著者
María CURA M Victoria FUENTES Laura CEBALLOS
出版者
日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
pp.2014-248, (Released:2015-02-24)
参考文献数
48
被引用文献数
13

This study evaluated the effects of several low-concentration bleaching products on microtensile bond strength (µTBS) to enamel at different elapsed times after the bleaching treatment. One hundred and fifty bovine incisors were divided into five groups: No treatment, 10% carbamide peroxide (Opalescence), 10% hydrogen peroxide (Opalescence Treswhite Supreme), 3% carbamide peroxide plus lactoperoxidase (WhiteKin), or 3% carbamide peroxide plus 2.7% carbamide peroxide (Clysiden Kit Express). All treatments lasted 4 weeks. After bleaching treatment or non-treatment, teeth were restored immediately, at 1, 3, 7, or 14 days after bleaching and submitted to µTBS test. Data were analyzed by ANOVA and Tukey’s test (p<0.05). For WhiteKin and Clysiden, µTBS to enamel was significantly reduced immediately, at 1, 3 and 7 days after bleaching. At 14 days after bleaching, similar µTBS values were obtained regardless of bleaching product. Therefore, while over-the-counter (OTC) products might affect bond strength to enamel, this effect was no longer observed after 14 days.
著者
森 一平
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF EDUCATIONAL SOCIOLOGY
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.153-172, 2014

本稿の目的は,授業会話における順番交替組織の一側面を明らかにすることである。小学校の授業会話においては,教師から児童たちへと発言の順番が移行するさい,主に一斉発話と挙手によってこれが成し遂げられる。しかし両者は,ともに同じく教師の質問によって児童たちに要求される。では,授業会話の参与者たちはいかにしてこの2種類の要求を区別し,またいかにしてそれに応えているのだろうか。本稿はこの問いを解くことを通して,上記の目的を果たそうとするものである。<BR> 分析の結果明らかになったのは次のことである。第1に教師は,基本的にはsK+質問と sK+/K-質問という2種類の質問を使い分けることによって,一斉発話と挙手の要求をそれぞれ区別していた。第2に児童たちは,事前の発言をきちんと聞いていたことを示しうるような適切なタイミングで挙手を開始していた。第3に,教師の要求に対して児童たちが誤った,あるいは分散した反応を示してしまった場合には,これを事後的に適切な反応へと方向づける付加的な技法が用いられていた。<BR> 一斉発話と挙手は授業会話において,その限られた発言の機会を児童たちへとなるべく公平に行き渡るよう分配するための,あるいは授業全体をより効果的なしかたで組織するための,有益な道具として用いることができる。本稿の知見は,この2つの道具を区別し使い分けるための,基礎的な技法を明らかにしたものである。
著者
原田 浩徳
出版者
広島大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

RUNXファミリー因子異常による新たな造血器腫瘍発症機序を明らかにするために、エピジェネティック異常に基づく遺伝子発現の違いに注目した。本年度は造血器腫瘍患者のCD34陽性細胞RNAを用いてRUNX1アイソタイプの定量およびRUNX3の定量を大規模に行い、その結果をもとに生物学的解析を行った。RUNX1アイソフォーム発現はエピジェネティック制御機構の異常により変化すると考えられるが、正常造血幹細胞においてはRUNX1bが優位であるにもかかわらず、一部のMDS症例において短躯型アイソタイプRUNX1a発現の亢進が見られた。RUNX1aを正常造血幹細胞に導入したところ増殖能の亢進を認めたことから、下流標的遺伝子を同定して機能解析を行った。その結果、最終的にHOXA9の発現を誘導し、MDS発症・進展の一因となっていることが明らかになった。一方、RUNX3の発現を造血器腫瘍においてさらに検討したところ、一部低発現症例が認められたものの、逆に高発現の症例を多く認めた。特に、MDSから白血病への進展に伴って発現が亢進することが明らかになり、MDSから白血病への進展に関与することが示唆された。RUNX3ノックアウトマウスの表現型が高齢マウスのMPN様細胞増殖であることを考えあわせると、がん抑制遺伝子と考えられていたRUNX3が過剰発現によって白血病進展に関与するという新たな制御機構が明らかとなった。そこで臍帯血よりCD34陽性細胞を分取し、レトロウイルスベクターを用いてRUNX3過剰発現を行い、vitroでの増殖能・分化能を検討した。また、RUNX3が過剰発現しているK562細胞を用いて、RUNX3ノックダウンを行い、影響を検討した。これまでの結果、RUNXファミリーの遺伝子異常に依らない制御異常によるMDS・白血病の発症機構が明らかになった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1277, pp.60-64, 2005-01-31

「(CSK創業者の)大川功さんが亡くなって、この業界で最後のオーナー経営者になりました。ほかの大手は、みんなサラリーマン社長ばかり。経営を知らないんですね」 東京・錦糸町の富士ソフトABC東京ビル。玄関ホールのハイエナの絵画をバックに、会長兼社長の野澤宏は、不敵な笑みを浮かべる。
著者
福田 節也
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
no.33, pp.41-60, 2003-11-30

未婚化傾向の進展とともに,若者が親と同居する期間が延長している。1990年代以降,未婚期の世帯構造が若者の自立や婚姻行動と深い繋がりをもつことが指摘されるようになり,青年層の居住形態が注目されるようになった。これに伴い,全国レベルの標本調査において離家に関する項目が設けられるようになり,若者がいつ,どのような理由で親元を離れ新たな世帯へと移行するのかについて知ることができるようになった。しかし,先行研究においてはデータや方法論上の制約により離家を規定する個人や世帯の属性についての考察が十分に行われてこなかった。そこで本稿では『全国家族調査(NFRT98)』の個票データを用いてイベントヒストリー分析を行い,若者の離家行動についての要因分析を行った。分析の対象は,1940年から70年に出生した男女4,378人である。モデルではライフコース変数,人口学的要因,親の社会経済的地位,そして出生コーホートを説明変数とし,対象者の最初の離家および進学,就職,そして結婚に分類した理由別離家の規定要因について検証した。分析の結果,先行研究において指摘されてきた晩婚化や若年者人口の都市部への集中といった要因に加え,出生順位や高等教育への進学が離家のタイミングを規定する重要な要因であることが明らかとなった。さらに,離家を規定する個人や世帯の属性が明らかとなり,1940年以降の出生コーホートにおける離家傾向を説明するいくつかの知見が得られた。
著者
クェイ スザンヌ Suzanne QUAY
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies
巻号頁・発行日
vol.45, pp.117-126, 2003-03-31

ドイツ語話者である父親と英語話者である母親との間に生まれたある幼児は,そのどちらの言語でもなく,生後11ヶ月から1歳10ヶ月まで預けられていた託児所で接した日本語をもっとも得意とするようになった.これは託児所でのコミュニケーションが,子供の言語発達に重要な役割をになっていることを示唆している.この幼児は生後1歳10ヶ月の時にドイツに移住し,結果として2つの国での託児所生活を経験することとなった.この論文は,この幼児の言語学習に影響を与えた託児所生活の特徴を,1歳10ヶ月(日本)と3歳頃(ドイツ)の両段階で検討したものである.先行研究にもある通り,託児所という環境では(特にこの幼児が年長組に入ったドイツの託児所では),会話のやり取りをする機会は比較的限られている.言語発達にとって,言葉のやり取りはその量よりも質が大切であることが言われてきているが,この「質」の基準を満たすような託児所の環境こそ,多言語の育成を促す効果的な方法なのである.
著者
米坂 スザンヌ
出版者
北海学園大学
雑誌
北海学園大学人文論集 (ISSN:09199608)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.63-102, 2000-07-31

This study investigates the unvoiced "theories" of language teaching that underlie the classroom actions of a pre-service Japanese teacher of English. The informant viewed a videotape of himself teaching a practicum lesson and simultaneously reported on thoughts he had had while teaching. Semantic analysis found that two-thirds of the thoughts concerned pedagogical thoughts and events specific to that lesson, and one-third concerned the informant's perceptions and beliefs. Subsequent analysis found that some classroom actions were congruent with stated beliefs, but others were not. The informant was strongly influenced by his own past experiences as a learner and attended to affective aspects of language teaching more than linguistic aspects. The informant was negatively affected by excessive constraints on lesson content and teaching method. The study suggests that an ongoing, retrospective analysis of small segments of classroom teaching may help pre-service teachers recognize their "theories" of teaching.
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.633, pp.36-39, 2007-06

型連休も終盤に入った2007年5月5日。大阪府吹田市の万博記念公園内にある遊園地「エキスポランド」のジェットコースター「風神雷神zK」で1人が死亡し,19人が重軽傷を負う大惨事が発生した(図1)。その直後から,筆者は新聞やテレビをはじめとするメディアから取材を受け,今回の事故に関してコメントを出してきた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1351, pp.40-42, 2006-07-24

2004年8月12日、SUV(多目的スポーツ車)である「ハイラックスサーフ」の舵取り装置「リレーロッド」として組みつけられていたこの棒が折損した。熊本県菊池市の県道を走行していたこのクルマは、ハンドルが制御不能となりセンターラインを越えて対向車に衝突。5人が重軽傷を負う事故を招いた。
著者
生貝直人
出版者
国立国会図書館
雑誌
情報通信をめぐる諸課題
巻号頁・発行日
vol.科学技術に関する調査プロジェクト 調査報告書, 2015-03