出版者
巻号頁・発行日
vol.第15冊,
著者
小川 正弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.15, 2007

<BR>1.はじめに<BR> わが国では,高度経済成長期以降,地域に根ざした生活様式や伝統文化が変貌する一方で、全国で町づくり,村おこしなどの地域活性化の手段として伝統的な祭りや新しく創出された市民祭りを活用するなどの行政側の動きが見られた.<BR> 本研究の対象地域である八王子市は,第二次世界大戦後の1955年さらに1959年,1964年と合併を行い,市域拡大や人口増加が急速に進んだ.そこで,新旧住民の連帯感を高め,合併後の新市一体化を促進するために,行政主導で創出された市民祭りが「八王子まつり」である.<BR><BR>2.研究方法<BR> 本研究では,市民祭りとして新たに創出された「八王子まつり」を事例としてとりあげ,市民祭りの成立や展開過程を考察し,伝統的祭礼とは異なる市民祭りの特徴を,まつりの担い手とその内容に着目した.また市民祭りを通して,いかなる地域文化が,実践・継承されているのかについて検討を行った.<BR><BR>3.結果<BR> 現在の八王子まつりにおける内容の特徴は,伝統的祭礼である山車や神輿を全面に押し出している内容であるが,実は市民祭から開始されている.また,まつりの変遷過程を考察した結果,大きく以下の4つの時期ごとに異なるまつりの特色が把握された.それは,1)市民祭形成期(市民祭的内容),2)八王子まつり原型期(鎮守的神社祭礼の参加,融合,共存,まつり名称の変化),3)八王子まつり発展期(伝統的文化と非伝統文化(イベント型)の対立,差異化,4)八王子まつり変革期(伝統的文化の重視と非伝統文化の排除)である.<BR> また,八王子まつりの運営主体であるまつり事務局も時期ごとに変化していた.前述の時期区分によると,市民祭形成期~八王子まつり発展期においては,行政主体で企画・立案を行っていたが,八王子まつり変革期移行は,市民祭開始以前から八王子の旧宿場町を中心にして行われていた神社祭礼の氏子組織やまつり参加団体の代表等が多数参加し,新たなまつり実行委員会が組織されて,まつりの企画・運営等を行っていた.<BR> 八王子まつりが時代的に変化した要因は,八王子まつり開始期から現在におけるまつりを主催する行政団体におけるまつりの運営・実施方針などが大きく影響している.とくに2002年にだされた八王子まつり検討委員会の答申の影響は大きく,従来の八王子まつりの形態・内容及びまつりの運営組織まで変化させたことが判明した.<BR> 八王子まつりにおける担い手は,大別すると伝統的祭礼の担い手と非伝統的祭礼(イベント)の担い手に分類できる.伝統的担い手としては,神社の氏子町会組織が中心であった.その氏子組織は,多賀神社と八幡・八雲神社から構成された.また氏子組織(町会)内には他町会に対する競合意識や市外祭礼に積極的に出向する氏子組織もあった。このことから氏子町会が八王子まつりの形態・内容に影響を与えた.<BR> 一方非伝統的担い手としては,子ども音頭と民踊流しの参加団体及び構成員を事例としてとりあげた.いずれの担い手とも行政関係の支援を得ながら,子ども会組織や地元の民踊教室,企業,学校,民踊クラブ等などを活用して組織された.また踊りで使用される曲は、まつりを主催する行政団体が八王子という地域に因む曲を作成し,それを参加団体に提供した。これは演技だけでなく郷土愛育成等を意識しながら,八王子まつりに参加させるねらいがあった.<BR> 以上のように,八王子まつりにおける地域文化の一部分として存在し,実践・継承をしている担い手や文化は,現在の時点で氏子町会が所有する山車・神輿等にみられる伝統的祭礼,子ども音頭,民踊流しと考えられる.そして,これらは八王子まつりを通してそれぞれが所有する文化の知識・技術の維持管理や継承の努力を続け,知識や技術の伝達する必要性や継承性の強い地域文化として再生され創出されたものといえるだろう.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.895, pp.28-33, 2015-09-17

ビットコインやアップルペイなど、決済市場に次々と新興勢力が現れる。17年の歴史を持つペイパルの自信と焦燥。盛り上がるFinTechブームに元祖企業はどう戦うか。
著者
市栄 誉
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.169-182, 1977
被引用文献数
2

円形の暴風が一定速度<I>c</I>で上層だけにある西岸海流の上を通過する時の傾圧反応を取扱った.線型の慣性項を考えると, 流れの影響はcが10ms<SUP>-1</SUP>より小さい時には大きくきいてくる.慣性項のため暴風の通過後境界面には, 幅は暴風域の大きさで長さはπ (<I>c</I>-ν) <I>f</I><SUP>-1</SUP>の上昇下降域が交互に現われる, ここでνは流れの速度である.流れの左縁に強い渦度がある場合, 暴風の下流で境界面の擾乱は流れの左に向って進行するが, 流れの左側のくさび状の区域だけに限られる.1971年の台風Trixの際におこった日本の南岸の日平均水面の数日周期の振動をこの理論によっておこる黒潮の蛇行又は境界面の擾乱と解釈することができる.
著者
長尾 祐樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
pp.2018-0012, (Released:2018-07-10)
参考文献数
65
被引用文献数
1

高プロトン伝導性高分子には,エネルギー変換,センサー,触媒,アクチュエータなどさまざまな用途がある.含水により高プロトン伝導性を示す高分子の分子設計は,強酸性基を骨格に導入し,含水により親疎水の相分離構造を形成させ,親水チャネルを使ってプロトンを輸送させることに基づいている.Nafionのような高プロトン伝導性高分子は,相分離構造を示すものの,長距離秩序をもたないために,構造とプロトン伝導性の相関の議論は容易ではなかった.筆者らの研究グループは基板界面を利用して高分子を配向させ,分子配向がプロトン伝導性に与える影響を調べてきた.本報では,Nafionの薄膜化によるプロトン伝導度の低下,アミドオリゴマー薄膜のプロトン伝導度の基板依存性,ポリペプチド薄膜の分子配向によるプロトン伝導度の向上,およびスルホン化ポリイミド薄膜が有するリオトロピック液晶性による組織構造と高プロトン伝導性の相関を述べる.
著者
伊藤篤太郎 著
出版者
伊藤篤太郎
巻号頁・発行日
vol.[5], 1879

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1947年01月31日, 1947-01-31
著者
仲田 恵子 川田 基生 今村 敦司 西川 陽子 嘉賀 正泰
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.31-50, 2005-11-30

中学3年では広島・大久野島への研究旅行を中心に、国際理解と平和についての総合学習を行った。戦争体験者の聞き取り調査をはじめ、人々と関わり合う様々な企画を織り交ぜながら、年間を通してグループで学習をすすめ、年度末にはその成果を研究集録にまとめた。
著者
春名 正光 大和谷 厚 近江 雅人 玉田 康彦 玉田 康彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

交感神経の支配下で機能する汗腺や末梢血管は重要な微小器官であり、そのダイナミックな生理機能を解明することが重要である。本研究では、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて、ヒト指汗腺や小動脈の生理機能を可視化した。汗腺においては、外部刺激に反応する精神性発汗の動的解析を行い、新たに内部発汗を見出した。小動脈においては、脈動を観測し、弾性型動脈と筋型動脈として同時に機能することを明らかにした。

1 0 0 0 OA 続群書類従

著者
塙保己一 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻611,
著者
秋葉 光雄 山口 幸一
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協會誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.692-700, 1995-10-15
参考文献数
34
著者
唐釋玄奘譯
出版者
經厰刊
巻号頁・発行日
vol.[9], 1592
著者
上原 勝 青山 智津子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.35-42, 1994
被引用文献数
1

最近では,登山靴やスキー靴の素材としてプラスチックが多く用いられている。プラスチック製の靴は,防水性に富む,軽い,発色に優れる,安い,というように多くの利点を持つ。ところが一方で,このようなプラスチック製の靴が使用中に突然破損した,という報告が見られるようになった。登山中やスキーの滑走中の破損は,深刻な事故につながる可能性もあり非常に危険である。本研究の目的は,これらの破損の原因を探り,破損事故防止のための適正な使用方法を示すことにある。この研究の結果,プラスチック靴の破損のメカニズムが明らかにされた。そしてさらに事故防止への対処と,靴の素材改良への提案を試みた。靴にあらわれた小さな亀裂が,使用中の突然の破損を引き起こす可能性があるため,これらの注意をはらう必要があることなどを主なものとしてあげた。
著者
佐藤 大祐 美原 義行 佐藤 吉秀 田中 悠介 宮本 勝 佐久間 聡
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-10, 2018-01-30

本研究では,イベント会場における混雑度を即時的に把握・可視化することで,イベント運営者に混雑リスクの注意喚起をすることを目指す.イベント会場内の混雑度の取得のため,会場内にBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを多数設置し,来場ユーザのスマートフォンアプリ(以下,アプリ)で取得したBLEビーコン電波情報をサーバで収集することで会場内の群集密度を計測する.1つのBLEビーコンがカバーする範囲内の人数として,そのBLEビーコンの電波を最も強く受信したユーザの数を数えることで求め,この人数をカバー範囲の面積で割ることで群集密度を求める.BLEビーコンを設置できない箇所も存在するため,空間内挿によりBLEビーコン地点間の混雑度を求める.本システムを,2日間で約5万人が来場する大規模なイベントに対して適用した.表示デザインの視認性の観点から判断し,10m程度の間隔でビーコンを設置し,ビーコンの出力電波強度を最大の+4dBmに設定した.イベント期間中の混雑時間帯において,会場で電波受信環境を調査したところ,圏外となった地点が存在しなかったことを確認した.そして,イベント期間中,本システムはアプリからの全120万件のビーコン電波受信ログのアップロードに対して,エラー率0で処理を完了させた.最終的な群集密度表示については,イベント運営者に実態と混雑度マップを比較いただき,実態と差異がなかったという評価をいただくことができた.In this research, we aim to alert the congestion risk to event operators by instantly grasping and visualizing the congestion degree at the event site. In order to acquire the congestion degree in the event site, we installed a lot of BLE (Bluetooth Low Energy) beacons and collected the BLE beacon information acquired by the visitor's smartphone application by the server. The server measures the congestion degree in the hall. Place the BLE beacon in the venue so that radio waves from at least one BLE beacon can be received at any point. There are no omissions in the number of installed users. In this research, the crowd density to be used as an indicator of congestion degree is obtained for correspondence of congestion risk. The number of people within the range covered by the BLE beacon is obtained by counting the number of users who received the radio waves of the BLE beacon most strongly and the crowd density is obtained by dividing this number by the area of a coverage area. Since there are places where BLE beacons can not be installed, the degree of congestion between BLE beacon points is obtained by spatial interpolation. In order to improve scalability, processing for finding the BLE beacon that received the strongest radio waves was cut out to the application side. In 2 days visitors offered this service with a large scale event of about 50,000 people. Regarding crowd density indication, we asked event operators to compare actual conditions and congestion degree maps, and received an evaluation that there was no difference with the actual situation. For the architecture that shared functions on the application side and the server side, processing was completed with an error rate of 0 with respect to the upload of all 1,200,000 beacon radio reception logs from the application. Furthermore, the effectiveness of being able to grasp the congestion degree in a bird's eye view from the operator was evaluated.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1769, pp.32-35, 2014-12-08

日本で年間に売れるバイクが40万台程度なのに対し、ベトナムのそれは約300万台。近隣諸国も加えると、市場規模はその数倍に達する。燃料代の高騰と環境汚染を考えれば、電動バイクの需要が劇的に増えるのは確実だ。
出版者
日経BP社 ; 2002-
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.42-45, 2015-02

2014年12月に世界の話題をさらった、ノーベル賞授賞式。その中でひときわ注目を集めたのが、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイだ。多くの人を感動させた彼女のスピーチには、聞き手の心を捉える「伝え方のテクニック」がふんだんに盛り…