著者
小川 晃一 松吉 俊満 門間 健志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.98, no.356, pp.89-96, 1998-10-23
被引用文献数
7

ホイップアンテナと板状逆Fアンテナによって構成された携帯電話用ダイバーシチアンテナに関し、携帯電話を所持する人体による電磁的影響を考慮して900MHz帯における特性を解析した。ダイバーシチアンテナおよび人体をワイヤーグリッド法によってモデル化し、陸上移動無線伝搬環境において、ホイップ長、頭と携帯端末の間隔、鉛直方向からの傾き角と放射効率、平均実効利得(Mean Effective Gain:MEG)、相関係数の関係を定量的に解明した。その結果、頭と端末の間隔が2cmのとき1/4波長ホイップアンテナは-8.5dBd、板状逆Fアンテナは-11dBdの低いMEGを示すこと、そして1/2波長ホイップアンテナの場合、それぞれのMEGは-7dBdおよび-8.5dBdに増加することがわかった。さらに、筐体の傾き角が60°付近の実使用状態では0.3以下の小さな相関係数が得られることがわかった。さらに、人体の各部位(頭、手、肩)に吸収される電力、インピーダンスの不整合による反射電力および非励振素子における消費電力の定量的関係について調べた。
著者
藤村 知春 垂水 弘夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.47, pp.180-183, 2004-07-17

本研究は異なった熱性能をもつ戸建住宅の、温熱環境と暖冷房エネルギー消費の現状把握を目的としている。富山県高岡市に立地する次世代省エネルギー基準適合住宅、地域に多く残る無断熱木造住宅、伝統的民家(蔵造り)の3邸を取り上げ、温熱環境と、暖冷房エネルギー消費の実態を1年間にわたって実測調査を行った。年、月、日平均温湿度を示し、異なる熱性能、暖冷房運転方法による温熱環境の差を確認した。また、暖冷房エネルギー消費にCOPを考慮して求めた温冷熱供給量と室内外温熱環境の関係性の検討を試みた。
著者
山福 若菜 五十田 博 加藤 辰彦 勝間田 辰也
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.49, pp.107-110, 2006-07-09

木質断熱複合パネルを一般の軸組構法の耐力壁と床に用いた構造について、壁、床、そして軸組との接合部の構造性能を確認する実験を実施した。それぞれの実験により、合板の種類、実材の有無、断熱材の種類などの違いによる性能を把握することができた。また、壁の性能を部分実験の結果より概ね捉えることができた。
著者
神山 剛 中山 雅哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26, pp.251-255, 2006-03-17

DNS(Domain Name System)の名前解決という機能を利用することで、誰でもサービス提供元ホストを発見することができる。近年のインターネットには、誰でもが利用可能ではなく、個人や組織内などクローズドな利用目的でのサービスも多く存在する。このようなサービスは、無断利用だけでなく、発見されること自体も望ましくない。DNSの利用自体が元々オープンなものであるから、扱われる個別のリソース自体を守ろうとする仕組みはあまり議論されていない。本稿では、DNSで扱われる特定のリソースに対しての名前解決の際、許可されたユーザが権限証明書を提示することで、ユーザとそのアクセス権限を識別し、アクセス制御を行う仕組みを提案する。Using DNS Name Resolution, everyone can look up the host with desirable services. In modern Internet, there are many services not intended for everyone but only to limited users. It is undesirable for these services to be not only used but also looked up by unknown users. However, because DNS usage is unrestricted, protecting each resource explicitly is not well discussed. In this paper, we propose an access control mechanism for name resolution in DNS that identify user and access right by requiring Authorization Certificate to be shown.
著者
澤田 宏 荒木 章子 牧野 昭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.292-296, 2008-04-01
被引用文献数
4

音源分離技術は,実環境におけるハンズフリー音声認識やコンピュータによる音環境理解のために必要不可欠な技術である.音源の位置や話者の特徴など,事前知識を必要としない,いわゆるブラインド処理に関する技術がこの10年で大きく進展した.本稿では,独立成分分析やスパース性など,ブラインド音源分離に必要な基本技術を分かりやすく解説し,研究動向や現状での到達点を述べる.
著者
桑原 彰宏
巻号頁・発行日
2010-03

Supervisor:徳田功
著者
内田 陽子 上山 真美 富沢 順 石川 徹
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.207-212, 2006-08-01

【背景・目的】現在,寝たきり患者などの移動の際にバスタオルを使用している所が多い.本研究の目的は,バスタオルにかわる患者仰向け体位からの移動兼療養用ウールボアマットを開発し,その評価を行うこととした.【対象と方法】10人の健康学生を対象にバスタオルとウールボアマットの強度・耐性と体圧,主観的評価を行った.【結果】ウールボアのほうがバスタオルよりも長さ・幅方向で高い強度を示し,伸び率も高かった.また,何も敷かない場合とウールボアマットを敷いた場合では,右踵部と左肘関節部において後者の方が体圧は低かった(p<0.05〜0.01).また,バスタオルとウールボアマットの比較でも後者のほうが左肘関節で低い値が得られた(p<0.05).被験者はウールボアのほうが肌さわり,寝心地,暖かさの面でよいと評価し,首の安定感,身体の痛み等もよいという者が多かった.また,看護者側も持ちやすいという評価をしていた.反面,ウールボアのほうが滑りやすいという意見もあった.【結語】移動用兼療養においてはバスタオルよりウールボアマットのほうが適している.
著者
宗前 清貞 Somae Kiyosada
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
政策科学・国際関係論集 (ISSN:13438506)
巻号頁・発行日
no.6, pp.57-86, 2003-03

本稿では、我が国で初めて県レベルで条例に基づく行政評価制度を導入した宮城県を事例に、行政評価という新しい行政改革がいかなる要因によって進展したかを分析する。宮城県では前知事の任期中の逮捕と新知事就任まもなく発覚した公費不正支出問題というふたつのスキャンダルを経験した。また、行政評価制度の導入という点では先進自治体ではなかった同県が、いかにして条例制定に進んだかという経緯を明らかにする。その上で、行政評価制度それ自体の透明性を高めるためには、情報公開の延長としての特質が必要であることを明確にする。Nowadays most of prefectures and cities exercise program evaluations but Miyagi's system is the unique attempt since the system is based upon Miyagi Prefectural Act of Administrative Evaluation of 2002, which is the first local act for program evaluation. Governor Asano of Miyagi, famous for his "Reformist" reputation, first won his campaign in 1993 when ex-Governor arrested for alleged corruption. A year later, he faced another big political problem: illegal expenditure in Government's sections and departments. Miyagi Government energetically tried to recover its damaged image mainly through actions for information disclosure, but was not so much eager to promote policy evaluation in late 90s when Mie Government, in which another famous Reformist governor took office, started the first trial among prefectures for policy evaluation. This article tries to draw a picture of process how the Government had taken steps for the Act for the first time in country's history and to clarify how and why a latecomer succeeded becoming a front-runner, To conclude, evaluation systems should be a part of disclosure after my analysis of Miyagi's case study.
著者
簗瀬 英司 岡本 賢治
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

世界に先駆けて、セルロースから直接バイオエタノールを生産できる遺伝子組換え発酵細菌を開発するために、セルロース系バイオエタノール生産のキーとなる遺伝子群の解析を実施した。先ず、我が国独自の発酵細菌であるZymobacter palmaeの全ゲノムを完全解読し、そのゲノム情報に基づき作製したDNAマイクロアレイを用いてエタノール発酵時に発現する遺伝子群の挙動を詳細に解析した。その結果、高効率なエタノール生合成代謝のキー遺伝子群、糖質の細胞内取り込みに働くキー遺伝子群、およびストレスに応答遺伝子群を初めて明らかした。