著者
斉藤 一三 林 滋生
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.180-183, 1966

1)1963年12月から1964年4月まで東京都品川区五反田でチカイエカ成虫のAge構成の変動を観察した.発生場所はビル地下の閉鎖空間で, 水温13〜16℃, 気温15〜20℃であつた.2)観察は1〜2週間に1度行い, 採集は吸虫管で行い, 採集した蚊は実験室に持ち帰えりAgeの判定に供した.Ageの判定はDetinovaの方法に従い, 小卵巣のRelicの観察によつた.3)チカイエカのAge構成の変動には周期性がみられその周期は6週間であつた.4)交尾率と経産蚊率間には密接な関連がみられ, 交尾率が上昇すると経産蚊率も上昇し, 反対に交尾率が低下すると経産蚊率にも低下がみられた.5)経産蚊は大部分1回産卵で, 2回産卵が極めて少数, 3回以上は0であつた.6)1回産卵後は濾胞の発育が悪く吸血源のないところでは, 大部分が1回産卵のみで終るものと考えられた.
著者
宮崎 茂次 世古口 謙二 太田 宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.239-246, 1988-10-15
被引用文献数
6

近年, 多くの企業に導入されつつあるジャストインタイム生産方式の下では, ジョブの滞留時間は, 各ジョブのスケジュール上の生産開始時刻からそれぞれの納期までに一致する.本報文では, この時間を実滞留時間とよび, すべてのジョブについての実滞留時間の平均値を最小にするバックワード・スケジューリング法について論じる.基本モデルとして, 納期がすべてのジョブで同一の単一工程モデルを対象に, まず, 段取時間がジョブの順序づけに依存しない場合を検討し, これを基礎に段取時間がジョブの順序づけに依存する場合の最適解法を提案する.前者の場合にはLPTスケジュールが最適となることを示す.後者の場合は, 最新ノード探索手順を用いた分岐限界法による最適化アルゴリズムをC言語でコード化し, パーソナル・コンピュータを用いて, 計算時間や試行解の性質を明らかにする.
著者
池田浩己
雑誌
アレルギーの臨床
巻号頁・発行日
vol.22, pp.967-971, 2002
被引用文献数
2
著者
石田 建一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.501, pp.29-36, 1997
被引用文献数
36 10

The energy consumption structures of the single-family houses were investigated by the questionnaire. The houses for the investiga- tion were the industrialized house built after 1985 and an insulated performance that adjusts to the Japanese building thermal insulation standard. The results of the secondary energy consumption of an average single family were 15.5MWh. In average, 40% of the total energy consumption in residential house was use for domestic hot water heating, 26% for space heating, 24% for house hold appliances, 9% for cooking, 4% for space cooling. The primary energy consumption of an average single family was 22.7MWh. The carbon dioxide discharge rate of an average single family is 1.95t.
著者
勝又 誠 杉山 達彦 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.97, no.295, pp.45-50, 1997-09-29
参考文献数
4
被引用文献数
3

計算機上で研究活動を支援するには, 個人活動支援とグループ活動支援が必要である. 個人活動支援では, 研究活動における各作業によって生成される多種多様な情報を, 個人情報として蓄積し, 管理する必要がある. また, それに加えてそれらの再利用を支援する事が重要である. 本稿では, 個人活動支援における個人情報の種類・構造について述べ, それらを蓄積・管理するシステムを提案する. また, そのシステムにおいて情報を再利用する仕組みを具体例を用いて説明する.
著者
由井薗 隆也 宗森 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.30-42, 2007-01

近年,組織活動のために知識が重要であるという認識が高まり,様々な企業が知識経営に取り組んでいる.そのなか,大学の研究グループにおける知識創造活動を支援するグループウェアを検討するために,組織のダイナミックな知識創造モデルとして提案されたSECIモデル(共同化,表出化,連結化,内面化から構成されるモデル)を参考としたGUNGEN-SECIの研究を進めている.GUNGEN-SECIでは,セマンティックチャット機能によりグループ活動である電子ゼミナール中のデータ収集を支援してきた.本論文では,セマンティックチャットによって収集されたチャットデータをXMLデータに変換し,SECIモデルの表出化と連結化を支援する仕組みについて述べる.表出化ではセマンティックチャットデータを用いた分散協調型KJ法により概念形成を試みる.連結化では,そのKJ法の結果として得られた図解とセマンティックチャットデータのタグ情報を組み合わせた知識の抽出を支援する.適用結果より,(1)セマンティック情報をタグとして埋め込んだチャットデータの中から選んでデータを使用すると,分散協調型KJ法の概念形成結果である島数,および,まとめ文章の文字数が有意に増加すること.(2)グループ行動を記録するために埋め込んだタグ情報と表出化である分散協調型KJ法の結果を連結することにより,表出化のみでは得られない新たな知識獲得を支援できることが分かった. : Organizations recognize an importance of knowledge for their activity and tackle the knowledge management. GUNGEN-SECI has been studied for supporting the knowledge creative process called SECI model, which consists of four steps (socialization, externalization, combination and internalization), in order to support a knowledge creative work such as a research education in a university. The model was proposed by Nonaka for the explaining dynamism of interaction between explicit knowledge and tacit knowledge within an organization. GUNGEN-SECI has a semantic chat function to collect the chat data within an electronic seminar as a group work. In this paper, XML data converted from the collected chat data are applied to the support of externalization step and the combination step. In the externalization step, a concept formation is carried out by the distributed and cooperative KJ method using the chat data. In the combination step, a knowledge acquisition is supported by combining the semantic tag from the group work with the concept map obtained from the externalization step. The application results showed the possibility as follows: (1) The chat data selected with the semantic information increased the number of islands and the number of characters of a conclusion sentence obtained through the distributed and cooperative KJ method significantly. (2) Combining between the tag information collected from a group work and the result of the KJ method leads to a new knowledge acquisition beyond the previous externalization step.
著者
善木 道雄 伊藤 利之 桐栄 恭二
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.T89-T92, 1990-06-05
被引用文献数
1 5

市販のリンゴ酸及びアップル飲料中に含まれるフマル酸についてUV検出器を使用したHPLCで定量する方法について検討した.分離カラムとしてTSK-gel, ODS120Aを使用し, 移動相としては0.1M過塩素酸ナトリウム, 0.01Mリン酸二水素メトリウム(pH2.6)を用い, 210nmで検出した.フマル酸5.0×10^-7〜2.0×10^-5Mの範囲で検量線は直線を示し, 4.0×10^-6,1.0×10^-5Mの5回繰り返しによる相対標準偏差は, それぞれ0.35,0.19%であった.又この方法によるフマル酸の定量限界(S/N=2)は2.0×10^-7M程度であり, リンゴ酸及びアップル飲料の回収率は98.2〜104.5%であった.本法を市販リンゴ酸及びアップル飲料18種の定量に応用した.
著者
平野 聖
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.157-168, 2009

本論の目的は,我が国家電製品のデザインの変遷を辿ることによって,我が国デザイン開発の特徴を見出すことにある.今回,松下精工(現パナソニックエコシステムズ)における昭和後期の扇風機のデザイン開発事例について調査した結果,下記のことが示された.それまでに各企業の扇風機の形状は,ほとんど同一となってしまったので,差異化のために同社は「風自体の品質向上」をめざした.「自然な風」を再現するために,「リズム風」,および「ランダム風」を経,「1/fゆらぎの風」へと発展させ,その革新性をアピールするために,扇風機自体の形状を従来とは大きく変更した.
著者
平野 聖 石村 眞一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-38, 2008-07-31
被引用文献数
2

明治時代に先進国からもたらされた扇風機は,大正時代には欧米の企業との技術提携が進み,我が国主要企業による大量生産が開始された。米国では天井扇に加えフロア扇の需要も多かったが,我が国では相変わらず卓上扇の独壇場であった。関東大震災により,直接裸火を使用しない電気製品の安全性が注目されるようになり,震災の復興期に数多く建てられた和洋折衷の文化住宅では,電化が大きなテーマとなった。企業間競争の激化による価格の下落と,新中間層の急増や大正デモクラシーの影響から女性の社会進出も果たされるようになると,大衆の購買力が向上し.家電ブームが起こった。人々のあこがれの対象であった扇風機は,その牽引役を果たした。扇風機の基本的形態の四要素,「黒色,四枚羽根,密なガード,首振機能」は踏襲されたが,エトラ扇の発明により,三枚羽根のものも加わった。この時代には,ガードが独立してデザインされるようになり,他社との差別化やモデルチェンジを明示する役割を担った。
著者
須藤 裕子 小笠原 勝 西尾 孝佳 一前 宣正
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-9, 2005-03-18
被引用文献数
2

舗装道路の路面間隙に形成される雑草植生と道路周辺の土地利用形態および人間活動との関係を明らかにすることを目的に, 栃木県宇都宮市を例に挙げて, 土地利用と人口密度において対照的な住宅地域と水田地域の路面間隙の雑草植生を比較した。植生調査は2003年7月9日から8月13日にかけて, 無作為に抽出したそれぞれ50地点の住宅地域および水田地域で行い, 路面間隙に出現した雑草の総種数, 別の出現頻度, 生活型組成および帰化雑草率を求めた。その結果, 住宅地域の路面間隙で54科185種の雑草が, 水田地域で31科119種の雑草が観察された。さらに, 住宅地域の路面間隙でツメクサ(Sagina japonica (Sw.) Ohwi)やオオバコ(Plantago asiatica L.)などの踏圧に強い小型の雑草が高い頻度で出現し, 草本性の雑草の他にもタラノキ(Aralia elata (Miq.) Seemann)やムクノキ(Aphananthe aspera (Thunb.) Planch.)などの木本類と, 園芸植物のハーブ類が数ヶ所で観察された。また, 水田地域では草高が1m以上に成長したシロザ(Chenopodium album L.)やヨモギ(Artemisia princeps Pampan.)などが高い頻度で出現した。以上のように, 住宅地域の路面間隙に形成される雑草植生は水田地域に比べて種数に富むだけでなく, 種組成の点で著しく異なり, 両地域の植生の違いには, 鳥による種子伝播を含めた雑草種子の供給, 刈り込みや抜き取りなどの雑草管理や踏圧などの人為的な要素が関与していると考えられた。
著者
濱野 恵 三浦 周行 田部井 豊
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.559-561, 1998-07-15
被引用文献数
3 4

イチゴ'女峰'の果実生育の初期に発現する遺伝子をディファレンシャルディスプレイ法により解析した.開花後0, 2, 4, 7, 10, 13日の果実から抽出したRNAを基に合成したcDNAをPCR反応の鋳型に用いた.異なる遺伝子発現を示唆するPCR産物11本のうちSGR101, SGR701の2本をサブクローニングして塩基配列を決定した.ホモロジー検索の結果, SGR101はリボソームタンパクS6キナーゼのホモローグであるアラビドプシスのcDNAと, SGR701はインゲンマメのヒドロキシプロリンリッチ糖タンパクの遺伝子と高い相同性があった.SGR101およびSGR701はともに痩果の相対生長速度が最も高く果実が生理的に活発な時期に発現しており, それらが果実生育にかかわる機能について考察した.