著者
長田 拓也 生田目 崇
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.204-207, 2015 (Released:2016-01-29)

購買の意思決定をサポートする仕組みとしてレコメンドシステムがある.しかし,既存のレコメンド手法は意思決定を単純化しており,現代の情報化社会により複雑化した消費者の意思決定を捉えきれていない.そこで,複雑化した消費者の意思決定を考慮したレコメンドを行う必要がある.一方,ここ数年,Deep Learningというアルゴリズムが画像認識や音声認識の分野で成果を挙げている.このDeep Learningを用いることで,複雑化した消費者の意思決定を考慮したレコメンドを行えることが期待できる.本研究では,Deep Learningを用いたレコメンドアルゴリズムを構築し,その性能を評価する.
著者
礒川 悌次郎 西村 治彦 松井 伸之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.157, pp.1-6, 2011-07-18

本研究では,位相振幅状態を持つ多値ホップフィールドニューラルネットワークを提案する.このネットワークにおいては,入出力値,内部状態,ならびに結合荷重は可換クォータニオンと呼ばれる数により表現されている.可換クォータニオンは,1つの実数成分,3つの虚数成分を持つ超複素数の一つであり,積演算において可換の関係が成立している.またこの数は2つの複素数を等羃元とした表現を行うことが可能であり,これらの点が通常の四元数とは異なっている.本研究においては,可換クォータニオンの位相振幅表現を用いたネットワークと,等羃元を用いたネットワークの二種類のネットワークおよびエネルギー関数を提案し,それぞれのエネルギーが単調減少する条件を導出することによりネットワークの安定性を示す.
著者
内山 高 熊井 久雄 吉川 周作 輿水 達司
出版者
山梨県環境科学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は山中湖で採取した湖底堆積物(YA-1,2コア)のテフラ層序を基に,過去数万年にわたる富士山の火山活動史・噴火史を解明することを目的に行った.また併せて,微化石分析を行い,噴火活動の影響についても明らかにした.山中湖コアYA-1,2中のテフラについて,その特徴を明らかにし,陸上部に分布するテフラとの比較を行った.その結果,陸上部のテフラと概ね対応がついたが,一部未確認のテフラがあることが明らかになった.広域火山灰として,YA-1コア深度約7.4mでKg(約3000年前)に,YA-1コア深度約11.8mとYA-2コア深度約6mでK-Ah8(約7000年前)に対比可能なテフラを見出した.また,炭素14年代として,YA-1コア深度3.4mで1,535年前(暦年補正値,以下同),深度11.5mで約7,015年前,深度14.4mで約12,000年前,またYA-2コアでは深度約13mで約8,990から8,600年前の年代を得た.この結果より,YA-1コア深度約0.8mのスコリア層は宝永スコリアに対比される.火山噴火の影響を明らかにするために,山中湖湖心において採取したYA-1コアを用いて,花粉化石と植物珪酸体等の微化石分析を行った.花粉分析の結果から,木本類への火山噴火の顕著な影響は読み取れなかったが,草本類花粉化石や胞子がみられない層準は降下スコリア等のテフラが多数挟在し,その間の堆積物も上下に比べると粗粒シルトや極細粒砂分が多くなることから,テフラの噴出により林床植物や草原性植物は影響を受け,裸地が広がり,浸食が大きくなったものと推定される.本研究により,テフラ層序を基に,富士火山の過去数万年にわたる噴火史が明らかになった.また,微化石分析により火山噴火の影響を評価することができた.これらの成果は火山防災ハザードマップの作成等防災上の基礎資料として貢献するものと考える.

6 0 0 0 OA 日本船名録

著者
逓信省管船局 [編]
出版者
帝国海事協会
巻号頁・発行日
vol.明治45年, 1912
著者
荒川 等
出版者
九州工業大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

少子高齢化という深刻な問題を抱える日本の近い将来、高齢者は介護者不足のため電動車椅子や電動カートを用いた単独移動を強いられ、それらに関連する交通事故が多発することが懸念される。従って、このような事態に備えるべく、報告者がこれまで開発した歩行者用事故記録機(ウォークレコーダー)を電動車椅子に転用することで交通事故分析のための電動車椅子用ドライブレコーダーを発案して評価用試作機を製作した。電動車椅子にはヤマハ発動機(株)・JWアクティブを採用して、ドライブレコーダーを設置するために弱冠の改造を施した。基本的にウォークレコーダーの機能は全て継承しているので、(1)全方位カメラ、(2)車載用カメラ、(3)Webカメラの3方式のいずれかによる周囲の景観の撮影と種々センサによる運動状況の記録をするためのドライブレコーダーとして試用し、メッセンジャーを利用して遠隔地の保護者へ車椅子の状況を実況中継することも可能である。取り分け、(3)のシステムにUSBデバイスサーバーとSSDを用いる改良を加えたところ、画像記録速度が約0-8FPSから64FPS、全方位画像の更新時間が5秒から0.06秒へと100倍程度の飛躍的な向上が見られた。従って、カメラの特徴や価格を考慮すると(3)の方式が実用化に向けて優位となった。また、製造元より技術情報を入手して電動車椅子の操作レバーの操作量を強制的に補正したり、操作量の推移をパソコンに記録する機能を新たに開発した。現在、電動車椅子・電動カートのためのドライブレコーダーの試作機は完成したといえ、電動車椅子の習練を兼ねて安全確認のための試験運転を行っている。今後は、(3)の方式を中心に路上での実証実験を行いながら、車椅子の周囲の景観の画像や運動情報から危険状況を認識するアルゴリズムの開発を行い、車椅子の自動停止や緊急機関に通報するシステムへ発展させる予定である。
著者
板倉 文忠
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.3_25-3_30, 2010-01-01 (Released:2010-10-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

音声信号に対する最も重要な分析方式であるLSP(線スペクトル対)発明の経緯について述べる.PARCOR(偏自己相関)係数方式及びLSP方式は,音声の周波数スペクトル,すなわち声道(口の形)を表現する方法である.これらの方式はいずれも世界中の携帯電話で使われ続けている.PARCOR方式及びLSP方式は,それぞれ,1969年,1975年に日本電信電話公社電気通信研究所(通研)において発明された.本稿では,これらの方式の誕生の経緯を明らかにするために,その出発点(1966年)となった最ゆうスペクトル推定法による音声分析合成方式(ML方式と略す)までさかのぼって紹介する.
著者
池上 賢
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.103-121, 2017-07-31 (Released:2017-11-07)
参考文献数
15

In this paper, we discuss the relationship between the identity of audiencesand their experiences of manga. Firstly, from a theoretical perspective, we discussthe outcomes and problems of the constructivist view of audience research.Secondly, we point out that the notion of narrative identity and the idea ofmedia as a resource is effective. In addition, we argue that the process of positioningmanga experiences as an element of audience’s narratives while theytalk about their life stories is effective. We analyzed the data by using the lifestory method of dialogical constructionism. As a result of our analysis, we foundfollowing findings: first, in the narration of manga experience related to identity,manga experience was positioned in a certain role in an individual’s life story.Secondly, the construction of the identity using the manga experience as aresource was not done by an individual alone, but was carried out in participationwith others. Thirdly, the characteristics of manga as media were involvedin the construction of the narratives, specifically the fact that characters inshonen manga are often shown in their growth into adults, that shojo mangaoften includes transgender characters and that manga is made up of“ picturesand words” so that it is easy to share and has a high level of communicability.In contemporary society, media such as comics occupy an important position asa resource for audience’s identities, and an accumulation of research on the subjectis required in the future.
著者
飯田 雅絵 菅野 愛美 木島 明博
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.934-944, 2012 (Released:2012-10-11)
参考文献数
26
被引用文献数
3 6

ヤマトシジミ種内の地域集団構造を調べるため,東アジアから採取したヤマトシジミおよび対照群において mtDNA-COI領域のシーケンス分析を行った。その結果,ヤマトシジミ種内では,1)ロシア・北海道・本州日本海側グループ,2)太平洋側グループ,3)朝鮮半島北東グループ,4)朝鮮半島南西グループの 4 つの明確なクラスターに分かれ,地理的分化による地域集団構造が示唆された。一方,利根川と桑名の 2 地域から採取したサンプルは地理的関係を反映しておらず,過去の移植放流の影響が推測された。
著者
村上 俊男
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.93-102, 2017-03-01

活性酸素の害を防ぐことでその機能性が注目されている抗酸化食品について、DPPH ラジカル消去能の測定法による探索を試みた。その結果、野菜・果物やそれらの飲料は抗酸化力(Δ吸光度/g(ml))が数十前後から百強だったのに対して、香辛料(粉末)は一部を除き概ね数百から数千と高い値を示した。但し一食分を念頭に置くと両者の抗酸化力にほぼ差はなくなること、また強い抗酸化力を有する食品の摂取がヒトの健康に実効があるとの結論づけは時期尚早であることに言及した。
著者
大熊 健司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.607-617, 1990 (Released:2012-03-23)

科学技術庁の地域研究情報ネットワークは, パソコン通信のシステムで, 現在, 筑波と四つのモデル地域で実験的に運用されている。このネットワークの目的は, 時間, 空間の壁をこえて, 面識のある無しにかかわらず研究者・技術者間コミュニケーションを緊密なものとし, これによって研究開発から企業化までの研究開発の高度化を地域において図ることに貢献することである。昭和63年度にモデル地域に指定された, 石川・富山両県では, 各々, 本研究情報ネットワークの運用を始めて一年を経過。このため, それぞれのネットワークの運用内容を詳しく紹介するとともに, その利用状況と今後の課題にふれる。