著者
池嵜 寛人 兒玉 成博 畑添 涼
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
熊本保健科学大学研究誌 (ISSN:24335002)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-22, 2021-03

【はじめに】言語聴覚士養成課程の学生が臨床実習で経験する検査の実態を明らかにすることを目的として,本専攻の臨床実習で用いているチェックリストの分析を行った。【方法】評価実習(3週間)と総合実習(8週間)を履修した学生91名を対象とした。実習を通して「見学」,「模倣前期」,「模倣後期」,「実施」のいずれかに記載がある学生は見学以上の経験あり,記載がない学生は未経験として,見学以上の経験ありの割合を算出した。【結果】評価実習および総合実習ともに,半数以上の学生が簡易知能検査,言語評価,構音評価,嚥下評価の主要な検査を経験していた。標準失語症検査に関する学生の経験状況は,総合実習の方が評価実習に比べて,「模倣前期」の割合が少ない傾向を認めた。頸部聴診では,総合実習の方が評価実習に比べて,「実施」の割合が多い傾向を認めた。【考察】学生が臨床実習で経験している現状をふまえ,学内教育のカリキュラムを検討することも必要であると考える。
著者
川合 慧
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, 1980-11-15
著者
早野 慎吾
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大学研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
no.93, pp.1-10, 2021-03-01

Abstract The term shakoshin , literally the desire for happiness resulting from chance circumstances, is used in relation to the regulation of gambling, in reference to a psychological state in which an individual desires property benefits by chance. In this paper,gambling is divided into three types for the analysis of shakoshin . (1) Touji type: The parties have no involvement in the result at all; (2) Hakugi type: The parties cannot participate in the result, but they can participate in selecting the target for a winning bet;(3) Yuugi t ype: T he parties may be involved in t he result t o some extent or other. The factors contributing to the stimulation of shakoshin are classified as “reward expectation effects” based on the magnitude of property profits, “probability expectation effects” based on the probability of property being gained, and “internal control effects” related to the parties’ involvement. These three effects allowed us to identify differences in the nature of each form of gambling activity.【抄録】ギャンブル等の規制に使われる「射幸心」であるが、これは語義的には「偶然の幸せを頼む心」であるが、規制においては「偶然の財産的利益を欲する心理状況」の意味で使われる。本研究では、ギャンブルの性質を( 1 )賭事型:当事者が結果に全く関与できないもの( 2 )博戯型:当事者は結果には関与できが、当選対象を選択することに当事者が関与できるもの( 3 )遊技型:当事者が多少に関わらず結果に関与できるものに分類した。 また射幸性を誘発する要素を、財産的利益の大小を基準とする「報酬期待効果」と、得られる確率を基準とする「確率期待効果」、行為者の関与に関わる「内部統制効果」に分類して分析した。この3 つの効果により各ギャンブルの性質の違いを明らかにした。
著者
中澤 隆久 田浦 健次朗
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2012-HPC-135, no.12, pp.1-7, 2012-07-25

昨今、並列性能の重要性が高まっているが、代表的なソートアルゴリズムであるクイックソートは逐次実行部分のクリティカルパスの長さのため、並列性能が高いとは言い難い。本研究では並列性能の高いソートの一つである bitonic sort を基盤として、その利点である並列性能の高さを維持しながら、実用においての欠点であるほぼソートされた列に対しての無駄な処理の削減を達成した鋸ソートを提案する。実験の結果、鋸ソートはランダム列に対しては bitonic sort と同等のスケーラビリティを持ち、ほぼソートされた列に対してはごく短い時間でのソートを実現した。
著者
山田 壮志郎 Soshiro Yamada
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal of social welfare, Nihon Fukushi University
巻号頁・発行日
vol.128, pp.51-65, 2013-03-31

ホームレス問題が社会的排除の一つの典型であるならば, ホームレス対策は社会的包摂を志向するものであるべきである. 本稿の目的は, ホームレス状態の解消が社会的排除の克服に結びついているかどうかを検討することにある. そのために, 筆者がホームレス状態からアパート生活に移行した人々を対象として 2009 年に実施した調査の結果を用いて, ホームレス状態解消後の被排除状況を, 先行研究の分析枠組みに依拠しながら分析した. その結果, 第 1 に, 回答者の多くはホームレス状態を解消してもなお社会的に排除された状態に置かれていることが明らかになった. 第 2 に, 被排除状況には年齢階層による相違がみられ, 若年層では生活保護受給後の孤立化が, 高齢層では居住環境の低位性が課題となっていることがうかがえた. 第 3 に, 生活保護受給者の多くが, 社会的必需項目を剥奪されていることが明らかになった.
著者
植木 雅昭 深野 淳 吉川 太朗 西河 俊伸 細見 心一 水内 保宏 辻田 忠弘
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7(2003-CH-061), pp.25-32, 2004-01-23

本論文は絵画における作図法表現によって,人間の心理がどのように変わるかを心理物理的に実験したものである.絵画として17世紀オランダの画家フェルメールの“牛乳を注ぐ女”を用いた.この絵画はフェルメールが,あえて透視図法(遠近法)の正確さを捨て,ひたすら目に自然な構成を優先させたと言われている[3].実際に透視図法を用いなかったことで,どのような効果が得られたのかについて,比較分析実験によって評価し,感性の「評価性」,「活動性」,「情緒性」における3次元性分析を行った.その結果,実際の絵画においては「評価性」,「活動性」に,透視図法を用いた絵画においては「情緒性」に高い効果が得られた.
著者
佐藤 克哉
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2010

東京海洋大学修士学位論文 平成22年度(2010) 海洋生命科学 第1095号
著者
韓 明
雑誌
AA1199157X = 昭和女子大学大学院日本語教育研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.57-64, 2004-04-30

近年、中国での日本語学習熱は非常な高まりをみせており、中国の日本語教育機関数、日本語教師数、日本語学習者数は、いずれも海外の日本語教育では上位に位置している。遼寧省は中国東北部の政治、経済、文化の中心地として、また歴史的な背景の関係で、日本語教育が盛んな地域の一つである。本論は中国遼寧省の学校における日本語教育の現状を報告し、日本語教育の理論という視点に基づき、日本語教科書、日本語教師、授業内容と教授法から現行の日本語教育のさまざまな問題点を分析し、今後日本語教育授業の改善について、異文化の紹介とコミュニカティブ・アプローチの運用を取り上げて、新しい授業形式を考える。
著者
村上 征勝 今西 祐一郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.774-782, 1999-03-15

『源氏物語』は 我が国古典の最高峰であるばかりでなく その芸術性の高さゆえに諸外国にも広く翻訳され 古くから数多くの研究がなされてきた. しかしながら現時点においても なお研究課題は数多く存在し たとえば 複数作者説や成立過程等 依然として未解決のまま持ち越されているものも多い。本論文では 微妙な表現価値にかかわる助動詞を取り上げ その『源氏物語』における出現頻度を分析し その結果 巻の成立順序や 後半の10巻 いわゆる「宇治十帖」他作者説が生ずる理由等との関連の可能性について次の結果を得た。源氏物語は話の内容から3部に分けるのが通説となっているが (1) 源氏物語の第1部を構成する紫の上系17巻と玉鬘系16巻は別々に成立した可能性がある. その場合 玉鬘系の16巻は第2部の後に成立した可能性が高い. (2)「宇治十帖」とその前の11巻 (第2部および「匂宮三帖」)との間には助動詞の用い方に差が見られ この差が文体の違いの反映であるならば これが1宇治十帖」他作者説が生ずる原因の1つと考えられる。(3) 各巻の文章を会話文と地の文に分けた場合に 助動詞の用い方に差が出るのは地の文である.