- 著者
-
深瀬 徹
- 出版者
- 動物臨床医学会
- 雑誌
- 動物臨床医学
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.4, pp.125-129, 2006
蚊の吸血の防止法を確立するための基礎的検討として,ヘアレスラット(HWY/Slc,雄,4週齢)24個体を1群6個体の4群に分け,無処置対照群,ペルメトリン100mg/kgプアオン投与群,フィプロニル7mg/kgスポットオン投与群,イミダクロプリド10mg/kgスポットオン投与群とし,それぞれの投薬を行った。その後,各ラットを1個体ずつケージに収容し,そのケージを主にアカイエカが大量に発生している環境に設置して30分間にわたり蚊の飛来と吸血の状況を観察した結果,無処置対照群とフィプロニル投与群,イミダクロプリド投与群のラットは多数の蚊による吸血を受けたが,ペルメトリン投与群のラットから吸血を行った蚊の数は有意(p<0.05)に少ないことが確認された。次いで,ラットにおいて効果が認められたペルメトリンを同一用量でプアオン投与した犬と猫を同一環境に係留したところ,蚊の吸血を防止することが可能であった。