著者
鈴木 隆 木村 隆良 枝 和男 曽谷 紀之
出版者
近畿大学工業高等専門学校
雑誌
近畿大学工業高等専門学校紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.57-60, 2002-12-01

The alkali metal decamolybdate of ideal formura, A_2O・10MoO_3・nH_2O, form a structurally related family.[1] The complete crystal structures of two members of which, A=K, Na, have been determined.[2, 3] For both, the framework structure consists of double chains of edge-sharing MoO_6 octahedra linked by common corners which form wide (0.29nm diameter) tunnels occupied by the alkali metal ion (Fig. 1). For all these compounds the presence of wide one-dimensional tunnels suggest that there should be a rich intercalation chemistry and related properties to investigate. In this report, There are no published quantitative active energy data of decomposition available for Li and Na-decamolybdates and we present the determination of their active energies of decomposition here.
著者
小柳 武和 笹谷 康之 山形 耕一 三村 信男
出版者
茨城大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本研究では、地域社会の海岸に関わる開発計画、特に観光レクリェーション計画、景観計画の見地から、茨城県北部の海岸を対象に、海岸部の都市化による影響と海岸域の有する環境的資質を把握することを試みた。その結果、以下の成果を得ることができた。(1)茨城県の海岸保全施設の設置状況を調査し、自然海岸の景観タイプ、人工海岸の形態の類型化を行い、海岸景観の状況を把握することができた。(2)海水浴場、港湾等における現地調査とアンケート調査により、海岸部のレクリェーション利用特性を把握するとともに、釣り、磯遊び、バードウオッチング等の観点から、レクリェーション資源としての生物の分布と地形特性等との関連性を把握することができた。(3)民俗学的調査やアンケート等の調査から住民やレジャー活動をする人々の海岸環境の認識とイメージ把握、更に、海岸環境の保全・活用への意識を探ることができた。(4)日立市域の海岸を含めた地形、土地利用等に関する細密データシステムを構築し、海岸環境の表現および評価支援システムを開発した。以上の成果に基づき、海岸環境計画に資する知見をまとめると以下のようになる。(1)海岸のレクリェーション活動の多くは、海岸の自然環境をベースとしており、その開発計画において自然環境を重視した海岸域の保全・活用計画が不可欠である。(2)住民の日常生活や漁業の場あるいは港湾施設等がレクリェーション活動の場となっており、今後、複合的利用のためのルールづくりやゾーニング等の方策づくりが重要である。(3)沿岸域には、神磯など民俗学的に重要な磯や魚介類の生息する漁場として重要な磯場が多数存在する。沿岸域の環境計画策定のためには、現在情報の不足している海中(干潟も含めて)の詳細調査が必要である。
著者
新野 宏 伊賀 啓太
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

塵旋風・蒸気旋風・竜巻の発生機構・構造・力学の理解を多様な手法で進め、以下のことがわかった。塵旋風は、対流混合層の中層で作られる循環が下降流で地表面近くに運ばれ、これが上昇流域に角運動量保存的に収束することにより発生する。湿潤対流混合層で生ずる蒸気旋風は降水の無い場合には塵旋風と似た機構で発生するが、降水がある場合は、隣接する降水域からの冷気プールの衝突が重要な役割を果たす。これら強い渦の接線速度分布には2つのレジームがあり、回転境界層が重要な役割を果たす。
著者
小野里 好邦 斉藤 美貴 照屋 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.438-443, 1995-10-25

ディジタル衛星通信時代における多元接続方式では,各ユーザのもつ多元性と衛星通信路全体としての統合を調和的に実現することが要求される.スロット付アロハ方式は基本的なランダムアクセス方式であり,時間軸をスロット化し,スロットに従って各地球局はランダムにパケットを送出する.本論文では,まずスロット付アロハ方式の安定条件より,その利用限界を示す.これは,ランダムアクセス方式の基本的な形態における利用可能範囲を与えている.つぎに,ユーザの多様な要求に適合した多元接続が可能なインスタンス競合割当て方式について概説する.これは,ユーザの多様な要求に応えながら同時に衛星通信路としての基本的な要求も満たすことができる方式である.
著者
細川 貴之
出版者
財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

我々は日常生活において、コンテスト、スポーツ、ビジネスなど他人と競争しなければならない場面に遭遇する。そして、それらの競争に勝てば喜びを、負ければくやしさを感じるといったように、競争場面はしばしば我々に情動を引き起こす。また同じ報酬であっても、競争で相手に勝って得た場合と競争なしで単に得た場合では感じ方が違う。通常、前者の場合のほうがより大きな喜びを感じるだろう。逆に、単に報酬がもらえないときよりも、競争で負けて報酬がもらえないときのほうがフラストレーションを強く感じる。つまり、競争場面であるか、そうでないかによって、我々の物事に対する感じ方には違いが出てくる。このように競争に勝ったり負けたりすることは我々に様々な情動を引き起こすとともに、その競争場面は我々の認知様式に影響を与える。したがって、競争場面と非競争場面では、行動および脳活動に様々な違いがあると推定できる。我々はニホンザルに対戦ゲームをするように訓練し、ゲームで勝ったり負けたりしたときの行動および神経細胞活動を調べてきた。その結果、サルは競争時に動機づけが高まること、さらに前頭連合野の神経細胞は同じ報酬であっても競争に勝って得た報酬かどうかによって異なる活動を示すことを見出した。しかし、これまでの実験では、競争に勝てば必ず報酬が与えられたため、「競争に勝つこと」と「報酬をもらう」に対して前頭連合野の神経細胞がどのような活動を示すのかということを別々に調べることができなかった。この問題を解決するため、我々は「競争における勝ち・負け」と「報酬のあり・なし」を分離した課題を導入することにした。本年度(平成23年度)は必要なデータをすべて記録し、そのデータの解析を済ませた。得られたデータを論文としてまとめ国際的なジャーナルに投稿した(今現在審査中)。
著者
中島 大賢
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

過去2年間の研究で,葉内ベタシアニンは青緑色光を吸収することで葉緑体による余剰な光吸収を緩和する「遮光作用」があることを明らかにした.また,ベタシアニン蓄積の影響は葉の背軸側でより顕著であり,維管束鞘細胞および海綿状葉肉細胞でベタシアニンの光防御効果が特に高いことを見出した.一方,ベタシアニンには活性酸素種を消去する抗酸化能があることが報告されており,「抗酸化作用」により光阻害を緩和する可能性が示唆されている.そこで本年度の実験では,抗酸化作用による光防御効果の有無を確認するため,ベタシアニンによる吸収がほとんどない赤色LEDを光源とする強光を低二酸化炭素条件下で青葉および赤葉系統の葉に照射し,ベタシアニンの遮光作用を排除した際の光阻害程度を検討した.その結果,青葉・赤葉系統間には葉の向軸側および背軸側いずれにおいても光阻害程度に有意差は認められなかったことから,葉内ベタシアニンには抗酸化作用による光防御機能はなく,遮光作用によってのみ光阻害を軽減するものと結論付けられた.さらに,アマランサスの青葉系統と他の植物種の光阻害特性を比較したところ,青葉系統の葉は他の植物種に比べ光防御能力が低く,特に維管束鞘細胞および海綿状葉肉細胞における光阻害感受性が高いことが示唆された.ベタシアニンの遮光作用が維管束鞘細胞および海綿状葉肉に対して特に効果的であることを考慮すると,本色素の蓄積は光阻害を受け易いアマランサス葉内部を保護するうえで重要であると考えられた.このようなベタシアニンの光防御機能は赤葉系統の葉の老化を遅延し,個葉光合成能力の維持に寄与するものと考えられた.
著者
吉永 知恵美 亀山 章
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.44-49, 2001-08
被引用文献数
11 10

近年, 都市において分布拡大しているトウネズミモチ(Ligustrum lucidum)について, 東京都内を中心に分布の実態調査を行い, 分布拡大の要因になると考えられる種の生活史の調査を行った。分布の実態調査では, トウネズミモチは1960年代から都市部の都市公園を中心として大量に植栽され, さらに都市近郊でも植栽されたことと, 1970年代以降, 実生による繁殖が著しくなり, 都市部から都市近郊の各地で分布拡大したことが明らかにされた。生活史の調査では, トウネズミモチの生活史の特性が, 都市環境に適応しやすいものであることが明らかにされた。以上のことから, トウネズミモチが都市において著しく分布を拡大させた主要な要因は, 種の生活史が都市環境に対して適応しやすいものであることと, そのような適応しやすい種であるトウネズミモチを東京都内に大量に植栽したことであると考察された。
著者
津田 一郎
出版者
日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.133-150, 2006

筆者は20年以上前に「脳の解釈学」を提案した。「解釈学」というのはさまざまな意味合いを持って議論されることがあるが、その基本は自然現象の認識とその認識を行なう人間の存在の関係にあるのだと理解している。「脳の解釈学」を平たく言えば、「脳の本質的な機能のひとつは外界の解釈である。ここで解釈することを外部刺激に直接反応することではなく、外部刺激に関する内部イメージに反応しそれに意味をつける過程であるとする。この解釈過程がわれわれが心と呼んでいるものに対応する。このような脳の機能を理解する方法自体がまた解釈学的である。」という考えである。筆者たちは研究を進めるために次のような作業仮説を導入した。作業仮説:[脳神経系が示すダイナミックスの数学的な構造が脳の解釈言語になり得て、そのもっとも高度に発達したものがわれわれが使用している自然言語である。]脳の解釈学的研究においては、数学的に表現されるダイナミックスの存在をまず仮定して、それを実現する脳神経系のあり得べき構造を決定し、その後にそれが示すダイナミックスの多様性から心の諸相を解釈していくという方法をとる。Gelfandの唱える精神医療における"adequate language"としての数学諸言語は筆者の唱える解釈言語の一つの形である。本稿では、脳のある特定の動的な現象に着目して、数理的な記述が単に脳という物理的対象が示す現象理解のために重要であるだけでなく、脳の解釈言語、すなわち心の可能な表現であることを主張したい。脳や心の研究は我々自身の研究であるから簡単に対象化できる保証がない。いわば、研究対象の内側にいてその対象を記述することになる。得られる情報は記述の仕方に依存するかもしれない。こういう状況で、対象の外に出て客観的な記述を行なうことが可能だろうか。これはEndophysicsの主題であるが、このような状況での科学的な記述は内と外の間のインターフェイスを発見し、その座標系における記述を試みることである。本稿で扱う事柄はほんの一部に過ぎないし、数理モデルも不十分であるが、数理的な記述はやがて真の心の記述を与えてくれると信じている。
著者
伊藤 孝男 津田 一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.598-599, 2007-01-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
津田 一郎 清水 博
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.231-232, 1986-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
津田 一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.677-680, 2002-09-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
井上 英俊
出版者
明石工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、リスニングとしての写真描写問題に関して、1)問題項目間における特定の要因に基づく特性と2)各問題項目における特定の要因の操作に基づく特性を、学習者のリスニング能力に照らし合わせて明らかとすることであった。調査結果として、問題項目において使用された総語数と調査対象者の正答者率との間には相関関係があり、より低い聴解能力の学習者は容易な単語が多く含まれている錯乱肢を選ぶことが明らかとなった。また、TOEIC リスニングスコアが235点から360点である学習者には英文の再生スピードを遅すると聴解を促進したが、230点以下の学習者には効果がないことが明らかとなった。
著者
村津裕嗣
雑誌
整 災外
巻号頁・発行日
vol.47, pp.145-151, 2004
被引用文献数
10
著者
石川 剛郎 山口 佳三 泉屋 周一 斎藤 睦 待田 芳徳 田邊 晋 齋藤 幸子 高橋 雅朋 北川 友美子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

サブリーマン幾何やトロピカル幾何と関連する外微分式系の積分曲線に付随する特異曲面に関して,実代数幾何の見地から特異性の分類を実行し,ジェネリックな標準形を完成させた.ルジャンドル双対性と制御理論の見地から,枠付き曲線や曲面の接線ヴァライティーの特異性を分類し,写像のオープニング構成の概念を発展させ,一般の部分多様体の接線ヴァライティーの特異性の分類問題に応用した.また,G2サブリーマン幾何を非線形制御理論と実代数群の表現論の側面などから研究し,関連する特異性を分類した.さらにD4幾何の三対性とD型特異点論を進展させた.以上について論文を執筆し,国際的学術雑誌に発表済みまたは現在投稿中である.