著者
金 明秀
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.97-113,170, 1995-05-31 (Released:2017-02-15)

An attempt is made to elucidate the structure and formation process of ethnicity that is defined by the attitude and behavior associated with an ethnic affiliation. Data are drawn from "The 1993 Research of Consciousness among Korean Youth in Japan," which is the first nationally representative sample of Korean residents to be conducted in this field. Result shows that (1) ethnicity can be divided into two dimensions of ethnic orientation; (2) one of the two orientations is based on emotional ties with the brotherly ethnic group (relation orientation) , (3) the other is based on instrumental behavior related to ethnic issues (instrumental orientation) ; (4) the relation orientation is mainly formed through contact with ethnic tradition in the family by inheritance; (5) the instrumental orientation is, for the most part, formed acquisitively by the education and the participation in the ethnic organization; and (6) there is no substantive effect of discrimination and inequality on the formation of ethnicity.
著者
椎橋 邦雄
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.187-202, 1997-03-25
著者
小林 隆弘
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.271-282, 2007-09-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
61
被引用文献数
3

大気環境中のナノ粒子に曝露される可能性がある。ラッシュアワーのとき道路沿いの大気中では自動車由来と思われるナノ粒子が増加することが観察される。ディーゼルエンジンは多数のナノ粒子を排出する。一方, 極めて粒子径が小さいことから, ナノ粒子は化学的, 電気的あるいは光学的な新たな物性を持ち, 外界からの光や熱や電圧等の刺激に対して大きい粒子に比較し異なる挙動を示す。このようなことから工業的に生産されるナノ粒子は化学, 電子工業, 化粧品, 医薬, 食品, 環境技術といったあらゆる分野で使われるようになりつつある。作業環境中においてもこれらのナノ粒子に曝露される可能性が増加しつつある。しかしながら, 大気および作業環境中のナノ粒子の曝露評価や健康影響評価はあまり行われていないのが現状である。ここではナノ粒子の曝露評価や健康影響評価の現状と課題について概観した。曝露評価については, 屋内・屋外ならびに作業環境中での曝露に関する知見の充実や毒性やナノ材料のライフサイクルを考えた曝露指標の選択とそれに基づく曝露量の計測手法の開発が課題である。また, 健康影響評価においては粒子の物理・化学的性状に基づいた体内動態や毒性評価や評価に必要な曝露手法の開発が課題となる。
著者
岡村 隆弘
出版者
オーム社
雑誌
OHM = オーム (ISSN:03865576)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.40-43, 2017-07
著者
小澤 敬也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.2062-2073, 2014-09-10 (Released:2015-09-10)
参考文献数
17
著者
前川 隆彰 武 純也 河村 俊邦 堀内 俊克 加藤 章一郎 彦田 玲奈 山村 武史 渡邉 純一 小林 彩香 小林 真一 佐藤 謙 木村 文彦
出版者
The Japan Society for Hematopoietic Stem Cell Transplantation
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌 (ISSN:21865612)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.114-119, 2014 (Released:2014-10-15)
参考文献数
15

HLA一致非血縁ドナーより同種骨髄移植を受けた46歳の原発性骨髄線維症の男性。移植後の血小板数は3×104/μl台で安定していたが,移植後199日目に感染や慢性移植片対宿主病(GVHD)を伴わず,急性の経過で0.7×104/μlまで低下した。好中球減少や貧血は認めず,末梢血のキメリズム解析では完全ドナー型を維持しており,二次性の生着不全は否定された。脾腫の増大も認めなかった。血小板輸血に反応せず,抗HLA抗体は陰性であったが,抗GPIIb/IIIa抗体が検出された。PAIgGの上昇も認め,免疫性血小板減少症(ITP)と診断した。prednisolone 1mg/kgで治療を開始し,治療開始7日目より血小板数が増加した。同種移植後のITPの多くはGVHD等が関与しており,しばしば治療抵抗性である。本症例は他の免疫反応を伴わず治療反応性も良好であった。病態を検討する上で重要な症例と考えたため,文献的考察を加え報告する。
著者
鎌野 多美子 カマノ タミコ Kamano Tamiko
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.33-52, 2017-03-31

This paper examines an article by Sojin Fujishiro, The Heated Record of a Cat Writer, and I Am a Cat by Soseki Natsume. The Cat Writer says that Natsume’s cat is borrowed from Germany. The author of the Cat Writer is Teisuke Fujishiro, who revealed the hidden name of Murr the tomcat, popular in the German literary world. Fujishiro and Natsume were friends. Through national scholarships, one studied in the U.K, the other in Germany. In addition, it is said that Natsume’s cat does not clarify the name of the German cat. This article covers both I Am a Cat, and how Natsume answers the attack of the Cat Writer.
著者
杉浦 成昭
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.95-116, 1980-12-15 (Released:2009-06-12)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

昭和55年度共通1次試験の得点分布は正規分布が適合しないことが今年2月上旬新聞に報じられた.そこで正規分布の不適合はどの位か,よりよく適合する分布は何か調べたところ分布は負に歪んでいて,Johnson systemのSB分布が割によく適合することがわかった.SB分布により2つの母数を与えれば得点の順位と偏差値のわかる表を与えた.
著者
落合 隆
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.84, pp.237-267, 2016

ルソーは,宗教を政治との関係においてどうとらえているであろうか。この考察を通して,彼の政治思想に宗教の側面から光を当て,彼の思想がもつ現代的意味を探りたい。『社会契約論』によれば,歴史的には,政治と一体化した「市民の宗教」,国家の中に国家をつくる「聖職者の宗教」,政治から切り離された「人間の宗教」ないし自然宗教があった。そして,ルソーは,市民の宗教と人間の宗教それぞれの利点を結びつける「市民宗教」を提起する。市民宗教は,政治体に参加する市民であるための神聖な宣誓として政治を支えるが,同時に政治体の中に人間の宗教への指向性を確保する。元来排他的な政治体が市民宗教を通して人間性に向けて開放され,祖国愛は人間愛へつながる。市民になることによってしか人間になれない。そして,市民宗教の教義の1つである不寛容の排除によって,個人の信教の自由は互いに尊重されて,さまざまな宗教・宗派を超えて人々が市民として共同体に結集し,社会的不平等のような人間自らが招いた悪に協力して立ち向かうことができるようになるのである。