著者
小林 真雄 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.1-6, 2009-09-18

昨今,インターネットにおける商取引が盛んに行われている.特にインターネットオークションは大きな市場の一つである.現在多くのオークションサイトで用いられているユーザ評価システムには,取引の情報を反映しきれない等の問題点がある.そこで,本研究ではインターネットオークションにおけるユーザ間の関係性を考慮したユーザ評価システムの提案を行う.本論文では本システムにおけるユーザの評価手法を述べ,またユーザ間の関係性を実取引データを用いて検証を行った.らその結果,既存の評価システムとのユーザランキングにおける比較で高い相関を示し,また既存の評価指標よりも提案する関係性値はユーザを低く評価する傾向にあることが分かった.
著者
佐藤 勝善 飯草 恭一 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.425, pp.133-138, 2009-01-28

ITSは渋滞や事故の低減など多くの役割を期待されている.ITSにおいて,車両間通信・路車間通信は大きな役割を果たすが,車両間通信は特に安全運転支援への適用が期待されている.その応用例の一つとして交差点見通し外環境における衝突防止が挙げられるが,このような用途のため比較的周波数が低く回折による回り込みが期待できる720MHz帯がITS用に割り当てることとなった.この周波数帯における車両間電波伝搬特性は現在必ずしも十分に明らかではなく,信頼性の高いシステムを開発するためにはその特性を知ることは重要である.本稿では擬似的交差点構造を用いた720MHz帯における車両間電波伝搬特性について測定を行ったのでその報告する.
著者
山口 暢彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.5, pp.632-641, 2010-05-01

近年,観測データの分布を潜在変数の非線形変換を用いて表現することにより,観測データの本質的な構造を探るGTM (Generative Topographic Mapping)が提案され,データの可視化やクラスタリング等への応用が行われている.しかしながら,GTMは独立同一分布からの標本を仮定しており,互いに相関をもつ時系列データに対してGTMを適用した場合,誤った結果を導きかねない.そこで本論文では,時系列データの生成モデルとして制約付きARHMM (Auto-Regressive Hidden Markov Model)を仮定するGTM-ARHMMの提案を行い,GTM-ARHMMを用いた時系列データの可視化手法について提案を行う.
著者
船越 孝太郎 木村 法幸 中野 幹生 岩橋 直人
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.5, pp.610-620, 2010-05-01

本論文では,少数の教示発話から,ユーザが任意に決めた物体や場所の名称をロボットが学習し識別するための手法を提案する.高齢者や児童も含めたユーザの使いやすさを高めるためには,語彙や言い回しに関する制限を課さないことが重要である.また,背景雑音などによって生じる誤認識に対して頑健でなければならない.そこで提案手法では,大語彙連続音声認識を用いて入力音声を認識し,複数の認識候補(N-best)に対しbag-of-wordsモデルに基づくトピック分類を適用することで,語彙や言い回しの制限を無くし,音声の誤認識に対して頑健な名称識別を可能にする.評価実験では,10の名称と六つの異なる言い回しを用いて16人分の音声発話を収集した.これらの音声発話を,雑音なし,雑音あり,雑音があり名称がすべて辞書に未登録,という三つの条件で音声認識し,その認識結果を用いて名称の学習と識別を行った.実験により,提案手法が言い回しの多様性や誤認識に対して頑健に名称を識別できることを確認した.分類手法としては,EMM,SVMV,LSAの3手法を比較し,LSAで最も良い結果を得た.また,N-bestからの頻度情報の抽出に関して,トークン計数法とタイプ計数法の二つの手法を比較し,我々の問題設定においてはタイプ計数法が適当であることを確認した.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.165-168, 2006

筆者が2002年に開発した携帯電話対応コメントカードシステムを応用し,愛知万博の中米パビリオンで来館者対象の携帯電話対応万博パビリオン展示評価システムを構築し,実施した.中米7ヶ国のパビリオン関係者に日本のモバイル先端技術を提供するとともに,来館者に混雑したパビリオンでの待ち時間や移動時間にアンケートに回答できるモバイル環境を提供した.その結果,毎日来館者約1,000名から回答が寄せられ,その評価得点や意見をもとにパビリオン展示を具体的に改善し,改善点が来館者から歓迎されたことを確認できた.来館者による本システムの評価も良好であった.
著者
内堀 敬則
出版者
明治大學商學研究所
雑誌
明大商學論叢 (ISSN:03895955)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.27-38, 2004-03-26

順調な経済発展に伴い、中国では都市部を中心に購買力を増した中間層が台頭している。こうしたなか、多くの日本企業が中国拠点の位置付けを「輸出基地」としてだけでなく、「国内販売拠点」としてもとらえるようになった。WTOへの加盟を果たしたうえに、2008年の北京五輪や2010年の上海万博といった需要を喚起するような大型プロジェクトが控えており、外資系企業の間で中国市場への期待感は否応無く高まっている。中国の直接投資受入額は、2002年に米国を追い抜くなど急拡大しており、英誌「エコノミスト」系研究機関、EIU[2003]の見通しでは今後もその勢いは衰えないとされている(図表1)。
著者
中田 和男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.781-789, 1982-09-20

音声情報入出力技術すなわち音声認識と音声合成について, その技術の現状レベルを紹介するとともに, 実用上の問題点について解説する.とくに放送技術との関連でその実用を考えたとき, ニーズと技術レベルがどれ位へだたっているかを明らかにし, 実用化のためにはシステム的な事前評価が非常に大切であることを述べる.また技術の現状レベルを理解するために, 現在の音声合成と音声認識の基本原理を述べ, その性能制約の原因となっている要因とくに連続化(調音結合)と不特定話者化(音声の個人性)について説明する.最後に装置のLSIの傾向をふくめて, 今後の発展の方向をさぐる.
著者
管村 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.93, no.32, pp.21-26, 1993-05-21
被引用文献数
6

ここ数年、音声認識、音声合成などの音声情報処理技術の応用が活発に検討されている.パーソナルコンピュータ用の音声認識、音声合成ボートなども開発され、これらの技術が身近かに利用できるようになってきている.この背景には音声合成技術が実用に供せられるレベルにまで連してきたこと、ハードウェアの進歩などが考えられるが、音声による数々のサービスニーズが潜在していることが大きな理由の一つとしてあげられる.特に電話を用いたサービスは、利用者が新たな設備を付加することなく、種々のサービスが受けられるメリットがある.本稿では電話網における音声認識技術の応用を概観すると共に、電話網における音声認識の技術的な課題と解決法について述べる.