著者
宇都木 昭 田 允實 金 熹成
出版者
The Phonetic Society of Japan
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.30-42, 2008-08-30 (Released:2017-08-31)

日本語(東京方言)におけるダウンステップの存在が古くから指摘されている一方で,近年では韓国語(ソウル方言)にもそれに類する現象が存在するという指摘がある。これらの現象は,フォーカスによってリセットされるという点て共通する。本稿は,これらの現象とそれがリセットされた場合との間の離散性の有無について,それを解明することの理論的重要性を指摘するとともに,範躊知覚実験による解明の試みを報告するものである。実験の結果,どちらの言語に関しても典型的な範躊知覚の特徴は見出されなかった。これにはアクセントの影響や刺激音の自然度の影響という想定外の要因が混入したと考えられるため,離散性の有無に関して現時点で結論を下すのは困難であり,今後方法論の改善を要する。一方で,実験の主目的とは別の点て,いくつかの興味深い結果が得られた。これには,上述のアクセントや刺激音の自然度の実験結果への影響に加え,刺激音提示順の効果,および,F0ピークの役割に関する日本語と韓国語の差異が含まれる。
著者
宗前 清貞
出版者
Tohoku University
巻号頁・発行日
2020-02-28

論文
出版者
大日本都市調査会
巻号頁・発行日
vol.牛込区之部, 1915
著者
石井 直明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.143-148, 2006 (Released:2006-02-06)
参考文献数
5

近年飛躍的に進んでいる老化研究の結果から,老化のメカニズムがインスリン·シグナル伝達経路やカロリー制限が関係する「エネルギー代謝」と,ヘリケースやテロメアが関係し,細胞老化やガン化につながる「細胞分裂」に集約されてきた.この両者は一見,つながりがないように思えるが,エネルギー代謝の副産物として産生される活性酸素による傷害が細胞分裂の停止や細胞死,ガン化に関与することや,インスリン·シグナル伝達経路が細胞分裂を制御しているという報告があることから,老化の基本的なメカニズムが1つのネットワークの中に描かれる日が近いことを感じさせる.
著者
韓 慧
出版者
山口大学大学院東アジア研究科
雑誌
東アジア研究 (ISSN:13479415)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-24, 2012-03
被引用文献数
1

近年、少子・高齢化の進展や医療技術の進歩により看護師へのニーズが高まり、医療現場では看護師不足問題が深刻になっていると指摘されている。それでは、日本における看護師不足問題が深刻だと叫ばれてきたのはどのような理由からであろうか?その理由を語るには、日本の看護師不足がどのような状況にあるか、その実態を明白にしなければならない。本稿の目的は、マクロデータを整理し、分析することによって、日本の看護師不足の実態を多様な側面から明らかにすることである。本稿は、初めに研究背景と目的を述べ、第2説では先行研究や調査データをもとに、看護師の需給見直しの問題点、看護師需給状況に関する国際比較、就業場所別不足と地域別・規模別による看護師偏在など、多様な側面から看護師不足の実態を明らかにした。また、量的な不足だけでなく、看護師の若年化の進展や高い離職率によって、熱練看護師が十分に育たず、看護の質の低下につながる恐れがあるとわかった。次に、第3説では、看護師の離職間題と離職理由に関するデータをまとめ、看護師の人材流出の現状をみる。加えて看護師免許の所有者の3割を占める潜在看護師が復職した理由についてみる。第4節では、これまで発生した看護師不足に対して、政府が打ち出した対応策とその効果をまとめる。最後の結論では、日本の「看護師不足」の中身を明らかにした上で、これまでの看護師不足対策の問題点、更に今後どう見直すべきかの展望について検討する。本稿の考察結果から、日本の看護師不足は今後さらに深刻になる恐れがあると判明した。これは、日本政府は今後、看護師問題を重視し、看護師のワーク・ライフバランスの達成に向けて支援対策を十分に行うことが重要であると示唆する。
著者
伊藤 海斗 加嶋 健司
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.269-278, 2021-04-01

動的な現象をモデル化する際に,それが内包する確率的不確かさを適切にモデルに組み込むことは重要である.特に近年では,突風による風力発電量の急激な変動など,システムに大きな影響を与えるレアイベントを考慮した不確かさのモデリング・解析手法がますます求められている.動的システムにおける確率的不確かさを表現するのに最も用いられるのは,ガウス型の雑音であり,解析的な扱いやすさという大きな利点をもつ一方で,裾が急速に減衰するガウス分布では外れ値を表現することができない.そこで本稿ではレアイベントモデリングが可能,かつ,動的システムでの解析的扱いやすさを併せもつ,安定分布を利用したモデリング手法を解説する.また本枠組みの応用例として,等価線形化による非線形システム解析,動的システムにおけるプライバシー保護を紹介する.
著者
佐竹 秀雄 Hideo SATAKE
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
no.3, pp.327-346, 1982-03

国立国語研究所17の書名 : 国立国語研究所研究報告集

3 0 0 0 OA 堺市史

著者
堺市 編
出版者
堺市
巻号頁・発行日
vol.第3巻 本編第三, 1930
著者
山田 鑑照 尾崎 朋文 松岡 憲二 坂口 俊二 王 財源 森川 和宥 森 俊豪 吉田 篤 北村 清一郎 米山 榮 谷口 和久
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.27-56, 2006-02-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
43

経穴研究委員会 (前経穴委員会) は福岡で開催された第54回全日本鍼灸学会学術大会ワークショップIIにおいて、経絡・経穴について3つの検討テーマを6名の委員により報告した。第1テーマ : 経絡・経穴の解剖学的検討1) 経絡と類似走行を示す解剖構造について (松岡憲二) : 遺体解剖による経絡の走行と神経・血管の走行との類似性についての研究。2) 上肢経絡・経穴の肉眼解剖学的研究 (山田鑑照) : 豊田勝良元名古屋市立大学医学部研究員の学位研究である上肢経絡・経穴の解剖学的研究紹介並びに山田の研究として皮下における皮神経・血管の走行と経穴・経絡との関係についての報告。第2テーマ : 日中における刺鍼安全深度の研究1) 中国における刺鍼安全深度の研究と進展状況 (王財源) : 中国刺鍼安全深度研究で権威のある上海中医薬大学解剖学教室厳振国教授のデータの紹介と最近の中国における刺鍼安全深度研究の進展状況報告。2) 経穴の刺鍼安全深度の研究を顧みて (尾崎朋文) : 尾崎が今まで発表してきた経穴部位の刺鍼安全深度の研究並びに厳振国教授のデータと同じ経穴との比較研究。第3テーマ : 少数経穴の臨床効果の検討1) 少数穴使用による鍼灸の臨床効果 (坂口俊二) : 1~4穴使用による鍼灸臨床効果ついての医学中央雑誌文献の検索・分析。2) 合谷-穴への各種鍼刺激が皮膚通電電流量に及ぼす影響 (森川和宥) : 合谷穴-穴への置鍼刺激、直流電気鍼刺激、鍼通電刺激が皮膚通電電流量に及ぼす影響についての研究。
著者
高丸 圭一 松田 勇一
出版者
学校法人 須賀学園 宇都宮共和大学 シティライフ学部
雑誌
宇都宮共和大学 論叢 (ISSN:18814646)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.49-68, 2008 (Released:2018-03-29)

本論文では、栃木方言イントネーションの主要な特徴の一つである聞き返し型疑凹形を対象として、ピッチパタンの検討を行った。まず、先行研究に基づいて、栃木イントネーションにおける聞き返し型疑問形ピッチパタンの仮説モデルを作成した。次に、標準語で発話された聞き返し型疑問形音声のピッチパタンを、音声分析ソフトウェアpraatを用いて仮説モデルに従って加工し、音声の再合成を行った。この加工音声を聴取し、栃木方言としての自然性の評価を行った。多くの例では仮説モデルで適切に表現できることが明らかになった。一方、句末モーラの持続長、バラ言語の表出等に開運して、モデルの更なる検討が必要であることが示唆された。
著者
菅野 圭祐 佐藤 滋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.719, pp.133-141, 2016 (Released:2016-01-30)
参考文献数
22
被引用文献数
2 4

The castle town cities, Yama-ate and Vista, refer to Donjon, Turret and the surrounding mountain peaks, which provide people perpetually changing views, applying GIS to analyze the actual landscape condition of Murakami city, Niigata. First, It aims to restore the mid-Meiji streets tracing back to the feudal and the Castle, measuring the micro-topography. Second, Classify the streets into four unobstructed views basing upon street patterns and the appearance of objects, and specify the object mountain. Third, Analyze these four by street condition, Object Mountain and topography. The characters of relationship among landscape composition, objects and their locations, can be manifested.