著者
佐藤 恵美
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.62, pp.99-101, 2002-06

突然だが昨年の春はすこぶる調子が良かった。朝は早く起きられるし朝ご飯もしっかり食べて、シャキッとした気分で朝を迎え一日を送ることができた。この世で正常に生活しておられる方から見れば、何をいっとるんだと喝を入れられそうだが、 …
著者
末次 晃 喜多 伸一 松嶋 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.98, no.128, pp.17-24, 1998-06-18

短い時間間隔で同じ位置に呈示された二つの対象間に生じる, 動眼回転性錯視(oculogyal illusion, 以下ではOGI)の見かけの偏位の特性を検討した.前庭への刺激として等速回転停止を用いて, 5種類の回転条件で8名の被験者が0.8秒間隔で呈示された対象間の偏位を120秒間(30試行)評定した.第1試行で偏位の大きさは最大値をとり、時間経過とともに単調に減衰した.この時間特性は, 我々が先行研究で明らかにしたOGIの見かけの動きと同じであったが, 主観的正中面からの見かけの偏位とは異なるものであった.この結果から, 本研究で用いた見かけの偏位は, allocentric coordinatesで処理されるであろうと結論した.
著者
杉村 泰教
出版者
小樽商科大学
雑誌
小樽商科大学人文研究 (ISSN:0482458X)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.89-105, 1995-03

ウィリアム・ゴールディング(William Golding)の作品の中で,時間意識に強いこだわりを示しているのが『ピンチャー・マーティン』(Pincher Martin)と『自由落下』(Free Fall)である。『ピンチャー・マーティン』においては,主体の現時点の意識の大部分が過去の追憶の断片と非現実的な願望の断片に取って代られ,ごく稀に現在の自己の姿が垣間見られるような描写となっていた。『自由落下』では,現在の自己は『ピンチャー・マーティン』の場合ほど徹底して隠蔽されている訳ではないが,現時点における自己の姿の明確な把握をことさらに避けるところがある。即ち,今の時間が殆ど描かれず,過去の断片的時間と未来の断片的展望のみが主体の回復を求めて前面に押し出されている。過去の追憶と非現実的展望が現在の自己を押しのけて侵入し,寸断された時間が寸断された自己を無秩序に主張しているのである。確かにサミー(Sammy Mountjoy)の言うように,時間は生まれた時のしゃっくりから死ぬ時の喘ぎまでを煉瓦のように一列に並べたものではない。殊に記憶は,ある事件が他よりも重要であったり一つの事件が別の事件を喚起するような場合,時間の順序を崩すものである。だが,サミーの語る記憶がどれほど断片的なものであろうとも,それらを現時点で繋ぎとめることができれば自己の姿は今のような分裂状態にはないはずである。この意味で,『自由落下』のサミーは『ピンチャー・マーティン』のマーティン(Christopher Martin)同様,終始,自己の姿が捉えられない状況にある。以下に述べるのは,サミーの寸断された自己の存在が彼の寸断された時間に他ならず,この時間の断片を現時点の意識の中心に繋ぎとめることができなければ,自己の存在を取り戻すことは望めないという事実である。
著者
久保田 文子 稲森 豊 大野 宏司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.128, pp.219-222, 2007-12-21

新車およびモデルチェンジ車販売台数分析のための、時系列推移・時系列要因モデルを提案する。時系列推移モデルとして、新製品の普及モデルである Bass モデルに、買替のための市場流入率を組み込んだモデルを構築した。また、時系列推移の要因を分析するために、時系列推移モデルパラメータを目的変数に、メーカや価格等の車の特性を説明変数として回帰分析した。2BOX コンパクト、3BOX ミディアム、3BOX ラージの実データを使った評価実験では、既存モデルと比べて台数時系列推移の推定精度が向上した。また、要因分析の結果、発売時に台数のピークがある歴史のある車種と、発売後に台数のピークがある新規の車種では、割安感等の一部の要因が逆向きの影響を与える傾向があることが示唆された。This paper proposes a new-model car demand model for time-series forecasting and factor analysis. The Bass model is extended with the introduction of market inflow ratio, which enables to represent the dynamic change of market size. The estimated parameter values of the model are analyzed with multivariate regression analysis in terms of the relation with the car characteristics. In the evaluation experiment using real sales data, the extended Bass model could improve the accuracy of estimation, and the regression analysis reveals that a part of factors, such as undervalued image, had an opposite influence on traditional cars and novelty cars.
著者
長根 利紀代
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.13-29, 2007-12-20
被引用文献数
1

近年では、子どものみならず、学生たちも合理的でスピーディーさを求める時代背景の中で、現実味の無いバーチャルの世界に浸っている。しかし、こうした時代の保育においては、むしろ「面倒」な人の手のかかる関わりこそが必要である。その中でも、子どもの発達には豊かな物語の世界を広げることは重要であり、保育のねらいに見合った教材の選択が問われる。教材には、最も身近で豊富に整えられた絵本に対して、絵本より演じる技術や準備を必要とする紙芝居は、感情豊かに表現し物語を感覚的にも広げられる。さらに、取り上げられることが減少傾向にある「素話」には、絵本や紙芝居では伝えきれない直接的な人と人との人間味を感じ合いつつ、個々の体験から自分独自の世界を作り上げる楽しみがある。学生は、授業により1つの教材を紙芝居と素話として体験し、そこから両者を比較することでその教育効果を実感した。そこで、自らの体験を通してそれぞれのもつ教材の特徴を把握した上で、保育のねらいに即した効果的な活用法と技術向上の必要性を実感し積極的な学習態度を引き出せた。本研究から把握した学生の現状を考慮し、学生の意欲や求める能力が身に付けられるようにさらなる授業の充実に努めたい。
著者
宗森 純 宮内 絵美 牟田 智宏 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.32, pp.25-30, 2001-03-22

PDAとGPSそれに携帯電話を用いた電子鬼ごっこ支援グループウェアを開発し,4種類の電子鬼ごっこ実験を2ヶ所の大学でおこなった.本実験の結果から位置情報は鬼ごっこを集中して行なうためには重要であるが,相手が見えない画面上の仮想的な位置表示だけでは緊張感に欠けることがわかった.この結果は他の電子会議などのリアルタイムグループウェアと類似している.We have developed the electric playing tag support groupware. The system consists of a PDA, a GPS and a mobile phone. We applied it to the four types of playing tag at two universities. The results of experiments showed that the positioning information was very important for playing tag, but the virtual positioning information of playing tag occurred lack of seriousness without real world. This result seems to be almost the same as other realtime goupware, especially an electronic conference system.
著者
濱田 貴宏 徳田 いずみ
出版者
金沢大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.51, pp.67-83, 2005-10-14

S児は2年保育として昨年4月に入園した当初、着替えを嫌がったり、牛乳タイムの時に自分の座席に座っていられず教師の側にいたりした幼児である。秋の遠足では年長児と手をつなぐのを嫌がってずっと泣いて歩いたり、仲良しランチの際には、グループのシートの中に入るのを頑なに拒んで泣き通したりした。ただ、教師が一緒に手をつなぐと安心するのか、もう片方の手を年長児とつなぎながら、園外保育に出かけられたこともあった。2月、クラス活動として「しっぽとり(鬼ごっこ)」をした時は、自分が鬼になって追いかけることはするものの、追いかけられる場面では、一切動こうとしなかった。そこで、自分をもっと解放するような経験を積んでいくことがS児にとって重要なのではないかと思い、援助してきた。
著者
石光敏行
雑誌
成人病と生活習慣病
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1403-1406, 2004
被引用文献数
1
著者
中 俊博 小西 光子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.75-84, 1994-03-31

この論文は幼児期と学童期とのスポーツ指導の接点を考える上での基本的な問題について検討すべく,4歳児,5歳児にゲーム遊びを(じゃんけん,鬼ごっこなど)1ヶ年間援助し,この援助過程での幼児の活動を観察・考察した事例的研究である。その主な結果は,1),4歳児はゲームのルールを理解して遊ぶことよりも,走る,跳ぶ,よじ登るといった基本的な運動遊びに興味がつよい。2),5歳児は個人差があるものの仲間との教え合いでゲームを理解している。3),5歳児はルールを工夫してゲーム遊びを発展させて楽しめる。このことから,基本的には4歳児はゲーム遊びへの準備期と捉え,基本的な動作学習と仲間の存在を知って遊ぶ時期であり,5歳児は仲間と一緒にゲーム遊びの体験を豊富にする時期であるといえよう。
著者
西本 実苗 下倉 雅行 田中 規久雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.210, pp.11-16, 2008-09-13

情報リテラシー科目の受講生を対象にアンケートをおこない,主に各回の授業内容に対する学生の意識(「面白かった度」「難しかった度」「役に立つと思う度」)に焦点を当てた分析をおこなった.その結果,授業内容の難易度を上げると,学生が「面白い」と感じる程度が低下する可能性がある一方,学生にとって有用性・実用性が高い内容を授業に取り入れると,「面白い」と感じられる程度が上昇する可能性があることが分かった,また,授業の早い段階である程度のタイピングの習熟度を確保することが,その後の授業で扱う内容に興味を持たせるために効果的であることが推察された.
著者
武藤 久枝 平松 夕奈
出版者
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09168400)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.15-25, 2004-03-25

人間福祉学科の一期生47名を対象として初めての介護実習に参加する動機づけを実習参加直前と直後において5段階評定尺度によって把握し、その後の学習に及ぼす影響を検討した。その結果、1)実習参加前では実習に対する不安感や緊張感を強く感じながらも学習意欲は高かった。2)実習後では良い介護を身につけたいとの学習意欲が高まったものの、実習時期が早くて事前準備が不十分としていた。3)実習前と後における共通内容の質問を比較した結果、とくに変化が大きかったのは実習は楽しかったことと自信がついた点であった。肯定的心構えの項目を中心にほとんどの項目で肯定的に変化していた。以上から、学生は実習経験を有意義に意味づけるよう変化した。今後の課題として、学生が自己の実習体験を肯定化して内在化していく過程をカリキュラム編成につなぐことである。
著者
楠山 芳章 山川 佳孝
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09182683)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.139-145, 1995-08-20

この報告は大学に進学しなかった者が高校において学んだ化学及び化学実験についてどのように受け止めているかについて調査した結果を記述したものである。調査対象は高等看護学院学生で,非理科系学生と答えた者が93.1%で実質的に非理科系の学生の意識調査とみなされる。調査対象者43名全員が化学に関連した実験について嫌悪感情を抱いておらず,14人が楽しかったと答えている。化学実験は化学を勉学する具体的な作業であり,授業にこれを多く取り入れることが理科及び化学離れを防ぐ有効な教育手段であることが理解できる。