著者
角松 生史 小田中 直樹 桑原 勇進 小玉 重夫 佐々木 弘通 進藤 兵 都築 幸恵 長谷川 貴彦 藤川 久昭 山本 顕治 横田 光平 世取山 洋介 DIMITRI Vanoverbeke 内野 美穂
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

1990年代後半以降のわが国の統治システムの構造的変容(「構造改革型」統治システム)を対象として、社会構成主義的方法を共通の立脚点とした学際的共同研究を行った。各年度毎に研究キーワードを設定して(2009年度「参加」、2010年度「責任」、2011年度「関係」)シンポジウム・共同研究会を開催した。「まちづくり」と市民参加、説明責任、教育基本法改正、歴史的記憶、裁判員制度、子どもの権利といったトピックについて、構造改革型統治システムのマクロ的・ミクロ的諸相が社会構成主義的観点から分析された。
著者
石井 大輔
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

米ぬかやコーヒー粕等の農産廃棄物から取得可能な芳香族ヒドロキシ酸である、カフェ酸およびフェルラ酸の重縮合によるポリエステル化を行い、耐熱性および機械的特性を検討した。フェルラ酸に関してはグリコール酸との共重合体化により熱可塑性および液晶性が発現し、460°Cにおいて50%の重量残存率を示す高耐熱性ポリエステルが得られた。ポリ(カフェ酸)は110°C付近に軟化温度(ガラス転移点)を有する一方、熱分解開始温度が最大で320°Cに達する高耐熱性を示した。さらに加熱下でせん断を加えることで液晶構造を形成する外場応答型の液晶ポリマーであることも明らかとなった。
著者
井上 智洋
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

「技術進歩による生産性の上昇」と「産出ギャップ(需要不足)を解消しようとする市場調整」とが同時継続的に起こる経済をモデル化した。そのような経済では貨幣成長率を技術進歩率に等しくするような金融政策を維持しなければ、長期的な産出ギャップとデフレーションが発生する。すなわち、長期的なデフレ不況に陥るのである。
著者
前田 健吾
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.94-97, 2010-02-05
参考文献数
14

AdS/CFT対応は,高速金原子核同土の衝突実験の結果を理論的に説明するなど,強結合領域のゲージ理論の理解に威力を発揮する.近年は,強相関効果が重要となる高温超伝導体などの強相関電子系の理解を目指して,AdS/CFT対応が物性理論の分野にも応用されつつある.最近になって,超伝導体の重力モデルがAdS/CFT対応を用いて構築されたので,それを紹介するとともに,このモデルの問題点などを議論する.
著者
Daichi Nogami Yuuichi Nakano Y-H.Taguchi
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.28, pp.1-2, 2013-06-20

Inference of subcellular location only using sequence information is important. In this paper, we proposed the application of principal component analysis-based linear discriminant analysis for subcellular location information. It achieved the performance of Area Under the Curve under Receiver Operating Characteristic curve mostly more than 0.95 if less than 80% sequence identity non-redundancy was applied.
著者
大谷 幸三 馬場 充
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.880-886, 2012

An appearance inspection is one of the most suitable applications of a laser rangefinder. In such a field, many products are designed by 3-D CAD. Therefore, the appearance inspection of products validates the deviation between the designed 3-D data and the measured 3-D data. There are a lot of products of specular objects with shiny surface such as polished metals and plastic materials. However, conventional triangulation-based rangefinders are known to be difficult to apply to the 3-D shape measurement of such shiny objects. In this study, we propose an advanced laser rangefinder to be able to obtain the 3-D shape of specular objects and apply the rangefinder to an appearance inspection system.
著者
Shodai Katsukawa Y-H.Taguchi
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.27, pp.1-2, 2013-06-20

Type II diabetes (T2D) was a critical symptom also related to other diseases including cancers. Thus, suppression of T2D is important. In this paper, we investigated microRNAs as candidates of drug targets and biomarkers. A recently proposed principal component analysis based linear discriminant analysis allows us to specify numerous miRNAs differently expressed between type II diabetes patients and healthy control. Type II diabetes, Impaired Fasting Glucose patients, and normal control are successfully discriminated by blood miRNAs.
著者
樋口 翔 野田 淳史 曰野 英逸 村田 昇
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.26, pp.1-6, 2013-06-20

動物は脳内のニューロンの協調的な活動により情報を処理している.この協調の様子をグラフとして表現し,その構造を推定することは,脳内における情報処理の仕組みの理解につながる.ニューロンのシナプス結合には向きが存在するため,ニューロンの結合モデルとしては有向グラフが適切であり,また,グラフ構造推定手法としても有向グラフに適用可能な手法が要求される.本研究では,digraph Laplacian によって有向グラフを簡潔に表現し,グラフ上で情報が遷移する様子をモデル化する.さらに,モデルのパラメータ推定手法を提案する.ニューロンモデルから作成したデータを用いて,提案手法によって有向グラフ構造の推定が可能であることを実験的に示す.
著者
森谷 菜穂子 高橋 加津美 丸山 俊明
出版者
山形大学
雑誌
山形大学高等教育研究年報 : 山形大学高等教育研究企画センター紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.33-44, 2010-03-31

はじめに 山形大学附属博物館(以下当館と記す)では通年の事業として,特定のテーマに沿った「特別展」と一般市民を対象とした「公開講座」をそれぞれ年に一度開催している。近年,大学法人化にともなって当館にも地域貢献や社会連携の課題が課せられている。このような社会背景や学内環境の変遷のもと,昭和50年代から30年以上にわたって継続されてきたこれらの事業も一大転機を迎えることとなった。本稿は,初めて学外との連携において行なわれたこれらの事業について報告するものである。開催概要については文末の図表1・2にまとめたのでご参照願う。平成19年度の開催当初から3年間,ただただ無我夢中で振り返る暇もなかったが,ここで一区切りつけて反省することによって,高等教育研究機関のひとつであると同時に,地域に開かれた社会教育施設を目指す当館の課題が明らかになると思われる。
著者
丹野 智博 堀江 和正 小林 高彰 森田 昌彦
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.25, pp.1-5, 2013-06-20

層状ニューラルネットにおいて,入力するアナログ値を多次元の 2 値パターンに変換すると,多変数関数近似器としての性能が大きく向上することが報告されている.本研究では,このパターンコーディングをパターン分類問題に適用した場合の有効性について検討する.2 次元 2 クラス分類問題を対象として数値実験を行った結果,単純パーセプトロンに適用してもあまり効果はないが,さらに多層化する (多層パーセプトロンに適用する) か,選択的不感化を行うことによって,非常に複雑な決定境界を容易に学習できるようになることがわかった.また,境界の複雑さを表す指標を提案し,それが分類誤差と高い相関をもつことを示した.この指標は,パターンコーディングを適用すべきか,どの分類器を用いるべきかを判断するのに有用だと考えられる.
著者
丸山 敦史 浅野 志保 菊池 眞夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.59-66, 2004-03-31
被引用文献数
4

文部科学省が総合学習を導入する以前から農業体験学習は練馬区の小学校のカリキュラムに広く取り入れられてきた.本研究で調査した総ての小学校で,農業体験学習担当の先生は,自然とのふれあい,農業や食料生産の大切さ,労働の大切さなどを知るというこの体験学習の諸目的は達成されていると評価している.しかし同時に,適切な知識の不足,十分な大きさの農場を確保することの難しさ,担当教員に過重な負担を与える等の問題点の存在も指摘された.小学校の児童から得られたデータを用いて行われたプロビット分析の結果も,自然や農業の大切さの自覚等の面で農業体験学習が児童に良い影響を与えていることを明らかにした.しかし,そのようなプラスの効果が男子児童をバイパスしている傾向も見出された.
著者
三木 明子 友田 尋子
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1.患者暴力被害事例の収集と分析病院職員に調査を実施し、患者暴力の被害事例を700事例収集し、状況別と原因別に分類した。状況別には、(1)ケア介入時に遭遇する暴力、(2)危険行動の注意・制止時に受ける暴力、(3)日常的に繰り返される暴力、(4)特定の個人または多数の被害者が受ける暴力、原因別には、(5)病気に起因する暴力、(6)病気に起因しない性的暴力、(7)感情コントロール不全者による暴力が分類された。我が国で初めて患者暴力被害の事例集(130以上の暴力被害事例を掲載、日本看護協会出版会から6月以降発刊予定)をまとめ、病院職員が暴力にどのように対応するのか、解説した。2.病院職員のための暴力のリスクマネジメントプログラム1)事例教材、チェックシートの作成暴力の価値基準の共有化のための事例教材とチェックシートを作成し、職員に試行し、活用できるか確認した。暴力発生の危険予知のために、「患者同士の喧嘩の仲裁」「危険行動の制止」「酩酊状態の患者の対応」「問題行動の制止」の場面の視覚教材を作成し、危険要因と現象をアセスメントし、チームで共通の行動目標を確認できるチェックシートを作成した。2)職員合同の暴力回避トレーニングの実施多職種構成のグループで暴力回避トレーニングを実施した。参加者からは「患者に威圧感を与えず、緊張を生まない距離や立ち位置はすぐに実践できるので良かった」「患者に痛みを与えない介入方法もあることを知ったことは大きい」など肯定的意見が挙がり、認識の変化を認めた。トレーニング1ヵ月後の面接調査では、「病院職員合同トレーニングを通して、他部署や他の職種と連携がとりやすくなった」(興奮状態の患者に対し、じっくり話を聞き鎮静化させた(成功事例)」などの意見が挙がった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.698, pp.76-78, 2001-08-06

大阪教育大学付属池田小学校の児童殺傷事件と同じように,学校内で発生した殺人事件だった。2年前に起こった。 1999年12月21日(火曜日)午後2時ごろ,京都市伏見区にある市立A小学校の北門から侵入したと思われる男性が,運動場のジャングルジムで遊んでいた小学2年生の男子児童に刃物で切りつけた。首を切られた児童は,近くの病院に救急車で運ばれたが,出血多量で死亡した。
著者
伊藤 宏
出版者
プール学院大学
雑誌
プール学院大学研究紀要 (ISSN:13426028)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.111-126, 2005-12
被引用文献数
2

This paper reports on continuing research concerning the verification of the kind of"media agenda"shown by the Asahi Shimbun when reporting on development and use of nuclear energy in Japan. This research analyzes the period from 1981 to 1994. The report clearly shows that up until the Chernobyl nuclear power-plant disaster in 1986, and even for a while after that, the"media agenda"of the Asahi newspaper was based on the premise of promoting the development and use of nuclear energy, the exception being that of the nuclear-powered ship"Mutsu". However, after 1988 the subject of nuclear power plants moved onto the critical agenda and since that date the degree of criticism seen in reporting on the development and use of nuclear energy became stronger.
著者
伊藤 伝 兼松 誠司 小金沢 碩城 土崎 常男 吉田 幸二
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.520-527, 1993-10-25
被引用文献数
3

リンゴゆず果病罹病樹(品種:紅玉)の樹皮より核酸をフェノール抽出し, 2-メトキシエタノール及び臭化セチルトリメチルアンモニウム処理後, CF-11セルロースカラムにかけ, 5%ポリアクリルアミドゲルによる二次元電気泳動(一次元目 : 未変性条件, ニ次元目 : 8M尿素による変性条件)を行ったところ, 罹病樹からは健全樹には認められないウイロイド様RNAが検出された。同様なウイロイド様RNAはゆず果病罹病と考えられたその他のリンゴ14樹中12樹からも検出され, 本ウイロイド様RNAとゆず果病との関連性が示唆された。本ウイロイド様RNAは8M尿素による変性条件下で, リンゴ樹で既報のリンゴさび果ウイロイド(ASSVd)より遅く泳動され, ノーザンブロット法によリASSVd-cDNAと反応しなかった。また本ウイロイド様RNAを電気泳動により純化し, リンゴ実生21樹に切りつけ接種したところ, 5樹から同様のウイロイド様RNAが検出され, 本ウイロイド様RNAが実生に感染し増殖したと推察された。以上の結果より, 本ウイロイド様RNAはASSVdと分子種が全く異なる, より分子量の大きなウイロイドと考えられた。本ウイロイドをapple fruit crinkle associated viroidと仮称した。