著者
加藤 大貴 濱野 敦 河村 秀樹
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.224-228, 2014-10-20 (Released:2015-10-21)
参考文献数
38

近年,幼児におけるウイルス性胃腸炎罹患後の結石嵌頓による腎後性腎不全の報告が散見されるようになった.我々は,ノロウイルス胃腸炎罹患後に尿管結石嵌頓による急性腎後性腎不全を発症した単腎症の幼児の1例を経験したので報告する.症例は2歳11カ月男児.発熱,腹痛,嘔吐のため近医に受診し,急性胃腸炎と診断された.一旦症状は軽快したが,2日後より腹痛,嘔吐が再燃し乏尿となった.補液を受けたが乏尿は続き,第5病日に前医に入院した.便中ノロウイルス抗原陽性で,腹部エコーで左単腎と軽度水腎症を認めた.血液検査で血清CREの上昇を認め急性腎不全と診断され,同日当院へ転院となった.腹部CTで左単腎と左尿管結石嵌頓による腎後性腎不全と診断した.直ちに経尿道的尿管ステント留置術を施行し,術後2日目には腎機能は正常化した.尿アルカリ化を行い,術後28日目の腹部CTで結石は消失していた.ウイルス性胃腸炎罹患後の腎後性腎不全の原因は,酸性尿酸アンモニウム結石の両側尿管閉塞である.3歳以下の男児に多い,ロタウイルス胃腸炎に多い,高尿酸血症を呈する,胃腸炎症状回復期に発症するなど臨床的特徴がある.ウイルス性胃腸炎罹患後の急性腎不全は脱水による腎前性腎不全であることが多いが,結石嵌頓による腎後性腎不全の可能性も考慮すべきであると考える.

4 0 0 0 OA 天文年鑑

著者
天文同好会 編
出版者
新光社
巻号頁・発行日
vol.第4号(昭和6年), 1931
著者
石毛 美代子 新美 成二 森 浩一
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.347-354, 1996-07-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
25
被引用文献数
4 3

声帯振動の状態を調べる方法の一つにElectroglottography (以下EGG) がある.EGGは非侵襲的で, 操作が容易, かつ装置が高価でないなど, 音声の研究のみならず臨床においてもすぐれた有用な特徴を持っている.欧米では音声障害患者のルーチンの検査として用いることも少なくない.しかしわが国においては, EGGを使用している施設はむしろ限られており, 声帯振動の一般的な評価方法として普及しているとはいい難い.そこで, あらためてEGGの原理や必要最小限の装置としてどんなものがあれば実際に使用することができるか, 波形から声帯振動の何がわかるか, さらにEGGの模式波形と実際の波形はどのように異なるか, などについてこれまでの研究結果を概説し, EGGが声帯振動の評価として, また音声訓練のバイオフィードバックとして, 簡便でかつ有効な方法であることを述べた.
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.経子史部 第1巻, 1932
著者
宮野 佐年
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.301-306, 1995-05-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

4 0 0 0 OA 国語のため

著者
上田万年 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1897
著者
町村 敬志
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.3-16, 2007-03-20 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6
被引用文献数
6 2

2006年、東京都は2016年オリンピックの国内候補都市に選定され、招致活動をスタートさせた。なぜ今、オリンピックなのか。その背景にあるのは、単にナショナリズムを政治的に利用しようとする都知事の意向だけではない。1960年以降のオリンピック開催都市を経済発展の段階 (アメリカ合衆国の一人当たりGDPに対する比率) に基づいて分類すると、それらは、「2割国型の首都」による国家の威信発揚オリンピック、「6割国型の非首都」による成長する広域圏中心都市オリンピック、そして「10割国型の非首都」によるグローバル・シティ・セールス志向のオリンピックに分けられる。これに対して、2012年の開催決定都市ロンドンとそのライバル都市群、そして2016年に立候補した東京は、半世紀間で初めての「10割国型の首都」オリンピックをいずれもめざしていた。このようにグローバル・シティが第2ラウンドのオリンピックへと回帰してきた背景には、1)ポスト・モダニティの都市戦略、2) グローバル都市化、3) 都市間競争の激化、4) 経済再活性化といったねらいがある。そしてそれらの先には、21世紀に入って、グローバリゼーションとネオリベラリズムの限界を敏感に感じ取ったグローバル・シティと国家によるメガ・イベントを介した連携という新しい構図が存在している。いまや、国家の祝祭ならぬ「競争力の祝祭」となったメガ・イベントは、新しいネオリベラルな都市レジーム形成に向けたアジェンダ設定力自体を競うグローバル・シティ間のコンテストの場でもある。2016年のオリンピックが実際に開催されるかどうかに関わらず、都市を舞台とするメガ・イベントはすでにスタートを切っている。未だきわめて乏しい想像力しか持ち合わせていない新しい「東京オリンピック」ははたして本当に必要なのか。メガ・イベント政治がどのような影響を都市社会にもたらしていくのかを再検討する必要がある。
著者
Mike Oaksford
出版者
Japanese Cognitive Science Society
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.327-330, 2022-09-01 (Released:2022-09-15)
参考文献数
35
著者
大石 太郎 有路 昌彦 高原 淳志 大南 絢一 北山 雅也 本多 純哉 荒井 祥
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.2-11, 2012-06-30 (Released:2012-09-27)
参考文献数
22
被引用文献数
3 2

We investigated the impact of food additives on the price of fish paste products by using a hedonic price approach. For our research, food additives include preservatives, coloring materials, sweeteners, pH adjusters, polysaccharide thickeners, calcined shell calcium, trehalose, sorbitol, xylose, and calcium carbonate. As a result of the analysis, we found that products using preservatives have a statistically significantly lower price than others, and the other food additives do not have statistically significant price effects. The result suggests that preservatives contribute toward keeping the cost of goods from increasing during distribution and marketing and enable a reduction in the price of fish paste products. Using preservatives reduces the financial burden of consumers and contributes toward consumers getting substantive benefits.
著者
椎橋 実智男 福島 統 錦織 宏 西城 卓也
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.283-289, 2012-08-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
7
被引用文献数
4
著者
大坪 庸介 島田 康弘 森永 今日子 三沢 良
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.85-91, 2003 (Released:2004-02-17)
参考文献数
16
被引用文献数
8 6

本研究では,日本の医療機関において職種内・間の地位格差により円滑なコミュニケーションが阻害されることがあるかどうかを,質問紙調査により検討した。質問紙では,職場の特定の対象が投薬量を間違っているのではないかと感じられる場面を想定してもらい,その相手に対してエラーの指摘をするのにどの程度の抵抗感を感じるかを尋ねた。調査対象は医師・看護師・薬剤師であり,それぞれの対象者ごとに同僚・先輩・後輩・その他の職種などを指摘対象として想定してもらった。結果は,同職種内では後輩より同期の相手に,同期より先輩に対して指摘に抵抗感があることを示していた。また,異職種間でも,看護師・薬剤師が医師に対して指摘する場合の抵抗感の方が,医師が看護師・薬剤師に対して指摘を行う場合の抵抗感よりも強かった。したがって,職種内・間の両方で程度の差こそあれ地位格差によるエラー指摘への抵抗感が存在することが示された。また,エラー指摘の抵抗感の程度には病院差があることも示された。今回の質問紙調査の限界と,今後,医療事故を減らしていくために必要とされる研究について考察した。
著者
伊藤 公紀 田中 博
出版者
横浜国立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

最近見出した太陽風パラメータと地表気温および北極振動との相関を手がかりとして、太陽磁気活動-気候相関のミッシングリンクに迫ることを目指した。成層圏気温と太陽風パラメータの相関を生む原因として、成層圏オゾンデータを利用した太陽風粒子降着についての検討が可能と判断された。そこでオゾン量の全球グリッドデータを用い、太陽風との相関を調査し、太陽風粒子が電離圏で生成するNOが成層圏に運ばれ、オゾンを減少させることにより、成層圏の気温を変調するという機構を提案した。
著者
Philippe Clowez Takumi Izumi Paul-Bill Lamiable Koichi Shibakusa Camelia Minculeasa Pablo Alvarado
出版者
The Mycological Society of Japan
雑誌
Mycoscience (ISSN:13403540)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.274-283, 2022-10-21 (Released:2022-11-20)
参考文献数
67

A previously unknown morel species apparently endemic to Japan is here described. Morchella nipponensis is proposed for this species. This new taxon displays archaic features recalling section Rufobrunnea (pileus lanceolate, few primary alveoli), and a yellow pileus similar to subsection Sceptriformis of section Morchella. The phylogenetic analysis of ITS rDNA, as well as RPB1, RPB2 and TEF1 genes from up to four collections suggests that this morel species represents a basal branch of section Morchella (yellow morels), for which the new subsection Japonicae is proposed.