著者
福家 良太
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.817-820, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
26

近年の集中治療の進歩により重症疾患の生命予後は大きく改善しているが,新たな問題として,これまで軽視されてきた ICU退室後あるいは退院後の様々なアウトカムが注目されるようになってきている。すなわち,これまで許容されてきた「急性期は救命できても長期的に見ると機能予後や QOLが悪化している生存者」が無視できない状況となっており,これを Post-Intensive Care Syndrome(以下,PICSと略)と称する。PICSは,ICUでの集中治療後に生じる身体・認知・精神機能障害である。これらは,重症疾患の侵襲のみならず,救命のためによかれと行われてきた医療介入による侵襲も原因となる可能性が多くの報告で指摘されるようになっている。本総説では,PICSの概念・原因・予防と関連する栄養療法のエビデンスについて述べる。
著者
小野 晃
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.533-541, 1984-01-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12
著者
西﨑 光弘
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SUPPL.3, pp.S3_5-S3_13, 2014 (Released:2015-10-26)
参考文献数
24

冠攣縮性狭心症患者においては, 院外心肺停止や突然死の主たる原因が心筋虚血発作時に出現する致死的心室性不整脈であることが示されている. 致死的心室性不整脈の予知やリスク評価には冠攣縮発作時と無症候状態における不整脈の発生基質を明らかにすることが重要であり, TWA, J波, QT dispersionによる非侵襲的検査および電気生理学的検査上のVT, VFの誘発性を検討することが有用である. 治療としては, 原則的にCa拮抗薬による内服治療であるが, 突然死の二次予防にICD治療が有効である報告も散見される. 冠攣縮発作に併発するVFが再発する薬物抵抗性の場合や冠攣縮発作に併発するVFを認め, 薬物投与が認容されない場合はICD治療も考慮されるべきである. 一方, VFの初発例の場合は, 発症時の薬物投与の有無や不整脈発生基質を十分に検討し, ICDの適応を慎重に決めていくことが必要である.
著者
出口 善隆 村山 恭太郎
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.37-41, 2016 (Released:2016-07-01)
参考文献数
20

岩手県盛岡市で新規に分布域が拡大したニホンジカ(Cervus nippon)個体群の生息地利用と性別割合を2年にわたり赤外線センサー付きカメラを用いて調べた.時間帯毎の撮影頭数には有意な偏りがあり,林地では日の出と日没前後に撮影頭数が増加したのに対し,果樹園では日没前後と深夜に撮影頭数が増加した.また,調査期間を前期(2011年12月~2012年11月)と後期(2012年12月~2013年11月)に分け,ニホンジカの撮影頻度と性別割合を比較したところ,後期には撮影頻度が2倍に増加し,雌の撮影割合が増加した.
著者
Kazuhiro Morisaki Yuta Kondo Masanao Sawa Hiroyuki Morimoto Takashi Ohshima
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.1089-1092, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

This note describes the construction of tetrasubstituted carbon stereocenters via palladium-catalyzed allylation of sp3 C–H bonds of 2,2,2-trifluoroethylamine derivatives. The presence of 2-pyridyl group of the imines derived from 1-substituted-2,2,2-trifluoroethylamine was key to promoting the reaction efficiently, allowing an access to a variety of 1-allylated 2,2,2-trifluoroethylamine derivatives with tetrasubstituted carbon stereocenters.
著者
石岡 恒憲 亀田 雅之
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.3-19, 2003-12-20 (Released:2017-05-01)
被引用文献数
4

アメリカで実施される適性試験のひとつであるGMAT(Graduate Management Admission Test)において,実際に小論文の採点に用いられているe-raterを参考にして,その日本語版ともいうべきJessを試作した.Jessは,文章の形式的な側面,いわゆる文章作法を評価する「修辞」と,アイディアが理路整然と表現されていることを示す「論理構成」と,トピックに関連した語彙が用いられているかを示す「内容」の3つの観点から小論文を評価する.毎日新聞の社説およびコラム(「余録」)を学習し,これを模範とした場合に適切でないと判断される採点細目に対して減点することで採点を行う.また書かれた小論文の診断情報を提示する.システムは現在UNIX上で動作し,800-1,600字の小論文を通常能力のパソコン(Plat'Home Standard System 801S; Intel Pentium III 800MHz; RedHat7.2)で1秒程度で処理する.
著者
池上 高志 岡 瑞起 橋本 康弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.811-819, 2015-11-01 (Released:2017-09-07)
参考文献数
24

The Web is perhaps the most complex system that we know today. Its massive scale, complex dynamism, open richness, and social character mean that it may be more profitable to study it by using tools and concepts appropriate for understanding nervous systems, organisms, ecosystems and society, rather than approaches more traditionally employed to study engineering technology. Simultaneously, the scientists trying to understand this wide array of complex natural systems may have much to gain by considering the emerging study of the Web. In this paper, taking examples from our recent studies on the Web, we concretely discuss the relevance of the Web as a large model, as opposed to small models often used in physics or biology, for understanding living systems. An idea is forwarded of a default mode network that introduces autonomy, evolvability and homeostasis into the Web. For example, we argue for the existence of two modes of the states in Twitter; the excitation and baseline. The Web turns out to be an excitable media similar to a brain or certain kinds of chemical systems. R. Ashby's laws of requisite variety is also revisited to study its relevance in the light of controlling complex systems.
著者
萱場 広之
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.16-20, 1998-02-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
2

地域医療を営む小規模病院における小児外科のコストパフォーマンスについて病院経営の面から検討した.1次医療における小児外科は3次医療のそれとは異なり, 小児外科疾患のスクリーニングを含めて広い領域の診療が要求される.その地域医療の要求に小児外科医が柔軟に対応し, 小児医療を担う一員として診療にあたれば, 医療経営上も満足できるレベルに達することが可能と考えられる.さらに, 小児外科医は小児救急, 消化管の各種検査や一般的救急疾患のプライマリーケアにも慣れている医師が多く, 全体的にマンパワーが不足しがちな地域医療においては医療経営以外の面でも少なからぬ利益があると考える.小児外科医が地域医療に従事することは医療全体の中の小児外科をより広い視野で捉える良い機会となると思われる.しかし, 小児外科医が地域医療のなかで高度の専門性を維持しつつ修練を重ねるのは容易ではない.小児外科が診療科として地域に根をはり, 同時に専門性を伸ばしていくためには小児外科医育成をも考慮にいれた地域病院と教育病院間の緊密な協力体制が要求されよう.
著者
藤井 篤之 中西 華子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.566-572, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

福島県会津若松市はビッグデータ・アナリティクス産業創出を目的としたスマートシティに取り組んでいる。本記事では筆者が所属するアクセンチュア株式会社による取り組みを中心に,同市のスマートシティの特徴と経緯および展望を紹介する。同市のスマートシティの取り組みを支える構造は,ICT専門大学である会津大学を中心とした,組織,人,データ基盤であり,スマートシティの各テーマにおける実証を通じて,地域に企業が集まり,人が集まり,産業が集まっている。今後は,取り組みを進める中で直面している,オープン性,プライバシー,競合性の各論点についての議論を深め,同市での取り組みの深化,他地域への展開を目指している。

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出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.615-617, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
著者
寺本 民生
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.3-13, 2013 (Released:2013-03-15)
参考文献数
78
被引用文献数
4 5

【目的】わが国は,戦後急速な経済復興と共に,生活習慣の欧米化が進み,それに伴い肥満,脂質異常症,糖尿病などの心血管疾患の危険因子が増加している。わが国では,血圧コントロールと共に,脳血管疾患による死亡率は減少し,最近はほぼ心血管疾患と肩を並べるところまで減少した。これは食塩摂取制限により,高血圧の頻度が減少し,それゆえに脳出血が劇的に減少したことによる。このような動脈硬化性疾患の危険因子として,高血圧に変わって問題になったのがコレステロールや肥満・糖尿病の問題である。わが国では,生活習慣の欧米化に伴い,コレステロールレベルは増加の一途をたどり,ほぼアメリカ並みになった。重要なことは,心血管イベントの発症には数十年を要するということであり,それゆえ,わが国のガイドラインは心血管イベントの増加を予防するためのガイドラインと位置付ける事ができる。心血管イベント予防のためには,血圧,糖尿病,喫煙などの包括的管理が重要であるが,脂質異常症は冠動脈疾患予防のためには最も重要なことである。わが国の食形態は,動脈硬化予防のためには適していると考え,わが国の疫学研究をもとに動脈硬化予防のための食事について検討した,その結果,動物性脂肪摂取を抑え,魚類などのn3系多価不飽和脂肪酸摂取を多くし,大豆,果物,野菜などを中心とした伝統的日本食が動脈硬化予防のためには適しており,推奨されるものと考えられた。
著者
佐藤 俊樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.41-54, 1990-06-30 (Released:2009-10-13)
参考文献数
23

「儒教とピューリタニズム」はマックス・ウェーバーの一連の比較社会学の論考のなかでも、最も重要な論考の一つである。だが、そこでの儒教理解、とりわけ儒教倫理を「外的」倫理だとする定式化には問題があり、またウェーバー自身の論理も混乱している。この論文ではまず、儒教のテキストや中国史・中国思想史の論考に基づいて、儒教倫理が実際には「内的」性格を強くもつ『心情倫理』であることを、実証的に明らかにする。なぜ、ウェーバーは儒教の心情倫理性を看過したのだろうか? プロテスタンティズムの倫理と儒教倫理は実は異なる「心の概念」を前提にしている。ウェーバーはその点に気付かずに、プロテスタンティズム固有の心の概念を無意識に自明視したまま儒教倫理を理解しようとした。そのために、儒教を「外的」倫理とする誤解へ導かれたのである。儒教倫理は儒教固有の心の概念を前提にすれば、きわめて整合的に理解可能な、体系的な心情倫理である。それでは、この二つの倫理が前提にしている相異なる「心の概念」とは何か? 論文の後半では、この心の概念なるものの実体が、伝統中国社会と近代西欧社会がそれぞれ固有にもっている人間に関する「一次理論」であることを示した上で、その内容を解明し、その差異に基づいて、二つの倫理とその下での人間類型を再定式化する。そして、それらが二つの社会の社会構造にどのような影響を与えたかを考察する。
著者
Kensuke ORITO Asako KAWARAI-SHIMAMURA Atsushi OGAWA Atsushi NAKAMURA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.17-0463, (Released:2017-10-31)
被引用文献数
8

A prospective observational study was performed in canine clinical medicine to evaluate the emetic action and adverse effects of tranexamic acid. Veterinarians treated 137 dogs with a single dose of tranexamic acid (50 mg/kg, IV) after accidental ingestion of foreign substances. If needed, a second (median, 50 mg/kg; range, 20–50 mg/kg, IV) or third dose (median, 50 mg/kg; range, 25–50 mg/kg, IV) was administered. Tranexamic acid induced emesis in 116 of 137 (84.7%) dogs. Median time to onset of emesis was 116.5 sec (range, 26–370 sec), median duration of emesis was 151.5 sec (range, 30–780 sec), and median number of emesis episodes was 2 (range, 1–8). Second and third administrations of tranexamic acid induced emesis in 64.7% and 66.7% of dogs, respectively. In total, IV administration of tranexamic acid successfully induced emesis in 129 of 137 (94.2%) dogs. Adverse effects included a tonic-clonic convulsion and hemostatic disorder in two different dogs, both of which recovered after receiving medical care. Tranexamic acid induced emesis in most dogs following a single-dose. When a single dose was not sufficient, an additional dosage effectively induced emesis. Overall, adverse effects were considered low and self-limiting.
著者
浅川 智恵子
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.39-44, 1996-09-13 (Released:2017-10-13)

GUI環境およびインターネットの普及は, WWWという新しい情報源をもたらした.WWWが扱う情報には画像データと共に視覚障害者にとって有効と思われる文字情報も多く含まれている.このWWWへの非視覚的アクセスが実現すれば, 視覚障害者にこれまでとは異なる新しい情報源を提供できると期待される.日本アイ・ビー・エム(株)では, 本年8月, 視覚障害者がGUI環境下にアクセスするためのコンピュータ・アクセス・システムであるスクリーン・リーダー/2を製品化した.このシステムを使用すれば, 視覚障害者もNetscape, WebExplorerのようなWWWプラウザーにアクセス可能となる.本稿では, 視覚障害者がスクリーン・リーダー/2およびNetscapeを使ってWebを利用するための手順を紹介し, 今後WWWを視覚障害者の新しい情報源にする為にはどのような課題があるかについて述べる.