著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.122, pp.13-17, 2010-07-05
参考文献数
8
被引用文献数
3

本研究では,ニューロ・グリアネットワークをもった階層型パーセプトロン(MLP)を提案する.ニューロ・グリアネットワークとは,脳内に存在するグリア細胞とニューロンの相互関係をモデル化したネットワークであり,グリア細胞からはニューロンのしきい値へ,ニューロンからはグリア細胞の出力へ影響を与える.このニューロ・グリアネットワークをMLPが保持していることにより従来法と比して優れた解探索が可能であることを二重らせん問題を解くことにより示す.
著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.388, pp.7-11, 2011-01-17
参考文献数
5

私たちは,人間の脳内に存在するグリアと呼ばれる細胞の特徴を模したグリアネットワークについて研究を行ってきた.このグリアネットワークは,グリアがそれぞれ異なった振動を発生しており,その振動が互いに影響し合うことによって階層型パーセプトロン(MLP)の性能が向上するというものである.本研究では,各グリアは振動を発生しておらず,一個のグリアに対して外部刺激が加えられたモデルを仮定した.この外部刺激が,グリアネットワーク内を伝搬し他のグリアに伝えられるとともにニューロンに対して入力される.このように外部刺激が加えられたときのMLPの関数近似性能,被ダメージ性能,および汎化性能を示す.
著者
生田 智敬 上手 洋子 西尾 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.62, pp.45-48, 2011-05-19
参考文献数
8

私たちは,脳の中に存在するグリア細胞に注目してきた.グリアは長い間,その活動がニューロンの補助と考えられてきた.しかし,近年の研究により,ニューロンのような情報伝達が可能であり,ニューロンとグリア細胞が互いに影響しあっていることが知られるようになった.そのため,現在,グリア細胞は人の思考活動に密接に関わっていると考えられている.本研究では,グリアの情報伝達に注目し,グリアパルス連鎖をもつMLPを提案する.このグリアパルス連鎖は,あるグリアがニューロンにより励起したとき,その励起状態を引き金として,周りのグリアが連鎖的にパルスを発生するモデルである.このグリアによるパルスは,脳内のグリア細胞の生物学的特徴から,ニューロンの膜電位に対して影響するように定義した.このグリアパルス連鎖をMLPに加えることにより,ネットワークの学習性能が向上することをシミュレーションによって示す.
著者
大久保 隆志
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまでの捜査の行き詰まりを打破し,新たな展望を見出すためには,従来の捜査手法を超えた新たな捜査を検討すべきであると言われている。しかし,これを我が国の刑訴法と整合的に接合するためには,新たな捜査と従来の捜査の適法性の共通基盤を見出す必要があるところ,その基盤は,結局のところ,従来から議論のあった「自己決定」と「利益衡量」の在り方に収斂されるように思われる。そうすると,新たな捜査は,自由な「自己決定」を害することなく,適正な「利益衡量」に支えられた捜査であることが前提となる。その意味において,「自己決定」と「利益衡量」とが,捜査を支える「指導理念」の中核的概念であると考えられる。
著者
大賀 郁夫
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-20, 2011-03-04

近世において、地域社会で起きる民事事件の多くは、当事者間や地域内部の調停で内済されていた。刑事事件でも内済は存在し、犯罪探知内済と吟味内済の二種の態様があった。刑事事件が起きた場合、実際に犯人を捕縛し事情聴取を行うのは在地役人であった。藩から検使が出役する場合、在地役人らは事前にどの程度まで事件への関与が可能であったのだろうか。小稿では、延岡藩領宮崎郡を対象に、文久二年上別府村縊死人事件と、安政三年盗人殺害事件、それに天保九年大塚村弁太親伊平次殺害事件の三件をとりあげ、検討した。その結果、事件発覚後の最初の調査は盗賊方や目明らによってなされたこと、彼らは地域に細やかなネットワークを築いておりそれが犯人捕縛に寄与したこと、自力制裁権の行使はある程度黙認されたことなどが明らかになった。宮崎郡は藩領や幕領が入り組んでおり、旅人や商人などが数多く入り込む地域であった。そのため事件解決では藩領を越えたネットワークが構築され機能していたのである。
著者
川畑 恵
出版者
法政大学
雑誌
沖縄文化研究
巻号頁・発行日
vol.16, pp.255-291, 1990-03-20
著者
森 光昭
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

統一後、ドイツ人の外国人に対する寛容さが減ったと言われる。本研究では様々な極右事件に関する資料を収集し、極右暴力事件の実態を解明しながら、この最終的な目標に関する分析を行った。1998年のフランクフルト書籍見本市におけるマルティン・ヴァルザーの演説は、統一後のドイツの変化を象徴する事例であると言える。極右暴力事件そのものに関しては、統一後、劇的に増えた。統一前の1980年代と比較すると何倍にも増加している。しかし、1993年をピークにして1994年には、劇的に減少した。その結果、ボンのドイツ連邦政府を始め関係当局は一過性の減少であると胸をなでおろした。連邦憲法擁護庁の「憲法擁護報告」は、その後も、全体として減少傾向が続いているとしている。しかし、子細に憲法擁護報告書を検討すると、違った結果に到達する。憲法擁護報告書は器物損壊事件を1996年まで暴力事件に分類してきた。ところが、1997年の報告書からは別の方式を採用している。つまり、もはや器物損壊を暴力事件として取り扱っていない。従来方式で、つまり一貫性のある統計処理にもどると、暴力事件は減少傾向にあるとはいえない。特に、1998年は大副に増えていることが分かる。極右暴力を含め、ドイツの状況は関係者が安堵できる状況からは程遠いのである。
著者
Jong-Sang KIM Chong-Suk KWON Kun Ho SON
出版者
(社)日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.2458-2461, 2000 (Released:2005-02-02)
参考文献数
18
被引用文献数
441

Twenty-one naturally occurring flavonoids were tested for inhibitory activities against alpha-glucosidase (EC 3.2.1.20) and alpha-amylase (EC 3.2.1.1). Luteolin, amentoflavone, luteolin 7-O-glucoside, and daidzein were the strongest inhibitors among the compounds tested. Luteolin inhibited alpha-glucosidase by 36% at the concentration of 0.5 mg/ml and was stronger than acarbose, the most widely prescribed drug, in inhibitory potency, suggesting that it has the possibility to effectively suppress postprandial hyperglycemia in patients with non-insulin dependent diabetes mellitus. Luteolin also inhibited alpha-amylase effectively although it was less potent than acarbose. The clinical value of luteolin needs to be further evaluated.
著者
川本 淳平 佐久間 淳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013-DBS-157, no.1, pp.1-6, 2013-07

本論文では,位置情報を継続的に公開するためのプライバシ定義を提案する.ある時刻における人々の位置情報は,過去に滞在していた地点との相関がある.そのため,差分プライバシのようにどのような背景知識を持つ攻撃者に対して,安全かつ継続的に位置情報を公開するためには付加しなければならないノイズ量が多くなる.本論文では,人々の行動にマルコフ性を仮定しマルコフ過程を用いた攻撃者に対して安全な位置情報の公開のためのアドバーザリアルプライバシを提案する.本論文では,先ず,各時刻毎に POI 別滞在人数ヒストグラムを公開する問題を考え,提案アドバーザリアルプライバシを満足するヒストグラム導出メカニズムについて議論する.そして,各時刻毎に POI のシーケンスからなるパスのカウントヒストグラムを公開する問題を考え,先のヒストグラム導出メカニズムをこの問題へ拡張する.最後に評価実験では,公開位置情報を用いた解析タスクとして頻出パス抽出を想定し,提案手法がプライバシを保護しつつ正確な解析結果を導く位置情報を公開できることを示す.
著者
Mi Eun Kim Hyung Keun Kim Hyeon-Young Park Dae Hyun Kim Hae Young Chung Jun Sik Lee
出版者
(公社)日本薬理学会
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.121, no.2, pp.148-156, 2013-02-20 (Released:2013-02-19)
参考文献数
26
被引用文献数
6 27

Baicalin from Scutellaria baicalensis is a major flavonoid constituent found in the traditional Chinese medicinal herb Baikal skull cap. It has been widely used for the treatment of various diseases such as pneumonia, diarrhea, and hepatitis. Recent studies have demonstrated that baicalin possesses a wide range of pharmacological and biological activities, including anti-inflammatory, anti-microbial, anti-oxidant, and anti-tumor properties. Specifically, its anti-inflammatory activity has been estimated in various animal models of acute and chronic inflammation; however, its effects on dendritic cells (DCs) maturation and immuno-stimulatory activities are still unknown. In this study, we attempted to determine whether baicalin could influence DC surface molecule expression, antigen uptake capacity, cytokine production, and capacity to induce T-cell differentiation. Baicalin was shown to significantly suppress the expression of surface molecules CD80, CD86, major histocompatibility complex (MHC) class I, and MHC class II as well as the levels of interleukin-12 production in lipopolysaccharide stimulated DCs. Moreover, baicalin-treated DCs showed an impaired induction of the T helper type 1 immune response and a normal cell-mediated immune response. These findings provide important understanding of the immunopharmacological functions of baicalin and have ramifications for the development of therapeutic adjuvants for the treatment of DCs-related acute and chronic diseases.
著者
菅田 徹 伴 浩美 沢野 伸浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.124, pp.19-22, 2005-06-11
参考文献数
4
被引用文献数
1

基礎学力の向上を目指したe-Learningを開発し、試行した。本教材・システムの特性は汎用性の高いエクセルのマクロを使うことで、問題提示、メールによる解答回収・解答の採点・評価、評価の蓄積を一元的に運用することができる。その結果、教材の開発から評価に至る教員の負担を大幅に減少させることができた。また、「訓練」を重視することが、より高い学習効果を期待できると判断し、教材開発にあたっては行動科学の成果を最大限取り入れた。
著者
Matsuno Koichiro
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.11-18, 2012-06-20

Unless the stipulation of the detailed balance is forcibly imposed on a theoretical ground of whatever type, chemical reactions proceeding there could already be selective internally. What is in place instead is the detour balance that can allow the participation of intermediary reactions in implementing the overall balancing in the involved chemical reactions. The evolutionary nature of chemical reactions in the absence of the detailed balance rests upon the persistent imbalance, even though the slightest one, between a direct pair of the forward and the backward reactions. Some reaction products being set free from the stipulation of the detailed balance can exhibit the chemical affinities that were not actualized in the initial reactants. The lack of the mutual consistency between the reactants and their chemical affinities makes the reactions internally selective and evolutionary, and could have implemented a selective process even prior to the onset of Darwinian natural selection. One likely candidate for constantly breaking the mutual consistency between the reactants and their chemical affinities on the primitive Earth could have been those chemical reactions riding on hydrothermal circulation of seawater around the hot vents in the ocean.
著者
下橋 淳子 寺田 和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.225-229, 1993-08-10

紅茶に適した水、特に美しい水色を呈する水質について検討し、次のような結果を得た。1.ナトリウムイオンやカリウムイオンは120ppm程度の濃度では紅茶水色に影響を与えなかったが、マグネシウムイオン、マンガンイオンでは赤み、黄色み、彩度を増し、紅茶水色への影響は両者を混合した方がより大きくなった。2.カルシウムイオンは60ppm以上の濃度では著しい白濁を生じ、明度、彩度を低下させ水色を損なった。3.アルミニウムイオンは、紅茶水色の赤みを増し、美しい真紅色を示したが、赤色沈殿を生じた。4.カルシウム硬度70度〜80度、カルシウムイオン濃度として30ppm程度の水で紅茶水色の赤みが最高となった。5.マグネシウムは、マグネシウム硬度400度、マグネシウムイオン濃度として97ppm以上の高濃度にならないと、紅茶水色への影響は現れないため、日常的にはマグネシウムが紅茶水色に影響を与えることはないと思われる。6.官能検査の結果、紅茶水色の評価は赤みの強さだけでなく、赤みと黄色みのバランス、明度、彩度、透明感などの因子が相互に関わり合っていることが明らかとなった。7.美しい紅茶水色を得るには、硬度75度以下、カルシウムイオン濃度25ppm以下の中等度の軟水または更に硬度の低い軟水が水質として好まれた。特にニルギルのような明るいオレンジ色の水色を特長とする品種では、より硬度の低い水質が適していると考えられた。
著者
和田 友香
出版者
国立成育医療センター(研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

INSL3の多型であるAla24Ala (72G>A)とSF-1 (Steroidogenic factor-1)の多型であるGly146Alaは停留精巣に劣性効果をもたらしていることが判明した。
著者
小川 政亮
出版者
日本評論社
雑誌
法律時報 (ISSN:03873420)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.32-58, 1967-02
出版者
明治図書出版
巻号頁・発行日
1970