著者
栗原 由紀夫 大熊 貴子 平田 優子 杉山 清子 高橋 弥生 野中 美保子 宮本 光也 山本 規貴 杉山 総子 米山 武義
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.49-54, 2013-07-20 (Released:2013-07-27)
参考文献数
9

地域の要介護高齢者を支えるために,多職種間の連携・協働は不可欠である。しかしながら,必ずしも歯科医療従事者とその他の職種との連携は十分といえない。そこで「地域における顔の見える連携の構築」を目指して,「口腔ケアネットワーク(三島)」を立ち上げた。現在まで 2 回のシンポジウムを含む研修会を定期的に開催している。平成 24 年 10 月 20 日に開催した地域連携シンポジウムを通じて,患者や家族の思いをとらえ,情報と目的意識を共有して見守っていくことが関わる専門職の責務であり,地域の力になることを提言した。
著者
淺野 敏久
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-22, 1997
参考文献数
26
被引用文献数
5

中海・宍道湖の干拓・淡水化事業は, 1988年に地元を中心とする反対運動によって, 淡水化について事実上の中止に追い込まれた。干拓事業については1990年代半ばになって再び事業を進めるか否かが問い直されている。本稿では前者の淡水化事業が凍結されるまでの反対運動に注目し, その地域性及びその意味を明らかにする。反対運動は, 宍道湖でシジミ漁を営む漁民や生活環境・観光資源を重視する松江市民らを中心として, 広範に展開された。この一連の反対運動は, 関係する地域で一様な展開をみせたわけではなく, その発生や展開過程において顕著な地域差をみせた。それは, 鳥取県と島根県という行政領域の違い, 中海と宍道湖という直接の関心事となる対象の違い, 都市部と農村部という社会経済環境の違いという3つの視点からとらえることができる。環境保全運動は, 対象が, その存在する地域と不可分なことや, 運動の担い手がその地域の住民であること等のために, 地域性を反映したものとなる。今回の例では, 松江中心で運動が進んだために, 「宍道湖を守ろう」という性格の強い運動となった。運動を成功させるためにも, また, 当事者間の主張や利害関係を調整し, 問題を解決するためにも, 表面的な争点にとどまらず, 地域構造上の問題点に踏み込んだ環境問題の理解が求められる。
著者
田崎 和江 赤坂 正秀 石田 秀樹 三瓶 良和 石賀 裕明
出版者
金沢大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

汚染された環境を浄化する方法として,物理学的に取り除く方法,化学反応により無害化する方法,そしてバクテリアなどの生物機能を活用して回復する方法がある.特に,生物機能を利用して浄化するバイオレメデイエーションは,浄化に長期間を要する汚染に対して二次汚染のない有効な方法である.単純な組織構造を有しているバクテリアは,汚染環境から有害物質を細胞内に取り込み,固定して,各種の生体鉱物を細胞内外に生成する働きがある.この生体鉱物化作用のメカニズムを解明し,汚染された環境の浄化に役立てることが本研究の目的であった.本研究補助金で購入した位相差偏光顕微鏡や低真空走査型電子顕微鏡を用いて,地球上の様々な環境(鉱山,鉱床,温泉,間欠泉,汚染土壌,湖沼堆積物,風化花崗岩,活性汚泥など)からFe,Mn,Zn,Cu,U,Cdなどの元素を持つバクテリアが細胞内に生体鉱物を生成している例を数多く発見した.特に,室内実験からMnやFe,イオンがバクテリアの細胞に取り込まれ,マンガンノジュールを形成する過程を透過型電子顕微鏡観察により明らかにすることができた.また,XRD,XRF,EDX,FT‐IR,ESCAなどの方法も用い,この生体鉱物化作用を総合的にとらえそのメカニズムを明かにした.3年間の研究成果は,国内および国際学会で発表し,論文も学術誌に多数公表した.
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.43-44, 1995-09-20

ネットワーク上で提供されるサービスを利用する場合、通信の途絶や複製の存在など、分散システムに特有の事情について考慮する必要がある。しかし、この種のプログラミングはしばしば複雑になり、適切な抽象が提供されることが望ましい。OZ++は、分散オブジェクト指向プログラミング言語であるOZ++言語で記述されたプログラムをネットワーク上で実行できる環境である。OZ++のオブジェクトであるトレーディングディレクトリ(以下TDと呼ぶ)は、OZ++上のサービスを名前で検索するサービスを提供する。すなわち、TDの利用の仕組みとして、OZ++上でのサービスの利用のフレームワークが構築されている。本稿では、このTDの設計について報告する。

1 0 0 0 OA 哲学論綱

著者
菅了法 著
出版者
集成社
巻号頁・発行日
1887
著者
石黒 圭 阿保 きみ枝 佐川 祥予 中村 紗弥子 劉 洋
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.73-85, 2009-07-20

本研究は、ジャンル別のコーパスを用いて、接続表現の使用実態を調査することを目的としたものである。対象としたジャンルは、新聞の社説、新聞のコラム、学術論文、エッセイ、小説、シナリオである。調査は、(1)総文数にたいして何%ぐらい接続表現が用いられているか、(2)個々の接続表現の形式がそれぞれいくつ使われているか、という二つの観点からおこない、接続表現の多寡や連接類型に現れる各ジャンルの特徴を考察した。
著者
佐藤 健
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

真核細胞内の小胞輸送において、小胞体(ER)からの輸送小胞(COPII小胞)の形成は、小胞体出口部位(ER exit site)と呼ばれる小胞体上の特定のサブコンパートメントで行われると考えられており、このコンパートメントの動態が、小胞体からの小胞輸送を時空間的に制御していると考えられている。このコンパートメントの形成機序、およびこのコンパートメントが受ける高度な時空間的制御のメカニズムについて解析を行った。平成26年度は、小胞体出口部位形成のダイナミクスを解析するために、前年度までに構築したCOPII小胞形成反応を人工脂質平面膜系で可視化する実験系を用いて、人工脂質平面膜上に形成されるクラスターの形成をCOPIIコートのアセンブリーの指標にして解析を行ったところ、Sec12 はクラスターから排除され、またSar1が局在するクラスターの辺縁部にも局在しないことが明らかとなった。また、COPIIコートのサブユニットであるSec13/31は、GTP存在下においてもクラスター上に留まっていることから、この実験条件下では脱コートは起こっていないことが示された。これらの結果から、COPIIコートのアセンブリー過程の新たなモデルを提唱した。また、これまでにER exit siteの形成に関与することが示唆されているSec16について機能ドメインの解析を行ったところ、Sec16のN末端領域は、Sar1のGTPase活性を調節することにより、小胞体膜上におけるCOPIIコートのアセンブリーを促進することを明らかにし、Sec16はCOPII小胞形成の単なる足場としてだけではなく、COPIIコートのアセンブリーにも積極的に関わっている可能性が示唆された。
著者
Bock-Gie JUNG Jin-A LEE Seong-Beom PARK Pung-Mi HYUN Jin-Kyu PARK Guk-Hyun SUH Bong-Joo LEE
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.13-0045, (Released:2013-05-30)
被引用文献数
3 17

Antibiotics continue to be used as growth promoters in the poultry industry. Honeybee (Apis melifera) venom (HBV) possesses a number of beneficial biological activities, particularly for regulating the immune system. The aim of the present study was to evaluate the immunoprophylactic effects of HBV against Salmonella Gallinarum in broiler chicks as an initial step towards developing eco-friendly alternatives to reduce antibiotic use. HBV was administered using a spray technique. HBV improved body weight gain, particularly in the presence of infection. Moreover, HBV enhanced antibody production activity against formalin-killed S. Gallinarum. The CD4+:CD8+ T lymphocyte ratio, relative mRNA expression levels of interleukin-18 and interferon-γ, and serum lysozyme activity also increased following HBV administration before the infection period as well as during infection. HBV reinforced bacterial clearance and increased survivability against S. Gallinarum. Corresponding pathological analyses demonstrated that the HBV-sprayed group displayed mild and less severe abnormal changes compared with those in the control group. It was presumed that the prophylactic effects of HBV against S. Gallinarum were associated with its non-specific immune response stimulating activity. Thus, HBV may provide an alternative to reduce antibiotic use in the poultry industry.
著者
寺地 遵
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.569-570, 1984-12-31
著者
鎌田 元一 吉川 真司
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

1)陰影ある古文書原本の調査寺社・図書館・博物館などに所蔵される古文書原本を調査し、詳細な調書を作成した。また調査した古文書については陰影の写真を収集した。これにより東大寺文書・東寺文書・栄山寺文書の大多数の調査を終了した。2)古代官印制度に関する検討律令を中心とする官印制度を検討した。大宝令制の内印が諸国への下達文書、外印がその案文に捺される印章で、養老令制と異なっていたこと、大宝元年に内印の様が諸国に領下されたことなどが明らかとなった。3)諸国印の変遷に関する検討諸国印の印影を広く収集・検討し、その変遷を探った。その結果、天平年間の諸国印が大宝四年鋳造のものと考えられること、大宝四年の国印鋳造が律令制国名表記の公定と一体の作業として行なわれたと見られること、国印の改鋳は八世紀中期を初発とするも国によって差があったこと、などが明らかになった。4)外印請印に関する検討主として儀式書を用い、外印請印の作法を検討した。外印請印は律令の「監印」に淵源したこと、曹司における文書行政の一環として平安時代中期まで政務空間を移すことなく行なわれたこと、などが明らかになった。5)平安時代の倉印に関する検討平安時代の倉印について、文献史料・印影の双方から検討を加えた。10〜11世紀の大和倉印の変遷が明瞭になり、また倉印は畿内近国の受領が京にあって執務する際に用いられたことが推定されるに至った。
著者
一柳 廣孝
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国大国語研究 (ISSN:02881489)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-13, 2013-03
著者
佐藤 健司 吉中 禮二 佐藤 守 志水 寛
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1595-1600, 1986
被引用文献数
29 153

The contents of acid-soluble and insoluble collagens in the ordinary muscle of twenty-two species of fishes was determined. In addition, the contribution of muscle collagen to the swimm-ing movement of fish and to the texture of the sliced raw meat was examined.<br> The total collagen content varied with species in the ranges from 0.34 to 2.19% of wet tissue and from 1.6 to 12.4% of crude protein. The solubility of muscle collagen of fishes was generally much higner than that reported for muscle collagen of mammals. As for the swimming movement, the results indicated that the musculature of the fish with flexible body comprises a high proportion of collagen. As for the textural properties, the results indicated that the muscle collagen con-tributes to the toughness of the sliced raw meat.