著者
日置 俊次
出版者
青山学院大学
雑誌
青山スタンダード論集 (ISSN:18806430)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.227-266, 2008-01
著者
大澤 覚 オオサワ サトル Satoru Osawa
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.49-65, 2006-04-30

筆者は市民社会論を専門とするものではないが、担当する財政学の講義に関ってこの意味が問題となってきていた。これを調べた結果、ドイツ語のburgerliche Gesellschaftが、ある時は「ブルジョア社会」、またある時は「市民社会」と訳し分けされることを知り、新たにこれについて疑問に思い、これに焦点を当てて関連する文献を調べてみた。その結果、多くの経済学者が引用・言及してきたマルクス自身が、burgerlichとBourgeois-を使い分けていることが分かった。そこで、本稿では、とりあえず、この訳し分けの不当さを主張する観点から、マルクスに内在して、まずマルクスがこの使い分けをしていることを示し、そのうえで、burgerliche Gesellschaftと資本主義社会、BurgerとBourgeois、burgerliche GesellschaftとBurgerの順にそれぞれの用語をどのように使用しているか、どのような含意で使用されているかなどについて追求してみた。
著者
大澤 覚 オオサワ サトル Satoru Osawa
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.49-65, 2006-04-30

筆者は市民社会論を専門とするものではないが、担当する財政学の講義に関ってこの意味が問題となってきていた。これを調べた結果、ドイツ語のburgerliche Gesellschaftが、ある時は「ブルジョア社会」、またある時は「市民社会」と訳し分けされることを知り、新たにこれについて疑問に思い、これに焦点を当てて関連する文献を調べてみた。その結果、多くの経済学者が引用・言及してきたマルクス自身が、burgerlichとBourgeois-を使い分けていることが分かった。そこで、本稿では、とりあえず、この訳し分けの不当さを主張する観点から、マルクスに内在して、まずマルクスがこの使い分けをしていることを示し、そのうえで、burgerliche Gesellschaftと資本主義社会、BurgerとBourgeois、burgerliche GesellschaftとBurgerの順にそれぞれの用語をどのように使用しているか、どのような含意で使用されているかなどについて追求してみた。
著者
高木 康
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.12, pp.2892-2896, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1

臨床検査値は,検査時ばかりでなく,検体サンプリング(1)検体採取のタイミング,(2)検体採取時の条件,(3)検体保存,などにより大きく変動する.検査値の些細な変動を観察する特定診断ばかりでなく,日常診療でも診断を左右する場合も少なくない.感染症診断での偽陰性は患者の予後を左右することもある.臨床検査の検査前変動を正しく理解することが,誤診を防ぐ上で重要である.
著者
金森 明 水野 伸一 松葉 秀基 小林 智輝 松原 庸博
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.113-117, 2019-01-31 (Released:2020-03-24)
参考文献数
23

症例は53歳女性,腹部手術歴はない。丸餅を12個摂取した翌日に腹痛が出現し当院を受診。腹部全体に強い痛みを訴え,腹膜刺激症状もみられた。腹部CTでは胃内に餅と思われるhigh densityな食物残渣が多数みられた。上部小腸は拡張し,小腸内にも,胃内と同様に餅と推定されるhigh density massを認めた。以上の所見より餅による食餌性腸閉塞と診断し入院となった。絶食と経鼻胃管による減圧で保存的に症状は軽快し,食事摂取が可能となり退院となった。食餌性腸閉塞はさまざまな食材で報告があるが,餅による腸閉塞の場合は強い腹痛を呈し腹膜刺激症状がみられることがあるため穿孔性腹膜炎などを疑い手術となった報告がみられる。しかし本症例のようにCTで容易に診断可能であるため保存的治癒の可能性を検討する必要がある。餅摂食が原因の腸閉塞を経験したため文献的考察を加えて報告する。
著者
若田部 昌澄
出版者
経済学史学会
雑誌
経済学史研究 (ISSN:18803164)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.22-42, 2012 (Released:2019-08-22)

The year 2012 marks the centennial anniversary of Milton Friedmanʼs birthday and the 50th an-niversary of the publication of Capitalism and Freedom (1962). This paper examines the his-torical significance of his contributions, by mainly reviewing the growing recent research on his economics. Friedman has been popularly described as the Chicago school, monetarist, market fundamentalist, and neo-liberal; I argue that it is necessary to examine these convention-al labels from a historical perspective. Friedman witnessed several and sometimes overlapping historical eras, and the paper focuses on the his-torical contexts of the following: economic sci-ence in the latter half of the twentieth century, the National Bureau of Economic Research tra-dition, the Chicago school research tradition, money and business cycle theories, the role and responsibility of public intellectuals, and the neo-liberalism movement. This paper arrives on the following conclusion. Friedmanʼs ideas drew upon the economics of mathematical and empir-ical nature, seen in the latter twentieth century, yet his approach deviated from the more domi-nant Cowles or MIT approaches, as he regarded economics as an applied and empirical policy science. His works shared common characteris-tics with the NBER tradition, and he changed the nature of the post-War Chicago school by importing the NBER tradition. His monetary and business cycle analysis is a mixture of old Chi-cago monetary tradition and the NBER tradition. His active role as a public intellectual was met with success and controversies, as did his in-volvement with the neo-liberal movement. Al-though Friedman should be primarily studied from a historical perspective, one cannot avoid reviewing his contributions only because he ex-erted a great influence on the history of econom-ics. This becomes more acute especially in the wake of the current economic and financial cri-sis. The paper primarily examines three ques-tions: whether Friedmanʼs ideas contributed to the current crisis, what Friedman would have done if he were alive, and what could be done to improve on Friedmanʼs contributions. The paper concludes that historians of economics would and should continue arguing about and with Friedman. JEL classification numbers: B20, B22, B31.
著者
小澤 智生 糸魚川 淳二
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

本研究の目的は,保存状態が極めて良い化石資料からDNAの抽出を試み,抽出されたDNAを基質としてPCRによって特定の遺伝子領域を増幅した後,塩基配列の決定を行い,近縁の現存種の遺伝子情報と比較し,生物の系統進化を明らかにすることにある.研究計画に示された内容について研究期間中に以下の成果を得た.1.化石骨などの化石資料からのDNAの抽出法,化石化の過程で低分子化したDNAを基質としてかつ生体高分子の続成過程で生じた多くの阻害物質を克服してPCR反応を効率的に進行させる方法といった実験手法の問題につき基礎研究を行い手法を確立した.2.ロシア科学アカデミーに所蔵されているシベリアの永久凍土産の5万3000年より10000年前のマンモス化石および現存種のアフリカゾウ・アジアゾウよりミトコンドリアDNAを抽出し,チトクロームb遺伝子領域307塩基対をはじめとした二三の遺伝子の領域の配列決定を行い,ゾウ亜科の分子系統樹を構築した.その結果,これまでの形態に基づく系統関係の通説と異なりマンモスはアフリカゾウにより近縁であることが明らかになった.また,分子時計によれば両者の分岐年代は約700万年前と推定される.なお,今回の4万3000年前のマンモス化石からのDNAの塩基配列決定は,コハク中の昆中化石を除き,現在のところ動物化石では最も古いDNAの抽出および塩基配列決定例である.3.化石記録の豊富な海生腹足類キサゴ類を対象に,現生種のミトコンドリアDNAのいくつかの遺伝子領域の塩基配列データに基づき分子系統樹を作成し,化石記録と形態に基づく系統樹と比較検討した計果,形態にもとづく系統樹は生態型を反映したものであり真の系統関係を反映していないことが判明した.また,キサゴ類の種分化は海洋気候の温暖期より寒冷期に集中して生じていることが判明した.
著者
上田 隆一
出版者
千葉工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究はロボットで別々に扱われることが多い空間認識技術と学習技術を「記憶」をキーワードに統合し、新たなアルゴリズムを考案することを目的としている。平成29年度の計画では、ロボットが得たセンサ情報と実際に行った行動を記録した「記憶」に対して、記憶中の各部分と空間中の特徴を対応づける研究を行う予定を立てた。平成29年度、実際に得られた成果は1)「教示のためのエピソード上のパーティクルフィルタ(教示のためのPFoE)」の実装と実験による有効性の確認、2)教示のためのPFoEで使う「記憶」のグループ化(クラスタリング)機能の実装と有効性の確認であった。1)の「教示のためのPFoE」は当初計画になかったものであるが、これによって、ロボットが自身のタスクと空間に対する知識を同時に学習する際の学習効率を大幅に向上させることが可能となった。本手法によって、マイクロマウス型のロボットが、ゲームコントローラで教示されたいくつかの動きを再現することを確認している。2)については、1)で作成した「教示のためのPFoE」に、記憶をクラスタリングするアルゴリズムを追加することで、ロボットがタスク中に、自身がタスクのどの段階にいるのかを認識できるようにした。また、この認識結果を使って、ロボットがタスク中に必要な行動をショートカットする問題を緩和することに成功した。1)の成果を平成29年度9月に行われた日本ロボット学会学術講演会において公表した。また、IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2018)に採択され、平成30年度の5月に公表予定である。2)の成果は、平成30年度の日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会で公表予定である。
著者
田中 成俊 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.101, 2013 (Released:2015-01-24)

チェスや将棋を始めとするゲームを題材として、コンピュータで人間と同様の知能(AI:Artificial Intelligence)を実現させようとする試みは古くから行われている。近年では、ボードゲームだけでなくコンピュータゲームでのFPS(First Person Shooter)やRTS(RealTime Strategy)、アクションゲームなど、さまざまなジャンルでAIコンペティションが開かれている。しかし初期のコンピュータゲームであるローグライクゲームでは、数少ない研究例があるだけで、その後の発展はみられない。本稿では、現在もプレイされているローグライクゲームの特徴を挙げ、既存のAIコンペティションとの対比を行い、ローグライクゲームのコンペティションを設計することで新たな課題を提供する。