著者
呉屋 淳子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

近年では高等教育機関で伝統芸能を修練しながら、芸能活動を展開している様子がみられる。そのような彼らの実践には、伝統芸能に対する捉え方や価値観の変化がみられ、新しい伝統芸能を創出した。しかしながら、芸能を実践するにあたって「伝統」と「創作」のはざまで揺れ動いている様子も見られた。同時に、伝統文化の継承を担う彼ら自身は芸能の中で「沖縄らしさ(Okinawaness)」をいかに表現するかという問いに向き合っていた。
著者
渡邉 孝信
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

急速に進む立体構造デバイスの研究開発を基礎から支えるため、ナノスケールの半導体結晶、およびそれを覆う酸化絶縁膜の原子論的界面構造モデルを、ハイスループットで自動生成する技術を開発し、現実的な立体構造モデルを用いた様々な輸送シミュレーションを可能にした。開発した手法を熱伝導シミュレーションに応用し、ナノスケールのシリコン結晶が示す特異な熱的特性の起源の解明に成功した。
著者
稲葉 穣
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

古代アフガニスタン由来の貨幣資料について、欧米所蔵の資料調査および最新の研究状況の把握につとめ、イスラム化前夜から初期イスラム時代の同地域の歴史を、貨幣と文献資料に基づいて再構成することに一定程度成功した。その成果は、邦文で執筆された二本の論文に示した。また国外の学会に積極的に参加し、多くの研究報告を行った。また、2013年にはアフガニスタン、オーストリア、イタリアから8名の研究者を招聘し、国際共同研究イベント Kyoto Afghan Week 2013を開催し、公開講演会、共同ワークショップ、博物館実習などを通じて国際共同研究の新しい道を開いた。

1 0 0 0 OA かたちの詩学

著者
森川 晃輔 國枝 孝弘
出版者
慶應義塾大学湘南藤沢学会
雑誌
研究会優秀論文
巻号頁・発行日
(Released:2013-03-00)

國枝孝弘研究会2012年度秋学期 はじめに 第一節 本研究の意義 第二節 本研究の概要第一章 言語メッセージを芸術作品たらしめるものは何か 第一節 詩的機能 第二節 詩的機能の応用 第三節 ボードレール「猫たち」の分析 第四節 ヤコブソンの詩学の問題点第二章 詩における主体性 第一節 言語における主体性 第二節 詩における主体性 第三節 言葉と沈黙第三章詩のかたち 第一節 詩的言語と意味の弾性 第二節 イメージと記号 第三節 詩のかたち 第四節 他者への呼びかけとしてのかたち結論おわりに謝辞参考文献一覧
著者
福住 俊一 小島 隆彦
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

広いπ共役系を持つカップ積層型ナノカーボン、フラーレン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体の電子移動特性や化学反応特性を明らかにした。さらにそれらを複合化させることにより、高次π空間構造を構築し、有機太陽電池へと応用し、光電流発生におけるIPCE 値が77%の高い値を示す系を構築した。さらには、長寿命電荷分離系を構築し、光スイッチングデバイスの作成にも成功した。

1 0 0 0 OA 『吉野葛』論

著者
野村 圭介
出版者
早稲田商学同攻会
雑誌
早稲田商学=The Waseda commercial review (ISSN:03873404)
巻号頁・発行日
vol.298号, pp.105-138, 1982-10
著者
相馬 雅代
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

卵生の動物のメスにとって産卵量の調節は,限られた繁殖資源を配分投資し,自身とさらに子の適応度を最適化するという面で,重要な繁殖パラメータである.一般的に,卵1個に対する栄養投資量が多いほど子の生存率は高まる一方,メスには総投資量として大きな負担を強いることになる.また,一度の繁殖で産む卵は多いほうが,効率的に子の数を増やすことができ,適応度に寄与する可能性もあるが,他方で,育児・育雛のコストが大きくなり兄弟間競争が激化するぶん,メス自身や子の各個体にとって必ずしも利益となるとは限らない.そのため,産卵量の調節は,繁殖コンディションの影響を鋭敏に反映するのではないかと予測されている。このような産卵量の調節に関わるのが,繁殖コンディションやつがい相手オスの質である.ジュウシマツのような鳴禽類は,性淘汰形質として発声行動(歌)を求愛ディスプレイに用いる.そこでメスは,どのような歌をうたうオスとつがうと産卵投資を増加させるのか検討を行った.その結果,それぞれのメスがつがった相手の歌の音響特性が,初期発達期にさらされた歌とどれだけ似ているかどうかという指標が,卵重・一腹卵数・性比の増減に関連していた.メスの配偶投資に反映される選好性には,父親よりも,発達初期に社会交渉のあった非父親オスの歌の方が影響を与えていることが示唆された.このことは,初期聴覚記憶にもとづく性的刷り込み学習が繁殖投資に影響している一方で,近親交配を促進するような,すなわち父親の歌を選好するような傾向は無いことを示唆している.この結果については,学会において発表を行い,論文を準備中である.
著者
田村 景子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012

制度:新 ; 報告番号:甲3662号 ; 学位の種類:博士(学術) ; 授与年月日:2012/6/26 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6028
著者
釜池 聡太
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2014 (Released:2014-08-06)

本発表では、プラットフォームをキー概念として、1995年のMicrosoft Internet ExplorerとNetscape Navigatorとの激しいシェア争いに端を発するWebブラウザ戦争の事例分析を行う。分析対象は、左記の第一次ブラウザ戦争から、Firefox、Safariなどを含む第二次ブラウザ戦争を経て、昨今のスマートフォンによるWebアクセスの成熟期を含む。第一次ブラウザ戦争においては、パラレルプラットフォーム(根来・釜池・清水, 2011)の観点から、Webサーバの存在が重要であったが、第二次戦争以降はデバイスの多様性がキーとなっている。
著者
藤本 雅清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.754-758, 2012-08-01

音声区間検出(VAD:Voice Activity Detection)は,音声信号と音声以外の信号(非音声信号)が含まれる観測信号から音声信号が存在する時間区間を検出する技術である.VADは,様々な音声情報処理技術の入り口に位置することから,それらの性能を大きく左右する極めて重要な技術である.本稿では,VADの基本構成と評価方法,応用先について説明し,音声情報処理技術におけるVADの位置付けを明確にする.また,様々なVAD手法を紹介しつつ,過去10年間の世界的な研究動向を振り返り,今後の研究のあり方について述べる.
著者
中藤 誠二
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.169-170, 2013

パンチングメタルを対象に,風洞実験において風速を変化させて発生する空力音を測定し,音圧レベルや周波数特性を調べた.まず,対象とする空力音を発生させるために,模型支持装置の工夫を行ったのち,迎角80度の場合について,風速12.5m/sまでの範囲で空力音の測定を行った.対象とした3ケースでは,孔配列によるピークの基本周波数の違いは小さく,風速に比例した1kHz前後の比較的高い周波数のピークが見られ,発生周波数は孔径に依存しているものと考えられる.
著者
竹中 繁織
出版者
九州工業大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

ヒトテロメアDNA配列を有するオリゴヌクレオチドの両置換基末端にピレンを導入したPSO4を用いて、K^+添加に伴うゲル電気泳動、吸収、円二色性、蛍光、蛍光偏光スペクトル変化等の解析によってヒトテロメアDNAの4本鎖構造(最近になってbasket、chahr、propeller、hybrid I、hybrid II型の五つ)のうちchair型の時だけ効果的なFRETが見られると予測された。そこで前年度はG-リッチオリゴヌクレオチドにトロンビン結合アプタマー(TBA)配列を導入することによってより高いFRET効率を示すPSO2の合成に成功した。しかし、細胞内へ導入すると導入された細胞の73%が細胞死を起こすことが明らかとなった。これは、TBA配列が核内に存在するヌクレオリンタンパクが結合したためと考えられた。そこで当該年度では二つのFRET色素に加えビオチンを導入したPSO5を合成した。これをストレプトアビジンと結合させ同様に細胞へ導入することによって細胞毒性を軽減することに成功した。PSO5をアビジンに結合させることによってヌクレオリンの相互作用が阻害されたものと考えられたが、このような条件によってもPSO5の核への移行が観察されたが、一部は細胞質に留まっていることがわかった。そこで細胞内のK^+濃度を減少させることが知られているAmphotericin Bの添加に伴う蛍光変化を調べた。その結果核内のK^+濃度の上昇がみちれた。これは、核内のK^+をモニターできた最初の例と見られる。しかしながら、PSO5の合成収率は低く、また、精製も困難であった。そこで、ペプチド-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを利用してPSO6の設計を行い、その合成に成功した。予備的検討では、PSO5よりも感度良くK^+濃度の蛍光イメージングが可能なことが明らかとなった。