著者
松木 拓弥 鈴木 秀男
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.117-125, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究では,メジャーリーグ(MLB)の2015 年シーズンの投球の質に関するトラッキングデータとセイバーメトリクス指標を用いて投手の能力を評価する.そのために,共変量シフトに対応した転移学習を導入し,トラッキングデータからセイバーメトリクス指標を予測するモデルを構築する.更に,そのモデルに基づく予測値と実測値の差から投手の能力を検討する.
著者
Hiroyuki Tsutsumi Jeffrey S. Perez
出版者
Japanese Society for Active Fault Studies
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.39, pp.29-37, 2013-09-30 (Released:2016-03-31)
参考文献数
32

The Philippine fault is a ~1250-km-long, left-lateral strike-slip fault extending NNW parallel to the Philippine archipelago. This fault has been very active in the past 200 years with several destructive earthquakes accompanied by surface rupture. However, there was no large-scale map of the Philippine fault, which is essential for mitigating seismic hazard from future earthquakes. We mapped the surface trace of the Philippine fault on 1:50000-scale topographic maps based mainly on interpretation of ~1:30000-scale aerial photographs. We then compiled these fault trace data on a Geographic Information System to produce the first digital active fault map of the Philippine fault. These 1:50000-scale active fault maps are available from the website of Philippine Institute of Volcanology and Seismology (PHIVOLCS). These maps reveal that there are notable along-strike variations in fault trace geometry and magnitudes of historical seismicity of the Philippine fault. The Philippine fault in central Luzon and Mindanao Islands are well segmented and produced large (M≥7) earthquakes. In contrast, the fault in Masbate and Leyte Islands are more continuous and produced only moderate earthquakes in the past 400 years. There are geomorphic and geodetic evidence of aseismic creeping on the Philippine fault in northern and central Leyte. These observations suggest that the Philippine fault may be comparable to the San Andreas fault in that both of the faults are composed of locked, transition and creeping segments as previously suggested.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年12月29日, 1941-12-29
著者
岸本 忠之
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.15-25, 2018-10-25

本稿の目的は,明治後期の『黒表紙教科書』から終戦直後の『算数』までを対象として,算数教科書における小数の乗法の取り扱いに関する歴史的変遷を分析することである。そのため,小数と分数の位置づけ,純小数と帯小数の乗法の位置づけ,具体的場面と乗法の意味の観点から分析を行った結果以下のようなことが明らかとなった。黒表紙教科書では,分数よりも小数が先行していたが,分数との結びつきも既に見られるようになった。緑表紙教科書では,小数は分数の特別な場合であるとし,分数が先行していたが,水色表紙教科書では,小数が先行するようになった。当初黒表紙教科書では,純小数の乗法が中心課題とされていたが,緑表紙教科書以降では次第に帯小数の乗法から導入するようになった。ただし緑表紙教科書では,「4km,0.1km,0.8km,2.5km」の順序であったが,水色表紙教科書では,「4m,2.5m,0.1m,0.4m,2.3m」の順序に変わり,帯小数の乗法が純小数の乗法よりも先になった。意味づけについては,具体的場面を導入課題とした緑表紙教科書からと考えられているが,実際は,黒表紙教科書の第3期で意味づけについて注意が払われている。
著者
小川 朋子 林 智子 井村 香積
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.5_65-5_74, 2016-12-20 (Released:2017-05-18)
参考文献数
25

本研究は,指導看護師が「成長が遅れている」ととらえた看護師の特徴と,行われている教育・支援を明らかにすることを目的として,指導看護師10名に対して半構造化インタビューを行った。その結果から,教育に携わる看護師は【A.学習の積み上げが困難】【B.看護実践に必要なスキルの不足】【C.安全性の欠如】【D.患者・職員との関係形成困難】【E.精神的脆弱さ】【F.看護職員としての自覚と責任ある行動の不足】がみられることを,「成長の遅れ」ととらえていることが明らかとなった。これらの特徴に対し指導看護師は,【①実践での指導】【②学習支援】【③対象理解と対象に合わせた指導】【④社会性の促進】【⑤主体性の促進】を「成長が遅れている看護師」本人に対して行うとともに,【⑥安全性の確保】【⑦環境の改善・調整】という支援で,勤務体制や職場の従来のやり方,自分たちの考え方などを変える取り組みも行っていた。
著者
山下 絢
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.322-332, 2013-09-30

本研究は、相対的年齢効果が生み出されるメカニズムに着目し、子どもの生まれ月と親の階層(社会経済的地位)や教育へのかかわり方との関係を、国内の全国規模データに基づき、定量的に明らかにするものである。分析の結果、母親が教育費の支出に積極的な場合に、その子どもが早生まれではない傾向が確認された。さらに通塾率に基づく地域区分から見た場合、通塾率が平均よりも高い地域において、同様の傾向が確認された。
著者
岡本 素治
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.263-275, 2011-10-05

ヒラズゲンセイの配偶システムについて,羽化脱出直後からの行動観察に基づいて概要を明らかにし,あわせて生活史に関して得られた知見を報告し考察した.ヒラズゲンセイはキムネクマバチに寄生し,成虫は,長い擬蛹期と蛹期を経て,近畿地方では5月の末から6月の中旬に出現する.羽化してクマバチ巣から出ると,雄は特徴的な姿勢をとり,恐らくフェロモンを放出して雌を呼ぶ(コーリング行動).雌は,羽化脱出してしばらくすると飛び立ち,雄のいる巣を探索する.数10m離れた遠方から匂いを頼りに雄の周辺に飛来するのは容易なようであるが,そこから雄がいる巣の場所に到達するには時間がかかる.特に,雄がコーリング行動を止めると,雄のそばに到達するのに要する時間は著しく増大する.雌が雄のそばに至ると交尾が行われるが,通常のマウンティングに先立ち,雄が雌の上に逆向きに重なる特異な行動パターン(「逆マウント」と名付けた)が見られた.交尾がすむと,雌は産卵のためにクマバチ巣内に侵入しようとするが,クマバチによるさまざまなレベルの抵抗を受ける.侵入・産卵に成功した雌は,巣坑内で卵を防御する位置にとどまる.雄も雌に続いて巣坑内に侵入するが,その後も午前中は巣坑外に出てコーリングを行う.2週間程度で孵化した1齢幼虫は,クマバチの毛に大腮でしがみつき,分散していく.トウネズミモチの花の雄蘂の上で訪花活動を行うクマバチを待つヒラズゲンセイの1齢幼虫を発見し報告した.
著者
Kunihiko Araki Ryoko Takeuchi Fumiaki Katada Toshio Fukutake
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.5112-20, (Released:2020-08-04)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Rotatory vertigo is known to have not only peripheral causes, e.g., Meniere's disease, vestibular neuritis, and benign paroxysmal positional vertigo, but also central causes, e.g., stroke, hemorrhage, and tumor. In most cases, central rotatory vertigo is caused by a lesion in the brainstem or cerebellum, but rare cases with a cerebral lesion have also been reported. We herin describe a unique case with acute rotatory vertigo following a small hemorrhage in the left superior temporal gyrus, which probably led to a dysfunction of the visual-vestibular system.
著者
速水 敏彦 小平 英志
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.171-180, 2006-01-31
被引用文献数
1 7

これまで,他者軽視に基づく仮想的有能感に関して,感情経験との関連を中心とした検討が行われてきた(速水ほか,2003).本研究では,低い自尊感情を補償しようと,他者軽視を行う典型的なタイプを抽出するために有能感の類型論的アプローチを用い,学習観と学習に対する動機づけとの関連を検討した.高校生395名に対して他者軽視,自尊感情,学習観(学習量,環境,方略志向),および自己決定理論に基づく動機づけ(外的,取り入れ的,同一化的,内発的動機づけ)の尺度が実施された.相関関係からは,他者軽視に基づく仮想的有能感は学習量志向と負の関連にあることが示された.また各類型の特徴を整理した結果,仮想型では,自尊型と比べて,外的動機づけおよび取り入れ的動機づけが高く,同一化的動機づけと内発的動機づけが低い傾向にあった.萎縮型では,いずれの動機づけも低い傾向にあった.
著者
金子 弥生 小池 伸介 古谷 雅理
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

現在、里山生態系保全にとっての大きな課題は、在来種の選好生息地の確保と外来種対策である。本研究では在来中型食肉目保全を目的として、種判別を自動、低労力、低コストで行うことのできる動物自動識別装置を開発した。この装置により、食肉目群集共通のKey Habitatを調べ、種間相互作用の将来の変化を視野に入れた在来種の個体群構造を把握、生息地保全策について考察した。さらに、システムを応用して外来種(アライグマ、ハクビシン)選択捕獲装置「ラクーンターミネーター」を製作した。
著者
(日本)日潮著
出版者
瑞光寺
巻号頁・発行日
1797