著者
星川 佳広 村松 正隆 飯田 朝美 井伊 希美 中嶋 由晴
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.153-165, 2011 (Released:2013-04-12)
参考文献数
34

本研究は男女のジュニア短距離選手において,股関節筋群の筋力と筋横断面積を調べることを目的とした.被検者は男女計45名の高校生短距離選手であった.また同年齢の長距離選手(11名)と非トレーニング群(18名)が比較のために参加した.股関節伸展・屈曲筋力(角速度3.14 , 5.23rad/s)は等速性ダイナモメータで計測し,大腰筋と大殿筋の横断面積をMRI法で求めた.短距離選手の股関節筋力は,非トレーニング群,長距離選手と比較して伸展側でより強かった.筋横断面積(体格補正値)は,女子では短距離と長距離選手で差異がなかったのに対して,男子では大腰筋,大殿筋ともに短距離選手が長距離選手よりも大きな値を示した.股関節筋力は屈曲,伸展ともに競技レベルと無関係であったが,競技レベルの高い短距離選手は,女子では大腰筋の,男子では大殿筋の横断面積が大きかった.これらの結果は,男女ともに短距離選手はジュニアにあっても股関節伸展力の高さを特徴とすること,股関節筋群の形態発育では男女で傾向が異なることが示唆された.
著者
西川 完途
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中国大陸のサンショウウオ科およびイモリ科の種多様性の評価と系統進化を探るため、中華人民共和国の四川省、浙江省、河南省、福建省、広西チワン族自治区において野外調査を行い、得られた標本や組織サンプルから形態と分子に基づく系統分類学的な解析を行った。その結果、中国における両科の分類には多くの問題があり、複数の同物異名と新種が発見された。また、多くの生物地理学的な知見が新たに得られた。
著者
吉田 雅穂 宮島 昌克 久保 光 沼田 淳紀
出版者
福井工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,木材の腐朽の心配のない地下水位以深の軟弱地盤を対象として,間伐材を用いた地盤補強技術の開発を行った.軟弱粘性土地盤に施工する道路盛土の補強技術に関しては,現場施工実験と室内模型実験により,丸太打設後に地盤支持力が増加することを明らかにした.また,戸建住宅の直下に丸太を打設する液状化対策技術に関しては,模型振動実験により,住宅の沈下抑制効果を明らかにした.さらに,既設構造物の周囲に丸太を打設する対策方法の有効性も示した.
著者
田阪 仁
出版者
佛教大学
雑誌
鷹陵史学 (ISSN:0386331X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.21-54, 2013-09-28
著者
田阪 仁
出版者
鷹陵史学会
雑誌
鷹陵史学 (ISSN:0386331X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.21-54, 2013-09
著者
安村 禎明 坂野 大作 上原 邦昭
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.297-313, 2007-04-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
11

本論文では, Web上の評判情報を有益に活用するために, レビューなどの評価文書をポジティブ (おすすめ) とネガティブ (おすすめしない) という極性値に分類する手法を提案する. 本手法では, 全体評判情報と部分評判情報という2つのレベルで評判情報を捉える. 全体評判情報とは評価文書の対象全般に関わる評価表現のことを指し, 部分評判情報とは対象の一属性に関する評価表現のことを指す. 全体評判情報の極性値は評価文書の極性値と一致すると考えられるため, まず全体評判情報を用いて評価文書を分類し, 全体評判情報がない場合は部分評判情報を用いて分類する. これら2つのレベルの評判情報を考慮することで分類精度の向上が期待できる. さらに, これら2つのレベルの評判情報を用いることで, 評判情報の信頼性評価の一手法を提案する. ここでは, 評価文書の極性値とその中の部分評判情報の極性値が異なる場合にその部分評判情報は信頼性が高いと評価する. 映画のレビューを用いた評価実験の結果, ナイーブベイズを用いた分類手法よりも本手法の方が良い結果が得られた. また, 提案した評価指標が評価文書の信頼性評価の1つとなりうることを示唆した.
著者
Yoko TAKEUCHI Norio TOMII Chikara HIRAI
出版者
公益財団法人 鉄道総合技術研究所
雑誌
Quarterly Report of RTRI (ISSN:00339008)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.197-201, 2007 (Released:2007-12-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3 18 9

The aim of this study is to examine the qualitative and quantitative characteristics that robust train schedules should have. The method we propose to evaluate the robustness of train schedules has two main characteristics; one is a focus on passenger disutility, and the other involves the development of a probabilistic model for the statistical evaluation of train operations. To calculate the robustness indices, we applied a Monte Carlo simulation method that performs iterative train-passenger simulations. We then carried out simulation experiments using actual data to calculate the robustness indices for two train schedules, and compared the results.
著者
久保 ゆかり
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、幼児期3年間において〈けんか〉への対処についての認識がどのように変化していくのかについて、4歳時点からインタビューを実施し、1年後、2年後を追い、発達的変化を検討した。その結果、〈けんか〉への対処についての認識の発達の経路としては、2つあることが示唆された。一つ目は、自己抑制的で定型的な対処から、自他の要求を踏まえた交渉へと変化する経路であり、二つ目は、4歳から6歳まで、自己抑制的で定型的な対処について捉え続けるという経路であった。さらに、その2つ以外の経路の存在を示唆する事例が見出された。そこから、〈けんか〉への対処についての認識の成長の仕方には、多様な経路のあることが示唆される。

1 0 0 0 OA 森林保護学

著者
新島善直 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1900
著者
佐々木 恵
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,精神健康に関して専門的援助を受ける際の促進要因・阻害要因を特定し,その関連要因を明らかとすることを目的とした。一般大学生ならびに精神健康の専門家を対象とした調査から,促進要因・阻害要因それぞれについて17項目を抽出した。また,これらと基本属性,精神症状,ストレス・コーピング特性との関連を検討したところ,精神症状が強い学生は弱い学生と比較して,専門的援助への抵抗が強くなること,個人のストレス・コーピング特性がその抵抗感に影響を及ぼすことなどが示された。今後はこれらの知見をもとに,精神障害の予防・早期介入のための情報発信・啓発を行っていくことが必要と考えられる。
著者
五味 洋一 大久 保賢一 野呂 文行
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.97-115, 2009-01-31

通常学級におけるアスペルガー障害児童の学習参加を標的として、機能的アセスメントに基づく自己管理手続きの効果を検討した。研究1では、インタビューおよび行動観察を通じて離席等の問題行動の機能を推定し、その結果に基づいて支援計画を立案した。支援計画はおもに1)個別課題の提示、2)代替行動の教示、3)課題従事に対する自己管理手続きの導入によって構成された。自己管理手続きを導入し、適切な行動および代替行動を自己記録の対象としたことにより、対象児の離席は顕著に減少したが、課題従事に改善はみられなかった。そこで、研究2では自己記録の対象を個別課題の正答数へと変更し、その効果を検討した。行動的産物である正答数を自己記録の対象とすることにより、正答数だけでなく、正答にいたるために必要な課題従事も増加した。これらの結果から、通常学級における効果的な自己管理手続きの適用方法が検討された。
著者
水 珠子 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.227-233, 2008-08-20
被引用文献数
3

一連の食用O/W型エマルションの熱伝導に,その油滴径と油滴径分布が影響することが認められた。実験には,油相体積分率を同じ0.8にして,分散する粒子径を変えた5種類のエマルション試料を調製した。その結果,エマルション試料の加熱中の内部温度の上昇速度は平均分散油滴径が減少するにつれて低下することが示された。それに応じて,熱伝導率や熱拡散率や,加熱時の遅延時間等のような熱的特性は,同じ分散相伴積分率のO/Wエマルションにおいてその分散油滴径と油滴径分布に大きく影響していた。上記に加えて,試料エマルションの流動曲線におけるみかけの粘度やキャッソンの降伏値は分散油滴径が小さくなるにつれて増大した。