著者
佐藤 亨 林 智定 永井 良史 藤岡 健吾 野田 良輔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.547-548, 1997-09-24

プッシュボタン(PB)信号を送出可能な電話機を入力端末とした、電話番号検索方式の研究を進めている。[1][2] 本方式は、以下の要素技術から成る。(1)PB電話機の12個の限られたキーを用いて、情報を入力するための日本語入力技術 (2)情報検索に必要な情報を聞出す対話誘導技術 (3)入力情報から膨大な電話番号DBを検索する検索技術 本稿では、これら要素技術を概説し、これら技術を統合したPB電話機による電話番号検索システムを紹介する。
著者
岡本 一弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.251-252, 1997-03-12

GUI環境が一般化する中で、データ入力環境についても様々な改善がなされている。しかし、従来の入力支援はアプリケーションに組み込みのものが主であり、アプリケーションプログラムに独立に使用されているのは日本語入力のためのかな漢字変換のような限られた例しかない。汎用的なGUI環境を提供しようという試みとしては、登内らによる、GUI部品をさらに細かい機能部品に分け、カスタマイズを可能にする方法がある[1]。これは、GUIが提供すべき機能構造のアプリケーションへの依存性に着目した方法であるが、結局は各アプリケーションについて個別にGUIを構築する必要がある。この問題はGUI環境が提供すべき機能がアプリケーション、特にそのアプリケーションが処理するデータの性質や内容に依存していることに起因している。つまり、各アプリケーションに対する入力支援の実現はその中で扱うデータの性質や内容をあらかじめ知らないと難しい。ここではプロセス間通信機能を用いてアプリケーションの扱うデータに関する情報を取得し、それを用いてアプリケーションに独立に入力支援を行う方式を提案する。さらに、この方式を実現する場合の問題点について検討する。
著者
野崎 広志 鳥原 信一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.251-252, 1992-09-28

日本語入力においてかな漢字変換入力が普及するにつれて、かな漢字変換結果を過信したり、また、かな漢字変換結果の誤りをうっかり見過ごしてしまうことがあるせいで、同じ読みを持つが意味の異なる単語(いわゆる同音異義語)の間違った使い方(同音語誤り)をした文書が増えている。例えば、「危機一髪」を「危機一発」と間違えたり,「鳥が鳴く」を「鳥が泣く」と間違えたり。本稿では、日本語入力されて出来上がった文書中に現れる、これらの同音語誤りを検出し、かつ訂正候補を提示するために,漢字かな変換とかな漢字変換と共起関係処理を組み合わせる方式を提案する。
著者
三吉 秀夫 奥西 稔幸 阿部 ひろみ 小渕 保司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.105-106, 1992-02-24

自然言語の意味をいかなる形式に表現するかというテーマは人工知能(AI)とりわけ自然言語処理において重要なテーマであり、従来からいろいろな研究が行なわれている。代表的なものとしてはAI分野の知識表現の枠組を利用したものであり、フレーム形式、意味ネットワーク、論理形式などが挙げられる。しかしこれらの形式は意味表現の枠組はは提案するが、実際に個々の言語現象に対してどのような表現形式にすべきかという規定はしていない。また、言語に依存しない意味表現形式としてSchankの提案した概念依存モデルが挙げられる。概念依存モデルは言語の表す意味を高度に抽象した概念レベルの構造を用いて表現するものであり、特定言語への非依存性、意味表現形式の一意性という点では評価できるが、構造が非常に複雑になるうえ、カバー範囲の点で問題である。我々は規格化日本語の基づいた自然言語処理システムの開発を行なっている。本システムではアウトプットのひとつとして日本語入力の持つ意味構造を出力する。この意味構造SDG(Shared Directed Graph)と呼ばれる意味表現形式で表示されるが、できるだけ広範囲の言語現象を扱うとともに意味表現形式の一意性を保つことを目指している。またこの意味表現は人間にとっても判り易い視認性の高いものを目指している。一方、規格化日本語の側からは「語彙、構文の規格化」だけでなく、更に「意味構造の規格化」への拡張と位置付けることができる。本稿ではこのSDGによる意味表現形式で中心的な役割を担う意味表現形式について報告する。
著者
赤峯 享 奥村 明俊 村木 一至
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.261-262, 1992-02-24

日本人が英文を作成する場合、どの単語を使えば適切か、綴はどうだったか、活用形は正しいか等、その過程で発生する疑問点を和英辞典を引くなどして、日本語の知識を利用しながら解決していく。従って、日本語を入力して適切な英語を簡単に得ることができれば、英文を作成する場合の大きな支援となる。筆者らは、これまで、日本人が英文を作成する場合の疑問点や、英文を作成する場合に計算機で支援できる機能を考えてきた。しかしながら、これらの機能をユーザに提供するためのインタフェースが適切でなければ、実際に効率的に英文を作成することはできない。本論文では、英文を作成する場合に、文章作成の流れを妨げることなしに、日本語入力によって英文の作成を支援するためのユーザ・インタフェースについて提案を行う。
著者
奥 雅博 藤岡 健吾 浅野 久子 高木 伸一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.74-75, 1997-09-24

我々はプッシュボタン(PB)信号送出可能な電話機を入力端末とし利用できるPB入力型電話番号検索実験システムの開発を進めている[2][4]。このシステムは、家庭やオフィスに普及しているPB信号送出可能な電話機を用いて住所や名前の入力を可能とする日本語入力方式(以下、PB入力方式)を採用している。PB入力方式は、図1に示すようにlつのPBボタンに複数のかな文字を対応させ、1押下で1かな文字を入力する方式である。従って、1押下ごとを見るとかな文字レベルで複数の候補が存在することになる(例えば、"1"の押下は"あ"~"お"の5つの文字のいずれかを入力したことになる)。この曖味さを解消する過程において姓名の漢字までを特定しなけれぱならない場面が生じる。PB入力型電話番号検索実験システムでは、同音異字の姓名候補が得られた場合に、この姓名候補に対する漢字説明文を利用者に音声で流すことによって、利用者の求める漢字を持つ姓名を特定する。このとき、利用者への情報伝達は音声のみで行われるので、漢字説明文には「耳で聞いて容易に理解できる」ことが要求される。そこで、2節で述べる方法で生成した漢字説明文に対して、聞いて理解できるか否かという観点から評価実験を行った。
著者
北條 奈緒美 獅々堀 正幹 北 研二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.408, pp.59-64, 2009-01-19
被引用文献数
1

近年,ユーザが入力した質問文に対して大量の知識源から回答を得る質問応答システムの研究が注目されている.特にインターネットの普及により,Googleに代表されるWWW検索エンジンを用いて,WWW空間から回答を探す技術が研究されている.これらのシステムでは,質問文内から抽出されたキーワードをWWW検索エンジンに入力し,その検索結果から回答を出力している.本稿では,質問文からキーワードを抽出する際に起こる,用語の過分割問題に着目し,WWW検索エンジンを用いた質問文内の用語特定手法を提案する.本手法は,学習フェーズおよび用語特定フェーズから構成される.まず学習フェーズでは,学習データの各用語候補に対して,WWW検索エンジンでの検索結果(サマリ)から継続度,品詞,文字種などの特徴量を抽出し,Support Vector Machine(SVM)を用いて用語判定モデルを作成する.次に,用語特定フェーズでも同様に特徴量を抽出した後,用語判定モデルを用いて用語を特定する.実際に,NTCIR4-QAC2の質問文に対して本手法で用語特定を行った結果,従来手法と比較して約55%の質問文に対して用語特定精度の向上が認められた.
著者
清水 敏夫 西淳 一郎 岡田 都
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1791-1792, 1986-10-01

近年、日本語ワードプロセッサ等の情報機器の急速な普及にしたがって、日本語入力手段としてのかな漢字変換技術の重要性が益々増大している。特に文節分かち書きを必要としないべた書きかな漢字変換の研究が盛んであるが、その問題点としてまず第一に、べた書き入力文からいかに文節を区切るかがある。これはこれまでに2分節最長一致法、文節数最小法が提案されており、実用化にもなっている。第2の問題点として同音異義語処理がある。この問題については現在、次の3通りの提案がなされている。(1)学習辞書を用いた頻度情報(2)複合語・派生語に関する単語固有の情報(3)格文法を用いた意味的語彙情報本稿では、上記のうち(3)について着目し、意味的情報を用いた同音語処理手法について述べる。
著者
加原 奈穂子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

平成17年度の主な研究目的は、(1)岡山桃太郎伝説の舞台「吉備路」の文化財保存と観光活用に関する文化政策および各関係主体(行政・文化産業・地域住民・観光客)の認識・活動・相互関係等のより詳細な実情の把握、(2)「吉備路」イメージの形成と桃太郎伝説の活用に関する資料収集・分析、(3)口承伝承の観光活用に関する他の事例との比較・分析、であった。平成17年度の研究実績は、以下の通りである。1.研究調査1)聞き取り調査:岡山県・岡山市等の文化財保護と観光推進の各行政担当機関(文化財保護と観光化に関する方針・具体的活動)、観光関連の民間団体(観光産業の状況)、「吉備路」観光客と地域住民(桃太郎伝説への認識、観光行動やその影響など)への聞き取り調査を行った。2)文献調査:桃太郎伝説の浸透と「吉備路」のイメージ形成に強い影響力を持った地元新聞、観光案内等について、昭和30年代以降のものを中心に、文献資料の収集・分析を行った。現地調査は、岡山県岡山市で、平成17年8月〔10日間〕、12月〔10日間〕、平成18年2〜3月〔10日間〕に行った。2.調査整理・成果発表上記の聞き取り調査・文献調査で得たデータは、関連の事例との比較を踏まえたうえで、(1)桃太郎伝説形成の歴史、(2)マスメディアの影響、(3)観光行政の変化、(4)桃太郎伝説の活用事例、(5)民俗文化の選択的活用、などの項目に整理、分析済みである。調査結果の一部は、「研究発表」欄の共著、雑誌論文の他に、岡山民俗学会平成17年度総会(「文化資源の活用と文化政策」)、日本民俗学会第56回年会(「多様性の中の地域性」)、第20回日本観光研究学会全国大会(「"地域らしさ"を売る」)で発表を行った。また、岡山市デジタルミュージアム開館記念「おかやまと桃太郎展」に関して、展示協力、展示解説映像作品への出演解説、フォーラムでの講演(「時代を超える桃太郎」)、を行った。
著者
小野 修三 米山 光儀 梅垣 理郎 坂井 達朗 永岡 正己 小笠原 慶彰 松田 隆行 安形 静男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は一つには石井十次の岡山孤児院大阪分院(大阪事務所)の活動記録たる日誌を、石井記念愛染園(大阪市浪速区日本橋東)に出張して写真撮影し、その複写物によって原文の翻刻を行ない、成果を大学紀要に発表することで、明治末から大正初めの大阪の地における社会事業に関する第一次資料を公的に利用可能なものとすることであった。この点では、この弓年間の研究期間で2年度に亘り当該日誌の翻刻を研究代表者および研究分担者の所属する大学の紀要にて発表することが出来た。本研究のもう一つの目的は、上記資料を実際に利用して、明治末から大正初めの大阪の地における社会事業展開の実際の過程を解明することであったが、この点についても2篇の論考をまとめることが出来た。そこではまず第一に、事業展開における事業主とその手足として働くスタッフとの間の信頼関係が、ある場合(石井十次と光延義民)には毀損し、ある場合(石井十次と冨田象吉)には、事業主の没後も事業主の遺志を継承して精励していたことが判明した。また、事業展開の場を、大阪から朝鮮半島に求めることが当時広く模索されていたが、ある団体(岡山孤児院、時の事業主は大原孫三郎)は調査の結果進出を断念し、ある団体(加島敏郎の大阪汎愛扶植会)は同じく調査の結果、朝鮮総督府、東洋拓殖株式会社の支援のもと、進出を決断したが、この明治末から大正、昭和初期の過程を今回まとめることが出来た。ただ、昭和20年の植民地統治終了時に至る過程については未解明であり、今後の研究課題としたい。
著者
吉田 育弘 山本 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.312, pp.13-18, 2001-09-10

液晶ディスプレイの高階調化について検討した。ディスプレイは、一般にR:G:B=8:8:8bitsの階調性があれば一定の画質レベルが得られるとされているが、高画質を得るためにはより高い階調性が必要とのレポートもある。ここではR:G:B=10:10:10bitsの液晶ディスプレイを試作し、疑似輪郭の見えについて実験を行いつつ、実験結果を視覚特性の観点から考察した。R:G:B=8:8:8bitsのシステムでは、SN比の高いなめらかな面に明らかな疑似輪郭を感ずる。R:G:B=10:10:10bitsのシステムでは、同様の輝度傾斜を持つ面では疑似輪郭を感じなくなるが、よりなだらかな面では未だわずかな疑似輪郭が残る。これら疑似輪郭の見えには、視覚の空間周波数特性や差感度特性、さらに、順応効果などが関連していると思われる。今後高画質のディスプレイシステムを検討するには、少なくともこれらの視覚特性に関連する条件を定義する必要があると考えられる。
著者
Hattori Hiroaki Nakamura Satoshi Shikano Kiyohiro Sagayama Shigeki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.219-226, 1993-02-25

This paper proposes a new speaker adaptation method using a speaker weighting technique for multiple reference speaker training of a hidden Markov model (HMM). The proposed method considers the similarities between an input speaker and multiple reference speakers, and use the similarities to control the influence of the reference speakers upon HMM. The evaluation experiments were carried out through the / b,d,g,m,n,N / phoneme recognition task using 8 speakers. Average recognition rates were 68.0%, 66.4%, and 65.6% respectively for three test sets which have different speech styles. These were .8%, 8.8%, and 10.5% higher than the rates of the spectrum mapping method, and also 1.6%, 6.7%, and 8.2% higher than the rates of the multiple reference speaker training, the supplemented HMM. The evaluation experiments clarified the effectiveness of the proposed method.
著者
CHANG Yeim-Kuan
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.239-246, 2005-01-01

Building next generation routers with the capability of forwarding multiple millions of packets per second is required for the increasing demand for high bandwidth on the Internet. Reducing the required memory size of the forwarding table is a possible solution since small forwarding table can be integrated into the application specific integrated circuit (ASIC). In this paper a hash technique is developed to reduce the size of the IP forwarding table. The proposed data structure is a compressed 8-8-8-8 multibit trie that is based on hash tables of 4-bit addresses. Two optimization techniques are also proposed to further improve the performance of the proposed schemes. Our experimental results show that the proposed hashing-based schemes are better than the Small Forwarding Table scheme [6] both in memory size and lookup latency.
著者
斎藤 勲 上野 英二 大島 晴美 松本 浩 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.173-177, 2006-08-25
被引用文献数
2

GC-FIDを用いるメトプレン試験法を見直すための検討を行った.試料からアセトニトリル抽出し,塩析により水層分離後,アセトニトリル層を少量のヘキサンで洗浄,次いでフロリジルカラムで精製してHPLC-UVで測定した.小麦など7種類の試料からの平均回収率は 74.6~82.8% と良好であった.さらに本法を6機関で評価したところ,5種類の試料からの平均回収率は79.4~84.6%,併行再現性および室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 2.3~8.8%,8.8~23.6% であった.1機関でらっかせいからの回収率が高かったために室間再現性が高くなったのを除いて良好な結果が得られた.検出限界は0.001~0.02 μg/gであった.
著者
長谷川 和久
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.39-44, 1973

Diffusion experinrents of N, P_O_5 and K_2O elements under two conditions were worked for eight granulated compound fertilizers, (18-18-18, 17-17-17, 16-16-16, 15-15 -15, 15-15-12, 14-14-14, 13-13-13, 8-8-8), using 1×1×30cm-diffusion cell units made of glass. One was 4℃ for a month using silicagel for colum chromato. cell (gel. : water=30g : 27.5ml), the other 35℃ for 2months using 100 mesh pass Tanashi soil (water containing fild condition). Diffusion of water soluble nutrients (NH_3-N, P_2O_5 and K_2O) was determined by extraction with water and centrifugion. The result was as follows:- Similar horizonal diffusion movements were obserbed for nitrogen and potassium on both silicagel and soil when the distance from the spot applied the granulated fertilizer particle was abouf 15 and 10cm. Phosphate was also almost fixed around the fertilizer applied spot on both (diameter, about 2〜3cm).