著者
永井 節夫 高木 亮一 高木 亮一
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

複素空間型内の実超曲面のリッチテンソル, 構造ヤコビ作用素, 構造テンソル場が等質実超曲面, 特に(A)型の等質実超曲面をどのように特徴付けるかという点に関して研究し一定の成果を得た. 具体的には, 構造ヤコビ作用素と構造テンソル場が可換であるものは(A)型の等質実超曲面とある種のホップ実超曲面を特徴づけることを複素空間型の次元が2, 3の場合も含めて証明した. また挟撃問題に関しても, (B)型の等質実超曲面を個別に特徴づける定理に対する新しい知見が得られ, 極小ではない場合も含めて研究に進展があったと考えている. (A)型の等質実超曲面のスカラー曲率に対する挟撃問題については, 極小の場合にLowsonが第2基本形式の長さの平方がc/2(n-1)以下ならば(A)型の等質実超曲面であることを証明した. 極小の場合等質実超曲面に対しては, (A)型の実超曲面と(B)型の実超曲面とは第2基本形式の長さの平方は異なる値を取り, (B)型から(E)型までは全て同じ値を取る. したがって第2基本形式の長さのみでは(B)から(E)型までを区別することは出来ない. ところが, 構造ベクトル場方向の主曲率に着目すると, それらは(B), (C), (D), (E)型で全て異なる値を取ることが分かる. そこで, 我々は複素空間型内の実超曲面におけるSimon stypeの公式を用いて, 第2基本形式の長さの平方がc/2(3n-1)以下で構造ベクトル場方向の主曲率の平方が(n-1)c以上である極小実超曲面は(B)型であることを証明した. 実超曲面が必ずしも極小でない場合に関しては, コンパクトで向き付け可能な時に奥村正文氏による挟撃定理がある. 奥村氏は矢野の積分公式を用いてこれを証明した. 我々は, 実超曲面におけるSimons typeの公式と, 発散定理を用いることによってその別証明を見出し, さらにその手法を用いて(B)型の実超曲面の特徴付けを与える奇, Kim, 中川氏の定理の別証明を見出すと共に, その挟撃数の意味を見出した.
著者
村田 豊
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2582号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2008/3/15 ; 早大学位記番号:新4741
著者
丸田 孝志 曽田 三郎
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日中戦争期から内戦期の中国共産党(中共)根拠地における民俗・象徴・儀礼を利用した戦時動員・宣伝政策について分析し、これらの政策が、階層間の流動性が大きく、状況依存的なネットワークが展開する中国基層社会の構成の特質を意識して展開され、強力な動員力を発揮した状況を明らかにした。また、日本傀儡政権の同様の政策と対比して、両者の特質を検討した。この他、清末から民国初期の憲政導入過程の分析を通じて、伝統的統治から近代的統治への転換の問題を長期的な視点から検討した。
著者
西良 浩一
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

(臨床的観測)肘頭の形態と各種肘頭過労性骨障害の出現率との関係を検討したところ、肘頭疲労骨折では肘頭が台形のものに、いわゆるVEO(vulgas extension overload injury)では尺側凸のものに、疲労骨折類似型ではドーム状のものに多発することを確認した。さらに、肘頭および肘頭窩の形態と肘頭過労性骨障害との関連について検討した結果、肘頭が尺側凸型で肘頭窩が外側陥凹型では60%、肘頭が尺側凸型で肘頭窩が肘頭陥凹型では28.6%、肘頭が台形型で肘頭窩が外側陥凹型では22.2%で障害を認めた。以上より、疲労による肘頭障害は、肘頭自身の形態に加え、相対する肘頭窩の形態とのコンビネーションにも大きく影響されることが分かった。(有限要素解析)33歳男性の肘関節を1mm間隔でCTを撮影し、Mark Mentat softwareを使用して、コンピューター上で、3次元にて再構成した。作製した有限要素モデルに外反伸展負荷を与え、肘頭での応力集中点をVon Misesの解析を用い検討した。その結果、台形型では疲労骨折と同様な部位に応力集中を示し、尺側凸型では肘頭尺側先端にのみ応力集中を認め、いわゆるVEO発生部位に一致した。ドーム状の肘頭では肘頭全体に一応な応力集中を示した。有限要素からみた理論的疲労障害発生メカニズムの検討からも、各種疲労障害発現には、肘頭の形態が重要であることを示している。
著者
長ヶ原 誠 石澤 伸弘
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

中高齢者の運動・スポーツ希望種目数に影響する要因は、対象者全体ではレジャー便益期待値、現在の運動・スポーツ実施頻度、健康自己評価レベルであった。次に、男性ではレジャー便益期待値と現在の健康自己評価レベル、女性では支援便益期待値と現在の運動・スポーツ実施頻度であった。最後に、中年期では現在の運動・スポーツ実施頻度、レジャー便益期待値、高齢者では現在の健康自己評価レベルと、レジャー便益期待値であった。
著者
中川滋人
雑誌
肩関節
巻号頁・発行日
vol.28, pp.333-337, 2004
被引用文献数
2 1
著者
馬嶋 正隆
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1)ラット尿中キニナーゼは、血中のそれと全く異なり、carboxypeptidase Y-likekininaseとneutral endopeptidaseであることが判明しているが、それぞれのキニン分解酵素のebelactoneBとthiorphanを、ラット高血圧モデルに長期間にわたり投与した。その結果、ebelactone B投与で高血圧の発症が完全に抑制された。その際には、心重量の減少、体内ナトリウムの貯留の解消、髄液・赤血球内ナトリウムレベルの低下が認められた。高血圧予防という新しい概念の抗高血圧薬のシ-ドコンパウンドになる可能性があることが判明した。2)上記のモデルに、リポゾーム化したcarboxypeptidase Y-like kininaseのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、腎選択的にターゲッティングし、血圧と腎電解質の排泄を、経時的に測定した。処置後、アンチセンスオリゴを投与した例で、ランダマイズドコントロールオリゴ投与例に比べて血圧の低下が認められた。それに伴って、尿中ナトリウム排泄の増大が確認された。ジーンターゲッティングの高血圧治療への応用が考えられる。3)血中カリウムイオンを極くわずかでも増大させると、尿中カリクレイン分泌が増大することが判明しているので、カリウムイオンレベルをセンスするなんらかの機構が存在することが想定された。その機構の一つとして、ATP-sensitiveカリウムチャンネルが分泌に関与する可能性が判明した。グリベンクラミドのようなATP-sensitiveカリウムチャンネルブロッカーを使うと、カリクレイン分泌が高まる。尿細管細胞がゆっくりとした脱分極を起こして、細胞内カルシウムイオンを増大させ、分泌のためのサイトスケルトンの収縮のもたらすものと推定された。
著者
樋渡 さゆり
出版者
明治大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

「風景」と「言語」の問題を軸にして、18世紀から20世紀の英詩の特徴を探るという展望の中で、本年は主にテニスンを中心にヴィクトリア朝の文学について考察し、あわせて、ワーズワスらロマン派の文学との関連について考察した。研究としては(1)論文「『イノック・アーデン』と解釈学的な旅」、および(2)国際学会での口頭発表“Descriptive Sketches and the New Language"としてまとめた。従来、文学史としては記述されて来たが、今後の研究が期待される18世紀、ロマン派、そしてヴィクトリア朝の詩の関連について、および、それらと象徴主義や、小説における自然主義との有機的な関わりを明らかにする、という、長期的な展望の研究の一部である。最近のヴィクトリア朝研究の中で、とくに「神と自然」をめぐる自然科学史研究の成果をもとにテニスンの活動や作品を再評価すると、当時の英国文化の特徴は、さまざまな領域に渡る時間的・空間的なコミュニケーションの拡大であることがわかる。上記(1)では、テニスンの作品に特徴的なのは解釈学的なコードの間の「対話」であり、コミュニケーションと翻訳を中心的なテーマとしてヴィクトリア朝時代に特徴的なコミュニケーションのあり方を描いたことを示した。共通する視点から、「風景」や「牧歌」、「言語」のテーマに関わる「コード転換」というテーマから、ワーズワスの叙景詩を、18世紀のピクチャレスク美学との関連から考察したものが(2)である。本年度と同様、今後も、同時代の絵画、造園術、自然科学史、宗教、文化論など、重要な手掛かりになると思われる領域の研究を参考にして、ロマン派以降の英詩について考察を続ける予定である。
著者
澤田 敬司
出版者
早稲田大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2001

日豪の演劇比較に関し、日豪演劇の違い、特に「ナショナル」なイメージが演劇にどのような形で反映されるか、を具体的に検証するため、日豪の演劇実践者に協力を仰ぎ、実験的なパフオーマンスを行った。それがオーストラリア先住民戯曲を研究代表者が日本語訳、そして日本の演出家、および俳優がリーディング上演を行うという試みだった。そこで得られた全く新しい知見は、一部国立民族学博物館の研究部会で報告したほか、日本人演出家和田喜夫、来日し当該パフォーマンスにも参加してくれたオーストラリア先住民の劇作家・演出家ウェスリー・イノックに対して行ったインタビューを材料に近く論文にまとめ、日豪いずれかの学会誌に投稿する予定でいる。資料収集・整理については、オーストラリアへの資料収集の時期は予定より遅れたが、収集された文献資料をデータベース化するためのフォーマット作りを、まず完成させた。その他、日豪比較演劇関連の研究成果としては、日本の天皇の戦争責任をあつかったオーストラリア劇作家テレーズ・ラディックをインタビューし、オーストラリアの日本観、天皇観、戦争観、国家観、現代史観などを掘り起こすと共に、日本演劇との交流の可能性についての指摘を行った論文『テレーズ・ラディック:オーストラリアから見た天皇制』が発表された。また、現代を代表するオーストラリア女性作家ジョアンナ・マレースミスの代表作『オナー』の日本語版の舞台を、日本の演劇実践者(演劇集団円)と議論しながら製作した。このテクストを用いての議論の過程で日豪演劇の相違が浮き彫りになり、その成果は実際の舞台となって表れている。また、このパフォーマンスについても、日本人の観客のリアクションも含めて、オーストラリアの演劇研究学術誌に報告の論文を投稿する計画がある。
著者
花井 修次
巻号頁・発行日
1999

Thesis (Ph. D. in Medical Sciences)--University of Tsukuba, (A), no. 2148, 1999.3.25
著者
高橋 庸哉 新保 元康 土田 幹憲 佐藤 裕三 小笠原 啓之 割石 隆浩 神林 裕子 佐野 浩志 坂田 一則 細川 健裕 土門 啓二 松田 聡 本間 寛太 伊藤 健太郎 杉原 正樹 中島 繁登 吉野 貴宏
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

開発してきた雪に関するWebコンテンツの授業での普及を図るために、コンテンツの拡充と共に児童向けワークシート及び教員向け学習プラン集、教員研修プログラムの開発を行った。ワークシートを授業で利用した教員は5段階で平均4.8と高く評価した。教員研修プログラム後に参加小学校教員の45%はこのコンテンツを利用しており、プログラムが有効に機能した。また、コンテンツが授業に役立ったかについて5段階で4.5と答えており、Webコンテンツの内容妥当性も示された。