著者
井上 関次
出版者
Japan Society of Spring Engineers
雑誌
ばね論文集 (ISSN:03856917)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.28, pp.46-54, 1983-03-31 (Released:2010-02-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

自動車の軽量化の一環として. スタビライザ (アンチロールバー) の中空化が始まっている. 本論文は中空スタビライザの設計に関するものである. 中空スタビライザに生じる応力分布の構成が実験的に求められ, 中実スタビライザにくらべて, 全く異なった応力構成をしていることが確認された. パイプ係数を適用することによって, 中空スタビライザの設計応力の予測が可能となった. また, 応力測定の実測値は有限要素法による計算値と良く一致することも確認された. ここで得られた設計法に基づいて, 疲労試験によって, 中空スタビライザに適切なパイプ材料について有益な実験結果も得られた.
著者
蜂須賀 渉 岡崎市立男川小学校
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 地域協働研究 (ISSN:21892385)
巻号頁・発行日
no.2, pp.41-51, 2016-03-15

算数科において「見通し」をもつことは、子供自ら問題解決を進めていく上で重要である。木下竹次の「学習法」注1)に おける「問題解決の着手点」の考え方も同意と捉えている。前学年から本時に至るまでの系統的な教材分析を行い、関連 する学習内容やアイデア、方略を事前に指導してから本時の問題解決に入ることが必要である。本稿では、小学4年「何 倍でしょう」について、近隣の協働研究校の2つの授業実践の概要を紹介する。「前学年までの既習内容を意識させる復習 や本時の導入」や「見通しに気付かせる自力解決時の声かけ」は、子供たちが本時の問題解決で「見通し」をもって学習 を進めるために有効であると推察できる。
著者
曽田 繁利
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究課題では、強相関系の量子ダイナミクスを明らかにすることを目的に、密度行列繰り込み群法を応用した強相関量子シミュレータの開発を行うことである。平成29年度に実施した強相関量子シミュレータの開発における進展は、時刻の異なる状態について、密度行列繰り込み群法によりそれぞれの時刻の状態を表現するために最適化された異なるヒルベルト空間の表現で与える新たな時間依存密度行列繰り込み群法の手法を開発した。ここで開発された手法は、動的密度行列繰り込み群法で用いられるマルチターゲットの手法を応用し、異なる時刻の状態をひとつの最適化されたヒルベルト空間の表現で与える場合と比較して、半分程度の制限された基底の数でよりより高精度な結果を得ることが確認された。特に密度行列繰り込み群法の計算コストはこの制限された基底の数の3乗で与えられることから、本課題で開発された手法は非常に有効であると考えられる。また、同時にこの密度行列繰り込み群法の大規模並列化を進め、本研究の対象である強相関量子系の量子ダイナミクスの研究を行った。平成29年度の研究成果としては、幾何学的なフラストレーション効果により量子モンテカルロ法では取り扱いが困難な系を中心に、三角格子ハバード模型やKagome-strip鎖の新奇量子相の研究、またSPring-8等の大規模実験施設と連携したキャリアドープされた銅酸化物高温超伝導体の電子状態の解析等を行った。また、本研究課題で開発を行っている多次元系へ応用可能な時間依存密度行列繰り込み群法の応用研究として組合せ最適化問題に対して有効であると考えられる量子アニーリングに対する応用研究を行い、その研究成果を国際会議において発表した。

1 0 0 0 OA 武蔵志料 15巻

出版者
巻号頁・発行日
vol.[5],
著者
加藤正宏 西井瑞季 田中美穂 平瀬詩織 牛若菜月 東畑知真 田端優貴
出版者
サイエンスキャッスル
雑誌
サイエンスキャッスル2014
巻号頁・発行日
2014-12-19

バナナの成熟に伴いその皮は斑点状に黒色化する。ドーパミンの重合による黒色化である。この現象に興味を持ち研究を始めた。特に、①なぜ、斑点状に黒色化するのか(生物学的意味)、②斑点状に黒色化する仕組みはどうなっているのか、③なぜ、ドーパミンが存在するのか(生物学的意味)、これらの点に疑問を持ち、その解明を目的とした。今回は、②について知見を得るべく、「バナナの皮の変化の温度依存性(‐8℃~200℃)」を調べた。その結果、20℃および30℃で保存した場合のみ、明確な斑点状の黒色化が観察された。また、細胞レベルでの黒色化を確認するために、表皮の顕微鏡観察も行った。これら以外に、得られた知見を紹介する。
著者
末崎 真澄
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
Japanese Journal of Equine Science (ISSN:09171967)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-23, 1993

馬の家畜化の始まりについては,ウクライナのデレイフカの遺物調査から,BC4,000年頃に馬が役畜として使用された可能性が高まつている。 一方,車馬の利用については,メソポタミアで,BC4,000年紀のウルクIVa層出土の絵文字にその車輪の表現が見られる。その後シュールのウル王朝の資料等には,板を用いた車輪が見られ,戦車にもう少し機動力をもたせたスポーク式車輪が登場するようになった。このような車輪の改良,方が多い。 ところでオリエントでは,伝統的にやロバに車を引かせており,馬への騎乗も,牛ロバへの騎乗に続くものであった。そしてBC1,500年頃から,騎馬の風習がユーラシアの草原士帯から伝播し,西アジアでもルリスタン青銅器戈化の金属の馬性の銜が発明されると,より力の強い馬の制御も一段と有利となった。 オリエントでは車行に遅れて導入された騎行も,しだいに周辺の文明圏,エジプト,ギリシア,そしてインドへと伝播していった。 これらの車行・騎行の様子は,アッシリアや古代ギリシアの美術・考古資料に数多く表現されており,また実際の車馬の遺物も出土している。 さてユーラシアの草原地帯では,BC2,000年紀には騎行が盛んになったと考えられているが,文献上に登場するのは,ずっと後のことである。BC8世紀頃からアッシリアの文献に記されたキンメル人,続いてBC7世紀には本格的な遊牧騎馬民族スキタイが登場する。このような遊牧騎馬民族は,ユーラシアのステップ地帯の東西に興り,黒海周辺ではスキタイ,サルマタイ,中央アジアにはサカ,月氏,そして東は匈奴などが勢力を奮った。これらの騎馬民族の生活,習俗は,黒海周辺やアルタイ山中の多くのクルガン(墳墓)出土の黄金製品などに見ることができる。 中国での馬の家畜化は,神話によると夏王朝以前にさかのぼるとされるが,殷商代(BC1,500年)以前に考古学的な証拠はないとされる。そして実際の馬車は,河南省安陽市から殷商代のものが見つかっており,また同時代の甲骨文字には,既に馬車の表現が見られる。 ところで東アジアの馬車は,基本的には西アジアの馬車と一致するが,馬車のスポークは東アジアのものに多数のスポークが見られ,とくにステップ地帯にはその古い証拠が発見されている。この馬車は,中国で周代に発展を遂げ,秦代にはその頂点とも言える始皇帝の銅車馬が出土している。この後,中国を統一した漢は,伝統的な重装歩兵と戦車から成る軍隊を改革,同様な騎馬軍団を組織,ついにBC101年には,西方の汗血馬,または天馬と呼ばれる名馬を入手する。その名馬の図像は,以降,壁画や俑に多く表現されるようになった。 朝鮮半島へも中国の影響が見られ,楽浪郡跡から車馬具が出土している。一方,半島北部は,北方からの騎馬民族の影響を受けていたと考えられるが,半島でも三国時代(高句麗,新羅,百済)に入ると騎馬の風習が盛んになる。その様子は高句麗壁画に見られ,実際の馬胄も出土。そしてこの馬胄やその他の馬具は,5世紀以降には,日本にも伝えられるようになった。こうしてもたらされた馬具は,その後の日本の馬具の文化を開花させることとなった。 最後に,このたび美術・考古資料により古代の騎行・車行について,紹介してきたが,馬と人間の織りなす壮大な歴史や文化を紹介するには,やや図版不足が否めなかった。但し,近年の研究成果も含めて,その一端なりとも紹介できたと思う。 ところでそれぞれの資料に表わされた馬の図像については,誇張されたり,形式化されたものも多い。また馬と人間の歴史を見ても,馬は,当時の支配者達によって求められ,何十回となく移動され,改良されたことが文献上からも推測される。 よって今後は,近年著しく発展を遂げた科学技術を用いた考古学的なアプローチと併せ,文献上による人の手に成る移動も抑えながら,古代の馬の実像と,騎行・車行の歴史に迫まれることを望みたい。
著者
中井 隆介 ナカイ リュウスケ Nakai Ryusuke 山口 誠二 ヤマグチ セイジ Yamaguchi Seiji 若槻 麻里子 ワカツキ マリコ Wakatsuki Mariko 東 高志 アズマ タカシ Azuma Takashi 高玉 博朗 タカダマ ヒロアキ Takadama Hiroaki
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.77-86, 2016-03

MRI装置は、生体に傷をつけることなく生体内部の画像を取得することができる装置であり、現在では数多くの病院に設置されており、病気の診断のために様々なMRI検査が実施されている。MRI装置の特長として、組織の形態だけでなく、機能的情報も同時に取得できることがあげられる。このような機能的情報を活かした生体計測手法として、水の拡散情報を捉え様々な検査に応用する拡散強調画像法や、ヘモグロビンの酸素化の度合いを捉えて脳の活動部位を特定する機能的磁気共鳴画像法(functional MRI)等がある。我々はMRI装置の幅広い特性を活かし、様々なMRI撮像手法の開発や画像処理・評価手法の開発、生体への応用研究を実施している。本稿では実際に研究に取り組んできた、MRIを用いて開発した生体計測評価手法を、顎関節疾患の評価法開発に適用した研究および、長期間の運動前後の筋肉の変化の解析に適用した研究およびfunctional MRIを用いた様々な脳機能評価に関する研究を例に取り、MRIを用いた生体計測評価法の開発とそれがどのような問題に応用できるかを紹介する。
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1] 一ノ上 横浜表江生糸廻方其外調 文久三亥歳八月 奉安藤源之進・佐久間弥太吉,
著者
堤 章洋 水谷 康弘 岩田 哲郎 大谷 幸利
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2010年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.837-838, 2010 (Released:2010-09-01)

近年,細胞のような反磁性物質の非接触駆動法が必要とされている.本研究では,永久磁石によりパッシブに磁気浮上させた反磁性物質を非接触光駆動させる.装置は,永久磁石と感温磁性体からなる簡易な構成とした.感温磁性体の温度を光により変化させることで,磁束分布が変化し反磁性物質が移動する.光駆動モデルを構築し駆動原理を数値解析および実験より確認したので報告する.
著者
高橋 恵子
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.189-200, 2005-03-20
被引用文献数
1

The purpose of this study is to examine the role of psychological factors in influencing life-style. We examined the relationships among emotion, stress-coping, and life-style. A survey of the health consciousness of university students reveals that most of the students feel that their life-style is undesirable and suffer much stress. However they are not conscious of their life-style. Students who have negative emotions (depression, anxiety, anger and languor) report that they do not sleep very well. Languorous students who suffer chronic stress report having an uncontrolled life-style. In regard to coping behavior, students who have good social support (consulting with friends and other persons) report having a good life-style. Students who have a positive thinking style and feel relaxed ordinarily report good control of their life-style and students who make use of a problem focused coping style exercise more and show good control of their intake of alcohol. Poor sleeping habits were found to be related to suppressions of emotions. Students who are less aggressive report well-controlled food intake as part of their life-style. It takes a long time to construct one's own life-style. The university student years are an important stage to establish the life-style. This study reveals some important roles of stress to life-style, however it is needed to study more widely about the relationships between psychological factors and life-style.
著者
中井 隆介 ナカイ リュウスケ Nakai Ryusuke 橋本 英樹 ハシモト ヒデキ Hashimoto Hideki 山口 誠二 ヤマグチ セイジ Yamaguchi Seiji 高玉 博朗 タカダマ ヒロアキ Takadama Hiroaki
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.77-80, 2017-03

近年、顎関節疾患の患者数は増加傾向にあり、歯科口腔領域における治療課題の1つとされているが、その原因の特定や治療法の確立に至っていないのが現状である。顎関節疾患は様々な要因や習慣が複合することにより悪化するため、治療法の確立が難しいとされている。本研究では、顎関節周辺の力学的状態に着目し、顎関節疾患の主要因である関節円板の転位(前方転位、後方転位)と変性が、顎運動初期の顎関節部周囲に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験では顎関節部周囲の有限要素モデルを作成し、転位および変性の条件を設定し有限要素法解析を行った。解析に入力した下顎の運動軌跡は、MRIの動的撮像法により取得した下顎運動軌跡を用いた。有限要素法解析による結果から、転位により下顎骨部において相当応力が大きくなり、負荷が大きくなることがわかった。また関節円板の硬化により、顎関節部の応力が増大したことから、硬化が障害に繋がることが示唆された。本研究によって、転位と変性が顎関節疾患に繋がる可能性が明らかとなった。本研究を進める事により将来的には、汎用性の高い顎関節疾患の要因の検査・分析・診断法が確立できるのではないかと考える。
著者
久保田 信
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 = Bulletin of the Biogeographical Society of Japan (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.203-205, 2014-12-20

Stranded tetraclitid shells were collected and their number was counted according to the species at Shirahama town, Wakayama Prefecure, Japan during the period between June 1 and August 4, 2014. Tetraclita japonica Pilsbry was abundant due to broken into four pieces, while shells of T. squamosa Bruguière hardly broken into pieces (the former is 118 times than the latter). However, shells of T. formosana Utinomi was not found.2014年6月1日から8月4日までの期間中、和歌山県白浜町に所在する京都大学瀬戸臨海実験所"北浜"で、クロフジツボ類の打上について調査した。その結果、クロフジツボは殻が4断片に割れたものが多かったが、ミナミクロフジツボではそれが極めて少なかった(前者は後者の118倍)。また、クロフジツボでは穿孔されて食害を受けている殻も見られた。しかし、タイワンクロフジツボの殻は全く見つからなかった。
著者
宮内 竜臣 勝部 隆男 木下 淳 臼田 敦子 山口 健太郎 浅香 晋一 吉松 和彦 塩澤 俊一 島川 武 成高 義彦
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1202-1206, 2013 (Released:2014-12-25)
参考文献数
22

胃癌術後の腹膜播種による腸管閉塞に対し,経皮内視鏡的胃瘻腸瘻造設術(PEG-J)を施行し,QOLの改善をみた1例を経験したので報告する.症例は,57歳,女性.2010年11月,Stage Ⅳ[T4b(SI),M1(OVA),P1,CY1]の進行胃癌に対して,幽門側胃切除(Roux en Y法再建)+両側Krukenberg腫瘍摘出術を施行した.術後,外来にて全身化学療法を施行していたが,2011年4月,腹水を伴った腸管閉塞の診断にて緊急入院となった.イレウス管による減圧で小腸の拡張は改善したが,残胃の著明な拡張を認めたため,PEG-J施行の方針とした.腹腔穿刺による腹水除去後,PEGを施行し,その後,PEG-Jカテーテルへ変換した.小腸と残胃の減圧に成功し,症状の改善および疼痛のコントロールを得られた.患者,家族の希望があり,退院し,在宅生活となった.胃癌術後の腹膜播種による腸管閉塞に対する治療は,終末期医療のひとつであるが,PEG-Jカテーテルによる減圧は,治療とQOLのバランスに優れた有用な手技と考えられる.
著者
米田 利昭
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.92-93, 1978
著者
芹澤 円
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学ドイツ文学会研究論集 (ISSN:18817351)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.135-162, 2015-03

1786 erschien die erste Ausgabe des "Journals des Luxus und der Moden", der zweiten Modezeitschrift Deutschlands. Man schatzt, dass die Zeitschrift mindestens 25000 Leser hatte (vgl. Kuhles 2000), weshalb sie, gemessen an den Leserzahlen anderer Zeitschriften der Zeit, als Bestseller angesehen werden kann.In dieser Arbeit mochte ich drei Texte aus der fruhen Zeit des "Journals des Luxus und der Moden" (namlich von Januar, Februar und Juni 1786), die alle weibliche Kleidung, vor allem Hute oder Hauben, zum Thema haben, miteinander vergleichen und dabei untersuchen, ob es Unterschiede zwischen diesen Texten gibt. Dabei analysiere ich diese Texte in Hinblick auf ihre "Nahesprachlichkeit/Distanzsprachlichkeit" (Agel/Hennig 2006).Fur die Messung der Nahesprachlichkeit wird der Untersuchungsgegenstand in zwei Ebenen gegliedert, und zwar in eine Mikroebene und in eine Makroebene. Nach Agel/Hennig bedeutet der Durchschnitt der beiden Ebenen den Wert der Nahesprachlichkeit des Textes. Mit Hilfe dieses Modells werden in diesem Aufsatz die drei genannten Texte analysiert, wobei der erste Text vom Januar 8.66%, der zweite vom Februar 12.36% und der dritte vom Juni 14.33% Nahesprachlichkeit ergaben.Bei der Messung sties ich auf eine Reihe von Schwierigkeiten, die zu einigen Korrekturen Anlass gaben. Hinsichtlich der Durchschnittsberechnung scheint es auf den ersten Blick zwar so, dass es nur einen Wert fur den Text gibt, doch da in zwei Textebenen unterschieden wurde, sollten sich auch zwei Werte ergeben. Deshalb schlage ich zur Veranschaulichung ein Koordinatensystem mit einer prozentualen Koordinatenachse, d. h.einer Langsachse fur die Mikroebene (in die obere Richtung) und Makroebene (in die untere Richtung) und einer Abszissenachse als Nahesprachlichkeit vor. Wenn man auf dieser Koordinatenachse die drei Punkte (jeder sich ergebene Werte der Mikroebene,Makroebene und der letzten Nahesprachlichkeit) verbindet, dann erhalt man ein Dreieck.Mit der Koordinatenachse und dem Dreieck werden alle drei Werte zugleich anschaulich gemacht.Die zweite Korrektur betrifft die Lange eines Satzes. Nach Agel/Hennig gehort die Lange des Satzes zu einem derjenigen Elemente, das den Wert der Nahesprachlichkeit bestimmt, d. h. je langer ein Satz ist, desto geringer ist die Nahesprachlichkeit. Aber das ist nicht so einfach zu entscheiden. In meinen Textkorpus gibt es z. B. einen Satz, der aus 66 Wortern besteht, der aber im Nachfeld Prapositionalphrasen, Partizipial- bzw. verblose Konstruktionen aufweist. Laut Ong (1991) ist ein derart charakterisierter Satz eher im mundlichen Sprachgebrauch zu finden.Drittens ist die Rolle der Gallizismen in Betracht zu ziehen. In den untersuchten Texten gibt es viele franzosische Begriffe, aber das Modell von Agel/Hennig berucksichtigt keine Fremdworter. Bekanntlich benutzten im 18. Jahrhundert die hoheren Schichten Franzosisch (vgl. Eisenberg 2011). Deshalb sollte man auch die Verwendung von Fremdwortern bei der Untersuchung berucksichtigen.Mit der Anwendung des Modells von Agel/Hennig kann der Wert der Nahesprachlichkeit in unterschiedlichen Texten ermittelt werden. Doch fur eine genauere Analyse der Nahesprachlichkeit mussen an diesem Modell noch einige Konkretisierungen und Korrekturen vorgenommen werden.
著者
小川 國治 田中 誠二
出版者
山口大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

昭和63年度と平成元年度の2年間で、以下のような研究を行った。1.中国地方諸藩と長州藩とを比較し、その特質を検討した。(1)長州藩の土地制度のうち慶長・寛永・貞享・宝暦の検地を中心に、地方史料を用いて、政策の実態・特質・石高の性格を究明し、中国地方諸藩との比較検討を行った。(2)長州藩の租税制度について、前期から後期まで、徴租法の内容・段階区分などを検討した。(3)長州藩の村入用について、実態の究明と段階区分を行い、負担の全体像を検討した。(4)長州藩の特産物の紙・ろう等について、その専売を段階区分に即して検討した。(5)大谷家文書・益田家文書・毛利家文書などの史料によって、藩・給領主・庄屋の支配関係を明らかにし、長州藩の地方支配の特質を村の側から検討した。2.史料収集と整理・分類を行った。(1)山口県田万川町の大谷家文書(庄屋文書)は、県内地方史料のなかでも群を抜く豊富さなので、重点的に史料収集を行った。(2)大谷家文書との関連で、田万川地方を支配した益田家の文書を調査した。3.以上の研究成果として、小川が「萩藩の郷村支配と老」、「長州藩産物取立政策と佐波川水運の開発」、「萩藩撫育方と鶴浜開作」、田中が「萩藩貞享検地考」、「萩藩の本・支藩関係をめぐって」、「毛利秀元論-萩藩初期政治史研究序説-」(『研究成果報告書』参照)などを発表して新知見を示した。