著者
福島 智 坊農 真弓
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.550-554, 2015-05-15

東京大学教授福島智氏は9歳で失明し,18歳で失聴,全盲ろうとなった.その後ご尊母が両手6本の指を用いる新しいコミュニケーション手段「指点字」を考案し,福島氏のコミュニケーションは復活と再生を果たす(福島智『盲ろう者として生きて』,2011年刊行より).本記事では当事者の視点から情報学に対する要望が語られ,盲ろう者がみる世界が彼自身の視点から描かれる.本記事は指点字通訳者を介して,坊農が福島氏にインタビューするという形で綴られる.
著者
逓信省 編
出版者
逓信省
巻号頁・発行日
vol.昭和8年度, 1934
著者
仲 真紀子
出版者
裳華房
雑誌
遺伝 (ISSN:03870022)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.25-29, 1997-01
被引用文献数
1

本稿では記憶の方法, とくに書いて覚えるという方法を認知心理学的な観点から取りあげ, 検討した. 書いて覚えるという方法は日本ではよく用いられるが, 英語圏ではあまり一般的ではない. 書くと本当によく覚えられるのだろうか, もし覚えられるとしたら, それはなぜだろうか. いくつかの実験の結果, 書くことはとくに新奇な文字や図形の形を覚える場合に役立つことが明らかになった. 子どもたちが新出漢字を学ぶときや私たちが外国の文字を覚えるようなときにこそ効果のある方法だといえそうだ. 書く行為に含まれる「図形のイメージを一時的に保持する」, 「書いた図形を確認する」といった心理的な活動が, 新奇図形の記憶を助けているようである.

5 0 0 0 OA 清代学術概論

著者
梁啓超 著
出版者
読画書院
巻号頁・発行日
1922
著者
府川 昭世
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.103-108, 1980-04-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

運動の外在・内在フィードバックモデルを言語運動に適用し, 言語課題で熟知度の低いことばの朗読はDAF効果を受けやすく, 練習や語の有意味性によって熟知度が高くなるほど, フィードバックが内在化してDAF効果が小さいであろうと予想して, 実験的検証を試みた.小学6年生の男女60名を均質な3群に分け, W群は単語, NS群は無意味綴り, NSP群は練習した無意味綴りの刺激語を朗読させた.流暢さの指標として1秒当たりの正しいモーラ数〈CMR〉をとり, DAF効果を〈1-DAFのCMR/NAFのCMR〉と定義した.被験者全体では熟知度の高い単語はDAF効果は小さく, 熟知度の低い無意味綴りはDAF効果は大であった.無意味綴りの練習群と非練習群とのDAF効果には, 被験者全体としては有意差がなかったが, 男女間では男子は練習群が非練習群よりDAF効果が有意に大きく, その逆に女子では練習群が非練習群よりDAF効果が小さくなる傾向がみられた.DAF効果には性差があり, 無意味綴り練習群と単語群に有意に認められた.
著者
田村 光彰
出版者
金沢大学大学教育開放センター
雑誌
大学教育開放センター紀要 (ISSN:03897516)
巻号頁・発行日
vol.第17号, pp.53-62, 1997-08-15

北陸大学法学部・助教授
著者
池田 和浩 Kazuhiro Ikeda
雑誌
尚絅学院大学紀要 = Research reports of Shokei Gakuin College (ISSN:13496883)
巻号頁・発行日
no.63, pp.31-41, 2012-07-01

本研究では、想起された記憶から誘発された感情価と認知的覚醒度、および思考に費やす時間の長さが発散的思考の生成数に与える影響を検証した。実験では、90名の大学生が、ポジティブな記憶想起条件と、ネガティブな記憶想起条件、中性的な記憶想起条件の3群に振り分けられた。記憶想起後、参加者は一般的感情尺度およびGACLに回答した後、3つのテーマのいずれかで発散的思考課題を行った。実験の結果、特に活性アラウザルの高い女性の参加者において、ポジティブな感情価が、ネガティブな感情価に比べ、アイディアの生成を促すことが確認された。また、短い思考時間(3.5分)に比べ、長時間の思考(14分)がアイディアの生成を促すことが確認された。これらの結果に基づいて、創造的アイディア生成に促進的な影響力を持つ要因について考察を行った。
著者
安部 テル子 佐藤 幸 玉田 あかり 石井 邦彦 築城 文明
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1035-1039, 1997-11-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
18
被引用文献数
2

牛すね肉スープにおけるすじの効用を明らかにするため, すね肉からすじを除いた肉およびすじ入りの肉からとったスーフ.のペプチド, 核酸, ゼラチンや遊離アミノ酸等の成分を測定し, 味覚試験の結果と合わせ, 比較検討した。その結果次のことが明らかになった.(1) 牛すね肉すじの入ったスープはすじを除いた肉からとったスープに比べ, ゼラチン, ペプチドの溶出が多く, 逆に, クレアチニン, クレアチン, 核酸および糖は, すじを除いた肉から取ったスープの方に多く検出された.(2) 遊離アミノ酸量は, セリン, スレオニン, グルタミン, アラニン, グリシン, アスパラギン酸, グルタミン酸, ヒスチジン, アルギニンはすじ入り肉のスープに多く存在した.一方, 味と強く関係あるとされるジペプチド, カルノシン, アンセリンはすじなし肉から多く抽出された.(3) 味覚試験では, すじ入り肉からのスープの方が旨味, まろやかさが強く感じられ, すじなし肉スープは酸味, 渋味が顕著に強く感じられた.総合的には 1% の危険率で有意にすじ入り肉の方が好まれた.
著者
増田 賢嗣 今泉 均 橋本 博 小田 憲太朗 古板 博文 松成 宏之 照屋 和久 薄 浩則
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産技術 (ISSN:18832253)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.7-13, 2011-10
被引用文献数
2

現在ウナギ仔魚用飼料としてはアブラツノザメ卵を主体とする飼料 (SA)が用いられている。この飼料により飼育が可能になったが,サメ卵の中でも特に本積の卵が優れていることは確認されていなかった。加えて,シラスウナギ量産に対応するためには新たな飼料原料を見出す必要がある。本研究ではイタチザメ卵主体飼料(GC)およびアイザメ卵主体飼料(CA)を調製し、 SAとの初期飼育の比較試験を行った。その結果GC区、CA区ともにふ化後21日まで生残が認められ,GC区の生残率および両試験区の終了時全長はSA区に劣ったものの、CA区の生残率はSA区に匹敵した。これにより複数のサメ卵が飼料原料として利用可能であることが明らかとなった。

5 0 0 0 OA 日本の科学

著者
中谷宇吉郎 著
出版者
創元社
巻号頁・発行日
1940
著者
古賀 敬太
出版者
政治思想学会
雑誌
政治思想研究 (ISSN:1346924X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-28, 2003-05-10 (Released:2012-11-20)
被引用文献数
1
著者
大久保 耕嗣 阿部 政典 小林 謙一 長井 一彦 長井 知子 樋口 多恵子 継田 雅美
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.290-294, 2008 (Released:2009-02-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1

著者等は,新潟県内の医療施設に1988年,1994年および2007年にアンケートを取り,手指衛生の変遷について調査した.1988年に主流であったベイスン法は,現在では行われていない.1994年は,速乾性擦式アルコール製剤のラビング法と消毒薬を用いたスクラブ法が多く,2007年は,流水と石鹸,抗菌性石鹸および消毒薬を用いたスクラブ法が多かった.一方,日本環境感染学会において1992年から2007年までの手指衛生に関する全ての発表と論文を分析した.手指衛生についての発表および論文タイトルが,全体に占める割合は10%であった.学会発表は,2002年にCenters for Disease Control and Prevention (CDC)手指衛生のためのガイドラインが発表された翌年に,8.7%から15.3%と高くなった.このガイドラインは,水場のない場所での手指衛生を踏まえてアルコール含有のラビング法を推奨しているが,日常手洗いでは石鹸と抗菌性石鹸を用いたスクラブ法を推奨している.2007年の調査では,アルコール含有ラビング法が減少していた.各病院において基本である流水下で行う手洗いが実施されていることが示唆された.日常手洗いと衛生的手洗いが区別されて行われているのではないかと考えられた.
著者
遅塚 忠躬
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.2059-2093, 2001

Article 7 of the "Amnesty Bill of 1816" decreed "regicides" (deputies of the National Convention who had voted for the death of Louis XVI) to be exempted from amnesty, and it condemned the regicides who had joined Napoleon's hundred days to go into exile forever out of the French kingdom. However, several regicides continued to live in France (those who had not joined Napoleon, who had been granted a stay of execution, and who had gone underground). The central and local police agencies were very cautious of these regicides living in France, because it was possible that the memories of the Revolution connected with the regicide survivors would be menacing to the Restoration monarchy. The authorities were so cautious of this dangerous movement that there are many documents about it in the dossiers of the Ministery of Police. This paper aims to shed light on some aspects of the memories of the Revolution under the Restoration by investigating these police documents (F7 in the National Archives). The results of the research are as follows. First, the most positive and favourable memories of the Revolution were held, grosso modo, among the peasantry and popular classes, while the most negative and disfavourable ones were held among local rich notables. Secondly, this social distinction of memories having been complicated according to local situations, frictions between positive and negative memories took place in various forms. Thirdly, among the peasantry and popular classes, positive memories of the Revolution were maintained in the same formula (the Revolution which had abolished feudal dues) throughout the Restoration, while among local notables and bourgeois, memories of the Revolution tended to fade away or be forgotten in the early days of the Restoration. Finally, if we look ahead into the second half of the19th century, the succession of memories of the Revolution would not be so straightforward. That is to say, memories of the Revolution would be transformed, resurrected and, at the same time, forged or invented, up to the Third Republic.

5 0 0 0 OA 浮沈日記

巻号頁・発行日
1866-04