出版者
巻号頁・発行日
vol.第297冊,
著者
今出 広明 平本 新哉 三浦 健一 住元 真司 黒川 原佳 横川 三津夫 渡邊 貞
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.93-100, 2012-01-17

本論文では,RMATT(Rank Map Automatic Tuning Tool) における実行時間の高速化について述べる.RMATT は MPI アプリケーションにおけるランク配置を最適化することで通信処理時間を短縮することができるが,実行に長時間を要することが問題であった.この問題を解決するため,変更されたランクの通信処理のみを再計算する他,通信しないランク間のテーブル作成を省くことで計算量を大幅に削減する方法を開発した.評価の結果,4,096 ランクの Allgather bruck アルゴリズムの最適化に従来 16 時間かかっていた実行時間を 7.4 分に短縮できることを確認した.また,NAS Parallel Benchmark におけるクラス B,プロセス数 1,024 の CG に本 RMATT を適用し,京コンピュータ上において CG の実行時間を 7% 削減することを確認した.

1 0 0 0 OA 茶湯評林 9巻

著者
遠藤元閑
出版者
山口茂兵衛
巻号頁・発行日
vol.[4], 1697
著者
大塚 茂
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.235-241, 1986

ケージ内における破卵発生機構を解明する目的で,あらかじめ,ケージ床前部に正常卵を5個配置し(静止卵),別の正常卵をケージ内部の中央へ,手動で1個ずつ投下して(落下卵),両卵を強制的に衝突させ,破卵を誘発する方法を用いて試験を実施した。供試したケージ床は,スノコ縦線間隔が20•24および25mmの3種類である。これらのケージ床を傾斜角度可変の架台に,それぞれ設置し,卵同志の衝突破卵の発生状況を検討した。また,スノコ縦線間隔22.7mm,傾斜角度8°のケージ床を用い,卵の転がり落ち方と破卵の関係を検討した。<br>投下された卵は,その後,床を短径軸回転で落下するものと,長径軸回転で落下する2型に分かれて,静止卵に衝突した。両型の出現割合は約6:4であった。<br>卵同志の衝突で,2個が同時破損した例はみられず,1個破損であった。静止卵と落下卵の内,どちら側が破損するか,その決定に当っては,卵殼の厚さが大きく影響を及ぼしていることが認められ,卵殼厚の薄い側の卵が破損する。また,卵の転がり落ち方の影響も若干関与しているものと思われ,短径軸回転落下型は落下卵側の方が,長径軸回転落下型は静止卵側の方が多く破放する傾向がみられた。<br>ケージ床のスノコ縦線間隔が狭い程,また,傾斜角度が急な程,卵同志の衝突破卵が多く発生した。この条件に最も近い20mm×7°区では60回中53回破卵が発生したのに対して,逆条件下の25mm×4°区では,僅か7回の破卵発生であった。全体の平均破卵発生率は54%でおった。
著者
森川智之著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2018
著者
杉浦 なぎさ 藤田 智子 大竹 美登利 菊地 英明
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2017

<strong>【目的】</strong><br /><br /> 男女が協力して生活することの重要性が謳われている現代において、男女がともに家庭科を学ぶ意義を感じられることは重要である。しかし、高校生は、家庭科の必要性は「現在」ではなく、「将来」の家庭生活にあると感じており(中西 2006)、中学生においても「現在」学ぶことに意味があると感じられるかは疑問である。また、高校生において、家庭科の有用性を認知することが食生活行動に結び付いていることが明らかにされており(藤田 2012)、実感をともなう学びにすることこそ、子どもたちが生活実践につなげるために有効なのではないかと考えられる。本田(2004)は、「子どもが学習にどのような意味や意義を感じているか」を「学習レリバンス」と定義し、学習そのもののおもしろさを示す「現在的レリバンス」と、学習が将来何かに役立つ感覚を示す「将来的レリバンス」の2つがそろうことで、男女ともに学習を長期にわたって継続したいと思えることを明らかにした。本研究では、中学生が家庭科を学ぶ意義を感じているかを明らかにするとともに、家庭科を学ぶ意義の感じ方の違いに着目して、生活実践行動を分析する。<br /><br /><strong>【方法】</strong><br /><br /> T大学附属中学校2年生、3クラス89名(男性31名、女性58名)を対象に、アンケート調査を行った。実施時期は、9月(単元前)、10月(単元後)、1月(単元後の追跡調査)の計3回である。単元については、2時間×3回の計6時間の授業構成として、「洗剤や柔軟剤の性質の理解を踏まえた選び方」「消費者が洗剤購入に必要な情報を考える」など実験や実習を取り入れた。3回の調査すべてに回答した86名(男性31名、女性55名)を分析の対象とする(有効回答率96.6%)。また、授業者が積極的に授業に取り組んでいると思う生徒を有意抽出してもらい、各クラス男女1名の計6名(男性3名、女性3名)にインタビュー調査を行った。10月に2回(単元途中と単元後)実施した。<br /><br /><strong>【結果】</strong><br /><br /> 学習レリバンスに関しては、家庭科全般と洗濯の学習において、「好き・おもしろい」を現在的レリバンス、「将来、役に立つ」を将来的レリバンスとして、単元学習後に聞いた。まず、家庭科全般に対して肯定的に回答をした生徒は、現在的レリバンスは5割以上、将来的レリバンスは9割以上であった。一方で、洗濯の学習に対して肯定的に回答をした生徒は、現在的レリバンスは40%に満たず、将来的レリバンスは9割以上であった。<br /><br /> 中学生の生活実践状況は、洗濯物を「しまう」は男女ともに実践度が高かったが、「洗う」は低かった。次に、学習レリバンスの感じ方による生活実践行動の違いをみるため、一要因の分散分析を行った。その結果、家庭科全般、洗濯の学習ともに「好き・おもしろい」と思う人ほど、学習後、有意に生活実践得点が高かった。<br /><br /> また、質問紙の自由記述(家庭科の学びの中で自分が成長できたと思う点)やインタビュー調査(授業でおもしろかったこと・新たに気付いたこと)から、中学生は洗剤のパッケージデザインを通し、消費者の立場からデザインや表記の仕方を工夫することで、洗剤の表記にも様々なアイデアがあることに気付き、「おもしろさ」を感じていた。また、実験を通して、洗剤の液性によるダメージの受け方や量による汚れの落ち方の違いを目で見て、「実際にお店で洗剤を見比べたい」「洗濯をおこなってみたい」など、科学的知識を基に自分の生活で試したいと考えており、「役に立つ」感覚が育まれたと考えられる。以上のように、授業で「おもしろい」「役に立つ」と感じることは、中学生の生活実践につながるきっかけになると考えられる。<br /><br /> 本研究は,東京学芸大学「日本における次世代対応型教育モデルの研究開発」[文部科学省平成28年度特別経費(プロジェクト分)]の研究成果の一部である。

1 0 0 0 OA 太平記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[22],
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.704, pp.75-113, 2009-04
著者
松尾 昌樹 島 淳人
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.134-141, 1994-06-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2

電解水の陽極水, 陰極水およびその混合水を用いてコマツナを水耕栽培した.電解水の理化学的特性と無機成分を測定し, 生育量と電解水の特性との関係を検証した.1) pHが4-9の範囲の電解水は, 2-4日でその理化学的特性を失い, 植物への影響力を失った.2) 播種後10日目まで電解水のみで育苗後, 水耕装置に定植し, 電解水に水耕用肥料を混入した養液で無調整・無交換のまま栽培した場合は, 一部を除き電解水の影響はみられなかった.3) 電解水中の無機成分は陰極水に陽イオン, 陽極水に陰イオンが多いが, 肥料を混入するとその濃度差は現れなくなり, 無機成分濃度の差により生育に差が生じるとは考えにくい.4) 電解水に肥料を混入するとpHは6.25付近に揃うので, pHにより生育に差が生じるとは考えにくい.5) 電解水養液を頻繁に変えることで電解水の特性が継続的に植物におよぶようにすると, 酸化還元電位 (ORP) が高い処理区では生育を抑制し, ORPの低い区では促進効果がみられた.ゆえに, ORPと生育促進および抑制の間には相関関係があると推察される.
著者
一ノ瀬 充行 砂子 拓也 澤 和也 薗田 徹太郎 ICHINOSE Mitsuyuki SUNAKO Takuya SAWA Kazuya SONODA Tetsutaro
出版者
社団法人日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.27-36, 2006-03

Amber is the fossilized resin or sap of pine trees which grew in forests around 45-100 million years ago. Amber is used for jewelry and decorative articles nowadays, but it was also used for healing and health enhancement in Eastern and Western countries in ancient times. In order to investigate the physiological effects of amber when burning it like incense, we analyzed the contingent negative variation(CNV) of electroencepha-lograms(EEG) and autonomic nervous activities such as respiratory interval, heart rate and fluctuation of heart beat interval. Amber used in the present study was mined in Kuji, Iwate Prefecture. Areas of CNV on 19 out of 23 recording spots were increased after amber incense stimulation. On the other hand, the well-known incenseagalloch, i.e.Jinko, enhanced the area of CNV less effectively than amber incense. During CNV procedures, the respiratory interval was reduced and the heart rate was increased. These parameters were changed by amber incense. Reduction of amplitude in high frequency fluctuation of the heart rate, which may correspond to activities of the parasympathetic nervous system, was suppressed during exposure to amber incense. It is known that CNV represents activities of expectation, conation, motivation and attention in humans and activation of theparasympathetic activities induces relaxation in the human mind. These data suggested that amber incense enhanced expectation, conation, motivation and attention in humans, and also suggested that a stressful burden such as the CNV trial was alleviated by amber incense in the case of the present subject.琥珀は、4500万~1億年前のマツ科植物の樹脂や樹液が化石化したものである。現在、琥珀は宝飾品や装飾品として使われているが、古代より洋の東西問わず癒しや健康増進のために使われてきた。琥珀をお香のように燻らせた時に、生体にいかなる生理作用があるかを調べるために、脳波随伴陰性変動(CNV)及び自律神経活動を解析した。用いた琥珀は、岩手県久慈産である。琥珀のお香の刺激により、23ヶ所の脳波測定電極のうち、19ヶ所でCNV面積が増大した。一方、お香として良く知られる沈香の場合には、琥珀に比べCNV面積の増加はわずかであった。CNV試行中に、呼吸数と心拍が増加した。これらの指標は、琥珀お香の刺激中に変化があった。心拍変動の高周波成分(副交感神経の活性)の減少が、琥珀お香の刺激中に抑制された。CNVは期待感、意志、動機や集中力の程度を表し、また副交感神経活性化はリラックス状態を誘導するとされている。以上の結果は、本研究の被験者において琥珀お香が生体における期待感、意志、動機や集中力を促進し、また琥珀お香の最中にはCNVなどのストレス不負荷を軽減することができたことを示唆した。