著者
西澤 達夫 井上 裕翔 大谷 真 橋本 昌巳 香山 瑞恵 伊東 一典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.266, pp.55-60, 2012-10-20

タッチパネルは,画面に触って直接操作が可能なため,GUIとの組み合わせで多くの機能を実現できる直感的な使い易いインタフェースとして普及が加速している.一方で視覚障害者にとっては,表面が平らで,どこを触ったら良いのかが分からないため,使い難いインタフェースとして敬遠されてきた.しかし,スマートフォンを始めとして,視覚障害者のタッチパネル搭載機器に対する利用要求が,今後益々高まるものと予測される.本研究では,指でタッチパネルを触った位置を,HRTFを用いた聴覚ディスプレイでフィードバックすることで,視覚障害者によるタッチパネルの操作性改善の可能性を検討したので報告する.
著者
Ai HORI Kiwamu HANAZONO Kenjirou MIYOSHI Tetsuya NAKADE
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.14-0359, (Released:2015-03-16)
被引用文献数
2 8

Porencephaly is the congenital cerebral defect and a rare malformation and described few MRI reports in veterinary medicine. MRI features of porencephaly are recognized the coexistence with the unilateral/bilateral hippocampal atrophy, caused by the seizure symptoms in human medicine. We studied 2 dogs and 1 cat with congenital porencephaly to characterize the clinical signs and MRI, and to discuss the associated MRI with hippocampal atrophy. The main clinical sign was the seizure symptoms, and all had hippocampal atrophy at the lesion side or the larger defect side. There is association between hippocampal atrophy or the cyst volume and the severe of clinical signs, and it is suggested that porencephaly coexists with hippocampal atrophy as well as humans in this study.
著者
下間 頼一 塩津 宣子 亀谷 勝 緒方 正則
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2007, no.5, pp.93-94, 2007-09-07

The thought of Circular Heaven and Square Earth is the Chinese traditional thought. The root of the thought is Jade disc (玉壁) and Jade cube (玉〓) at Liangzhu culture (良渚文化). Jade disc is a circular disc with a small hole at center of it. Jade cube is almost a rectangular solid body with a big hole within it. Authors performed field survey in Liangzhu culture area. The places are Liangzhu ruins (3300-2000BC) and ruins of Yin dynasty (1600-1046BC) in Anyang (安陽). In Yin Museum, authors researched oracle bone inscriptions.
著者
粟生田 友子 長谷川 真澄 太田 喜久子 南川 雅子 橋爪 淳子 山田 恵子
出版者
日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 : 日本老年看護学会誌 : journal of Japan Academy of Gerontological Nursing (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-31, 2007-11-01
被引用文献数
5

本研究の目的は,(1)せん妄発生因子を患者へのケア実践過程にしたがって構造化し,(2)その発生因子とせん妄発症との関連を明らかにすることである.せん妄発生因子は,【背景・準備因子】【身体・治療因子】【患者因子】【周辺因子】の4領域102項目と,薬剤104種類について,せん妄発症との関連を検証した.研究の場は一般病院1施設の,産科,小児科,脳神経外科病棟を除く7病棟であり,2005年1〜3月の3か月間に,基点となる週から2週間ごとに等間隔時系列データ収集法を用いて,6クールのデータ収集を行い,75歳以上の入院患者の全数を調査した.その結果,対象はのベ461名得られ,DRS-Nによってせん妄発症の有無を判定したところ,せん妄発生群96名(DRS-N平均得点16.16点),非せん妄発生群365名(2.44点)となった(発症率20.8%,t=37.687,p=.000).【背景・準備因子】では,「年齢」「入院ルート」「認知症または認知障害」「脳血管障害」「せん妄の既往」の5項目で両群に有意差が認められ,【身体因子・治療因子】で,身体因子の「せん妄を起こしやすい薬物の投与数」「高血圧の既往」「脳血管疾患の既往」「消化器疾患の既往」「感染症徴候(CRP,発熱)」「低血糖/高血糖」「肝機能障害(LDH)」の7項目,治療因子の「緊急手術」「緊急入院」の2項目に有意な差があった.【患者因子】では,日常生活変化の「陸眠障害(夜間不眠,昼夜逆転)」「排尿トラブル(尿失禁,おむつ使用)」「排便トラブル(下痢)」「脱水徴候」「低酸素血症(O_2 sat)」「ライン本数」「可動制限(生活自由度)」「視覚障害(眼鏡使用)」の8項目,【周辺因子】では,物理的環境の「部屋移動」,物理的環境への認識/反応の「日にちの確認(カレンダーで確認)」「時間の確認(時計で確認)」「点滴瓶やルートが気になる」の4項目に有意差を認めた.今回抽出できた因子は,せん妄の発症リスクの判断指標となりうるもの,あるいは看護介入によって発症を予防できる可能性をもつものであり,看護職が日々のケアの中で介入可能なものに対して介入方法とその効果を明確にしていくことが今後必要であると考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.42-48, 2002-04

「見えているようで、実は肝心の点があいまい」。従来の情報共有は、より多くのデータを集めることに力を注ぎすぎて、データそのものの信頼性に多少目をつぶってきた感がある。 サッポロビールは今、そうした体質の変革に取り組んでいる。シェア争いが加熱するビール業界で戦うためには、経営判断の基になる情報にあいまいさは許されない。
著者
川上 繁 五十嵐 幸雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.45-60, 1943

1. 梅と杏に關して, 主として低温障害の見地より花粉の發芽試驗を行つた。<br>2. 開花期の早い梅性梅の中には白加賀、甲州最小の如く暖地に比して, 低温地方にて發芽率の不良なる品種あり, 其の原因は低温, 降水等に基く事が尠らずと認めた。<br>3. 花粉の發芽適温は15°C付近にあり。0°Cにては全然發芽せず, 1.5~3にて發芽可能であつた。<br>4. 花蕾の發育程度に依る花粉の發芽率の差異は, 天候良好なる場合には開花日より2日過位まで良好にして, 4日過に至れば極めて不良となつた。<br>5. 蕋咲花, 雌蕋不完全花, 花柱變色花等の外見上に認められる障害の原因の一部は低温に基くものと認められるが, 露地に於ける此の如花蕾の花粉は發芽成績が必ずしも不良でなかつた。<br>6. 枝條, 花蕾, 及び花粉を人工的に低温處理して障害状態を觀察し, 花粉の發芽試驗を行つた。其の結果は成熟せる花粉は耐寒性強く, 開葯前の花粉は耐寒性が極めて弱き事を認めた。<br>7. 著しき低温を伴はざる場合にても降水後の露地の花蕾は花粉の發芽極めて不良であつた。<br>8. 人工にて低温處理せる成熟花粉は人工交配にて高い結實歩合を示した。
著者
江崎 康弘
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.75-90, 2013-09-30

1980年代には「日本は世界の工場である」との称賛を受け、日本の製造業は強い国際競争力を有していたが、その中でも電機業界は最も成功した事例であり、日本の経済力は質量ともに世界のトップクラスにいた。しかし、1990年代にバブル経済が弾けて以来、輝きを失い始めた。とりわけ今世紀に入ってからは、日本の電機業界の代表的な企業であるソニー、パナソニックやシャープの収益が激減し、事業再編を迫られ実施したが、業績が好転せず、さらに大きな赤字に陥った。このような状況下、電機業界で期待されている事業が海外への都市開発、鉄道、水資源や電力等の社会インフラ事業の輸出である。社会インフラ事業は多岐にわたるが、日本企業が蓄積してきた技術力が発揮できることが期待される。新興国を中心に大きな需要が見込まれる分野として、インフラ輸出産業および環境・エネルギー課題解決産業がある。これには、鉄道、水、電力が含まれるが、水は日本で有力な企業が100社以上あり、全体的な取りまとめが出来るのは東京都水道局などの公的機関であり民間企業には見当たらず、また世界では水メジャーなどの巨大企業がおり参入障壁が高い。一方、電力は、日本企業が国際競争力を有する原子力発電があり、政府、電力会社やプラントメーカーが共同で官民連携体制を構築したが、東日本大震災に伴う福島原発事故発生で事実上頓挫し、海外の電力オペレーターとの協業を検討する等新しいビジネススキームの構築を模索している。そして残されたのが鉄道である。鉄道事業では、グローバル市場には欧州のビッグ3などの強敵がいるが、米国企業の参入がなく、東アジア企業の参入が限定的であり、日本の「擦り合わせ」ものづくりの競争力が発揮できると考えられる。実際、昨年、日立が英国向けの大型商談を受注にこぎ着け、今後の成長性や可能性が現実味を帯びてきた。しかし、グローバル鉄道事業では、鉄道車両や電機設備に加え、土木・建築工事、保守に加え事業運営までを含めるハイリスクな大型案件が増え、ビジネスモデルの激変期を迎えている。これらを踏まえ、グローバル企業の取り組みを検証の上で、日本企業の中でパッケージ型インフラ輸出としてのグローバル鉄道事業に一日の長がある日立製作所の事業戦略を分析、検証することを通じて日本企業がグローバル鉄道市場で活路を見出すための課題や施策を論じていく。
著者
黒田 寿郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.283-304, 1975

論文
著者
大家 寛 森岡 昭 小林 香 飯島 雅英 小野 高幸 宮岡 宏 岡田 敏美 小原 隆博
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.19-49, 1990-01

科学衛星あけぼの(EXOS-D)衛星に塔載されたプラズマ波動及び波動励起観測実験(PWS)装置は, アンテナ伸展が行なわれた1989年3月以来, 順調に観測を開始した。自然プラズマ波動の観測では, 全軌道領域において20kHzから5MHzの周波数帯域のダイナミックスペクトラム観測を行っている。その主要な結果は以下のとおりである。i)高域混成共鳴放射(UHR放射)があけぼの衛星の全軌道域において観測され, この放射の空間分布からプラズマ圏の構造が明らかにされた。ii)オーロラ粒子加速域領域に関連してオーロラキロメータ放射(AKR)が観測されている。このAKRの偏波とポィンティングフラックスの計測も同時に行なわれている。これ等の観測データからAKRの放射メカニズム及びオーロラ粒子加速域の構造を研究することが可能となる。観測データは加速域においてAKR波動の成分として静電的プラズマ波動とZ-モード波動が共存していることを示している。iii)プラズマ圏の赤道域において, 高域混成共鳴(UHR)放射が強い強度をもって出現することが発見された。この放射の強度増大は2つの種類の擾乱を示唆している。即ち, 第1は, EPWAT (Equatorial Enhancement of the Plasma Wave Turbulence)と名付けられた現象に対応し, 高域混成共鳴放射の強度を増大させるミクロナなプラズマ不安定であり, 第2は, EPDET (Equatorial Plasma Density Turbulence)と名付けられた現象に対応し, プラズマ密度の乱れに起因する高域混成共鳴放射時の不規則変化である。EPWAT現象は高度1,000kmから9,000kmの磁気赤道域をdisc状にとりかこむものであり, 一方EPDETは高度1,000kmから9,000kmの領域の地理的赤道をもう1つ別のdiscを形成して存在する。iv) PWSのサウンダー実験も順調に成果を出しており, 基本的なプラズマ共鳴である周波数f_<UHR>における高域混成共鳴, 周波数nf_C (n=1,2,3,…)における電子サイクロトロン高調波共鳴, 及びプラズマ共鳴(f=f_P)が観測されている。拡散型プラズマ共鳴系列であるf_<Dn>もまた静電的プラズマ共鳴であるf_<Qn>と伴に観測されている。この現象が観測される高度は3,000km以上にも及んでいる。非常に長い継続時間をもつダクトエコーが, 6,000kmの高度においても観測された。これらすべての結果は, PWSデータが, オーロラ粒子加速域に加えて, プラズマ圏, 電離圏のすべての領域におけるプラズマ及びプラズマ波動の研究に極めて重要な貢献をするであろうことを約束している。
著者
磯部 由香 森岡 めぐみ 成田 美代
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.1-4, 2007

アントシアニン系色素のシアニジン-3-グルコシド(Cy-3-Glc)およびタンニンの二種類以上の色素を有する有色米である「赤混黒米(あかまじりくろまい)」から色素を抽出し、その安定性について検討を行った。赤混黒米から抽出した色素は、pHが低く、加熱時間が短く、加熱温度が低いほど安定であった。酸、糖、金属イオンの色調に対する影響を調べたところ、金属イオン添加時の色調の変化が最も大きかった。また、紫外線5時間照射に対しては変化が見られなかった。
著者
磯部 由香 森岡 めぐみ 寺原 典彦 小宮 孝志 成田 美代
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.247-250, 2006

Yuka Isobe Megumi Morioka Norihiko Terahara Takashi Komiya Miyo Narita The antioxidative activity of the crude pigment extracted from akamajiri-kuromai colored rice was measured by its suppressive activity toward the oxidation of linoleic acid, DPPH radical-scavenging activity, and OH radicalscavenging activity. The pigment extracted from akamajiri-kuromai exhibited higher antioxidative activity than the pigment extracted from red rice and black rice. The pigment of akamajiri-kuromai contained two components: the one fractionated from butanol was identified as Cy 3-Glc by HPLC and <sup>1</sup>H-NMR analyses, and the one fractionated from ethyl acetate seemed to be tannin.
著者
山崎 崇 大見 俊一郎 盛田 伸也 大理 洋征龍 室田 淳一 櫻庭 政夫 尾身 博雄 酒井 徹志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.152, pp.13-16, 2004-06-23

極薄SOI層と素子間分離領域の形成を一体化する新技術として開発を進めているSBSI (Separation by Bonding Si Islands)プロセスで形成されるSOI層について、その層厚の均一性向上を検討した。主要プロセスであるSiGe層の選択エッチング技術に関して、CVD法で形成したSiGe/i-Si(non-doped-Si)積層試料を用い、SiGeとSiのエッチング選択比およびエッチング後の表面ラフネスを調べた結果、エッチングに使用する弗酸と硝酸の混合液における硝酸比を低下することでエッチングの選択比、表面ラフネスを共に向上できることが分かった。更に、改良された混合比のエッチング条件でSBSIプロセスを検証し、形成されるSOI層の層厚均一性が向上することを示した。