著者
尾崎 伊都子 小西 美智子 片倉 和子
出版者
日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.35-43, 2009-10-30

目的:本研究の目的は壮年期男性勤労者の健康習慣(栄養バランス,身体活動,睡眠,節酒,禁煙)に関する自己効力感尺度を作成することである.方法:予備調査として勤労者を対象に行った保健指導に基づき,栄養バランス10項目,身体活動7項目,睡眠6項目,節酒8項目,禁煙8項目の尺度項目を作成した.本調査では作成した尺度項目を用いて勤労者1,000名を対象に自記式質問紙調査を行った.尺度の信頼性に関してCronbach α係数を算出,妥当性に関して生活習慣,主観的健康管理能力尺度との関連性を検討した.結果:953名を分析対象とし,因子分析の結果,栄養バランスは第1因子「食生活の管理」,第2因子「環境への対処」の2因子が抽出され,身体活動,睡眠,節酒,禁煙はいずれも1因子構造であった.尺度のα係数は,栄養バランス0.87,身体活動0.90,睡眠0.89,節酒0.92,禁煙0.94であった.自己効力感尺度と生活習慣との関連性を分析した結果,好ましい生活習慣を実施している者は,実施していない者に比べて尺度得点が有意に高かった.また,自己効力感尺度と主観的健康管理能力尺度との相関分析の結果,栄養バランス,身体活動,睡眠の自己効力感尺度は主観的健康管理能力尺度と有力な相関があった.結論:栄養バランス,身体活動,睡眠,節酒,禁煙の5つの健康習慣に対する自己効力感尺度を作成し,信頼性・妥当性を確認できた.
著者
清呉偉業撰
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
vol.[8], 1804
著者
太田 彦人 瀬戸 康雄 角田 紀子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.155-160, 1993
被引用文献数
2

The determination and confirmation of trans-10-hydroxydecenoic acid (10-HDA) in royal jelly (RJ) were developed by capillary gas chromatography (GC) and GC-chemical ionization mass spectrometry (CI-MS) equipped with an ion trap detector (ITD) as a mass spectrometer. It was found that 10-HDA extracted with dichloromethane at pH 2.5 was converted into trimethylsilyl (TMS) derivative in a constant yield by the reaction with N, O-bis (trimethylsilyl) acetamide at room temperature for 15 min. The recovery of 10-HDA (50 μg) was 99.5%. The TMS derivatives of raw RJ tested showed a satisfactory result of separation and sensitivity by GC using a DB-1 capillary column with a flame ionization detector. The linear dynamic detection range was approximately from 50 ng to 500 μg (16.7-167000 ppm) determined using n-eicosane as an internal standard. The minimum detectable amount of 10-HDA was found to be 50 ng (16.7 ppm) at the split ratio of 40 : 1 of the split injection. The amount of 10-HDA in the raw RJ sample was 2.28±0.04% determined by the GC method and 2.25±0.01% by the HPLC method as described previously, respectively. The TMS derivatives of 10-HDA and its related compounds in the raw RJ were confirmed by ITD-GC. The diagnostic ions of TMS-HDA were presented at m/z 331 (M+1), 315 (M-Me), and 241 (M-OTMS) in isobutane CI mode. The present GC method is an easier and more convenient method for the analysis of 10-HDA in RJ and is applicable for the determination and confirmation of 10-HDA in forensic and food samples.
著者
山内 正
出版者
沖縄国際大学沖縄法政研究所
雑誌
沖縄法政研究 (ISSN:13448242)
巻号頁・発行日
no.19, pp.23-85, 2017-02

本稿は、2014(平成26)年2月に沖縄国際大学大学院法学研究科で発表した『火災調査権の行使に関する諸問題-米軍ヘリの墜落に伴い発生した火災を中心に-』の論文を検証し、その後明らかになった消防行政に係わる問題について加筆修正を行ったものである。
著者
森田 尚文 姜 又遠 浜渦 善一郎 杉本 温美
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 : oyo toshitsu kagaku = Journal of applied glycoscience (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.23-30, 1999-03-31
参考文献数
19
被引用文献数
4 9

アマランス粉を代替した小麦粉ドウの物性と製パン性についてホームベーカリーを用いて検討した.アマランス粉5%の代替ではパンの比容積は有意に増大したが,それ以上では代替量につれて比容積は明らかに減少した.アマランス10%の代替粉にヘミセルラーゼ1250U以上を添加すると比容積は明らかに増大した.ファリノグラフにおけるドウの安定性はアマランス粉10%の代替により顕著に減少した.ドウの粘弾性(圧縮応力,弾性率,粘性係数)は10%の代替により無添加に比べ明らかに固くなった.SEM観察により,アマランス粉代替ドウのグルテンは固くなることがわかった.乳化剤ステアリル乳酸カルシウム,あるいはヘミセルラーゼをアマランス10%代替した小麦粉に添加すると明らかに比容積を増大することがわかった.
著者
小野 文
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要. フランス語フランス文学 (ISSN:09117199)
巻号頁・発行日
no.60, pp.231-235, 2015

Mélanges offerts au professeur Suzuki Junji et au professeur Hayashi Emiko = 鈴木順二教授・林栄美子教授退職記念論文集歴史の語り「私たち」を引き受ける文体
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1194, pp.86-89, 2003-06-02

「社長はご存じないと思いますけど、大阪では"陸上の神様"と言われている恩師から預かってきました」 ますます興味が失せていった。小説のモデルにもなった渡邉には、嫌というほど提携話や売り込みがあるのだ。それでも、青年の真剣な態度に押されて、店の片隅のテーブルに座り、袋の中の資料に目を通し始めた。それから30分後、渡邉の表情が一変していた。
著者
内藤, 若狭
出版者
巻号頁・発行日
vol.[566],
著者
Tokuyama Yukinori 渡久山 幸功 本学非常勤講師 英米文学
出版者
沖縄キリスト教学院大学
雑誌
沖縄キリスト教学院大学論集 = Okinawa Christian University Review (ISSN:13498479)
巻号頁・発行日
no.10, pp.13-19, 2014-03-05

Many critics have been bothered at the controversial ending of Henry James's masterpiece, The Portrait of a Lady (1881 ), when Isabel Archer decides to return to Rome where her bus band, Gilbert Osmond, is waiting for her despite their miserable, dysfunctional married life. To account for Isabel's incomprehensible decision, I aim to explicate the transformation of her notion of independence. Her notion of independence before her marriage is too optimistic, naive, unpractical and even romanticized On the other hand, the new notion that is modified after she realizes her husband's true motive of marrying her is much more solid and realistic. This modified notion of independence entails her own responsibility for consequences of her actions, driving Isabel to venture to rescue Pansy, her daughter-in-law, from being miserably obedient to her father as Isabel herself. In this sense, her return to Rome implies that Isabel becomes able to commit herself to others' well-being. Allegorical reading of symbolism that the main characters connote enables the reader to grasp the author's intention to depict "impossible" marriage between Isabel and Osmond: the former embodies American ideals and traits while the latter the dark side of American history/society that saw the European immigrants and their descendants who have manipulated and even abused others (non-white minorities in particular) under American ideals. James seems to suggest how important it is for the two sides of America to confront each other in order to create better or more mature American society in the future.ヘンリー・ジェイムズ(1843-1916)の長編小説『ある夫人の肖像』(1881)の結末シーンは、これまで多くの批評家を悩ませてきた。それは、アメリカ人の若い女性主人公イザベル・アーチャーが、結婚生活が破綻しているにもかかわらず、夫ギルバート・オズモンドが待つイタリア・ローマへと帰還することを決意する場面である。小論では、イザベルの理解しがたい決定を説明するものとして、彼女が抱く独立(自立)の概念を検討する。イザベルの独立の概念は、当初、経験が浅く、非実用的で、理想化されているが、オズモンドとの悲惨な結婚生活の経験を通して、また、オズモンドの結婚の目的を知ることによって、真の独立とは、自分自身の行動・結果に責任を持つことであるという新たな独立の概念を構築することになる。この修正された新しい独立・自立の概念が、オズモンドとの対決を決意させ、さらに、義理の娘であるパンジーを彼女の父親オズモンドから救済する目的でローマに戻る。彼女のローマへの帰還は、イザベルが他者の幸福に献身的にかかわることができるようになったことを示唆している。 寓話的な読みを採用して主要登場人物に帯びている象徴性を解釈すると、イザベルはアメリカの理念と特性を体現し、オズモンドは、そのアメリカの理念に背後にあるアメリカの闇の部分を体現しており、二人の「あり得ない結婚」は、アメリカ社会の肯定的な面と否定的な面の対峙を意味している。作者ジェイムズにとって、イザベルのオズモンドとの結婚生活の継続は、19世紀アメリカ社会が成熟していく過程には不可避的な文化・社会的な衝突を象徴していると結論付けた。
著者
藤原良房
出版者
林和泉掾
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
大津 正英
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.37-42, 1967-06-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

1963年9月から1966年4月まで,トウホクノウサギの毛色変化を起こす要因と,更にその要因の詳細を研究し,次の結果を得た。1) 白変期に入った動物に,蛍光燈を1日に12時間以上照射すると,白変がほとんど停止し,褐変期に入ろうとする動物を暗室に入れ,これに1日10時間蛍光燈を照射すると,褐変はほとんど進まない。2) 毛色変化の遅速は,蛍光燈の照射時間の長短とほぼ一致し,長いほど褐変を促進し,白変を抑制する。したがって毛色変化を起こす最も重要な要因は,日照時間とみられる。3) 毛色変化は,環境温度・周囲の白色または褐色にほとんど影響されない。
著者
永里 歩美 船越 公威
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.181-186, 2010 (Released:2011-01-26)
参考文献数
10

ニホンテンMartes melampus の換毛を引き起こす要因および毛色の地理的変異を解明するため,毛色の季節的な変化について九州南部における自動撮影装置を用いた野外調査と飼育下での観察をあわせて行った.その結果,野外,飼育下ともに冬毛への換毛が11月から,夏毛への換毛が4月から始まっていた.飼育下での観察結果から,冬毛への換毛は,室温が28°Cから16°Cに下降し,昼時間が11.5時間から10.5時間と短縮する時期に起こった.夏毛への換毛は,室温が18°Cから25°Cに上昇し,昼時間が12.5時間から13.5時間と長くなる時期に起こった.換毛の進行過程は,夏毛への換毛と冬毛への換毛が逆向きに進んだ.冬毛の鮮やかさは低緯度のものほど薄れ,九州南部のものでは吻部や眼の周囲が周年を通じて黒かった.

1 0 0 0 OA 弘化武鑑 4巻

出版者
千鐘房須原屋茂兵衛
巻号頁・発行日
vol.[1], 1846