著者
斎藤 政義 木寺 謙爾 福屋 智亘 戸井田 浩
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, 1979-03-15

鋼管杭の表面にアスファルトすべり層(平均厚2.0mm)とその保護層(厚1.5mm以上)を塗布しネガティブフリクションの低減をはかるNFパイルの紹介である。扇島現場における900日の観察結果ではφ609.6×9.5mm, 長さ42mの鋼管杭の最大軸力は無処理の場合に240t/本, NFパイルでは35t/本となり効果が認められた。この敷地の900日間の沈下量は約30cm, 地盤沈下を生じている地層の厚さは約30mである。NFパイルの設計用周辺摩擦力は扇島の場合に0.6t/m^2であるが, 地盤沈下速度などによりこの値は異なるものとなる。砕石や転石の埋立て土層を持つ沖積層の敷地8か所での打込み・引抜き試験の結果では保護層にかすり傷が生じたもののアスファルト層は無事であった。また打込みによる保護層のずれは数mm以下で実用上支障ない。各杭の先端にはフリクションカッターがついているが, 打込み時の抵抗は無処理杭と同じであった。1年間の屋外暴露試験や強制吸水試験の結果, アスファルトの粘度に大きな変化は見られず耐久性についても実用上問題ないと考えられる。

1 0 0 0 OA 小学画手本

著者
本多錦吉郎 著
出版者
榎本徹之助
巻号頁・発行日
vol.第11編, 1886
著者
三喜田 熊蔵
出版者
信州大学文理学部
雑誌
信州大学文理学部紀要. 第1部, 人文・社会
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-18, 1960-01-25

Urgermans had no state in the modern sense of the word. Caesar siad in his "De Bello Gallico" VI, 23, "In peace there is no common magistrate, but principes of provinces and cantons administer justice and determine controversies among their own people. When a "civitas" either defends itself in a war urged against it, or urges a war against another, the magistraate is chosen to preside over that war with such authrity that they have power of life and death. In Germany coexisted monarchies and republics. This juxtaposition of monarchies and republics was based on the distinction made between their chiefs. If their chiefs were "reges", their states were called "monarchies", and if their chiefs were "principes", their states were called republics, and both of them were very democratic systems. Tacitus says in his "Germania " c. 7, "nec regibus infinita aut libera potestas". Even in monarchical states a general peace was not a royal peace but a folk-peace. Peoples of the German states consisted of three classes, honoratior personae (of nobiles), ingenuus and serviles personae. German nobiles were composed of superior "principes" or "reges" and inferjor "comites. "Ingenuus (liberi)" were the core of German infantry from earlier days to the days of Charles the Great. "Serviles personae " were divided in two classes, "laeti" (or "coloni") and slaves. "Laeti" were half-free, and "servi" were not free. German Law is the product of their justice and freedom, and this spirit expressed itself in their system of "Fehde right" and "Compositionen right". And this system was based upon their social moral that "Justice is Power". Tacitus says in his "Germania" c. 19, "plusque ibi boni mores valent, quam alibi bonae leges".
著者
横山 桂次
出版者
高岡法科大学
雑誌
高岡法学 (ISSN:09159339)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.397-409, 1999-03
著者
岩田 和男
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.55-73, 1992-07-20

本論文は、平成2年度の文部省科学研究費 (奨励研究A) の援助による研究、「英語文学作品に現われる日本のイメジの変遷」(課題番号02710212) の具体的成果の発表である。目的は西洋人が抱く日本の典型的イメージの一つであるムスメを分析することで、明治以降そのイメージがどのように形成されていったか、どんな特徴があるのかを調べることにある。研究の基本的態度はいわば西洋中心主義的日本理解批判である。Ruth Benedict, The Chrysanthemum and the Sword (1946) に代表されるように、日本人の精神構造は二つの相反するイメージ、しとやかな上品さと激しい攻撃性 (daintiness and violence) の不可解な融合として理解されている。しかし、そういう西洋のイメージ分類法に従った理解は一種の偏向であり、「ムスメ=すみれ」というステレオタイプには、明治以降の西洋人の目を通した日本ムスメのイメージが固着している。それはまた日本人に決定的な影響をもたらしている。既に日常感覚とは程遠いジャポネスクに驚くほど依拠して、日本人は自らを語るのである。だからこそそれは東洋的視点から見直される必要がある。まず「ムスメ」という言葉が英語文学に登場する歴史的文脈を検討する。要点は、(1) 文化交流史の観点に立つと明治維新とは新しいジャポニズムの始まりであった、(2) 英語文学における「日本」は反西洋文明、すなわち地上楽園 (Paradiso Terrestre) の記号的特徴を帯びる、以上二点である。必然的に英語文学上のムスメは少なからず虚構化される。それは、当時出版された書物のうち多くのタイトルにムスメの固有名が使われたほどその存在がポピュラーだったという事実に符合する。虚構化の一例を辿る。ムスメの図像的類型は当初写実的要素が強かった。彼女らは大抵背が低く、実年齢よりも若く見え、狐目をしていて、体型は日本的であった。しかし、驚くほど外国人に親切であけっぴろげなムスメという別の定型が示すように、写実的な要素と明治ジャパノロジストの彼らなりの価値が混在してムスメ観は成立している。だから小説に描かれるムスメの絵も英国人的姿をとるようになる。それは恐らくほとんどの読物が西洋男性によって書かれたという事実に深い関係がある。ムスメ虚構化の裏には当時の西洋男性が抱えていた現実があり、西洋女性がある。ムスメとは西洋男性の現実逃避の文学的手段なのである。男性側の現実を要約する。Dawn Lander, "Eve among the Indians" によると、アメリカ開拓文学には男性中心主義 (masculinism) が明らかである。開拓部落の男たちは白人のまともな女性を荒原に必要としない。そこでは性差上の他者、すなわち黒人、インディアン、白人娼婦がいればいいのである。このアメリカ西部の話は明治期日本にあてはまる。まずは地理上、"Far West" と呼ばれた西海岸よりさらに西にある日本は、アメリカ人から次の西部と呼ばれる可能性を潜在的に常に持つ。それに James Francis Abbott が指摘するように the Spanish-American War (1898) がアメリカの積極的外交政策をヨーロッパ諸国に示した端緒だとすれば、日本=新たな開拓地という見方は成り立つ。また英国では英国固有の特殊事情、婦人参政権運動が英国男性を日本へと向かわせた。西洋男性が演じるべき役柄は文学的類型で言えばオデュッセウス、日本ムスメはキュルケーである。Ayame-san ; a Japanese romance of the 23rd Year of the Meiji 例にとる。それは二人の地球放浪者 (globe-trotters)、オラファティー (O'Rafferty) とギフォード (Gifford) が日本を舞台に活躍する冒険恋愛物語である。この小説で印象的なのは次の三点である。(1) ギフォードという画家はアヤメに会ってから美の規範が西洋から日本に移行する。しかもアヤメを描いた絵は小部屋でひとり見るべき「聖なるもの」であり、その一種の洞窟での夢想は東洋のキュルケーとの秘かな楽しみを連想させる。(2) 女を逸脱しないムスメという構図は男にとって実に都合がいい。アヤメは自立を夢見ているというのにギフォードに旅行に出るよう勧められると、それが男のものであることにこだわる。三人で旅行に出ることを暗示して物語は終わるから最終的にこの図式は壊れるのだが、規を越えない女という構図に変化はない。(3) この小説は西洋の男性とムスメの間にありそうな愛の形を示している。物語には二人の合法的な結婚を将来に暗示する言葉はない。それは、日本を舞台にした英語文学のうち、東洋と西洋の文化摩擦を主題にするもう一つのタイプとは著しい対照をなしている。そこから見えてくるものは西洋男性のマッチョ願望であり、その文学的実現の装置としてムスメは不可欠であった。キュルケーの島で西洋女性がどういう役割をするのか、The Twin Soul of O'Take San (1914) を例に考察する。物語はガールストン (Garleston) 夫妻の離婚話から始まる。妻のセオドラ (Theodora) は夫オーエン (Owen) にコントロールされることを嫌う。自らを「制御されない女」と呼ぶ彼女は、かたくなであるがゆえにかえって男性優位の価値観に縛られた姿を浮き彫りにする。そこに私たちはヴィクトリア朝女性観の抗い難い浸透ぶりを見る。セオドラが馬鹿な女として描かれるのは社会イデオロギー上当然なのである。道徳とは男性の立場から構築されており、女性の立場に固執することは男性側の道徳・女性観に必然的に対立する。この男性中心主義こそがジャパノロジストをして、婦人参政権運動を背景にした女性の権利主張に対するアンチテーゼという役割を、日本のムスメに与えせしむるのである。オーエンは日本を訪れ、オタケさんというムスメを愛するようになる。オーエンが二人を精神的な意味での双子 (twin-souls) なのだと訴える場面があるが、それは彼とムスメとの不可分の関係、ムスメが彼のいわば理想的な影であることを示している。オーエンは来日前に、世界で忘れられたような場所 ("some out-of-the-wey place in the Far East") へ行きたいと言った。それは英国という彼の故郷とは正反対の場所である。その正反対さは、オタケの単純、無垢、聡明という性格がセオドラの複雑、不可解と正反対なことと奇妙に一致する。結局このようなジャポニズムは幻想なのである。ひとはあるべき場所に戻らなければならない。物語の構造上セオドラの改俊は必須である。果して彼女は来日し自分の心境の変化、わがままの後悔、全き犠牲への覚悟を語る。彼女は男性中心の道徳の軍門に下ったわけだ。利益を受けるのはオーエンただ一人である。セオドラは臨終の床のオタケと会うが、そのときオタケからオーエンとの間にできた子供 (もう一つの彼の影) のことを頼まれる。オタケとセオドラが物語構造上の二項対立であったことは明らかで、オタケはセオドラの逆像にすぎない。臨終の時のオタケの視線はセオドラには「深い水底 (profound abysses)」を思わせた。この視線は、結局ムスメのイメージとは西洋人にとっては全体的には不可解であることを象徴的に示す。確かに部分的特徴は理解できるが、そのイメージの核を成す部分 (一種の超自然性) がサムライのイメージと同様理解不能のまま残る。たおやかなイメージのムスメの中に相容れない要素が神秘的に混在しているのを発見するのはショックである。だからこそ彼らは繰り返しムスメの中のサムライ的要素に注目する。ムスメは英語文学の中で異質な影、他者という役割のみが与えられている。それはおそらく絶対他者、あるいはサムライのイメージに収斂されるものと定義し直すことができるだろう。
著者
スミルノフ V.I. ボロダエフ Iu.S. スタロスチン V.I.
出版者
資源地質学会
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.18, no.91, pp.284-291, 1968-09-18 (Released:2010-07-14)
参考文献数
5

日本の硫化鉄鉱鉱床*1の多くは,アルプス地向斜発展期初期段階のものである中新世のスピライトーケラトフフイア岩系の岩石帯に集中している.この種の鉱床の鉱体は,火山砕屑岩層に覆蔽された流紋岩質層の近辺に賦存し,累帯構造を示している.下位の熱水性変質作用を受けている流紋岩中には,交代成微脈―鉱染状硫化物鉱石(珪鉱)が発達している.その上位には塊状の硫化鉄鉱鉱石(黄鉱)が分布している.そしてさらに,海成の成層火山砕屑岩に整合的に覆蔽された高品位多金属鉱(黒鉱―чёрная руда,black ore)が,その上位に分布している.この鉱床は,火山源堆積作用の複合生成物と思われる.すなわち,鉱体下位のものは流紋岩に対する熱水溶液の作用によつて生成し,上位のものは中新世の海底にその熱水溶液が運んできた物質が沈殿して生成したものと思われる.1940年代になつて,A.ザヴァリツキーはウラルの硫化鉄鉱鉱床について新しい火山源生成説を提起したが,彼は,第三紀火山作用と結びつけた日本の「黒鉱」に関する日本の地質学者たちの考え方(木下亀城,1931)をその中にとり入れ支持していた.しかし硫化鉄鉱鉱床の生成条件に関する考え方が変つてきた現在,日本の硫化鉄鉱鉱床の地質に関するデータは,その火山源熱水―堆積性起源説(Theory of volcanogenic hydrothermal-sedimentary origin)の検討に基本的な支えとなり得るものである.そのために,日本のデータがソ連の地質学者の大きな関心を呼んでいるわけである.本論文を執筆するに当つて筆老らは次のように分担した.すなわち,1966年秋に日本の代表的な「黒鉱」鉱床を訪れて,研究試料を得てきたV.I.スミルノフは,地質の記載とその他のすべてのデータの全般的な総括(スミルノフ,1967)を行ない,Iu.S.ボロダエフは鉱石試料の顕微鏡的研究結果についてまとめ,V.I.スタロスチンはその試料の物理的性質の研究を行ない,そのデータを提供した.本論文の執筆は,東京大学の渡辺武男教授と立見辰雄教授,東北大学の竹内常彦教授,その他のきわめて熟達した著名な日本の鉱山地質学者との会合で,大いに刺激された結果である.また,同和鉱業株式会社社長新井友蔵博士とその補佐役の方々から,日本の硫化鉄鉱鉱床の巡検に積極的な協力と援助を受けた.これらすべての方々,および本論文を校閲して下さつたT.N.シャドルンとG.F.ヤユヴレフの両氏に厚く感謝申し上げる.著者はまた,日本の鉱石試料から得た硫化鉱物中の硫黄同位元素の分析を早く終了するために,V.I.ヴィノグラードフの高配を得た.当該鉱床の地質を説明する図葉は,日本の鉱山地質学者の資料から借用したが,遺憾ながら原図に明記してないため,その人々の名を示すことができなかつた.
著者
山内 隆司 山川 龍雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1721, pp.98-101, 2013-12-23

うちの会社を含め、ゼネコン各社は国内に仕事がないことを理由に、一斉に海外進出した時期がありました。それで大やけどをして帰ってきた。うちも2009年のドバイショックで大変痛い目に遭いました。ようやくその後遺症が癒えてきたところです。
著者
草場 律 鵜澤 寛之 川村 智明 川合 健治 有川 勇輝 重松 智志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EST, エレクトロニクスシミュレーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.143, pp.39-44, 2013-07-11

本稿では通信処理SoCの消費電力推定手法を提案する.提案手法は次の3つのステップから構成される.第1は消費電力に影響するビットレート,フレームレートおよび機能モードのようなパワーパラメータの抽出である.第2はいくつかの点でシミュレーションで求めた消費電力からパワーパラメータと1フレームあたりのエネルギーの関係の近似式(電力モデル)を作成することである.第3は近似式を用いて1フレームごとにエネルギーを加算することで消費電力を計算する.抽出した各パワーパラメータが消費電力にどの程度影響するかを実測で確認した.本手法とフル論理シミュレーションによる従来手法と比較を行い誤差±5%以内で計算速度は26,000倍になることを確認した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.541, pp.38-39, 2012-04-09

夜間の工事現場を照らす移動式投光機の製造で、国内トップのシェアを誇るのが東京都稲城市のライトボーイだ。路面標示工事の会社として1978年に設立したが、今では「ライトボーイシリーズ」と名付けた投光機の部門が全社売上高15億円の8割を占めるまでに成長した。 同社が投光機事業に乗り出したのは、創業から7年たった85年のことだ。
著者
松浦 弘幸 根本 哲也 野田 信雄 中野 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.131-136, 2005-10-20
被引用文献数
2

現代日本社会で見られる人口減少の真の理由を明らかにするには、種としての人間が生物学的にどのような未来をたどるかという設計医療工学の視座にたって人口減少社会を観察する必要がある.このことは,人口減少社会の別の側面を見せてくれるばかりか,"生物集団としての人間"を知るためにも極めて重要な視点といえる.本論では、データからモデルを組み立てる帰納的方法と,仮説を立て検証を行う演繹的方法を併用し,数理モデルを形成する.しかる後,現実の社会システムに応用してモデルの完成度高める,予測推計・分析および政策立案に応用する方法を提案する。
著者
東田 大志
出版者
Kyoto University
巻号頁・発行日
2016-03-23

新制・課程博士
著者
漆間 幸雄 飯田 弘之
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2005論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, no.15, pp.138-141, 2005-11-18

ポーカーはトランプを使った賭け事として行われるゲームの一つであり,世界中で,特にアメリカで人気がある.また,近年ではカジノだけではなく,インターネット上のゲームサイトなどでもポーカーが盛んに行われている.本稿では主要なルールのポーカーを対象として,プレイヤーの自由度とゲームの長さを定義し,各ルールのゲームのプログラムを作成して計算機上でシミュレーションを行い,自由度とゲームの長さを求める.これらの統計に基づいて,ゲーム洗練度の理論の視点で代表的な 2 つのルールのポーカーのゲームの性質を比較した結果,2 つのゲームの性質に関して違いが現れた.