著者
半澤 編理 伊藤 高廣
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2006年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.919-920, 2006-03-05 (Released:2007-01-31)

狭い空間でも活動が出来るマイクロロボットの利点を活かし、地震やテロなどの災害現場等人が入り込めない危険な空間で、的確なレスキュー活動のための情報収集を行うロボットの開発を目指す。カメラやセンサを搭載し映像やデータをPCに送り、離れた場所からロボットを操作する人間のサポートや被災者の位置の表示、調査した現場の状況の分析等にデータを活用する。
著者
奥川 雅之 金田 忠裕 大須賀 公一
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集 第48回システム制御情報学会研究発表講演会
巻号頁・発行日
pp.207, 2004 (Released:2004-09-01)

本論文では,レスキュー活動をテーマにしたロボットコンテストと関連する啓発活動を含む「レスコンシーズ」の概要とその将来性について述べる.地域によっては主として発生する災害の種類が偏っている可能性がある.ロボットや競技場を小型なものとし,開催を容易にすれば,地域に密着した災害をテーマとして競技会そのものを提案することが可能になり,各地域でレスコンが開催され,レスキューロボットに対する認知が高められる.このような小規模かつ提案型ロボットコンテストやその一連の啓発活動に対して,各地にレスコンの種をまくことにちなんでレスキューロボットコンテストシーズ(以下,レスコンシーズ: ResCon-Seeds と略する)と呼ぶ.レスコンシーズは,競技会(フィールドやルール)そのものを主催者側が提案することによって,レスキューロボットに対する認知向上を目的とする.
著者
平林 久
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.324-340, 2003 (Released:2005-12-27)

It is much easier to find extraterrestrial intelligence than to detect simple organisms living on other planets. However, it is hard to communicate with such intelligence without the mutual understanding of inter-stellar communication protocol. The radio SETI (The Search for Extra-Terrestrial Intelligence) was initiated with the pioneering work of F. Drake in 1960, one year after the historical SETI paper by Cocconi and Morrison(1959). This talk explains that SETI evolves with two bases of science; the understanding of our universe and the development of technology. Since SETI has had strong connection with radio astronomy from its early beginning, the impacts of radio astronomical findings and technological breakthrough can be seen in many aspects of the SETI history. Topics of this talk include the detection of microwave 3 K background radiation in the universe. Interstellar atomic and molecular lines found in radio-wave spectra provide the evidence of pre-biotic chemical evolution in such region. Radio telescope imaging and spectral technique are closely associated with methodology of SETI. Topics of the talk extend to new Allen Telescope Array and projected Square Kilometer Array. Recent optical SETI and the discoveries of extra solar planets are also explained. In the end, the recent understanding of our universe is briefly introduced in terms of matter, dark matter and dark energy. Even our understanding of the universe has been evolutionarily revolved and accumulated after 1960, we must recognize that our universe is still poorly understood and that astronomy and SETI are required to proceed hand in hand.
著者
関戸 英紀
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.95-102, 1994-03-31

質問に対してエコラリアで応じる14歳の自閉症男児に対して、明確な順序性をもち、動機づけの高い共同行為ルーティンを設定し、その文脈を用いて対象児の認知的発達水準を考慮しながら、適切な応答的発話の習得を目的とした指導を約3か月間行った。その結果、4セッションめでエコラリアが消失し、18セッションめで指導目標とした4つの質問すべてに正答できた。また、日常場面においても応答的発話に変化がみられた。以上のことから、場面文脈を対象児の認知的発達水準に近接させていくことによって文脈の理解がされ、このことがエコラリアの消失を促進したと考えられること、また場面文脈および質問の意味の理解を促進するためには最小限必要な要素から構成される、単純化された場面を設定し、しかもスクリプトの主要な要素から指導を開始することの重要性が検討された。
著者
熊丸 尚宏 藤原 照文
出版者
広島大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

これまでのICP発光分析法でも予備検討を踏まえて、酸分解などを行わず、まず手始めに固体試料のままでPbを定量する方法を検討した。Pbの含有量既知の試料として、NIESやNISTの「環境標準物質」を取り上げ、これを紛砕して使用した。その結果、これらをサンプルキュベット反応容器に取り、徐々にこの温度を上昇させ、最終的には約850℃に保ちながら炭化と灰化を連続的に行って、有機物を完全に揮散させ、その後、急激に温度を約2500℃まで上げてPbを気化させ、そのままオンラインでICP-MS装置へ導入する手法が確立できた。固体試料の直接定量において最も煩雑で精密さを要する操作は、その試料の秤量である。数mgの試料を直接秤取するには、特殊なミクロ天秤を用いる必要がある。ここでは灰か段階までには、ほぼ完全に揮散し、かつ目的成分の気化段階には影響を与えない有効なリン酸水素アンモニアを固体希釈剤として用い、約2倍程度に試料を希釈して通常の化学天秤でも容易に秤取できる方法を開発した。本研究の最大のポイントは、固体試料を、短時間にしかも完全に分解することが出来るか否かにある。通常は、試料を硝酸-硫酸ーリン酸などを用いて分解を行うが、これらの酸はタングステン製サンプルキュベットを腐蝕させるので、使用できない。ここでは、これまでの酸分解用の試薬に代わる分解試薬を検索した結果、(CH_3)_4NOHが好結果を与えることを見い出した。この添加剤は、灰化してもなお分解・揮散することなく残存する成分による干渉を防ぎ、気化段階における目的成分化学種を同一に揃えて気化させるマトリックス修飾剤としても働くことを明らかにした。また、検出器としてICP-MSを使用することにより、^<207>Pbと^<208>Pbの同位体比の測定も可能となった。
著者
横田 将生
出版者
福岡工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

イメージ現象との関連において人間の直感の機能的モデルを提案した。そのモデルは、人間の認知機構は知覚、直感、論理の大きく3つの層よりなると仮定している。第1層の知覚では外界刺激から漠然として分節されていないイメージが生成される。第2層の直感では知覚されたイメージを論理的な間接的過程を経ずにハードウェア的に直接分節する。最後に、第3層の論理がその直感イメージの分節に対して知識を用いたソフトウェア的推論により修正を加える。今回提案した機能は一般的に実現しようとすると非常に困難であるが本研究者の知識表現言語Lmdでのイメージ記述に基づけば従来の方法よりも容易に実現できると考えている。
著者
高山 透 日野谷 重晴 石黒 三岐雄 黒澤 文夫 安原 久雄 源内 規夫 千野 淳 九津見 啓之 儀賀 義勝 助信 豊 内山 雅夫 石井 実
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.147-152, 1996-02-01

The method for isolation and determination of TiN and (Ti, Nb)(C, N) precipitated in Nb-Ti bearing steels has been investigated in the cooperative research of the Precipitate Analysis Subcommittee of Iron and Steel Analysis Committee of Iron and Steel Institute of Japan. Also, the precipitation behavior of TiN and (Ti, Nb)(C, N) in the steels has been studied. The results are summarized as follows ; (1) TiN, (Ti, Nb)(C, N) and other precipitates were extracted by potentiostatic or galvanostatic electrolysis in 10% acetylacetone-1% tetramethylammonium chloride-methanol electrolyte. (2) Only the TiN in the above mentioned precipitates was insoluble and remained by 60℃-10% bromine-methanol solution treatment. Consequently, the amount and composition of TiN and (Ti, Nb)(C, N) could be determined quantitatively by analysis of the residues extracted by using the method of (1) and the residues after this treatment. (3) The size of TiN was several micrometers, the amount of TiN did not change with heating temperatures between 1000 and 1250℃, and the atomic ratio of Ti to N was stoichiometrically one to one. (4) Total amount of Ti and Nb in the precipitates decreased with an increase in heating temperature, because the small size of (Ti, Nb)(C, N) dissolved. (5) Both lattice constant and composition changes in (Ti, Nb)(C, N) showed that Nb and C dissolved preferably into the matrix and the composition of the precipitates approached to that of TiN with an increase in heating temperature. (6) Such behavior of precipitates agreed well with rough calculation from the solubility products.
著者
石田 毅 村田 澄彦 深堀 大介 薛 自求
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

火力発電所などから排出される CO2(二酸化炭素)を分離回収し地中に貯留すれば,有効な地球温暖化対策となるが,そのためには,地中に圧入された CO2 の挙動を調べておく必要がある.本研究では CO2 を花崗岩に圧入して破砕する実験を行った.その結果,CO2 は粘度が小さいため,水に比べて分岐の多い 3 次元的亀裂が広い範囲に造成される傾向が見られた.このことは,シェールガスや高温岩体地熱開発などの亀裂造成に CO2 を有効に利用しつつ地中貯留を実現できる可能性を示している
著者
松尾 正人
出版者
吉川弘文館
雑誌
本郷
巻号頁・発行日
no.68, pp.25-27, 2007-03
著者
岡本 芳晴 南 三郎 松橋 晧 指輪 仁之 斎本 博之 重政 好弘 谷川 孝彦 田中 吉紀 戸倉 清一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.739-742, 1993-10-15
被引用文献数
17

イカ甲キチンより精製したポリN-アセチル-D-グルコサミン(キチン)の犬における組織反応を観察するために, 1群にはポリエステル製不織布(NWF)にキチンを含浸させたもの(キチン群)を, 他群にはNWFのみ(対照群)を, 1頭あたり背部皮下4ヶ所に移植した. 移植後2, 4, 8, 18日目に移植片を採材し, 肉眼的ならびに組織学的検索を実施した. キチン群において移植したNWFは漸次器質化され, 18日目には完全に器質化された. またこの時, NWFへの明瞭な血管新生を認めた. 一方, 対照群においては器質化は不完全であり, NWFへの血管新生も認められなかった. 組織学的にはキチン群において移植後2日目に対照群に比較してNWF周囲に単核球および多形核白血球の集簇が顕著であった. またキチン群において移植後4日目にNWF周囲に血管に富んだ結合組織が観察された. しかしながら対照群では, このような所見はこの時期においてはみられなかった. 以上の成績より, キチンはNWFへの単核球および多形核白血球の遊走を高め, 血管新生を伴うNWFの器質化を促進させることがわかった.
著者
平林 茂 中西 敏 立野 治雄 三宅 裕昭 平澤 忠
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.350-358, 1984-05-25
被引用文献数
12

前報でその組成について報告した加熱重合レジン9種, ヒートショックレジン3種, 流し込みレジン6種および常温重合レジン1種の計19種の義歯床用レジンの可塑性, 曲げ強さ, 弾性係数, たわみ, 衝撃強さ, 吸水量, 溶解量および色調安定性などの物理的性質を測定し, 比較検討した.全体的にみて, 重合条件の物性に及ぼす影響は大きく, 加熱重合レジンは流し込みレジンおよび常温重合レジンに比較して曲げ強さ, 衝撃強さが高い.ヒートショックレジンは, ほぼその中間の性質を示す.しかし, 架橋剤として1, 4-ブタンジオールジメタクリレートを含有する流し込みレジンの1種は, 他のトリメチロールプロパントリメタクリレートを架橋剤として含有する流し込みレジンに比較して, 従来の加熱重合レジンに匹敵する程度の良好な機械的性質を示す.耐衝撃性レジンは確かに高い衝撃強さを示すが, 反面, 曲げ強さは低く, たわみも大きい.加熱重合レジン中, 餅状期間が長く, その液に架橋剤として21%の1, 3-ブタンジオールジメタクリレートを含する材料は, 最高の抗折たわみ性を示すが, 衝撃強さは低い.流し込みレジン中, その液に親水性モノマーの2-ヒドロキシエチルメタクリレートを約10%含有する材料は, 吸水性が高く, その結果曲げ強さの低下を来した.従来の圧縮成形法に対し, 射出成形法の硬化したレジンの物理的性質に及ぼす効果は特に認められない.
著者
加藤 玄
出版者
日本女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、13世紀後半のイングランド王エドワード1世の家政組織の具体相を分析することを通じて、空間とコミュニケイションという観点からプランタジネット朝宮廷の性格を解明した。エドワード1世の家中と移動宮廷を分析し、家中で活躍したサヴォワ人の経歴を当時の政治状況の中に位置づけ、移動宮廷における会計記録の作成を検討した。また、アキテーヌ公とその統治下のガスコーニュ地方の家臣との関係を分析し、中世における家臣のアイデンティティが主君とのコミュニケーションによって多面的に形成されることを指摘した。以上の研究を遂行する中から、アキテーヌ公領を当時の社会的諸関係や諸制度の投影=領域として捉える視点を得た。
著者
時弘 哲治 薩摩 順吉
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.895-902, 2003-12-05

コンピュータの飛躍的な進歩に伴い,セルオートマトンはさまざまな自然現象,社会現象のモデル化・解析に幅広く適用されるようになってきた.最近,ある種のセルオートマトン系(超離散系)が,統計力学的な格子模型や非線形波動現象などと深い関係を持つことが理解され研究が進んできている.本稿では,構造が比較的良く理解されている箱玉系と呼ばれる超離散系を中心に最近の研究結果について解説する.