著者
加藤 内蔵進 青梨 和正
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

中国から直接入手した広域の日降水量や鉛直高分解能高層気象データ等や、人工衛星のマイクロ波放射計データ(SSM/I)から評価した降水量分布の解析等により、次の興味深い結果が明らかになった。1.1991年には、梅雨前線の長江・淮河流域での停滞が多く、特に淮河大洪水のあった7月前半には、位置もあまり変えずに半月も停滞した。その期間の前線帯は、約200kmの南北幅を持つ「広域大雨帯」(日雨量50ミリ以上)として維持されていた点が注目される。この期間は、前線帯の南側からの多量の水蒸気流入に対し北側からの流出は他期間に比べても小さく、前線帯スケールでの効率的な水蒸気収束と降水の集中化が示唆される。このような前線帯規模での降水分布の集中性は、過去35年ぐらいの中でも特に顕著であった可能性がある。2.日本列島で異常冷夏・大雨だった1993年には猛暑・渇水年の94年に比べて、梅雨前線帯でのSSM/Iで評価した総降水量の大変大きな期間が8月も含めて頻繁に出現し、また、台風に伴う降水の寄与も少なくなかった。このような状況は、1993年の梅雨前線帯では地上付近の南北音頭頻度が平年より大変大きく、南偏した上層の寒冷トラフの南縁と重なっており、また、60N以北の寒帯前線帯とは明瞭に分離した傾圧帯として維持されていた点が関連していたものと考えられる。SSM/Iにより算定した水蒸気量や降水量の情報は、日本周辺のメソ降水システムの数値予報モデルの初期値として、インパクトが大きいことがわかった。(1988年7月中旬頃の例)。4.1994年の中部・東日本では、秋には台風・秋雨前線により渇水が緩和されたが、95年には逆に秋に深刻化した。アノマリーの季節経過過程は、年によってかなり異なる可能性があり、今後解決すべき重要な問題が提起された。
著者
峯 忠己 奥田 勝博 田中 知明 船越 裕正 安井 敏之 久我 龍一郎 益 貴彦 浅見 裕一 豊田 泰之 国仙谷 昇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.65, pp.25-30, 1995-11-21
被引用文献数
4

A 2/3inch 2M pixel CCD HDTV camera has been developed in response to the demand for small size, light weight and high picture quality. This camera uses newly developed 2/3 inch 2M pixel MFIT CCD and with the development of a high speed CCD signal processing technology realize the performance which is over 1 inch 2M pixel camera. And also we realize a horizontal resolution of 1200TV lines and an amplitude response of more than 40% with a development of single channel CCD transfer method and high precision offset imaging technology.
著者
仙谷 和弘
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、胃癌や大腸癌における腫瘍進展に関連する新たな遺伝子を同定し、その臨床病理学的意義を明らかにすることを目的とした。細胞外基質蛋白lamininγ2はMMP-7とともに腫瘍進展過程で発現が増加したが、逆にギャップ結合構成蛋白connexin30は発現が減少する一方で、腸型粘液形質を示す分化型腺癌の新規分化マーカーであることが明らかとなった。さらにタイトジャンクション構成蛋白claudin-18は予後不良な大腸癌の新規診断マーカーであることが明らかとなった。
著者
Wang Kedian Xu Haibo Chen Zhonghuai
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.356, pp.485-490, 2000-10-13

Stereo display is one of the key technologies of virtuaI Reality(VR), and is a basic requirement of a VR system. VR is a kind of hi-tech in Computer Science, which combines the most preeminent new results of several technologies such as CG, multimedia, display and computer simulation technology. This paper researches stereo displaying system on PC platform. On study of the mechanism of stereo vision, the importance of binocular parallax to generate stereo vision is explained, and different vision effects due to different types of binocular parallax are also analyzed and compared. A binocular-intersected projection model is proposed to generate stereo pairs, and this model is introduced into the popular 3D modeling system 3DS MAX to implement stereo displaying in one of the system windows. By using the LCD shutter glasses, the stereo displaying of static BMP pairs and bi-sequece AVI files generated using the binocular-intersected projection model can be observed. The shift from bi-sequnce AVI to mono-sequence AVI and stereo displaying of monosequence AVI are also expatiated. A real time stereo displaying system depending on hardware capabilities of display card is also realized in this paper. Through transforming.3ds files exported by 3DS MAX to loaded and Illumination, provided, and .x files, 3D models in .x files can be stereo-displayed by the system. textures and material functions are mutual controls such as pinning and rotation of models are also supplied. Predefined Awl can be played. The advantage of this stereo displaying system to common 3D-display system is that the depth of the image can be felt. A very good stereo vision effect can be obtained ; the program's execution is fast. The system is cheap and can be applied in products exhibition, CAT and entertainment.
著者
矢野 友久
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

ガラス室内に設置した計量型ライシメータ(直径1.5m,土層厚1.6m,海岸砂充填)を用いて,平成8年9月中旬から約1カ月間ならびに9年8月中旬から約1カ月半の間,オレンジを対象に塩水潅漑を行った.潅漑水はNaClとCaCl_2によって,2,000mg/lの塩分濃度(電導度:4.0dS/m)になるように調合した.潅漑は点滴潅漑方式によって毎日行い,毎日の潅水量は,前日の蒸発散量の1.2倍とした.日蒸発散量は水道水で潅漑した場合(対照区),最大4.2kg/day(ライシメータ面積を用いて水深に換算すると,2.4mm/day)であった.対照区の蒸発散量と計器蒸発量との間には相関係数0.955の強い相関があった.塩水潅漑による蒸発散量の影響は潅漑開始直後から表れ,2週間経過した時点で塩水潅漑条件下の蒸発散量は普通水潅漑条件下に比べて約20〜25%減少した.減少割合の変化はほぼ直線的であった.オレンジの根元から10,30,50cmの距離において,深さ10〜60cmの深さまで採土法によって実験終了後に測定した飽和抽出液の電導度は根元付近で高く,最大3.5dS/m,距離10cm地点の深さ10〜60cmで,1.4〜1.6dS/m程度の値を示した.従来の研究結果によれば,1.7dS/mの値まではオレンジの収量に全く影響がなく,3.3dS/mの値で収量が25%減少すると言われており,蒸発散量と収量の違いがあるが,本研究では塩水潅漑による生育への影響が大きいことを示した.有限要素法を用いて,塩水潅漑開始後ならびにリーチング潅漑開始後の土壌水分と土壌塩分の挙動に関するコンピュータシミュレーションを行った.理論解や他の公表プログラムとの比較によって,プログラムのアルゴリズムは正しいことが確認できたが,水分と塩分の実測値と比較すると,定量的には十分な精度が得られなかった.表面ならびに底部の境界条件,水分ならびに塩分移動に関するパラメータの値などの再検討が必要である.
著者
Wang Kedian Xu Haibo Chen Zhonghuai
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.58, pp.485-490, 2000-10-20

Stereo display is one of the key technologies of Virtual Reality(VR), and is a basic requirement of a VR system. VR is a kind of hi-tech in Computer Science, which combines the most preeminent new results of several technologies such as CG, multimedia, display and computer simulation technology. This paper researches stereo displaying system on PC platform. On study of the mechanism of stereo vision, the importance of binocular parallax to generate stereo vision is explained, and different vision effects due to different types of binocular parallax are also analyzed and compared. A binocular-intersected projection model is proposed to generate stereo pairs, and this model is introduced into the opular 3D modeling system 3DS MAX to implement stereo displaying in one of the system windows. By using the LCD shutter glasses, the stereo displaying of static BMP pairs and bi-sequece AVI files generated using the binocular-intersected projection model can be observed. The shift from bi-sequnce AVI to mono-sequence AVI and stereo displaying of mono-sequence AVI are also expatiated. A real time stereo displaying system depending on hardware capabilities of display card is also realized in this paper. Through transforming .3rd files exported by 3DS MAX to .x files 3D models in .x files can be loaded and stereo-displayed by the system. Illumination, textures and material functions are provided, and mutual controls such as pinning and rotation of models are also supplied. Predefined AVI can be played. The advantage of this stereo displaying system to common 3D-display system is that the depth of the image can be felt. A very good stereo vision effect can be obtained; the program's execution is fast. The system is cheap and can be applied in products exhibition, CAI and entertainment.
著者
中西 正己 紀本 岳志 熊谷 道夫 杉山 雅人 東 正彦 和田 英太郎 津田 良平 大久保 賢治
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1994

1993年の琵琶湖の夏は、記録的な冷夏・長雨だったのに対し、1994年は猛暑と渇水に見舞われた。この気候変動は、琵琶湖の微小生物生態系を大きく変化させた。1993年夏の琵琶湖国際共同観測(BITEX)に続いて、1994-1995年夏の本総合研究において、世界に先駆けて実施された生物・化学・物理分野の緊密な連携のもとでの集中観測結果は、琵琶湖の水環境を考える上での最重要部分である『活性中心』としての水温躍層動態の劇的な変化を我々に垣間見せてくれた。特に注目された知見として、1993年、1995年の降雨は、河川からの水温躍層直上への栄養塩の供給を増やし、表水層での植物プランクトンの生産を活発にしたのに対し、1994年は河川水の流入が絶たれたため、表水層での植物プランクトンの生産は低下し、キッセ板透明度も十数メートルと向上した。その一方で、躍層内での植物プランクトンの異常に高い生産が、詳細な多地点・沿直・高密度連続観測によって発見された。この劇的な理学の変化は、湖の生物・化学・物理全般にわたる相互作用として、従来指摘されていなかった新たな機構についての知見の一つである。
著者
坂田 祐介
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

研究実績1.ミツバツツジ,クルメツツジへの耐暑性の導入:ミツバツツジ交配系統ではオンツツジ,ハヤトミツバツツジ,サクラツツジを,クルメツツジ交配系統ではマルバサツキをそれぞれ交配親にしたF_1を高温・高湿など不適環境下で生育させ,生存した個体群から耐暑性に富む個体を選抜した.2.ヒラドツツジへの四季咲き性の導入:キンモウツツジ×ヒラドツツジの交配で,当年9月から翌年1月にかけて高率で開花する四季咲き性の個体群(系統)を作出した.これらのうち9月もしくは10月中に早期開花する個体へヒラドツツジを戻し交雑し,BC1種子を得た.3.ミツバツツジへの常緑性の導入:常緑のサクラツツジを交配親に用いると,常緑性のF_1が100%得られることを明らかにした.4.クルメツツジ交配系統への二重咲き性の導入:二重咲き花のクルメツツジを花粉親に用いた交配で,F_1に二重咲き花が50%の割合で出現したことから,二重咲き性は優性形質で,この形質に関してクルメツツジはヘテロの遺伝子型を持つことを明らかにした.5.ミツバツツジ,クルメツツジ,ヒラドツツジの新花色の育種:ミツバツツジとクルメツツジ交配系統では,F_1にはいずれの組合わせも一方の交配親の持つ紫紅色が優位に出現した.多彩な花色を獲得するにはF_2の作出が必要で,F_1を自殖しF_2種子を得た.これに対しヒラドツツジ交配系統では,F_1には両親の花色を示す個体と両親の中間の花色を示す個体が出現した.HPLCによる花弁の色素分析の結果,優性に発現するデルフィニジン系色素生成に関わる遺伝子がヘテロ型で存在することを明らかにし,優れた花色の個体を選抜してそれらへのヒラドツツジの戻し交雑を行った.
著者
大石 勇 片江 宏巳 中垣 和英 中井 正博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.125-130, 1988-02-15
被引用文献数
1

Ivermectinの1か月間隔投与による犬糸状虫の寄生予防効果を,自然感染下で実験した. 実験犬35頭をA(15頭), B(10頭), C(5頭)の3群とし,7月1日から9月30日の3か月間蚊に曝して自然感染させた. さらに,A,B両群には7,8月に3回に分けてL_3を1頭当り30匹実験感染した. A群には8,9,10,11月の各月1日にivermectin 6μg/kgを経口投与し,B群にはA群と同一日にplaceboを投与し,C群は無投薬群とした. B群全例からは平均49.1匹の虫が回収(実験感染L_3数に対して平均163.7%の回収率)され,C群全例からは平均33.6匹の虫が回収されたことから,この実験では高度の自然感染があったことが示された. Ivermectin投与のA群からは虫は回収されず,右心への寄生予防効果は確実であり,副作用は認められなかった. 以上の成績から,自然感染開始後1か月から終了後1か月の期間を通して,1か月間隔でivermectin 6μg/kgを投与すれば,犬糸状虫寄生を確実に予防できることが証明された.
著者
金山 亮太
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

サヴォイ・オペラの娯楽性の陰に隠れた影響の一つとして、19世紀末のイギリス人観客に帝国主義的発想を身近なものにしたという点が挙げられることを立証すべく、いくつかの作品に含まれる愛国的要素とそれの受容の様態について研究し、研究発表やシンポジウムの場で公表した。結果的に、この軽歌劇の持つ影響力の広さと深さが更に明らかになった。特に、サヴォイ・オペラは今日の英国の映像や活字メディアにおいて何らかの形で引用・言及されることが多いことが分かり、現代のイギリス人の中に息づいているイングリッシュネスは、この19世紀的価値観の延長上にあるのではないかという仮説を立てることに繋がった。また、ブリティッシュネスという人工的な概念ではなく、あくまでもアングロ・サクソン的なイングリッシュネスの方に親近感を感じる人々の中に潜む人種的な問題に関する動揺が、この軽歌劇に対する根強い愛着の背後にあるのではないかという仮説も生まれ、将来の研究テーマとして、ポスト植民地主義以降の新たな国家観という問題も浮上してきた。これらのテーマに基づき、さらなる科研費補助金の対象となる基盤研究(C)の方向性が定まった。
著者
赤堀 雅幸 黒木 英充
出版者
上智大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

ユーフラテス川中流域ビシュリ山系で展開されている領域研究全体の調査と連携しつつ、人類学、歴史学による従来の部族研究を再評価し、通時代的、通分野的に適用可能な概念的洗練を行うべく、下記のような活動を展開した。1. 現地調査 : ビシュリ由系における第7次調査の一環として研究協力者である高尾賢一郎(同志社大学大学院神学研究科博士後期課程)が10月、第8次調査の一環として、赤堀、黒木および研究協力者、森山央朗(日本学術振興会特別研究員(PD))が3月に現地調査を実施した。黒木、高尾、森由はあわせてシリアでの文献調査に従事した。2. 比較対照調査 : 理論面での成果発表と比較対照調査を兼ねて、9月に赤堀がモンゴルで学会発表と騎馬遊牧民の調査を実施し、また連携研究者である錦田愛子(東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所・非常勤研究員)がレバノンで政治的な離散状況下での父系紐帯のありように関する調査を実施した。3. 文献資料の探索、収集、読込 : それらのうち厳選して購入した26冊については、設備備品として上智大学アジア文化研究所図書室他に所蔵することとした。なお、討画調書上には研究補助業務等に謝金を充てる予定であったが、上記研究協力者他大学院学生らの自発的な協力により支払いが生じなかったため、この分を別費目に充てることで、調査等を充実させることができたのは幸いだった。当該年度中にすでに複数の研究発表を実施しているが、平成21年4月には領域研究の合同研究会で赤堀、黒木、高尾が成果発表を行っており、11月開催予定の国際シンポジウムでも赤堀が発表するのに加え、その他複数の成果物刊行が決定しているなど、領域研究全体の最終年度である平成21年度においても、貢献を継続する予定である。
著者
石江 哲也 砂子 一徳 富井 尚志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1-13, 2005-06-15
被引用文献数
12

近年,FDG(2-[fluorin18]fluoro-2-deoxy-D-glucose)を用いたWB-PET(Whole Body-Positron Emission Tomography)画像診断がガンの有効な診断方法として注目されている.その読影は,1.関心領域(Region Of Interest: ROI)を設定し,2. その意味づけを行い,3. 画像所見を記載する,というプロセスによる.すなわち,読影は画像内の領域を意味づけすることである.しかし,PETは身体機能に注目した画像であるため,読影にはPET 固有な知識を要求されるうえ,大量の画像を操作しながらの読影は負担が大きい.一方,今日ではWB-PET が健康診断に適用され,大量に画像が生成されるため,データ活用の観点から適切な情報を統合して検索できるように編成することが有効である.本研究では,WB-PET 診断を,「DB による画像所見の共有」と「検索による画像所見の利用」という観点からの支援を提案している.本稿では,ROI を定性的,定量的に記述するためのPET 固有の知識の抽出,関心領域情報付き画像所見を蓄積・検索するためのPET 情報モデルの導入,およびプロトタイプシステムの実装を行った.さらに,読影支援に有効な検索を実行し,その結果と実行時間についての評価を行った.In recent years, diagnosis by whole-body PET (Positron Emission Tomography) images are considered as an effective method of finding cancer. Interpretation of PET consists of three processes, 1. setting ROI (Region Of Interest), 2. giving its semantics to the ROI, and 3. describing them into finding reports. In this study, we propose the WB-PET database system which supports WB-PET diagnostic imaging from a viewpoint of "management of findings by database" and "practical use of findings by retrieval". In this paper, we extract knowledge peculiar to PET for describing ROI qualitatively and quantitatively, and also we introduce the PET information model for associating finding data and image data. Finally, all data are stored into the PET DB, and can be retrieved from the DB. For the purpose of evaluation, we implemented a prototype system on practical DBMS. By using the prototype, effective queries in diagnostic support are performed and the execution times are examined.
著者
河野 三千代 Kono Michiyo
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.6, no.7, pp.984-1002, 1928-07-28

著者ハフラヴォン化合物ノ皮下組織及全腸管、小腸各部即チ十二指腸、空腸、廻腸カラノ吸收ヲ實驗シ、擴散度、化學的構造、吸着度、リポイド溶解性トノ關係ヲ研究シタ。動物ハ二瓩内外ノ雄家兎ヲ用ヒ、皮下注射ニハ色素ノ一定量ヲアルカリ性液ニ溶解シ中和シタル後生理的食塩水ニテ二〇竓トナシ、經口的ニハ前日ヨリ絶食セシメ前記ノ液ヲカテーテルニテ胃ニ送リ其排泄セル尿ヲ時間的ニ採取シ、其含有色素量ヲ比色定量シタ。著者ガ排泄ノ實驗ニ既報セル如ク靜脉内ニ注射シタフラヴォン化合物ガ其五〇乃至九〇%ハ腎ヨリ排泄セラルヽヲ以テ尿中色素量ヲ測リ吸收ヲト知スルコトヲ得ル。又小腸各部ノ實驗ニハ腹腔ヲ開キ十二指腸、空腸、廻腸ヲ出シ、其中央部二五糎宛ヲ結紮シ其中ニ前記ノ液ヲ平等ニ注入シ腹腔ヲ閉ヂ、五時間後再ビ之ヲ出シテ切開シ白皿ノ上ニテ縱切開シテ檢索シタ。フラヴォン化合体ノ證明ニハ〇・五%ノ苛性ナトロン液ヲ以テシタ。其成績ハ次ノ通リデアル。皮下組織ニテハ約一時間デ殆ンド全部吸收サレル。腸管デハ其種類ニヨリ五時間内ニ一〇乃至五〇%、殘餘ハ二〇時間以内ニ吸收排泄セラレ其吸收状態ハ二次的デアル。小腸ハ主トシテ吸收ヲ司ドルガ其各部中廻腸最旺盛デ十二指腸、空腸ハ大差ヲ認メナイ。胆汁ハ吸收ヲ助長スル如ク思ハル。擴散度、化學的構造、吸着度、リポイド溶解性ト吸收速度トノ關係ハ何レモ著明ナルモノヲ見ヌガ、ソノ中デ化學的構造ガ最有利ナ説明ヲ與ヘル。(自抄)In der vorigen Arbeit (Chiba Ig. Kw. Z., Bd. VI. S. 588) hat Verfasser klar gestellt, dass die in die Blutbahn direkt einverleibte Flavonole zum grossten Teile (50-90%) in 1-2 Stunden im Harn ausgeschieden werden. Auf Grund dieser Beobachtung kann man die Resorptionsverhaltnis der innerlich oder subeutan darreichten Flavonole in die Blutbahn schatzen, indem man die im Harn ausgeschiedene Farbstoffmenge bestimmt. Die vorliegende Arbeit uber die Resorption der Flavonole wurde nach diesem Prinzip ausgefuhrt. Der Harn wurde mittels eines Dauerkatheters vom gefesselten Kaninchen gesammelt und die ausgeschiedene Farbstoffmenge kalorimetrisch gemessen. Von den Flavonolen wurden wie in der vorigen Arbeit Kampferol, Morin, Quercetin, Quercitrin und Rutin untersucht. Subcutane Injektion: Wie die Tabelle 1. zeigt, werden die Flavonole von subcutanen Geweben rasch und vollstandig resorbiert. Die Phase der Ausscheidung ist nur ein wenig (1/2-1 Std.) verspatet im Vergleich zur direkten Darreichung in die Blutbahn. Daraus folgt, dass die Flavonole in 1/2-1 Std. fast vollstandig resorbiert werden. Merkwurdig ist es, dass Quercetin viel schneller als die Andere resorbiert und ausgeschieden wird, obwohl seine Ausscheidungsgeschwindigkeit im Vergleich zu den Anderen nicht grosser ist. Innerliche Darreichung: Die Resorption der Flavonole vom Verdauungstractus aus geschieht viel langsamer. In 5 Stunden nach der Darreichung von 20mg Farbstoffe werden, beim Kampferol 50%, beim Quercetin 39-45%. beim Quercitrin 17%, beim Rutin 16% und beim Morin nur 9% resorbiert und ausgeschieden. Sie werden doch schliesslich vollstandig resorbiert., so dass die gesamte in 20 Stunden ausgeschiedene Farbstoffmenge beinah dem injizierten Werte entspricht. Resorption von verschiedenen Darmabschnitten aus: Flavonole werden von Magensaure gefallt. Sie werden also vom Magen gar nicht resorbiert. Unter den verschiedenen Darmabschnitten werden die Flavonole am schnellsten von Jleum, dann von Duodenum resorbiert. Die Resorption findet auch bei Abwesenheit der G新字体抄録:著者ハフラボン化合物ノ皮下組織及全腸管、小腸各部即チ十二指腸、空腸、回腸カラノ吸収ヲ実験シ、拡散度、化学的構造、吸着度、リポイド溶解性トノ関係ヲ研究シタ。動物ハ二瓩内外ノ雄家兎ヲ用ヒ、皮下注射ニハ色素ノ一定量ヲアルカリ性液ニ溶解シ中和シタル後生理的食塩水ニテ二〇竓トナシ、経口的ニハ前日ヨリ絶食セシメ前記ノ液ヲカテーテルニテ胃ニ送リ其排泄セル尿ヲ時間的ニ採取シ、其含有色素量ヲ比色定量シタ。著者ガ排泄ノ実験ニ既報セル如ク静脈内ニ注射シタフラボン化合物ガ其五〇乃至九〇%ハ腎ヨリ排泄セラルルヲ以テ尿中色素量ヲ測リ吸収ヲト知スルコトヲ得ル。又小腸各部ノ実験ニハ腹腔ヲ開キ十二指腸、空腸、廻腸ヲ出シ、其中央部二五糎宛ヲ結紮シ其中ニ前記ノ液ヲ平等ニ注入シ腹腔ヲ閉ジ、五時間後再ビ之ヲ出シテ切開シ白皿ノ上ニテ縦切開シテ検索シタ。フラボン化合体ノ証明ニハ〇・五%ノ苛性ナトロン液ヲ以テシタ。其成績ハ次ノ通リデアル。皮下組織ニテハ約一時間デ殆ンド全部吸収サレル。腸管デハ其種類ニヨリ五時間内ニ一〇乃至五〇%、残余ハ二〇時間以内ニ吸収排泄セラレ其吸収状態ハ二次的デアル。小腸ハ主トシテ吸収ヲ司ドルガ其各部中回腸最旺盛デ十二指腸、空腸ハ大差ヲ認メナイ。胆汁ハ吸収ヲ助長スル如ク思ハル。拡散度、化学的構造、吸着度、リポイド溶解性ト吸収速度トノ関係ハ何レモ著明ナルモノヲ見ヌガ、ソノ中デ化学的構造ガ最有利ナ説明ヲ与ヘル。(自抄)