著者
中村 英仁 藤山 敬史
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
pp.2022-004, (Released:2022-11-15)
参考文献数
41

The purpose of this study is to clarify (1) how the autonomy set by the parent company affects the strategic decision-making of J. League clubs and (2) how clubs negotiate with their parent company over autonomy, focusing on agency. Although literature in management studies has discussed the relationship between subsidiary autonomy and strategic behavior, there is no empirical research on J. League clubs. Therefore, this study analyzes a fourteenyear case of Yokohama F. Marinos to examine the above two research questions. First, this paper describes how the parent company of Yokohama F. Marinos had an impact on the club from 2009, reducing the club's autonomy and constraining its ability to be strategic. Next, we describe how Yokohama F. Marinos responded to the change by extending its autonomy through negotiation and improving its productivity. Finally, we discuss the contributions of this study.
著者
櫻井 純
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.367-379, 2006-11-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
79
被引用文献数
2

ウエルシュ菌が産生する多くの毒素の中で主要毒素と言われているα, β, εそして, L毒素は, いずれもユニークなタンパク毒素で, 本菌の感染症と密接に関係していると考えられている. そこで, ウエルシュ菌感染症の解明のため, 主要毒素の構造と機能を解析し, さらに, それぞれの毒素の作用機構について, 1) α毒素は, 毒素自身が有する酵素活性で組織を破壊するのでなく, 標的細胞の細胞内情報伝達系を活性化して恒常性の維持に混乱を与え, 細胞破壊, 致死活性を引き起こすこと, 2) β毒素は, 特異的に血球系細胞に結合し, ラフト上でオリゴマーを形成後, 細胞内情報伝達系に混乱を与え, 致死活性と細胞毒性を示すこと, 3) ε 毒素は, 脳細胞や腎細胞など標的細胞の膜上でオリゴマーを形成して膜障害作用を与えること, そして, 4) 酵素成分と膜結合成分からなる二成分毒素であるし毒素は, 膜結合成分が細胞膜に結合してオリゴマーを形成後, ラフトに集積し, これに酵素成分が結合してエンドサイトーシスで細胞内に侵入し, その後, 初期エンドソームから酵素成分が細胞質に遊離してアクチンをADPリボシル化して細胞毒性を示すことを証明した.
著者
安部 幸六
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.12, no.59, pp.274-278, 1949-12-20 (Released:2008-12-24)

Gives detailed account of rare birds captured or observed in Fukuoka Prefecture. Halcyon pileata, Locustella c. ochtensis, Haematopus ostralegus osculans, Synthliborhamphus wumisuzume, Anser fabalis serrirostris, Cygnus cygnus, Gallicrex cinerea, Porzana p. pusilla, Fulica a. atra, Platalea minor, Botaurus s. stellaris, Demigretta sacra ringeri, Podiceps c. cristatus, Nuci fraga caryocalactes japonicus, and an albino Corvus levaillantii japonensis are dealt with.
著者
西田 紘子
出版者
日本音楽学会
雑誌
音楽学 (ISSN:00302597)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-17, 2019 (Released:2020-10-15)

1980年代以降、米国では、D. ルーウィンの『一般化された音程と変形』(1987)で提唱された変形理論から発展して、H. クランペンハウアーやB. ハイアー、R. コーンによる一連の論考を中心にネオ・リーマン理論が形作られてきた。この理論は、ポスト調性音楽や後期ロマン主義音楽を分析対象として展開されてきたが、2000年代に入ると音楽理論史的な問い直しも現れ始めた。すなわち、ネオ・リーマン理論の論者たちが、ドイツの音楽理論家フーゴー・リーマンによる諸概念をどのように領有したか、それが主要な論点の一つである。 その代表的論考(Engebretsen 2011)によれば、和声進行に関する「進行/転換 Schritt/Wechsel」というリーマンの概念と分類学(Riemann 1880)は、ネオ・リーマン理論において「同主調」「導音転換」「平行調」(すなわちPLR)の変形群へと置き換えられたものの、両者には和音近親や調性の捉え方等の違いがあるという。その点で、ネオ・リーマン理論はリーマン理論を再発見しただけでなくその趣旨を更新したと言われる。 こうした主張は一定の妥当性を有する一方、以下の3点から、通史的に再考されなくてはならない。(1)リーマンの概念とその元となったA. エッティンゲンの概念(1866)との関係や、リーマンの理論的思考の心理学的転回を含めたリーマンの和声理論の動態、(2)ネオ・リーマン理論の各論者によるPLR以外も含む変形諸概念との関係、(3)2000年代以降のネオ・リーマン理論第2世代(Kopp 2002, Rings 2011)におけるPLR変形の変容およびそれとリーマンの諸概念との関係、である。本稿ではこれらの点から、より広範で緻密な言説分析の基に先行研究による歴史化を更新し、リーマンに由来する諸概念の変容の過程を、領有と歴史化の相互作用および方法の洗練過程として示した。
著者
井口 達雄
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-25, 2018-01-25 (Released:2020-01-26)
参考文献数
120
著者
紙谷 淳 米田 稔 新井 貴史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.443-451, 2007-11-16 (Released:2011-06-27)
参考文献数
5

本研究では, 瓦破砕材のリサイクル方法として, 代替土壌としての有効性を見るため, 踏圧による透水性と空隙率の変化, 有効水分保持量, 有効肥料成分保持量などについて, 検討を行った. その結果, まさ土と比較した場合, 瓦破砕材は踏圧を受けることによる透水性や空隙率の変化が小さいことがわかった. また, まさ土や軽石, 活性炭などと比較した場合, 粒径2mm以下の瓦破砕材では, 肥料の保持特性でもよい結果を示した. さらに, 実際にまさ土と瓦破砕材を施工したパターゴルフ場において, 芝生の成長度を比較した結果, 瓦破砕材を施工した場合の方が根の長さは2倍ほど長く, クロロフィルaの量も2倍ほど多かった, このことから瓦破砕材は芝生育成のための代替土壌として, きわめて有効であると考えられる.
著者
山田 隆二 木村 誇 苅谷 愛彦 佐野 雅規 對馬 あかね 李 貞 中塚 武 國分(齋藤) 陽子 井上 公夫
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.3-14, 2021-01-15 (Released:2022-01-17)
参考文献数
46
被引用文献数
1

Establishing chronologies for large-scale landslides is crucial to understand the cause of the mass movements and to take measures against potential hazards in future. We discuss the applicability of dating methods for determining landslide chronologies in relation to the type of samples and the stratigraphic setting of sampling location. Case studies are carried out with fossil wood samples buried in the deposits of large-scale landslides in two areas of the Japanese Alps region in historic times ; Dondokosawa rock avalanche (DRA) and Ohtsukigawa debris avalanche (ODA). Ages are determined by accelerator mass spectrometry radiocarbon dating and dendrochronological analysis using the oxygen isotope composition of tree ring cellulose. We report seven radiocarbon ages and five dendrochronology data for the wood samples taken from outcrops and excavated trenches in the lacustrine sediments of dammed lakes formed by DRA, and two radiocarbon ages and two dendrochronology data for wood samples of ODA. Two sets of data for DRA are crosschecked independently to ensure the accuracy of results. Most of ages in the DRA area are concordant with the period of AD 887 Ninna (Goki-Shichido) mega-earthquake as proposed in previous studies. In the ODA area, ages are not concentrated in a specific period. When the preservation condition of buried wood trunks is good enough to date the exact or approximate tree-death years dendrochronologically, it is possible to estimate landslide occurrence periods in further detail by comparing the landslide chronology with historical records of heavy rainfall and large earthquakes.
著者
高橋 貞雄 渕田 隆義
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.467-471, 1996-07-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
6
著者
杉谷 嘉則 山崎 裕一 長島 弘三
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.1, pp.28-32, 1980-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

サマルスキー石は希土類元素およびニオブ,タンタルを主成分とする酸化物鉱物の一種であるが,ほとんどすぺての試料は,その含有するウランなどの放射線のためにメタミクト化している。さらに,通常成分として上記以外にも多数の元素が含まれている。このような事情により,サマルスキー石は古くから知られている鉱物であるにもかかわらず,その組成,構造などに関して確定的な結論が得られていない。このサマルスキー石に関し,過去の文献データと結晶化学的考察により,組成としてはAB206型(A=Y,ランタノイド元素,U,Caなど,B=Nb,Ta,Fe+3,Tiなど)が妥当であること,また構造に関しては,他の鉱物(コルンブ石,鉄マンガン重石,ユークセン石,イクシオライト)との関連からα-PbO2型構造を基本にもち,かつ構造中でこれらの金属元素がAおよびBの位置を無秩序に占めているものと推定した。この考察に基づき,含まれる成分をY,Ca,U,Nb,Fe,Tiにかぎって焼結法により合成実験を行なった。その結果,天然のサマルスキー石を加熱(1000℃)したものと類似構造をもつ化合物が得られた。天然のサマルスキー石にはカルシウム成分のとくに多いCa-samarskiteが報告されているが,これに対応する合成物も得ることができた。
著者
清 智也
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.75-99, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
37

いくつかのモーメント制約が与えられたもとで独立分布に最も近いコピュラのことを最小情報コピュラという.最小情報コピュラはある意味で指数型分布族のコピュラ版と解釈することができ,数理的に興味深い対象である.本論文ではその定義と基本的性質について具体例を交えながら解説する.特にコピュラの離散近似を経て,情報幾何学や行列スケーリング,最適輸送理論との関連性を概観する.またパラメータ推定法についても議論する.
著者
吉田 康太 藤野 毅
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.88-100, 2021-10-01 (Released:2021-10-01)
参考文献数
68

深層ニューラルネットワーク(DNNs)などの機械学習技術(以降AI技術と呼ぶ)は,画像認識をはじめとする様々なタスクにおいて非常に高い性能を発揮しており,本技術の社会実装が今後更に加速することが予想される.自動運転車や監視カメラなど,安全やセキュリティに関わる分野にAI技術を導入するためには,誤動作の誘発・プライバシー情報の窃取などを目的としたAIに対する攻撃手法に対するセキュリティ対策が重要になる.また,学習済みAIモデルは重要な知的財産であるため,これを保護する手法も実装しなければならない.一方で,監視カメラや自動運転システムのようなプライバシー保護・リアルタイム性が要求されるアプリケーションでは,推論処理を組み込み機器(以降エッジAIと呼ぶ)で実行する必要がある.このようなケースでは攻撃者がエッジAIへ物理的にアクセスできるシナリオも考慮したセキュリティの確保が求められ,エッジAIのハードウェアセキュリティという研究分野が2017年頃から注目されている.本稿では,AI特有のセキュリティ課題及びエッジAIのハードウェアセキュリティについて,脅威を整理し,更に近年の研究動向や対策技術を紹介する.