著者
岩井 大慧
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-48, 1938-08

口繪:フィラデルフィア インクヮイヤー號外一 はしがき二 太平洋と日米三 日本との交易四 ペリー提督の琉球人歡待五 三使節の署名六 矢立と毛筆七 千二百九十五年マルコポーロの日本に關する報告八 太閤様の御代九 將軍(關白?)の政治的疑懼一〇 千六百年の和蘭人渡來一一 競爭一二 英國人の日本來航一三 和時計一四 日本鍛冶屋と鞴一五 日本の臺所と茶の間一六 下駄・足駄・草履・草鞋一七 日本の樂器一八 トミーと貴婦人一九 海軍兵工廠見學記念撮影二〇 日本料理自炊場二一 日本人安座喫煙二二 日本のクッション二三 日本小部屋の器具二四 結びの言葉
著者
平山 健二郎
出版者
関西学院大学
雑誌
経済学論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.29-62, 2004-09

The purpose of this paper is to review the historical evolution of the Quantity Theory of Money. I argue that one of the central tenets of the Quantity Theory is the neutrality of money which was also the maintained hypothesis of the Classical and Neoclassical Economics. Despite criticisms from Keynes, the Quantity Theory has revived itself in the form of Monetarism since the 1960s which is now the cornerstone of modern macroeconomics. However, Quantity Theory/Monetarism implicitly assumes the exogeneity and controllability of the money supply. These properties are increasingly cast into doubt as the range and magnitude of inside money (bank deposits and similar financial instruments) have substantially expanded.
著者
園木 一男 中島 左代里 内藤 徹 高田 豊 横田 誠
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム 第63回九州歯科学会総会
巻号頁・発行日
pp.11, 2003 (Released:2004-06-21)

糖尿病患者は、酸化ストレスのため動脈硬化を起こしやすい。歯周病は心血管疾忠の危険因子である。そこで、歯周病を持つ糖尿病患者5名(年齢49.2歳、男性4名、女性1名)と非糖尿病患者6名(年齢60.4歳、男性2名、女性4名)に歯周病治療を行い、治療の前後で血糖、脂質および酸化ストレスの変化を検討した。治療後、歯周ポケット、出血指数は両群とも有意に減少した。歯周病治療は糖尿病群の血糖コントロールや脂質に影響しなかったが、糖尿病群で過酸化脂質を改善し、両群で抗MDA-LDL抗体を有意に低下させた。糖尿病患者は歯周病の合併によりさらに酸化ストレスを受けているが、歯周病治療により酸化ストレスが改善されることが示唆された。
著者
内藤 多仲 那須 信治 竹内 盛雄 窪田 吾郎
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.301-304, 1958

英国 Calder Hall型動力用原子炉はその構造に耐震的考慮が払われていないために、我が国に設置し、使用する場合には、なるべく内部構造を変えずに耐震的にすることが望ましい。この研究は、この動力用原子炉の炉心部Graphite pileの耐震構造として、鉄籠で補強する計画に基き、主として実験的に行われたものである。実験にはGraphiteの部分を石膏模型で造り、補強用の籠として鋼及びアルミニュームのものを用いた(第1図及び写真-1,2)。静的と動的の二様の加力方法によつて各々の場合の補強籠各部材に起る応力及び全体の変形を実測して比較検討した。一方これと平行して実物の設計用計算式を検討する目的で、圧縮側及び引張側のブレイシングの効き方を実験的に研究した。試験結果としては、静的加力時に比して動的加力時の斜材応力は何れも小さく、応力、変位共簡単な従来の静的な計算方法により近似値を得ることができる。又数日間に捗る振動実験にも拘らず石膏の損傷は殆んど見られず、ほぼ初期の状態を保つた。ブレイシングの効き方については、圧縮側の部材は引張側の約半分の荷重を負担し得ることが分つた。これらのことから総合的に考えれば、一応補強計画はさ程困難とは思われない。
著者
Hiroaki Takebe Kento Tominaga Kentaro Fujiwara Keigo Yamamoto Takashi Yoshida
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Soil Microbiology / Taiwan Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Plant Microbe Interactions / Japanese Society for Extremophiles
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.ME20033, 2020 (Released:2020-06-17)
参考文献数
62
被引用文献数
7

The phytoplanktonic production and prokaryotic consumption of organic matter significantly contribute to marine carbon cycling. Organic matter released from phytoplankton via three processes (exudation of living cells, cell disruption through grazing, and viral lysis) shows distinct chemical properties. We herein investigated the effects of phytoplanktonic whole-cell fractions (WF) (representing cell disruption by grazing) and extracellular fractions (EF) (representing exudates) prepared from Heterosigma akashiwo, a bloom-forming Raphidophyceae, on prokaryotic communities using culture-based experiments. We analyzed prokaryotic community changes for two weeks. The shift in cell abundance by both treatments showed similar dynamics, reaching the first peak (~4.1×106‍ ‍cells‍ ‍mL–1) on day 3 and second peak (~1.1×106‍ ‍cells‍ ‍mL–1) on day 13. We classified the sequences obtained into operational taxonomic units (OTUs). A Bray-Curtis dissimilarity analysis revealed that the OTU-level community structure changed distinctively with the two treatments. Ten and 13 OTUs were specifically abundant in the WF and EF treatments, respectively. These OTUs were assigned as heterotrophic bacteria mainly belonging to the Alteromonadales (Gammaproteobacteria) and Bacteroidetes clades and showed successive dynamics following the addition of organic matter. We also analyzed the dynamics of these OTUs in the ocean using publicly available metagenomic data from a natural coastal bloom in Monterey Bay, USA. At least two WF treatment OTUs showed co-occurrence with H. akashiwo, indicating that the blooms of H. akashiwo also affect these OTUs in the ocean. The present results strongly suggest that the thriving and dead cells of uninfected phytoplankton differentially influence the marine prokaryotic community.
著者
清水 郷美 望月 雅裕 梅下 和彦 岡本 裕智 北澤 隆宏 後藤 玄 枝元 洋 鎌田 貴志 西原 義人 畠山 和久
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第34回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.5102, 2007 (Released:2007-06-23)

【目的】SD系〔Crl:CD (SD)〕SPFラットにフェノバルビタール(PB)を2週間反復経口投与することにより、血液凝固時間が延長した。そこで我々は、PB投与による血液凝固時間への経時的変化について検討するとともに、ビタミンK2を併用投与する群を設け、PB投与による血液凝固時間の延長に対するビタミンK2(Vt.K2)の影響について検討した。 【方法】PBの投与量は2週間反復投与により肝逸脱酵素の上昇が認められなかった100 mg/kg/日とし、投与1、2、3及び7日の翌日にPT、APTT、血漿中フィブリノーゲン、トロンボテスト(TT)及びAntithrombin III(AT-III)濃度を測定した。同時に肝臓について総Cytochrome P450(P450)含量の測定とウエスタンブロット法でCYP2Bの発現を確認した。更に、VtK2(30 mg/kg)を7日間併用投与する群とPB投与7日目に単回併用投与する群を設け、上記項目について測定した。なお、投与14日目の成績はPBの2週間反復投与による結果を使用した。 【結果及び考察】PB投与により、P450含量は投与回数に伴って増加傾向を示した。凝固系パラメータでは投与1日よりAPTTの延長、投与2日よりAT-III濃度の増加、投与7日よりTTの延長がみられた。Vt.K2の単回及び反復併用投与群では凝固時間の延長は認められなかった。したがって、PB投与によるAPTTの延長はVtKの付加により改善された。なお、PB投与初期にはTTの延長は認められず、PB投与によるAPTTの延長はVt.Kの関与する凝固因子の減少に加えてAT-III濃度の増加が関与している可能性が示唆された。
著者
石戸 芳男
出版者
東北区水産研究所
雑誌
東北区水産研究所研究報告 (ISSN:0049402X)
巻号頁・発行日
no.52, pp.p33-43, 1990-03
被引用文献数
2

東北海区北部におけるヒラメ若齢魚の標識放流結果から次のことが明らかになった。1) 八戸・泊海域と宮古海域で1982年9月から1987年10月までに1019尾を放流した。1988年10月31日までに182尾が再捕され,再捕率は17.9%であった。2) 八戸・泊海域で放流したヒラメは南北に移動したが,主に津軽海峡まで北上し,さらに1尾は日本海を南下し富山県黒部川河口まで達した。宮古海域で放流したものも八戸沿岸まで北上するものが多く,南下は大部分山田湾付近までであった。3) 以上のことから,東北海区北部のヒラメは津軽海峡を通じて日本海側のものと交流していることが推測される。4) 放流から再捕までの経過日数は最大672日であったが,20日以内が61%,50日以内では81%を占め短期再捕が多かった。5) 移動速度は経過日数50日頃までに50~60kmを移動しているものが多かったが,4日間で77km移動した個体もあり,若齢魚でも短期間に長距離を移動することが推定される。
著者
橋本 恭之 木村 真
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3-4, pp.303-321, 2015-03-10

本稿の目的は、夕張市における公営事業と国保事業の現状と課題をあきらかにすることである。本稿で得られた結果は、以下のようにまとめることができる。第1に、財政破綻後の観光施設の運営方法として採用された指定管理者制度は、さまざまな課題を抱えていることがあきらかになった。指定管理者制度のもとで観光施設の延命を図るよりも、民間への売却ないし無償譲渡を優先して考えていくべきだろう。第2に、夕張市の病院会計の赤字は、診療所に縮小することで解消が図られてた。しかし、老朽化に伴い移設計画が検討されているものの、市の人口中心地への移設はへき地医療の指定がはずれてしまうなどの課題を抱えている。第3に、夕張市の国保事業会計は、赤字が解消されている。ただし、2010年度以降、赤字解消により保険料が引き下げられ、受診率と 1人あたり医療費も上昇傾向にあることから今後注意が必要である。第4に、夕張市の下水道事業は、一般会計からの繰り出し不足、利用者の伸び悩みなどにより多額の累積赤字を抱えるに至った。地方都市においては、インフラ整備の優先順位を考える必要があることがわかった。
著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.153-165, 2005-12-15

本稿は, まず, 『四庫全書』の続修をめぐる歴史的要因を明らかにし, その上で, 清朝末期から民国時代までにわたる『四庫全書』を続修しようと呼びかける運動やその編纂計画などを歴史的に検証した。ついで, この検証に基づき, 東方文化事業総委員会による『続修四庫全書総目提要』の編纂および台湾と中国大陸における『続修四庫全書総目提要』の刊行を事例として取り上げて, 『四庫全書』の続修に関する歴史的な展開を考察した。この考察によって, 『四庫全書』の続修に関する呼びかけや編纂計画は, 『四庫全書』の欠陥を補い, 中国古典を本来の姿に回復させるものであるだけではなく, 古典を保護し伝承するのにも必要不可欠なものであることを明らかにした。