著者
土居 健一 真鍋 尚義 菊地 一幸 松永 靖雄 竹藤 賢次郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.53, pp.13-16, 1986-12-25
被引用文献数
5

福岡県有明海沿岸地域において,1985年8月31日に来襲した台風13号により1,055haの水稲が潮風害を受けたので,その実態調査と対策試験を行った。また1976年9月13日に来襲した台風17号による潮風害についても比較検討した。1.穂孕期に潮風害を受け,その後12日目の上位3葉身の褐変化程度と精玄米重の間には負の相関が認められ,褐変化程度が大きいものほど精玄米重が低かった。
著者
三浦 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

水分子系を念頭におき、水素結合分子集団の量子状態の計算を厳密に実行するシミュレーション手法の開発を行った。このシミュレーション手法は変分経路積分法にその基礎をおき、本研究では運動方程式を用いて計算を実行する分子動力学法およびハイブリットモンテカルロ法の開発を行った。またシミュレーションパラメータの探索に有用と考えられる、調和振動子系に対する解析解の導出もあわせて行った。本手法は、水素分子クラスターおよび水1分子の系に対して適用され、その有効性が明らかになった。このことにより本シミュレーション手法は水素結合分子集団に対する大いに有望な量子シミュレーション手法であることが示された。

1 0 0 0 OA 泰西世説

著者
中川将行 訳編
出版者
柳原喜兵衛[ほか]
巻号頁・発行日
vol.巻之3, 1874
著者
野崎 由紀
出版者
特定非営利活動法人 日本医学図書館協会
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.152-156, 2005-06-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
6

The orientation for new students using the Tokyo Medical University Library was redesigned in 2004. Previously, the Tokyo Medical University Library provided a simple lecture as an orientation for new students.However, the curriculum of Tokyo Medical University was reconsidered in 2000-2001.Thus, the orientation to Tokyo Medical University Library was also redesigned.The redesign was performed using checklists developed by the research group attached to the Japan Association of Private University Libraries.This report describes the results of the redesign and comments on the new orientation to Tokyo Medical University Library.
著者
三宅 健介 柴田 琢磨
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

我々は、EpithelialMembraneProtein3のトランスジェニックマウス(Emp3Tg)の作製および解析を行い、同マウスが自然発症性に拡張型心筋症様の病態を呈することを見出した。全身性にEmp3およびCre遺伝子を発現するEmp3Tg/CAG-Cre(n=11)は23週齢までに100%が死亡し、その多くが拡張型心筋症様の症状を呈した。しかし、Emp3TgマウスからCAG-Cre遺伝子を除くことで拡張型心筋症は発症しなくなるという予想外の結果となった。CAG-Creマウス自体にはDCM様症状は全く認められないことから、Cre遺伝子の強制発現により誘導される何らかの異常をEmp3が増長すると考えられる。今後、CAG-Creマウスで誘導されると予測されるERストレスなどにおけるEmp3の役割の解明が求められる。
著者
中島 輝一 真野 泰成 大内 かおり 佐藤 大輔 岩田 杏子 樋口 安耶 江原 邦明 加藤 芳徳 廣澤 伊織 田島 正教 土屋 文人 山田 治美 小瀧 一 旭 満里子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.599-608, 2012-09-10 (Released:2013-09-12)
参考文献数
9
被引用文献数
4 17

We established a pharmaceutical outpatient clinic at the International University of Health and Welfare Mita Hospital. In the clinic, pharmacists provide mainly pharmaceutical care for cancer outpatients based on prescriptions from a doctor, and then feed back the contents of medication counseling and information about patients to doctors.In this study, we evaluated the role of the pharmaceutical outpatient clinic. From April to July 2011, we investigated retrospectively the contents of feedback from pharmacists to doctors. The contents consisted of three types of information such as medication counseling, history of side effects and allergy, and uneasiness from patients. Most of this information was on side effects. Approximately 42% of uneasiness from patients was about the side effects of chemotherapy. Furthermore, we conducted a questionnaire survey in 62 cancer outpatients that gave informed consent during the period as mentioned above. The results showed that the degree of understanding of drugs on treatment and prevention of the onset of side effects after consultation was markedly improved compared with those before consulting. Many patients (50/62) felt “uneasiness about treatment" and “some uneasiness" before consultation. However, 88.0% (44/50) of them noted that their “anxiety was eased" after consultation. The degree of reduction in uneasiness in patients with stage Ⅰ and Ⅱ breast cancer was larger than that with stage Ⅲ and Ⅳ. In conclusion, it is suggested that the clinic may play a role which makes it possible to enable cancer outpatients to participate in medical treatment with ease, in addition to enabling support for doctors.
著者
斉田 宏 村上 元庸 関 真理 三宅 健夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.16-21, 1984
被引用文献数
9

レーザードップラー法 (LDV) によるラット胃粘膜血流測定を接触電極法による水素ガスクリアランス法との比較において検討した.<br>胃粘膜血流を反映する接触式水素ガスクリアランス法による血流値とLDVによる電気信号とは有意の (p<0.01) 相関を認めた.<br>又, 再現性も高く, 繰り返しの測定が可能であつた. LDVは, 時々刻々変化する粘膜血流に対して敏感に応答しながら連続的に記録する事が可能であり, 水素ガスクリアランス法にて測定不能な低血流をも容易に測定できた. 以上よりLDVは, 胃粘膜血流測定に有用な方法であり, 胃粘膜防御機構の一つである粘膜血流の研究に更に有効な手段となり得ると結論した.
著者
梅垣 敬三 山田 浩 千葉 剛 中西 朋子 佐藤 陽子 福山 哲
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.282-289, 2013-08-25 (Released:2013-09-12)
参考文献数
12
被引用文献数
1 13

健康食品による健康被害の因果関係評価を視点に,3つの情報源(保健所情報,PIO-NET情報,企業情報)で収集された事例の実態を調べた.保健所情報は約20件/年が収集されており,約40%が医療関係者からの通報で医学的データが含まれていた.PIO-NET情報は約370件/年が収集されており,8割程度が利用者からの通報で,製品名や利用状況などの具体的内容が少なかった.企業情報は利用者からの通報が9割以上で,大部分が苦情に相当する内容であった.保健所情報とPIO-NET情報を,2つの因果関係評価法に試行的に適用したところ,因果関係が確からしいと判断できた事例は少なかった.収集されている被害事例を安全性確保に効果的に活用するためには,健康被害の症状に関して共通の考え方を持ち,収集事例の質と件数を高める取り組みが必要である.
著者
儀利古 幹雄
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

最終年度は、漢語複合名詞アクセント(例:末広町、運動会)の平板化に焦点を当てて研究を行った。はじめに漢語複合名詞に関する全体的な調査を行った結果、アクセントの平板化を起こしている度合いが著しい語群が観察されたので、それらを特に重点的に調査した。具体的には「~町」「~会」「~祭」といった漢語複合名詞について、そのアクセントが平板化を起こしているかどうか、起こしているとすればその要因はどういったものなのかを調査・分析した。調査の結果、「~町」「~会」「~祭」という漢語複合名詞のアクセントは、高年層から若年層へと世代が下るにつれて平板化を起こしていることが明らかになった。ただ、これらの語群のアクセントの平板化には、話者の世代という言語外的要因以上に、言語内的要因(言語構造的要因)が大きく影響を及ぼしていることも統計的に明らかになった。具体的に述べると、前部要素(「末広町」の「 末広」、「運動会」の「運動」)が3モーラである場合は4モーラである場合と比較してアクセントの平板化の進行具合が早く、また、2 モーラや5モーラ以上である場合はアクセントの平板化は起こらないが明らかになった。さらに、前部要素の末尾の音節構造が重音節の場合は軽音節の場合と比較して、アクセントの平板化の進行が遅いことも明らかになった。これらの結果は、アクセントの平板化という言語変化現象は、ただ単に「若者」が引き起こしているのではなく、言語構造そのものにも大きな原因がある、すなわち、アクセントの平板化を起こしやすい語と起こしにくい語がそもそも存在しているということを示唆している。この結果は、アクセントの平板化の原因として言語外的要因のみを重点的に扱ってきた従来の研究に対して一石を投じるも のである。
著者
鳥居 秋彦 岡谷 貴之 延原 章平
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011-CVIM-176, no.1, pp.1-22, 2011-03-10

多視点画像を使って物体やシーンの3次元形状およびカメラの姿勢を得る問題は,コンピュータビジョンの中心的課題として長い間研究されてきた.活発な研究活動を通じて得られた成果は,ロボット視覚から,CGや拡張現実(AR)を始めとする映像メディア応用まで,様々な形で実社会にフィードバックされている.本稿は,多視点3次元復元の最近の研究動向をサーベイしたもので,大量未整列画像からのSfM,実時間SfM/Visual SLAM,人物の全周囲3次元形状・運動復元の3つのトピックについて述べる.
著者
照本 清峰
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.871-876, 2012-10-25
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では、防災教育と防災まちづくりの連携による実践的津波避難訓練の実施体制を示すとともに、実施結果に基づく効果と課題を検討することを目的とする。従来、個別になされていた活動について、相互の取り組みを連携させるモデルを構築するとともに、それらを実践することによって検討することに本研究の特徴がある。調査対象地域は、和歌山県海南市黒江船尾地区である。同地区は、南海地震による地震動とともに、その後の津波の来襲によって被害が生じることが予測される地域である。訓練時には、道路の一部は損壊によって通行できない、避難場所の一部は土砂崩れなどによって使用できない、負傷している(役割の)住民がいる、高齢者等の避難に対して支援を必要とする(役割の)住民がいる、という状況を想定して実施された。実践的な訓練の取り組みの結果より、避難に関する仕組みと空間整備上の課題を導出できること、避難に関する様々な課題があるという認識がより高まることを示した。また、実践的訓練を媒介として連携することによる意義と相互の活動の効果を高められる可能性について言及した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1388, pp.42-45, 2007-04-23

日経BPコンサルティングが2001年から発表しているブランド調査「ブランド・ジャパン」の第7回。約3万5000人の消費者に企業・製品のブランドイメージを尋ねた結果が出揃った。 初めて首位を獲得した「トヨタ自動車」をはじめ、3位の「パナソニック」、4位の「キヤノン」、5位の「ソニー」、6位の「ディズニー」など上位には常連が並んだ。
著者
有田 正博 鱒見 進一
出版者
九州歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

納豆は食品ですが、納豆石鹸をはじめ、その成分の効能を活かした食品として以外の使用も試みられています。納豆のネバネバは、納豆菌が作るポリ-γ-グルタミン酸(以下、γ-PGA)という物質で、生体適合性、生体内分解性、生分解性、保湿性、吸湿性に優れています。そこで、このγ-PGA を含有した入れ歯安定剤を作ることを検討しました。現在市販されている入れ歯安定剤よりも、γ-PGA は口腔不快感が少なく、入れ歯が非常に安定することがわかりました。
著者
林 大五郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.93, no.8, pp.587-595, 1987-08-15

In order to simulate the formation of the Tibetan Plateau, several models are constructed assuming the crust as Newtonian fluid and the upper mantle lithosphere as rigid body. Calculations are performed for the period of 0.1 Ma after the collision because of the limitation of boundary conditions and the assumption of rigid lithosphere. Remarkable results are (1) emergence of Tibetan Plateau with 4000 m in height and (2) occurrence of great foredeep at the collided zone. With regard to the Himalayan nappe, the calculations which are continued during 1 Ma after the final stage of the collision obtain the following results : (1) viscous overturn movement around foredeep is probable to create the Himalayan nappe, (2) viscous flattening of the crust overcomes the upward movement of diapir.チベット高原の形成をユーラシアプレートおよびインドプレートの衝突によって説明するために,地殻をNewton流体と,またリソスフェアを剛体と見なして数値シミュレーションを行った.境界条件の制約から衝突後の0.1Ma(10万年)間を計算した.主な結果として(1)4000mに達するチベット高原の出現(2)衝突部の大規模な前縁凹地,を得た.ヒマラヤ・ナップの原因について,上記の衝突後のモデルを初期境界条件として1Ma(100万年)間にわたる数値シミュレーションを行った.結果として(1)前縁凹地周辺の粘性逆転運動がヒマラヤ・ナップを形成した,(2)地殻の粘性流動による平坦化がダイアピル上昇を凌駕する,を得た.