著者
山村 譲
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.495-504, 1989-12-01

芳香族アミン類に曝露した労働者に発生する膀胱癌が最初に報告されてから一世紀になる. この間に主要先進国では発癌性アミン類の製造禁止等の対策がとられ, 日本でも昭和47年に労働安全衛生法が施行され発癌性アミン類の製造と使用がともに禁止された. 最近の報告では, 過去に発癌性アミンに曝露した作業者の膀胱癌発症のリスクは数倍がら数十倍で, 量反応関係の認められる報告が多い. 今後の問題として, benzidineや2-naphthyl-amine以外の芳香族アミンの発癌性, 染料曝露により体内で代謝されて生じる発癌性アミン, 発展途上国からの輸入製品に含まれる発癌性アミン等がある. また, 膀胱癌発生のリスクが高いと報告された職業は, 化学, 染料工業以外では皮革工業, ゴム工業, 印刷, 織物, 美容, トラック運転等がある. これらの問題を解決するには, 疫学や中毒学と臨床医学その他の分野との協力が不可欠である.(1989年8月15日 受付, 1989年9月11日 受理)
著者
小田 司 山下 孝之
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1)分子シャペロンHSP90が、突然変異に関わるY一ファミリーDNAポリメラーゼREV1の細胞内安定性やDNA損傷部位への集積を制御していることを明らかにした。2)熱ショック応答転写因子HsF1をRNAiで抑制すると、DNA損傷応答の活性化が誘起されずに細胞老化が誘導されることを見いだした。この過程において、p53の安定化とp21の発現誘導が必要であることを明らかにした。
著者
宅間 雅哉
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.113-135, 2005-12

本稿では、第四十四回衆議院議員選挙の結果が、オーストラリア国内の新聞によってどのように報道されたかを比較し、検討する。扱うのは現地時問2005年9月13日付けのAustralian、Australian Financial Review、Daily Telegraph、Sydney Morning Herald四紙で、選挙結果を扱ったそれぞれの記事と社説を対象とする。記事については、選挙結果を総合的に理解する上で重要な7項目を比較の基準として、共通点・相違点等を検討する。また、社説については、それぞれの特徴と主張を概観する。
著者
御厨 貴 小塩 和人 牧原 出 野中 尚人 河野 康子 伊藤 隆
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

今年度の研究の進展状況については、前年度から継続して行なってきた鈴木俊一氏(前東京都知事・現自治体国際化協会名誉顧問)に対するインタビューを7回(前年度よりの通算では17回)、後藤田正晴氏(元警察庁長官・元内閣官房長官)に対するインタビューを10回(同通算14回)実施したことに加えて、今年度より奥野誠亮氏(元自治事務次官・元国土庁長官・現衆議院議員)に対するインタビューを2回行なったことが主たる成果である。旧内務省出身の三者から、継続的、集中的にインタビューを実施した結果、新たなる知見を得ることができた。具体的には、戦前・戦中における地方(県)行政の状況、占領戦後期のおける地方財政制度整備の方針、警察予備隊発足時のGHQとの交渉の経緯、戦後の警察行政の流れ、内閣官房の役割の変遷、東京五輪時・いわゆるバブル期の東京都政、などが主要なものとして挙げられる。自治省、警察庁、東京都、そして政界・知事職とそれぞれに要職を経験した立場から、その時々の官僚機構における人事運営や意思決定の手法をもまじえての重要な情報がもたらされた。このような継続的、集中的インタビューをより実効性のあるのもとして実施していくために、迅速で正確な速記録を作成し、多くの資料を準備することにより、インタビュー前後の論点整理や質問項目の検討に役立てた。全体としては本プロジェクトは着実に成果を挙げ、基礎研究としての性格から見ても意義ある進展を示したと考える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.839, pp.179-183, 2003-01-20

1998年の晩秋。大阪・尼崎の三菱電機。携帯電話機の開発現場を指揮する三菱電機 通信システム統括事業部 移動通信端末事業センター 技術第一部長の濱村正夫には,ひそかにライバル心を燃やすメーカーがあった。富士通である。ブラウザを搭載する携帯電話機の発売が1998年12月から1999年2月に延期になると決まった時,NTTドコモからこう聞いたからだった。
著者
Oshiro Yukio Sasaki Ryoko Takeguchi Takaya Ibukuro Kenji Ohkohchi Nobuhiro
出版者
Springer Japan
雑誌
Journal of hepato-biliary-pancreatic sciences (ISSN:18686974)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.639-646, 2013-08
被引用文献数
4

Background/purposeTo date there have been only a few radiological studies of the caudate artery. This study aimed to precisely analyze the caudate artery as well as the relationship between the caudate arteries, the arterial plexus at the hilar plate, and the hilar bile duct.MethodsReconstructed three-dimensional (3D) computed tomography images from 50 patients during hepatic arteriography were analyzed. The caudate arteries were classified as right branches (Irs) or left branches (Ils). The communicating artery (CA) was defined as the artery connecting the right, left, segmental, and common hepatic arteries.ResultsThe caudate artery was divided into 3 types: an independent branch (Type 1); the common tract formed by Ir and Il (Type 2); and an arterial branch from the CA (Type 3). The CA was recognized in 25 of 50 patients. There was a total of 65 arteries to the hilar bile duct observed in 40 patients, and 24 (37 %) of these 65 arteries to the hilar bile duct originated from the caudate artery or CA.ConclusionThe caudate artery plays an important role not only in connecting the blood supply of the right and left livers but in the blood supply to the hilar bile duct.
著者
五十嵐 沙千子
出版者
筑波大学哲学・思想学系
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
no.38, pp.114[49]-104[59], 2013-03-30