出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.490, pp.88-91, 2007-07-15

連載の第2回目は移動通信部門に焦点を当てる。業績の拡大には,ユーザーとARPUの増加が必要だが,市場全体で考えると,どちらも大きく伸びにくい状況だ。最大手のNTTドコモはその影響で成長が鈍化,ドコモからユーザーを奪える他の2社は成長の余地をまだ残す。 いまや携帯電話事業は,NTTやKDDI,ソフトバンクといった主要な通信事業グループの屋台骨。
著者
森村 浩季 重松 智志 島村 俊重 町田 克之 久良木 億
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.161, pp.129-136, 2001-06-29
参考文献数
14

指紋センサと認証システムを1チップに集積した1チップ指紋センサ認証LSIを開発した。本チップを実現するため、チップアーキテクチャ、センサ構造およびプロセス、回路技術を新たに考案した。本技術を0.5μmCMOS LSIに適用し、1チップ指紋センサ認証LSIを試作した結果、その有効性を確認した。今後必要となる携帯端末用途の安全な小型本人認証システムの実現に、1チップ指紋センサ認証LSIのコンセプトが有望な手法となることを示した。
著者
上米良 卓 藤ノ木 健介 岡宅 泰邦
出版者
大島商船高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構大島商船高等専門学校紀要 (ISSN:18814891)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.29-34, 2012-12-01

This paper prescribes an approach for providing a method of fingerprint authentication from pre-processed fingerprint imagedata which are pre-processed by Gabor filter or Haar wavelet transform. The pre-processed data are classified by SVM learningexamples of fingerprint images. The two types characteristic features derived from the pre-processed data have been evaluated.The first type is minutia matching approach using relation between two minutia and the other is Histograms of OrientedGradients approach.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.598, pp.138-141, 2004-04-19

戸田建設は、SSL-VPNを使ってインターネット経由で業務サーバーにアクセスする仕組みを構築、今年1月から利用を開始した。本人を確実に認証するために指紋認証システムを採用したが、導入を決めたSSL-VPNゲートウエイは指紋認証に未対応。そこで、ワンタイム・パスワードを橋渡し役にして、少ない開発工数で連携させることに成功した。
著者
吉村 博幸
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年,各人の生体情報を利用した個人認証システムは,パソコンやスマートフォン等,我々の身の回りの情報機器や携帯端末等で多く使用されている。しかし,各人の生体情報は一度外に情報が漏れてしまうと取り換えることができないため,暗号化や加工などの手法でテンプレートを作成して保存し認証処理を行うことが望ましい。本研究では,指紋情報の加工を安全に行うため,非整数次フーリエ変換を用いた指紋テンプレート作成方法を種々提案し,認証精度を最も高くするための変換次数などの条件を明らかにした。またこの処理を高速かつ高精度に行うため,レーザ光やレンズを用いた光情報処理による手法について提案した。
著者
中村 高宏 前田 卓志 松下 雅仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.167-172, 2006-03-10
参考文献数
6

指紋認証装置はコストの性能のバランスのよいバイオメトリクス認証技術として最も普及している.本報告では,指紋特徴点の照合処理において,照合相手指紋の特徴点と一致しない特徴点(不一致特徴点)を従来のように一律に切り捨てるのではなく,不一致特徴点に対しても「真の相手側特徴点と一致しない真の特徴点かどうか」を示す「真の不一致特徴点らしさの信頼度(不一致信頼度)」を評価して照合スコアに反映することにより,他人指紋の判別精度を向上するという照合方式を提案する.実験により,不一致特徴点を真偽評価なしに一律に扱う従来の照合手法とは異なり,本人指紋の拒否エラー率がほとんど変化することなく,他人指紋の受容エラー率のみが改善されることを示す.
著者
尾上 哲治
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

宇宙空間に存在する直径1 mm以下の固体微粒子を宇宙塵とよぶ.地球に流入した宇宙塵の一部は大気圏突入時に溶融し,大気圧下で酸化鉱物を晶出する.この酸化鉱物のうち,スピネル類に含まれる鉄の化学組成を調べることにより,過去の地球大気の酸素分圧を定量的に求めることが可能であると考えられる.本研究では,過去2億5千万~1億7千万年前と32億年前のチャート層から回収した溶融宇宙塵に含まれるスピネル類の化学組成を明らかにし,さらにそこに記録された各地質時代における地球大気の酸素分圧を解読するための鉱物学的,地球化学的基礎研究を行なった.
著者
新見 將泰 中島 祥夫 坂本 尚志 遊座 潤 伊藤 宏文 三浦 巧 鈴木 晴彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.97-104, 1994

近年,運動関連脳電位については手指の単純な屈伸運動に関する詳細な研究はあるが,発声に関する報告は少ない。本研究では,ピッチ変化と母音の変化における発声関連脳電位の変化を等電位図法と双極子追跡法(頭部均一媒質による)を用いて解析することを目的とした。18-35歳の健康な男女10名(右利き)を対象とし,高低数種類のピッチで母音を自己のペースで発声させた。脳波は頭皮上においた21個の表面電極より導出した。喉頭前面皮膚上においた加速度計波形の立ち上がりをトリガーとして用い,発声前2.5s,発声開始後2.5sの脳波を加算平均し,等電位図の作成と双極子追跡法により電源位置の推定計算を行い,被験者のMRI画像を用いて電源位置を検討した。発声に約1200ms先行して両側の中側頭部に緩徐な陰性電位が認められた。これは正常のヒト発声時の大脳皮質の準備状態を反映する発声関連脳電位と考えられた。この陰性電位は,分布範囲,強度とも左半球優位の場合が多かった。また発声のピッチを高く変化した場合には,右側の振幅の変化が,より大きくなる傾向があった。一般にヒトの発声において言語中枢は(左)優位半球に広く存在すること,発声周波数(ピッチ)の変化は(右)劣位半球の関与が大きいことが知られている。上記の結果はこの説に一致すると考えられた。発声に先行する陰性電位の電源部位は双極子追跡法により両側の中心前回下部付近に限局して分布した。発声のピッチや母音を変えても電源位置に変化は認められなかった。
著者
吉川観方編著
出版者
洛東書院
巻号頁・発行日
1936
著者
鹿田 順生 伊東 祐光
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.700-705, 1981-06-05

本研究は, 中性電解液中における鉄鋼の電解脱スケールの研究の一環として行ったものである.熱間圧延軟鋼スケールの除去は, アノード溶解のみよりも, カソード還元後のアノード溶解によってより能率的に行える.そこで, カソード還元がスケール除去に大きな影響を及ぼす事実に注目し, 出来るだけ短時間にスケール層の還元方法について調べた.電解液温度を80℃以上にすると, スケール層の50%以上を3〜5sの短時間に還元出来た.また, NaCl水溶液中での熱間圧延軟鋼板スケールの電解脱スケール挙動を調べた.カソード還元後のスケール層は, 電解液中に3価鉄イオンおよびFe_3O_4の形で除去される.電解液の高い液温度と低いpH値は, スケールの構成主成分であるFe_3O_4の電流効率を改善する.
著者
小坂 哲夫 赤津 達也 加藤 正治 好田 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.12, pp.3201-3209, 2007-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
4

本研究では,音素モデルを用いた話者ベクトルに基づくテキスト独立型話者識別について述べる.本研究の目的は,音声の音素コンテクスト情報を使用することによって,話者識別の性能を改善させることである.本話者識別システムはアンカーモデルに基づいている.このシステムでは,識別対象話者の発声とアンカーモデル間のゆう度からなる話者ベクトルによって,各々の話者が話者空間に配置される.このシステムの利点として,識別対象話者の音響モデルを必要としないという点が挙げられる.このため1発話程度の極めて少量の登録用発声で話者識別が可能となる.しかし対象話者の音響モデルを使用しないため,従来の手法では識別性能が低いという問題点があった.本研究では,性能の改善のために,アンカーモデルとして従来用いられている混合ガウス分布モデル(GMM)ではなく,音素HMMを用いる手法を提案する.音素HMMの対数ゆう度の計算には,音素認識器を使用する.30名の日本語話者識別タスクで本手法の評価を行った.実験では,平均5.5sのごく短い発話を識別対象話者の登録用データとして使用した.この結果GMMベースのアンカーモデルシステムと比較し,72.1%の相対的改善が得られた.
著者
若原 徹 木村 義政 鈴木 章 塩 昭夫 佐野 睦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.63-71, 2003-01-01
参考文献数
15
被引用文献数
23

身体特徴を用いた個人認証手段として指紋照合技術への期待が大きい.本論文では,高精度な回転・位置ずれ補正,高速・安定なマニューシャマッチングを実現する指紋照合方式を提案する.処理の流れとしては,濃淡指紋画像の 2 値化を行った後,1) 局所領域ごとの指紋隆線方向分布を用いた登録指紋-入力指紋間の高精度な回転・位置ずれ補正,2) 登録-入力マニューシャ間での高速組合せ探索による最適対応付け,3) 指紋隆線方向分布間距離及びマニューシャ照合率のしきい値処理による本人受理/拒否の判定,の過程を経る.静電容量方式の市販半導体式指紋センサを用いて収集した80名×4指×10枚の指紋画像データを対象とした指紋照合実験より,本人拒否率及び他人受理率を評価して,提案手法の有効性を示す.
著者
松田 昇一 Ishiuchi Toru 親川 兼勇
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:1881722X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.67-76, 2009-03

衝突噴流群は広範囲に大きな熱伝達率が得られることから,ガスタービン翼の冷却および燃焼室の冷却など工業的に広く利用されている.高温鋼板やシートの冷却では,大きな熱伝達率が必要と同時に一様に冷却することも重要となる.しかしながら衝突噴流群の流れ場は,隣接する噴流同士の干渉や,壁面に衝突後外部へ流出する流れとの干渉により複雑となっており,場所によっては,熱伝達率値に大きな差異がみられる.また最近の機器の小型化に伴い,衝突噴流群も狭い空間内で使用される.その場合,衝突噴流群の流れ場は隣接する壁面の影響により,さらに複雑な流れ場となり,温度場も複雑となる.本研究では,比較的狭い空間内において衝突噴流群を垂直に高温壁に衝突させた場合の流れ場と高温壁面上の温度分布を測定し,流れ場が温度場に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている.流れ場は,噴口上流部より煙を流入させ,噴口と衝突平板間に側面よりシート光(レーザ)を入射し可視化を行った.煙の粒子径は約1μm であり,レーザーは出力が1000mW のグリーンレーザである.温度場は,衝突平板裏面より赤外線放射温度計を用いて測定を行った.赤外線放射温度計には256×236のインジウムアンチモンセンサーが搭載されており,伝熱面全面の温度分布を同時に測定することができる.空間分解能は本実験条件において0.3×0.3mm であり,フレーム速度は1/120fps である.これらの実験結果より,衝突噴流群を垂直に高温壁に衝突させた場合の流れ場が温度場に与える影響を明らかにし,幾つかの実験式を提案した.
著者
塩野谷 明
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、スキー実滑走時模擬振動暴露シミュレータの開発を行なうとともに、スキー滑走メカニズム解明のための基盤構築を目的とする。シミュレータは、スキーヤーを想定した雪塊を、雪面に見立てたスキー滑走面で滑走させるものである。スキー板の振動は、ボールバイブレータを圧縮空気で回転させ、発生させる。シミュレータでは雪塊が滑走する際の動摩擦力、動摩擦係数、滑走速度が算出される。実験の結果、250Hz付近の振動を板に暴露した場合、滑走速度の増加、摩擦係数の低減、滑走速度の増加に伴う動摩擦係数の低下が認められた。以上の結果より、本シミュレータはスキー滑走メカニズム解明の基盤として適当であることが示唆された。
著者
伝野 隆一 平田 公一 八十島 孝博 宍戸 隆之 浦 英樹 山口 浩司 水口 徹 佐藤 文彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.974-978, 1998-04-01
参考文献数
11

胃癌の転移・浸潤機序を解明するためにヒト胃癌細胞株AZ521からヌードマウスの肝臓に高率に転移するAZ-H5cを作製し, 両者を比較することにより転移・浸潤の各ステップについて検討した.(1)E-カドヘリン, αカテニン, βカテニンについて, (2)MMP2, MMP9について, (3)インテグリン, CD44について検討した.AZ-H5cはAZ521に比べ, 高い運動能をもち, MMP-9, インテグリンα1, α2, α3, α4, α5, インテグリンβ1, CD44v3の発現量が増強していた.胃癌の臨床材料での検討ではインテグリンα2の発現とリンパ節転移が関係し, インテグリンα3の発現と肝転移が関係していた.MMP-9に関してはこれまでの病理学的因子と関係はみられなかった.今後胃癌の転移・浸潤に関する機序が解明されることにより機能を温存した縮小手術の適応を拡大できるものと考えられる.
著者
内貴 章世
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アカネ科のアリドオシ属においては、二型花柱性(短雄しべ・長雌しべをもつ花と長雄しべ・短雌しべをもつ花がみられる現象)は倍数性と相関し、4数体では二型花柱性が崩壊している。本研究では二型花柱性をもつ2倍体では自家・同型不和合性を示し、二型花柱性を持たない4倍体では自家受精による結実が可能であることが明らかになった。また分子系統学的解析により、4倍体の出現はアリドオシ属内で複数回起こっていることが示唆された。
著者
小松崎 一則 小崎 俊男 橋野 正史 矢内原 巧 中山 徹也 森 弘
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.1095-1102, 1987-07-01

副腎性ステロイドの一つであるC^21Δ^5系Pregnenolone sulfate(P_5S)は胎盤性Progesterone(P_4)の前駆体として知られ、妊娠時に母体胎盤胎児系をめぐる内分泌環境に大きな影響を及ぼす重要な物質の一つである。しかし、in vivoにおけるP5Sの母体胎盤胎児系における代謝動態に関しては不明な点が多い。そこで、非標識P_5S及び重水素標識P_5S(2,2,4,6-d_4-P_5S)を妊娠末期母体へ投与し、追跡実験を行った。I.非標識P_5S投与例:妊娠末期母体(5例)へP_5S(30mg)投与し、15分、30分、60分、120分、24時間後の母体血中P_5S、20P_5S、P_4、20P_4及びDHA-S値を安定同位体を内部標準として用いたGas chromatography-Mass spectrometry(GC-MS)法で測定した。 (1)P_5S:投与後15分で前値に比し約4倍に増量し以後減少、24時間後に前値レベルとなった。 (2)20P_5S:15分後に速やかに約2倍に増加し、120分まで高値を持続、24時間後に前値に復した。 (3)P_4及び20P_4は、実測値では増加傾向を示すが有意差はなく、投与前値を100とした変化率では、15分より上昇し、30分でピークに達し120分まで有意に増加、P_4は24時間で前値に復したが、20P_4は24時間後でも前値に比し高値を示した。 (4)DHA-Sは、実測値、変化率共に時間的変化が認められなかった。 II.重水素標識P_5S(d_4-P_5S)投与例:妊娠末期母体(1例)へd_4-P_5S(30mg)を投与し、60分後の母体血、胎盤組織、臍帯静脈血、及び投与後120分間の母体尿中のP_5S関連ステロイドをGC-MS法にて検索し、各ステロイドごとにd化ステロイドの割合(d%)の算出を試みた。 1)母体血:P_5S(84.5%)、17P_5S(95.5%)、16P_5S(51.6%)、20P_5S(85.1%)、20P_5(71.2%)、P_4(10.9%). 2)胎盤組織:20P_5(16.1%)、20P_4(3.2%)、P_4(3.1%). 3)臍帯静脈:P_4(11.2%). 4)母体尿:P_5S(40.6%)、20P_5S(56.6%)、5β-pregnane 3α、20α diol(34.8%)いずれの検体よりもC_19、C_18系ステロイドは検出されなかった。以上より(1)母体血中P_5SもP_4の前駆物質となり得ることがin vivoで示された。しかし、妊娠血中に著増するP_4の材料としては、母体血中P_5S以外に主に由来することが示唆された。(2)母体血中P_5Sは、C_19、C_18系ステロイドへは、容易に転換されないことが示唆された。