著者
舟橋 卓也 上田 高徳 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.88, pp.139-144, 2008-09-14
被引用文献数
2

これまでに検索エンジンのヒット数を利用した研究が数多く行われている.こうした研究では、当該クエリに対するヒット数を用いることにより,翻訳支援や自然言語処理支援など様々なアプリケーション構築を目指している.従来,検索エンジンのヒット数は信頼できるという仮定の下で用いられてきた.しかし検索エンジンが返すヒット数の信頼性に対する検証は筆者の知る限り行われていない.もしもヒット数が不正確な場合,ヒット数を利用した研究の信頼性は疑わしいものとなる.そこで本論文では,検索エンジンのヒット数に対してその信頼性の検証を行う.検証実験では,日本で広く用いられている商用検索エンジンである Google,Yahoo! Japan,Live Search が提供している検索 API を利用した.また実験に利用するクエリとして,日本語 Wikipedia からランダムに選択した 1 000 件の記事タイトルを使用した.検証実験の結果,ヒット数は 5% ~ 50% の確率で,推定を行った理想的なヒット数に対して 5% 以上大きさが異なることがわかった.A number of studies have been using Search Engines' hit count. The goal of these studies is to build applications for translation support or natural language processing support. These studies assume that the hit count is reliable. However, none of the studies have been verifide the reliability of Search Engines' hit count. If the hit count is unreliable, studies using hit count become also unreliable. The purpose of this paper is to verify the reliability of Search Engines' hit count. In this experiment, we used Search APIs provided by Google, Yahoo! Japan and Live Search. Furthermore, we randomelyrandomly extracted 1,000 keywords from the titles of the articles on Wikipedia as queries. The verification experiment shows that hit count is depart from estimated ideal hit count in 5 - 50% of the time.
著者
陸 暁光
出版者
神戸大学
雑誌
国際文化学研究 : 神戸大学国際文化学部紀要 (ISSN:13405217)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.107-130, 2006-01

日本で「超人気」と言われている村上春樹の「ノルウェイの森」は、90年代以来、中国でも「村上熱」というブームになっている。googleで調べると、同小説の標題は、中国のページで日本より数倍大きな「森」になっている。同小説が中国に対しても意味深い「森」であると見られる。なぜ中国でも「森」のブームになっているのか、その意味は何か。今まで中国学界ではいろいろな説が出ていたが、「性愛」と言う話題がほとんど避けられてきた。同小説が「100%の恋愛小説」とよく言われているように、「性愛」と言う話題につかなければ「森」に隠されている魅力と意味とは解明し難いのである。中国学校教育では性科学に関する知識が数十年来ほとんどゼロで、一番使われている中国語辞書にも性関係語彙は日本語辞書と比べて極少ない。同小説には性知識が多いし、しかも文学的な表現で現されている。青少年にとって性知識を紹介する教科書らしいものとも言えば、このブームの要因のひとつであろう。性愛と言うことは時代によってその観念とルールが変化しているらしい。特に消費時代において、これをどう考えべきか、どうあることが人間に相応しいのか、今の中国社会にも簡単な問題ではないようである。「森」にその新しい問題が率宜でしかも多岐にわたって議論されているから、特に中国の消費能力ある男性と女性との間で魅力がもたている原因があると思われるか。150年前のマルクスは「完全な人間」と言う言葉をよく使っていた。「森」には「不完全な人間」という言葉が偶然ではなく多箇所に見え、自殺した少女主人公の悲劇な運命を解明するキーワードとも言える(どこまで「不完全」か、なぜ「不完全」になったか)。マルクスが関心の対象としていた社会問題は性愛を主とするものではないが、「森」が主題としている問題は主に性愛である。してみれば、「森」は消費資本主義における新人間の難題を物語としていると言えよう。
著者
原 貴洋 手塚 隆久 松井 勝弘
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.459-463, 2007 (Released:2007-08-10)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

中国30点, 韓国30点, 日本7点の計67点のハトムギ遺伝資源を熊本県の九州沖縄農業研究センター圃場で5月下旬に播種, 栽培し, 成熟期に形態的形質を調査した. 韓国品種の形態的形質は日本品種に似ていたが, 韓国品種の着粒層は日本品種より狭く, 韓国品種には草丈が小さい品種が認められ, 機械収穫適性を改良する素材として期待できた. 中国品種は, 草丈, 主稈葉数, 稈径, 着粒層, 葉長, 葉幅で大きな値を示し, 飼料用ハトムギの改良に有望と考えられた. 各形質値の間の相関関係が高かったことから主成分分析を行った. 第1主成分は草丈, 稈径, 主稈葉数, 着粒層, 葉長, 葉幅の植物体の大きさを表す形質との相関が高かった. 第2主成分は着粒層との相関が高く, 植物体の形を表していると考えられ, 中国品種, 韓国品種は日本品種より分布域が広かった. 以上のことから, 韓国, 中国品種はともに, わが国ハトムギの草型の変異拡大に寄与すると考えられた.
著者
石塚 丈晴 高田 浩二 堀田 龍也 森谷 和浩 前田 喜和
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.77-80, 2008
被引用文献数
4

本研究では,携帯情報端末の中でも児童にとって親和性が高いと考えられる携帯電話を,水族館での学習に使用するシステムを設計し開発した.開発したシステムを用いて実証実験を行ない,児童の水族館での学習への携帯電話端末利用の可能性について検討した.その結果,児童は日本語入力を含め,問題なくシステムを利用していたという結果が得られた.また,携帯電話端末を積極的に利用した児童は,携帯電話を利用した本システムの有効性を評価し,今後も利用したいと回答しており,携帯電話を端末としたシステムの利用可能性が示された.
著者
小林 勉 石塚 靖 中里 茂美
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.129-130, 1996-09-04

キーボードを用いて日本語入力を行なう場合,一般的に使われているキーボードのキーの総数は,日本語で用いられる文字集合の要素数に比べて圧倒的に少ないため、キー打鍵のシーケンスを日本語文字集合へ変換する工夫が必要となってくる.現在,その主流の位置にあるのが「仮名漢字変換方式」である.仮名文字列の入力方式には,キーボードから仮名を直接入力する「仮名入力方式」とキーボードからはローマ字を入力し,これを仮名文字列に変換した後に仮名漢字混じり文字列へと変換する「ローマ字入力方式」とが存在する.仮名文字列から仮名漢字混じり文字列への変換は,100%自動的に行なわれるのではなく正解候補の選択など,入力者の補助が必要となる.このため,頭の中にある思考素片を文字列として表現するとき,日本語入力方式においては,欧米の入力方式に比べて余分なプロセスが必要となってくる.この余分なプロセスにかかるユーザの負担を極力減らすことが,より良い入力システムであるための重要な要件となる.
著者
柴山 誠 山口 義昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1889-1890, 1986-10-01

現在,処理の多様化にともない1社で複数のホスト計算機を導入しているケースが多くみられる。しかし,ホスト計算機に接続されている電算機端末機器群は、単純な電算機端末からワークステーションの電算機端末エミュレーション機能まで多様化しているが,単純な電算機端末はもとより,ワークステーションに於てさえも1台で同時に複数のホスト計算機の端末となるものはほとんど見かけない。さらに,電算機用端末機器は,数値と英数データ入力を主体に考えられており,日本語入力についてはワードプロセッサほどユーザインタフェースを考慮されていない。本発表では,JStarワークステーション(以下JStarと呼ぶ)上で実現されている複数の日本語電算機端末エミュレータウインドウの同時表示方法及びJStarと同様のユーザインタフェースを考慮した日本語入力方法を述べる。さらに,マルチウインドウ機能を利用した他の文書からエミュレータウインドウ内への文字の転記入力方法について述べる。
著者
福島 俊一 山田 洋志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.259-260, 1994-09-20
被引用文献数
1

近年、ペンを用いて文字の入力やコンピュータの操作を行なうペンコンピューティングヘの期待が、急速に高まってきている。キーボードと比べたペンコンピューティングの利点は、(a)小型化が可能であることや、(b)初心者にもなじみやすいことである。携帯端末では(a)の利点が活かされ、ペンワープロでは(b)の利点が活かされている。しかし、ペンによる手書き操作で日本語入力を行なうと、現状では、誤認識の発生や漢字の画数の多さなどからキーボードよりも入力効率が大きく劣る。この欠点は、ペンワープロのような文書作成の用途で特に問題になる。ペンベース文書作成より快適なものにするには、ペンによる日本語入力の効率改善が必要である。この改善のために、従来、オンライン文字認識の性能向上だけでなく、文字認識後処理や交ぜ書き漢字変換なども取り入れられてきた。さらに筆者らは、効率をいっそう高める新手法として予測ペン入力インタフェースを提案している。本稿では、その予測実現方式と手書き操作の削減効果について報告する。
著者
花井 秀俊 斉藤 千秋 石田 小百合 米田 哲也 草野 都 田母神 繁 野間 正名
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.38, 2003-10-10

When supplemented to culture medium of mushroom Coprinus cinereus, rice husks which had been soaked in methanol beforehand dose-dependently stimulated mycelia growth up to a concentration of 80mg/ml, but nontreated husks up to 20mg/ml. These results suggested the existence of both stimulatory (hydrophilic) and inhibitory (lipophilic) compounds in rice husks. As momilactone A (MLA) had been isolated as one of germination inhibitors in rice husks, its biological activity against mycelia growth was tested. Momilactone A inhibited the mycelia growth at a concentration of 1μg/disc. Methanol extract of the husks also inhibited at a concentration of 1mg/disc (corresponding to 0.2μg MLA/disc, by quantification with LC/MS/MS). Thus, lipophilic compounds such as MLA in rice husks, readily extractable with methanol (two days extraction at room temperature or over one hour reflux), should inhibit the mycelia growth. Aqueous extract of methanol soaked husks stimulated mycelia growth. Purification of the stimulatory compounds on ion exchange- and gel permeation columns followed by RP-HPLC is not enough to yield pure active principals. Rice husks also stimulated mycelia growth of Grifola frondose, Lentinus edodes, Pleurotus eriyngii and P. ostreatus as well as C. cinereus. Furthermore, they increased both the number and fresh weight of primordia and adult fruit body of P. eriyngii and P. ostreatus when supplemented to the medium.
著者
石川 祐輔 大矢 勝
出版者
横浜国立大学
雑誌
技術マネジメント研究 (ISSN:13473042)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-7, 2007

安全性に関する消費者情報の分析手法開発のための基礎的研究として、身近に存在する化学物質である洗剤と食品添加物の安全性に関する日本語、中国語、英語のWeb ページを調査した。調査対象Web ページは、検索エンジンGoogle で「LAS 界面活性剤」「合成洗剤」「石けん」(洗剤関連キーワード)及び「安息香酸」「ソルビン酸」「パラベン」(食品添加物関連キーワード)を検索し出力された上位200 件とした。それぞれのキーワードについて、対象物質の安全性に関する情報の割合、肯定・否定・中立情報の割合などを調査し言語間で比較した。その結果、①英語の洗剤関連の化学物質否定情報は農薬等を対象としたものが多い、②中国語情報では3 種の食品添加物の優劣を明確に打ち出しているが日本語と英語では添加物の種類による評価の差は少ない、③日本語は中国語・英語と比較して合成化学物質の安全性関連情報の割合が高く化学物質否定情報の割合も高い、などの結果を得た。We made an analysis of "Internet information concerning safety of detergents and food additives" in three languages; Japanese, Chinese, and English. The search engine "Google" was used for the search. Search words; "LAS surfactant", "synthetic detergent", and "soap" were used to obtain the WEB pages related to detergent. Search words; "benzoic acid", "sorbic acid", and "paraben" were used to obtain the WEB pages related to food additive. In each topics (i.e. the synthetic detergents, and the synthetic food additives) the searched WEB pages were classified to positive information, neutral information, and negative information. In addition, the WEB pages related to detergents were classified according to author's vocation. As a result, the rate of negative information for synthetic chemicals in Japanese was higher than that in either Chinese or English WEB pages concerning both the detergents and the food additives.
著者
隈井 裕之 中島 晃 柏 博文 谷口 茂樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.129-130, 1990-09-04

パーソナルワープロの日本語入力は、べた書き入力のかな漢字変換方式が主流となってきている。また,同音異義語の誤り、文節区切り位置の誤りなどの誤変換(多義)の問題に関しても、用例辞書等を用いて解消し、変換精度を向上する試みが行われるようになった。しかし、従来の方法の多くは、単純に語句の組合せを記憶することで行われていたが、対象語句の増加につれて辞書容量が級数的に増える問題がある。我々は、この問題に対して、格文法による構文意味解析手法に着目し、パーソナルワープロへの適用を考えた。構文意味解析手法では、語順の変化や、新たな語句の登録ヘの対応を辞書容量を増加させることなく行うことができる。しかし、従来の構文意味解析を用いたシステムは処理量が多く、殆どが大型機上で稼働するものであり、パーソナルワープロに使用されているマイクロプロセッサには負担が重く、そのままでは適用することはできない。処理量を軽減しなおかつ多義解消に効果のある方法の開発が望まれている。本報告では,構文意味解析手法のパーソナルワープロヘの適用について我々が検討、試作したシステムとその評価結果について述べる。[table]
著者
工藤 絵理子 片岡 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.480-498, 2008
被引用文献数
2 4

「Web 2.0」の概念が主流になりつつある現在,図書館の世界でも,ビジュアル化,情報の表紙イメージや内容情報によって情報を強化した「次世代OPAC」が注目を集めている。スペルチェック/サジェスト機能,絞り込み検索,適合度によるソート,利用者参加型機能,統合検索機能などを備えたシステムが注目され,世界各国で開発・運用され始めている。本稿では,まず現在一般的な大学図書館で導入されているOPACの現状を述べ,次に海外での導入事例をもとに,次世代OPACの特徴を具体的に説明する。さらに,現在開発されている主な次世代OPACシステムについてレビューを行う。最後に,これらのシステムを日本の大学図書館で導入する際の課題と,課題解決に向けたいくつかの方法を提示する。<br>
著者
福中 儀邦 山田 邦夫 中原 康
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.226-227, 1988-09-12

現在、UNIXはEA・OAワークステーションなどの広い分野において、標準OSとして定着しつつある。しかし、その日本語処理機能は十分ではなく、UNIXが日本に導入されて以来様々な議論や拡張がなされて来た。この間、AT&T日本語UNIXシステム諮問委員会や通産省指導ΣプロジェクトのΣOS日本語拡張機能仕様の制定などの標準化活動を経て、ようやくAT&TのUNIX System V Release 3 以降の標準リリースや日本語処理パッケージのJAE/JIOという形でUNIXの8ビット化、16ビットコードのサポート、日本語入力機能など、日本語処理には不可欠な問題も、UNIXの国際化の観点から議論され、統一的にサポートされるようになった。日本語処理の観点からすると、このサポートは特定の日本語処理機能、特に日本語入力を固定的に実現したものではなく、多様な日本語入力のカスタマイズを可能にする柔軟な機構を実現しているところに特長がある。当社では、UNIX System V Release 3 及びJAEをベースとしたラップトップUNIXワークステーションを開発した。本稿では、その日本語入力、特にかな漢字変換について報告する。
著者
仲西 健樹 更谷 啓治 岡 久雄 川添 堯彬
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.98-104, 1994
被引用文献数
10 1

The purpose of this study was to determine whether the Automatic Diagnostic System for tooth mobility we had developed was applicable for evaluating implant mobility. Ten IMZ implants, which had been functioning in the patients, were selected. Mechanical mobility of implant with intramobile element (IME) and titanium element, were measured by our system. The frequency spectrum of the mechanical mobility and mechanical parameters (c_1, c_2 and k) in implants were compared with those in natural teeth (maxillary central incisors and canines). Mechanical mobility spectra in implants were similar to those in teeth. The values of mechanical parameter in implants were larger than those in teeth. We found that the Automatic Diagnostic System could be utilized for evaluating implant mobility.
著者
久保 亮五
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.657-659, 1992-08-05
著者
岩田 重雄
出版者
一般社団法人日本計量史学会
雑誌
計量史研究 (ISSN:02867214)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.91-108, 1996-12-30
被引用文献数
3