび腎機能への影響について検討した。2016年9月から2017年9月にデュラグルチドが開始された症例は45例で最終的な解析対象は19例であった。主要評価項目はデュラグルチド開始3ヶ月後の糖化ヘモグロビン(HbA1c)、推算糸球体濾過速度(eGFR)とし、腎機能への影響についてはeGFRの変化量も調査した。平均年齢は57.4歳で男性10例、女性9例であった。HbA1cは、デュラグルチド開始時8.9 ± 0.4%(平均 ± SE)から3ヶ月後8.0 ± 0.4%と有意な低下を認めた(p = 0.019)。また、eGFRは開始時60.2 ± 4.7 mL/min/1.73m2(平均 ± SE)から3ヶ月後65.3 ± 4.9 mL/min/1.73m2と有意な上昇を認めた(p = 0.011)。一方、収縮期血圧は123.6 ± 16.2 mmHgから125.6 ± 16.6 mmHgと変化は見られなかった(p = 0.919)。eGFRの変化量は、デュラグルチド開始前の3ヶ月間では2.1 ± 5.6 mL/min/1.73m2低下したが、開始後の3ヶ月間では5.1 ± 7.9 mL/min/1.73m2上昇した(p = 0.011)。本研究からデュラグルチドにおける2型糖尿病患者の腎障害の進行抑制もしくは腎機能改善効果が示唆される。
著者
糸井川 栄一 富塚 伸一郎
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.43-51, 2017-03-24 (Released:2018-04-27)
参考文献数
9

When a large earthquake happens in major city, a great number of post-earthquake fires would occur and expand in densely wooden buildings built up area. Furthermore, it is estimated that the number of fires would exceed the number of the pumper trucks in the suffered area. And the pumper trucks would face to difficulty of forward movement to firing area because of many street blockades by building collapse. Therefore, aerial firefighting by helicopters is needed. This study aims to clarify the relation between the firing properties in a burning area and the dropping water by helicopters. According to the numerical experiments based on the fire engineering methods, it becomes clear that there is a close relationship between marginal distance of the spread between two buildings and frequency of dropping water by helicopters. In addition, we clarified the requirements of urban area where is more effective to drop water by helicopters.
著者
太田 祐子 Yuko Ota 独立行政法大森林総合研究所 Forestry and Forest Products Research Institute
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.3-10, 2006-03-31

ナラタケ属菌は亜寒帯から亜熱帯にいたる世界中の森林に広く分布する菌であり,広葉樹および針葉樹に重大な根株腐朽病害をおこす病原菌を含むことが知られている.最近広く用いられるようになった分子生物学的手法によって,ナラタケ属菌の種間の系統関係や生態学的研究に新たな知見が得られた.本稿では,ナラタケ属菌の分類,系統関係,生態およびならたけ病の防除について概説する.また防除に関する話題として,近年緑地などでマルチ用資材として利用されている木材チップとナラタケ属菌について最近の研究を紹介する.
著者
井澤 修平 小川 奈美子 原谷 隆史
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.119-124, 2010 (Released:2011-03-16)
参考文献数
26
被引用文献数
8 8

心理社会的ストレスは職場において問題となっており,その生理学的な評価方法の一つとして唾液中コルチゾールが注目されている.本稿では,日常場面において唾液を複数回採取する手順を取り上げ,それによって評価できるコルチゾールの3つの指標(一日分泌量,傾き,起床時反応)の特徴や心理社会的ストレスとの関連を概説した.3つの指標は,一日の中のコルチゾールの分泌リズムをそれぞれ反映するものであり,また異なった性質のストレスをそれぞれ反映していると予想される.こういった特徴や現場での採用可能な手段を考慮して,唾液中コルチゾールを有効に用いることが職場の心理社会的ストレスの評価にあたって重要と考えられる.
著者
草野 有沙 西 由佳梨 北原 鉄朗
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1978-1982, 2019-11-15

本稿では,テキストの順次表示機能とBGM機能により読書を促進するモバイルアプリケーションを提案する.読書に興味を持ちつつもあまり読書を行わない人々がいる.このような人々に対して,書籍の内容をゲーム風に表示できれば,読書のとっつきにくさは軽減されると予想される.本アプリでは,ロールプレイングゲームのようにテキストを1文字ずつ表示し,BGMを小見出しごとに切り替える.25名による実験の結果,よく読書をする人以外に対しては高い評価を得ることができた.
著者
Mina Shiraishi Kozue Ogasawara Tetsuro Kitahara
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.683-692, 2019 (Released:2019-11-15)
参考文献数
25
被引用文献数
1

Creating harmony in karaoke by a lead vocalist and a backing vocalist is enjoyable, but backing vocals are not easy for non-advanced karaoke users. First, it is difficult to find musically appropriate submelodies (melodies for backing vocals). Second, the backing vocalist has to practice backing vocals in advance in order to play backing vocals accurately, because singing submelodies is often influenced by the singing of the main melody. In this paper, we propose a backing vocals practice system called HamoKara. This system automatically generates a submelody with a rule-based or probabilistic-model-based method, and provides users with an environment for practicing backing vocals. Users can check whether their pitch is correct through audio and visual feedback. Experimental results show that the generated submelodies are musically appropriate to some degree, and the system helped users to learn to sing submelodies to some extent.
著者
杉山 滋郎
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.647-650, 1998-08-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10
著者
清野 樹恵 中嶋 彩華 久坂 哲也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.117-120, 2017-12-02 (Released:2018-07-01)
参考文献数
8

本研究は,小学校の理科授業場面における児童のメタ認知的方略の使用に着目し,他の学習方略(認知的方略,外的リソース方略)の使用との関係性について検討することを目的とした。公立小学校1 校の第6 学年の児童を対象に質問紙調査を行い,回答は全て5 件法で求めた。分析の対象者は95名であった。分析の結果,モニタリング方略の使用には作業方略,認知的方略,人的リソース方略が,コントロール方略の使用には認知的方略,人的リソース方略が有意な正の影響を与えていること,作業方略のみがコントロール方略の使用に対し有意な影響を与えていないことが示された。
著者
富永 真琴
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.493-501, 2008-05-01

はじめに 侵害刺激を受容する陽イオンチャネル(多くは高いCa2+透過性を持つ)のいくつかは,TRP(transient receptor potential)スーパーファミリーに属する。TRPチャネルの1つのサブユニットは6回の膜貫通領域を有し,4量体として機能的なチャネルを形成すると考えられている。trp遺伝子は,1989年にショウジョウバエの眼の光受容器異常変異体の原因遺伝子として同定された1)。その後,trpのコードする蛋白質TRPはCa2+透過性の高いチャネルであることが明らかとなり,これまでに多くのTRPホモログが発見されている。現在,TRPスーパーファミリーは,哺乳類では大きくTRPC,TRPV,TRPM,TRPML,TRPP,TRPAの6つのサブファミリーに分けられている2)。そのうち,TRPVサブファミリー〔「V」はTRPV1を活性化するバニロイド(vanilloid)の頭文字「v」に由来する〕に属するカプサイシン受容体TRPV1は,侵害刺激受容神経(nociceptor)での発現が強く,侵害刺激受容に関わっていると考えられている。1997年に遺伝子がクローニングされてから10年,TRPV1の研究は大きく進み,数々の有効刺激が明らかになり,活性化機構や制御機構が解明されてきた。機能に関わる構造基盤もかなりわかってきた。侵害刺激受容の中心分子として,鎮痛薬としての阻害薬に対する期待は大きく,いくつかの化合物が臨床治験の段階に進んでいる。本稿では,TRPV1に関して最近注目を浴びているいくつかのポイントに焦点を当てて概説したい。
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1974

1 0 0 0 水路雑誌

出版者
水路部
巻号頁・発行日
no.27, 1883-07

1 0 0 0 水路雑誌

出版者
水路部
巻号頁・発行日
no.26, 1883-07
著者
講談社 [編]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1980
著者
講談社 [編]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1980
出版者
講談社
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, 1981-07