著者
山根 信二 馬場 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.343, pp.7-12, 2004-10-09

本研究では,近年のコンピュータ史研究の動向に基づき,従来の技術史や産業史では扱われなかったビジネスモデル形成の史的展開に注目する.特に,初のアプリケーションソフトウェア販売企業であるPersonal Software社(のちのVisiCorp社)に注目し,そのビジネスモデル確立過程においてビジネススクールの手法,コンピュータゲーム市場,そしてホビイスト集団が果たした役割を検証する.そしてソフトウェア企業がビジネスモデルを確立する際の社会的技術的条件を明らかにするとともに,パーソナルコンピュータ産業において新たな産業構造への転換が起こった要因を解明する新たな視点を示す.
著者
野村 照久 坂本 文和
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.1138-1141, 1992-07-20
被引用文献数
5 3

症例は63歳,男性.1967年より糖尿病を指摘され,1983年6月より糖尿病性腎症,慢性腎不全のため血液透析を開始,このときすでに神経症,網膜症を伴っていた.1990年6月中旬より亀頭部痛出現し,3ヵ月後には亀頭全体が黒くミイラ状に変性し,壊死に陥ったため1990年10月9日,陰茎部分切断術を施行した.病理組織学的所見では糖尿病による血管病変を主体とする内腔閉塞,血栓形成等が広汎に認められた.陰茎壊死を合併した糖尿病症例の報告は極めて少なく,本症例は本邦では2例目,欧米を含めても5例目に相当する.
著者
黒沢 直俊
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ポルトガル北部からスペインの北部に分布するアストゥリアス・レオン諸語の、アストゥリアス語とミランダ語という上層言語の異なる変種を歴史言語学的観点から考察した。アストゥリアス州での前後3回の現地調査で、現地の専門家などと協力しながら言語状況の把握や資料の収集を行い、コーパス構築に向けた作業を開始した。この分野は、中世ポルトガル語研究にも様々な視点を提供し、この間、所有詞に関しポルトガル語研究の枠では指摘されなかった研究展開の方向を示した。日本では研究者は少ないので、現地と関係を保ちながら研究調査する意義は大きい。今後、研究代表者の専門のポルトガル語研究にも新たな知見を提供出来る。
著者
上阪 彩香 村上 征勝
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013-CH-98, no.4, pp.1-8, 2013-05-04

西鶴の著した作品は,日本文化の根幹をなす歴史的古典籍とされているが,没後320年になる今日においても西鶴作とされる浮世草子には,西鶴作かどうか疑惑が解明されていない作品も多く存在する.西鶴の第4遺稿集『万の文反古』も著者に関する疑惑が出されている作品のひとつである.本研究では,文章の計量的な分析により『万の文反古』の著者の疑問を検討する.
著者
手塚 恒人
出版者
松川東小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

新しい学校に来て、竹踏み切り板、"竹低鉄棒(高さ1m)"、"竹高鉄棒(高さ1.7m)"を作って、体育館や廊下へ置き、竹踏み切り板では空中回転を、"竹鉄棒"では逆上がりや足掛け上がりや前後支持回転などを指導した。その結果、子供たちの技能は向上し、運動会に全校羽人ひとりひとりによる「ぼくのわざ、わたしのわざ」という種目で得意技を披露することとなり、参観者から大きな拍手をいただいた。また、竹フラフープ、竹カスタネットを作って全校ダンスも披露した。全校キャンプでは、竹のはし、竹さいばし、火吹き竹、竹ぼうきなどを作った。竹を使ったコンパスを開発した。3・5年の子供たちは、算数のとき、竹コンパスは使い易いといって、単元テストでも使っていた。大きな竹コンパスも作り、校庭いっぱいにコンパスアートを描いた。算数や理科の実験でも竹を大いに利用した。竹の皮を使った中華風ちまきや竹の子料理を作り、全校で賞味した。秋の遠足は全校、竹の皮に包んだおむすびを食べた。高学年は地域の高齢者クラブの方たちに指導していただき、竹の皮でぞうりを作り、遠足ではいた。12月に3年生以上、竹を使って来年の干支、寅を制作した。アイディアスケッチを3回させたので、構想がよく練られた。地域の話題になった。音楽会には、全校バンブーダンスや尺八を披露した。全校で竹うちわを製作した。低学年は参観日に父母といっしょに制作した。高学年はひとりでできた。その他、竹ぽっくり、竹水鉄砲、竹空気鉄砲、竹馬、竹掲示板、竹そり、たこなどを作った。今では子供たちは竹で何でも作ろうとする。地域の人たちも竹の教材化を賞賛している。こういった成果は近隣の学校へ広がりつつある。

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著者
鷹司 信輔
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.3, no.14, pp.237-237, 1923-03-26 (Released:2010-03-01)
著者
高橋 英海 桑原 尚子 近藤 洋平 辻上 奈美江 菊地 達也 三代川 寛子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、中東・北アフリカのイスラーム地域における少数派・弱者を取り上げ、その過去と現状について3年の期間をかけて調査を行った。具体的には、少数派・弱者を(1)「イスラーム圏における少数派としてのキリスト教およびその他の宗教」、(2)「イスラーム圏における伝統的弱者としての女性」、(3)「イスラーム世界における異端」という3つの研究課題に分け、それぞれの課題について調査を行い、思想史的および社会学的手法を用いて考察した。
著者
林 達哉
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.117, no.3, pp.168-174, 2014-03-20 (Released:2014-04-20)
参考文献数
9

2013年, 日米両国で小児急性中耳炎のガイドラインが改訂された. 本邦のガイドラインの基本骨格に変更はなかった. すなわち, 年齢, 症状, 鼓膜所見により疾患の重症度を決定し, 重症度に応じた一次抗菌薬選択と治療効果の有無による二次および三次抗菌薬へのスイッチが, 2006年の初版以来変わらぬ要点である. 一方, 米国のガイドラインは骨格にかかわる部分に大きな変更があった. すなわち, 従来と異なり, 急性中耳炎の診断は厳格な鼓膜所見が必須となった. 診断が抗菌薬治療に直結する構造となっているため, 本邦と同様, 厳格な鼓膜所見が治療選択に必須になったといえる. 本邦2013年版の主な変更点は, 治療効果判定時期が抗菌薬投与後3日に短縮された点と, 新規抗菌薬が中等症の三次治療および重症の二次と三次治療の選択抗菌薬候補に明示された点であろう. 何故, 米国のガイドラインは本邦のガイドラインに近い形に姿を変える必要があったのか, 本邦のガイドラインの変更点, 非変更点の意味するところは何かを理解することが, ガイドラインの最も重要な目的である抗菌薬の適正使用につながると期待される.
著者
鷲見 洋一
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1079, pp.7-30, 2014-03