著者
柳橋 達郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_91-5_100, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
25

日本の地方自治制度の枠組みが構築されるとともに,「自治体紋章」という新しいグラフィックデザインのジャンルが誕生したのが明治時代である。本研究では,明治期から昭和期における日本の自治体紋章を,三つの期間に区分し,その変遷を造形的観点から捉え,考察を加えた。特に,仮名や漢字をモチーフに,文字を構成要素とする「文字型」図案をその対象とし,各時代の特徴的な造形方法を抽出した。第Ⅰ期(1889-1914)は自治体紋章の黎明期,第Ⅱ期(1915−1945)は都市における紋章の概念が浸透し,その様式が確立されていく時代であった。第Ⅲ期(1946−1992)では,昭和の大合併と相俟って,全国規模で大量の紋章制定が進められた結果,造形表現が定型化し,画一的なデザインが誕生することとなった。そうした自治体紋章図案の変遷を体系的にまとめた結果,紋章図案の骨格を担う造形モチーフが,時代とともに移り変わってきたことを確認した。各時代の「型」が存在し,自治体紋章は,時代性を備えたシンボルマークであったといえる。

23 0 0 0 OA 新訂万国全図

著者
高橋景保//〔作〕
巻号頁・発行日
1810

銅版筆彩 113×196cm
著者
本武 陽一 池上 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2C3OS06b4i, 2015 (Released:2018-07-30)

DNNの内部に、学習データの性質に応じた階層的構造が組織化されることが示唆されている。本研究では、この構造を議論するため、与えられた画像毎に階層間のヤコビアン行列を計算し、その特異値分布を算出した。現在、教師ありで学習された畳み込みネットにて、情報の抽象化を示す急勾配な特異値分布が観察されている。発表では、この結果とRifaiらがCAEで検討した多様体仮説との関連や、他の解析結果を議論する。
著者
小野 眞弓
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、がんの血管新生の誘導のメカニズムとそれに関与するネットワークシステムを明らかにすることによって新しい分子標的を提示し、がんの診断と治療へ貢献するために、がんの血管新生に関与する分子標的の探索を行った。特に間質の細胞とがん細胞の応答に注目しマクロファージやT細胞の関与について検討した。その結果として、1.腫瘍の間質に浸潤してくるマクロファージはメラノーマにおいてその血管密度や悪性度と相関することと同時にそのマクロファージはチミジンホスホリラーゼ(TP)やヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)などを活発に産生していることを見出した。2.活性マクロファージのTPの発現はインターフェロン(IFN)γによって強く誘導され、TP遺伝子プロモーター上のGASエレメントが関与することを見出した。3.TNFαやIL1による血管新生誘導にはVEGFやIL8やbFGFなどの産生亢進が関与していた。4.L4/IL13による血管新生誘導にはsVCAMの発現上昇が関与することを明らかにした。本研究より、我々の提示しているTNFαやIL1による血管新生因子の誘導のモデルがメラノーマや脳腫瘍、その他のがんの血管新生にどれだけ応用できるのかは今後の課題であり、このことをはっきりさせることができればマクロファージが産生する血管新生関連のサイトカインやその受容体などを対象に治療戦略を考案することが可能と思われる。他方、IL4/IL13による血管新生誘導が生体内で各れのがんや他の疾病の血管新生に関与するか、さらにsVCAMの産生を促進する酵素が如何なるものか、また血管新生誘導におけるsVCAM/α4インテグリンのシグナル伝達のメカニズムについて現在、検討中である。腫瘍の微小環境においてpHが酸性領域に傾いた際に、我々が見出した抗血管新生ペプチド(アンジオスタチンなどの)を産生するカテプシンDの生体内の意義についてもはっきりさせていく必要がある。pHに限らず酸素レベルや間質成分から産生するサイトカインの種類やレベルなどダイナミックな微小環境が血管新生へ及ぼす背景について把握していくことが、各腫瘍の血管新生のみならず、浸潤や転移能などの個別化の上でも極めて大切と考えている。
著者
三津家 貴也 辻 俊樹 鍋倉 賢治
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.18040, (Released:2019-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

An individual’s anaerobic capacity is evaluated in terms of the maximal accumulated oxygen deficit in the supramaximal test. The present study was conducted to validate the method used for evaluation of anaerobic capacity using an index calculated from the aerobic test (a submaximal test conducted 5 or 6 times in 3-minute stages and a maximal test of 4-6 minutes). Seventeen well-trained Japanese middle- and long-distance runners including elite athletes participated in the aerobic test on one day and in the supramaximal test of 2-4 minutes on another day. The mean accumulated oxygen deficit in the maximal test was 30.6 ± 10.0 mlO2/kg, and the mean maximal accumulated oxygen deficit in the supramaximal test was 55.7 ± 16.1 mlO2/kg. There was a significant positive relationship between accumulated oxygen deficit and the maximal accumulated oxygen deficit (r=0.82, p<0.001). A stronger positive relationship between the above 2 parameters was evident in 10 middle distance runners (r=0.94, p<0.001). These results suggest that maximal accumulated oxygen deficit can be evaluated in terms of the accumulated oxygen deficit in the maximal test.
著者
片山 直樹 熊田 那央 田和 康太
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.127-138, 2021-07-28 (Released:2021-10-01)
参考文献数
107
被引用文献数
1

鳥類の生息地としての水田生態系の機能を明らかにするため,国内を中心に既往研究を整理した.その結果,水田は年間を通じ,多くの鳥類に採食場所を提供していることが示された.水田だけで生活史を完結させる種は少なく,草地や森林等の生息地の異質性が鳥類の種多様性を支えていた.しかし,戦後の農業の集約化は,水田の生息地としての質を低下させ,鳥類の生息・分布にも深刻な影響をもたらした.1970 年代以降の休耕・耕作放棄に伴う植生遷移は,鳥類の群集組成を大きく変化させた.水田性鳥類を保全するためには,有機栽培,冬期湛水,江や魚道の設置等の様々な環境保全型農業が有効であることが示唆された.これらの知見は,応用生態工学会の関係者が今後,水田生態系の保全を計画・実行する際に活用可能である.
著者
三船 恒裕 山岸 俊男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.128-134, 2015-11-30 (Released:2015-12-17)
参考文献数
28

We tested the reputation maintenance hypothesis of ingroup favoritism. Ninety-two non-student participants played one-shot prisoner’s dilemma games with an ingroup and an outgroup partner with minimal groups, and showed ingroup favoritism only when the participant and his/her partner knew each other’s group membership (common knowledge condition). The ingroup favoritism observed in the common knowledge condition positively correlated with fear of negative evaluation. These results provide support for the reputation maintenance hypothesis.

23 0 0 0 OA 鉄道法規類抄

著者
鉄道院総裁官房 編纂
出版者
大谷仁兵衛
巻号頁・発行日
vol.第2編 附録 (工事図面), 1914
著者
小林 雅夫
出版者
早稲田大学地中海研究所
雑誌
地中海研究所紀要 (ISSN:13482076)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.45-54, 2008-03-01

23 0 0 0 OA 鶯宿雑記

著者
[駒井乗邨] [編]
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻9-10,
著者
永瀬 和彦 中村 英男 小林 秀之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.56, no.523, pp.797-802, 1990-03-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
4
被引用文献数
1

The authors constructed "slipping adhesion test bogie" designed upon a new idea of measuring the coefficient of adhesion continually while running, and have observed the state of adhesion on main lines since 1985. Recently, they placed a car equipped with this bogie on a steep line where wheel-spin and skidding of rolling stock had been frequently the cause of troubles. As the result of runs of the car under various weather conditions such as fine, fog, snow, sleet and frost, influence of the weather condition upon the adhesion between rails and wheels has been made clear and evaluated quantitatively.
著者
C. RICHARD SPATES
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.161-173, 2003-09-05 (Released:2017-06-28)

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、生死に関わるような恐ろしい体験をした人に見られる事の多い、行動的、情動的な反応のことである。全人口のおよそ7%の人がこの障害を持つと言われている。この障害は戦争、火事、交通事故、自然災害、暴力、テロ、などから引き起こされることが多い。この発表では、PTSDにみられる行動や情動などを行動分析の視点から解釈する。行動分析学からの解釈によって、発症のメカニズム、PTSDに対する正しい理解、より優れた治療方法についての幅広い発展が期待できる。治療方法について各種の方法を比較分析したデータも紹介する。

23 0 0 0 OA 愛知県統計書

著者
愛知県 [編]
出版者
愛知県
巻号頁・発行日
vol.昭和9年 第1編 土地、戸口、其他, 1943

23 0 0 0 OA 愛知県統計書

著者
愛知県 [編]
出版者
愛知県
巻号頁・発行日
vol.昭和10年 第1編, 1943
著者
角甲 純 關本 翌子 小川 朝生 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.147-152, 2015 (Released:2015-03-05)
参考文献数
20
被引用文献数
3

【目的】呼吸困難に対する扇風機を用いて顔へ送風する支援は臨床ではよく行われているが,終末期がん患者に対する科学的なエビデンスは明らかではない.本研究では,終末期がん患者の呼吸困難に対する支援の有効性を後方視的に検討した.【方法】2013年7月~2014年1月に,当院の緩和ケア病棟に入院している終末期がん患者のうち,呼吸困難に対して扇風機を用いた支援を受けた9名の患者を分析の対象とした.効果の評価には,支援の実施前後で収集されていた呼吸困難VAS値の変化を用いた.【結果】扇風機を用いた支援実施前の呼吸困難VAS値は40.2±11.8,実施後VAS値は15.6±14.9で,実施前後で有意に減少していた(P=0.004).【考察】扇風機を用いた支援は,終末期がん患者の呼吸困難に対して効果がある可能性がある.今後は,介入研究を行い,前向きに有効性を検証していく必要がある.