著者
日下 俊次 大島 佑介 不二門 尚 西信 良嗣
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

未熟児網膜症モデルマウスとコントロールマウスの遺伝子発現をリアルタイムPCR法によって包括的に検討した結果、炎症性サイトカインの発現上昇は網膜新生血管の発現前から消退後に至るまで上昇しており、一方、新生血管に関連する血管内皮細胞増殖因子、アンギオポイエチン-2に代表されるサイトカインは新生血管の発現の直前に上昇し、新生血管の消退とともに発現が低下していることが判明した。
著者
坂出 健
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

航空機産業のような防衛産業基盤は国家安全保障に不可欠である。防衛産業基盤は、第一に国家の自立を確保するために重要であり、第二に、他国(例えばアメリカ)から供給を受けるにしても、機器の整備、購入時の交渉力を確保するために必要である。その意味で、軍事産業基盤は公共財という性格を有しているが、その国際的配分の規範もまた確定される必要がある。本研究を通じて、国際公共財としての軍事産業基盤の特質を理論的・実証的に検討する。
著者
大隈 節子 清水 一巳 OKUMA Setsuko SHIMIZU Kazumi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.131-140, 2014-03-31

本研究は運動部活動と高校生のアイデンティティとの関連性について検討するために、エリクソンによって定式化された自我の発達段階図式に則り、心理社会的発達課題の達成状況を測定評価するために開発された質問用紙EPSI(全8段階56項目)の中から選択した8項目について男女別に運動部所属者、文化部所属者、無所属者で比較検討を行った。男子においては8段階中の6段階について、女子においては7段階の発達課題において運動部所属者の方が有意に達成傾向にある者の割合が多いという結果であった。

1 0 0 0 OA 脳と芸術

著者
塚田 稔
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.64-76, 2009-06-05 (Released:2009-08-14)
参考文献数
7
著者
赤澤 真理
出版者
同志社女子大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は、平安時代の皇后・内親王が参加した行事に着目し、調度や装束による舗設を含めた催しの空間を明らかにする。特に、歌合及び御遊(楽奏)に着目し、『うつほ物語』『源氏物語』『栄花物語』等の王朝文学と古記録の記述を抽出した。皇后・内親王・女房は、寝殿の母屋及び廂に着座し、御簾・屏風・几帳・女房装束の打出により行事の空間を演出した。南廂及び渡殿に公卿が、簀子に殿上人が着座する。打出は、当初は、行事時に高貴な女性に仕える女房の座所周辺を装飾したものが、11世紀後半から12世紀には、公卿の儀礼空間や使者を迎える妻戸等に設置される。すなわち、打出の舗設としての機能や故実が院政期に確立した。
著者
山田 三郎 大石 敦志 板垣 啓四郎 POAPONGSAKOR ニポン 下渡 敏治 比嘉 輝幸 NIPON Poapon 上原 秀樹
出版者
日本大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は、近年ダイナミックな経済成長を続けるアジア諸国における「食料システム」の変化を、現地調査に基づいて実証的に比較検討するとともに、アジア全体としての食料需給に関する国際リンケージの進展を明らかにすることにある。「食料システム」とは、人々の食生活を巡る経済諸活動、即ち、(1)多様化し拡大する食料の供給を担う「川上」の農業・水産業、(2)食材をより需要に適する食品に加工しより円滑な流通を図る「川中」の食品加工産業・食品流通業、そして(3)所得向上によって多様化・高度化する「川下」の消費者の食品需要と彼らが望むサービスを提供する外食産業・食品小売業、更に、(4)それらの国内諸活動のそれぞれの段階でますます関わりを高めている海外直接投資・貿易をも包括した全体としての相互関係の全体系を意味する。本年度は、前年度の調査対象国の内のタイ・中国・台湾に、新たにインドネシア・ベトナム・韓国を加え、それぞれの国に於いて食料システムを構成する食料消費動向、食品加工業、食品流通業、外食産業、農業などに関する現地調査を実施した。その結果、2年間にわたる海外現地実態調査によって、アジア諸国の食料システムの実態を全体として把握することが出来た。本研究によってえられた成果の概要は以下の通りである。1.現地調査の結果明らかにされた対象地域での経済発展の進展と食料システムの変化のスピードは、われわれの予想をはるかに上回るもので、外資系ファースト・フードや大型スーパーマーケットの普及の中で、加工食品・外食の消費支出が増大するなど、何れの国の食生活も大きな変化が生じていた。2.しかし、こうした食料消費の変化には各国とも地域的なラグがあり、食料消費の変化は、特に、首都圏や経済活性化中心部(上海・ホ-チミン市等)で著しい。農村部では基本的には自給自足的な食生活ながら、それなりに新飲料の普及など結構加工食品の需要も増え、また、外食化の進行も認められた。3.他方、大都市でも在来的なバザ-ルは依然賑わっており、所得階層間格差を伴いながら、庶民の食生活は旧来のもと新食品の二重構造消費となっている。4.食料需要の増大は、特定の食品についてはアジア諸国での海外からの食料輸入をも増加させており、食料の調達がアジアでもグローバル化している。5.こうした食料需要変化に対して、農業生産、食品加工、食品流通・食料サービス産業などもそれに対応して多元化・多様化するなど大きなインパクトを受けており、特に、都市での加工食品や外食の普及は、食品産業に大きなビジネス・チャンスを与えるなど、食料システムにドラスチックな変化を与えた。6.急速な経済発展の誘引により、アジア諸国に進出する日本その他の国からのアグリビジネスが増加し、それがまた、現地でのさまざまな生産活動への関与を通じて、アジア諸国の食料システムの変革を促しいる面も明かとなった。7.こうしたアジア国内食料需要の変化の外に、日本など海外市場からの加工食品や生鮮野菜輸入需要が強まり、海外向けの食品加工が海外直接投資によって進められている。日本向け食品の場合、手巻海苔あられ・冷凍たこ焼きなど労働集約的な食品の加工生産輸出が各国で著しかった。8.しかし、急激な経済成長と国内外の需要拡大にともない、各国で、少なくとも地域的・時期的に人手不足と良質の原材料不足が深刻化し、雇用のサブコントラクトや食材輸入を促進させている。9.このような食料システムを構成する経済諸活動の変化によって、従来の一国での自己完結的な食料システムから、複数国とのリンケージを強めた国際的食料システムへと大きく変化しつつある。なお、2年間にわたる研究の成果は、「アジアの経済発展と食料システムのダイナムズム」(仮題)として刊行を予定しており、1997年2月にタイの研究分担者ニポン博士も参加して東京開催したワークショップでは、研究分担者達の個別報告をベースにして刊行の内容についても論議され、直ちに全分担者による中間報告論文の推敲と新論文の執筆準備がスタートした。
著者
渡辺 宏
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.415-420, 1994-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
37

融体中の高分子鎖の動的挙動には絡み合い効果が発現する.ここでは,絡み合い鎖の運動に対する直接的情報を含む拡散係数を中心にとりあげ,Doi-Edwardsのreptation理論を巡る最近の研究で明らかになった点および残された問題点を概説する.
著者
栄永 義之 藤田 博
出版者
一般社団法人 日本レオロジー学会
雑誌
日本レオロジー学会誌 (ISSN:03871533)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.136-141, 1984-09-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
35
被引用文献数
4

Literature data on the self-diffusion coefficient Ds of linear polymers in bulk and solution have been reexamined. The major conclusions are as follows:(a) The currently accepted relation for Ds as a function of polymer molecular weight M and concentration cp, i. e., Ds∝M-2,p-1.75 (i) is not exactly followed by the data, though it is usually taken as evidence for the reptation motion of a polymer chain assumed in the tube theory and also for the scaling theory.(b) The experimental data examined suggest that Ds tends to obey the relation Ds∝M-2.5 (ii) for M>Mc, the critical molecular weight for the onset of entanglement, and Ds∝M-1 (iii) for M<Mc, with a smooth transition between the two regions. Equation (ii) is consistent with the relation expected from viscoelastic data on polymer concentrates.
著者
安保 英勇
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

沖縄県本部町の住人を対象にインタビューを行った。対象は25歳から60歳までの男女10名で、複数回にわたりインタビューを行った。また、対象者の内の一人が加入する模合「Kの会(仮称)」にも参加し、参与観察を重ねた。対象者の全てが模合に加入しており、平均では2つ程度、多い者では現在6つの模合に参加している。模合の動機として最も強いものは親睦を強めることにある。「親睦」といっても様々である。「那覇からこっちに来た人が、こっちでも友達欲しいという訳よ。その子の友達がこっちにいるんだけど、『じゃぁ模合しようか』って始めたわけさ」(25歳女性)というように新たに交友関係を構築しようと企画される場合がある。また「僕は、親戚があちこちに散らばってるわけさ。だから、何かないとみんなと顔合わせ無いわけ。それじゃ寂しいってんで『模合しよか』ってなったんです。」(50歳男性)など、親戚関係を保持する事を意図して企画される場合がある。このほか親睦模合のもっと典型的なものは、中高の同級生・職場の同僚・自営業者の同業者同士が母体となるものである事が確認された。また、親睦模合でも親睦以外の機能も有する場合がある。「Kの会」は、退職教員や役場職員、自営業者などを主なメンバーとしているが、町の将来像を模索することを目的の一つとしており、住民参加による芝居の公演を企画した。この芝居は民話を題材に方言で行われ、一つの地域興しと考えることができよう。一方「Kの会」のメンバーの一人は、「僕は客商売だからね、こういうところに来て、顔を広げておくわけさ」と「仕事上のつきあいの場」と見なす面もある。歴史的には、1970年頃までは地域ごとに比較的大きな金額の模合を行い、家の改修や新築費用に当てていた。近年そのような本来的な金融機能は著しく衰退し、上記のような多様な「親睦」の機能を有するように変容している事を確認した。
著者
覚知 豊次 横田 和明
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1106-1114, 1990-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
33
被引用文献数
5 4

Cyclopolymerization, which does not need a cyclic derivative as monomer, is a direct method for producing rings and polymer chain at the same time. Monomers forming 5-7 membered-rings have been generally studied. We established the synthesis of polymers with macrocyclic units via cyclopolymerization of bifunctional monomers containing oxyethylene units. Poly (crown ether) s and poly (cryptande) s are synthesized through the polymerizations of divinyl ethers and diepoxides, poly (thia-crown ether) s through diepisulfides, and poly (crown lactone) s through the monomers having acrylic and allylic groups. These polymers except for poly (crown lactone) s consist essentially of cyclic constitutional repeating units, and have the cation-binding properties. Cyclopolymerization of divinyl ethers is a facile method for producing optically active poly (crown ether) s which exhibit chiral recognition towards α-amino acids. For the cyclopolymerization of divinyl ether derived from chiral 3, 3'-disubstituted- 1, 1'-bi-2-naphthol, the asymmetric induction in the polymer main chain was concluded by the analysis of 1H NMR spectra of polymers.
著者
怪奇山人 編
出版者
大川屋書店
巻号頁・発行日
1916
著者
遠藤 敏夫 手塚 七五郎 佐藤 吉永
出版者
日本交通医学会
雑誌
交通医学 (ISSN:00225274)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.p195-204, 1982-05
被引用文献数
6 7