著者
ブッシュ ジェリー
出版者
上武大学
雑誌
上武大学経営情報学部紀要 (ISSN:09155929)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.59-70, 2008-09

"Comfort women" is a euphemistic term referring to women and girls who were sent to serve the Japanese military in locations throughout Asia. The existence of military comfort stations have been confirmed in China, Hong Kong, French Indochina, the Philippines, Malaysia, Singapore, British Bomeo, the Dutch East Indies, Burma, Thailand, New Guinea (in the eastern Pacific), the Okinawan archipelago, the Bonin Islands, Hokkaido, the Kurile Islands, and Sakhalin. The establishment of these stations followed Japanese troops wherever they were based (Yoshimi 2000). Military comfort women were systematically recruited during the period from 1937 to 1945 to "serve the sexual 'needs' of Japanese military during the Asia Pacific war" (Yoshimi 2000:29). These women and girls were restrained by the Japanese military, afforded no rights, and forced to have sex with military personnel. Comfort women were subjected to inhumane and unsanitary conditions and were forced, in some cases, to "serve several tens of soldiers every day" (Ueno 2004:ix).
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1789, pp.76-78, 2015-04-27

グーグルで自動運転車の開発責任者を務めるクリス・アームソン氏はこう述べる。「発表した試作車の外観は、細心の注意を払ってデザインした。普通のクルマのように見える要素と、自動運転車だとはっきり区別できる要素の両面を備えている」。
著者
井口 篤 Atsushi Iguchi
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.63-69, 2011-03-22

本稿は、西洋中世が現代日本の大衆文化においてどのように表象されているかについて考察する。はじめに、西洋中世に端を発するイメージが今日の世界においても繰り返し現れることに言及する。これは一般的に「中世主義」と呼ばれる文化現象であり、この現象においては、これまでに様々な形のナショナリスト的、宗教的、そして学問的イデオロギーが互いに争うように「ヨーロッパ」という概念を我がものとしようとしてきた。しかし日本はヨーロッパと地政学的に隔絶しており、現在の領土を正当化するために中世ヨーロッパという概念を喚起することはない。にもかかわらず、中世西洋のイメージは戦後日本の大衆文化において頻繁に利用されてきた。本稿は、11世紀の北欧を描く幸村誠の連載漫画『ヴィンランド・サガ』を分析することにより、日本の大衆文化における中世ヨーロッパの我有化は、現実逃避的とは到底言えないことを示す。作者の幸村にとって、中世ヨーロッパの日本人にとっての他者性はまったく障害ではない。幸村は亡命と帰郷という重要なテーマを作品の中で技巧的に展開することに成功している。この亡命と帰郷というテーマは、人間の一生が神への帰郷であると捉えられていた中世ヨーロッパにおいても重要であった。幸村の作品は一見中世ヨーロッパの社会を忠実に再現しようと試みているだけに見えるが、暴力、信仰の危機、仮借なき搾取に溢れる社会を読者に提供している。
著者
磯部 博史 阿部 良一 山下 幸彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.31, pp.1-6, 1999-04-22
参考文献数
4

画像を認識しながら行動するロボットの実験を実空間で行う場合、安全性やコストなどの問題によって実験内容に大きな制約を受ける。そこで、画像認識や行動決定のアルゴリズムの検証を仮想空間上で行うために、ロボットのためのバーチャルリアリティを実現する必要がある。本論文では、まず、自動走行する自動車のためのバーチャルリアリティである自動走行シミュレータを制作するために解決すべき問題点について明らかにする。次に、同一性の問題に関して、実画像とCG画像との相違点を明らかにするために、ステレオ画像の計測実験を行う。そして、高梨らが制作した自動走行シミュレータを改良するためにテクスチャマッピングによって同一性を向上させた自動走行シミュレータの実験を行う。An experiment for robots which move autonomously by using image understanding techniquesrestricted for the safety and the cost. Then we need to realize a virtual-reality for robots to verify algorithms for image understanding and control in the virtual space. We clarify the problem which must be solved to construct a simulator for autonomous vehicle which is a virtual-reality for them. In order to clarify the difference between a real and a virtual images as to the problem in equality, we compare the difference of the results of stereo image measurement between in the real and in the virtual images. We carry out the simulator for autonomous vehicle which improves by using texturemaps about equality in order to make the simulator made by Takanashi better.
著者
岩清水 晃
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.479-480, 2017

南部鉄器の「南部」の名称は約四〇〇年前,南部信直公が盛岡に城を構え,藩主としてこの地を持っていたことにはじまる。南部藩主が京都から盛岡に釜師を招き茶の湯釜を作らせたといわれる。盛岡には古くから砂鉄,岩鉄などの良質な鉄資源や,川砂,粘土,漆,木炭などの原料がすべて地元で産出され,鋳物産業にはもってこいの立地条件にありそのころから鉄器が製造されてきた。守るべき伝統は守りつつ新しいことへも挑戦していく南部鉄器を紹介いたします。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.637, pp.120-123, 1999-04-05

コンペの審査は密室で行われるのが慣例だが,最近では情報公開の一環として,選考過程を外部に公開する動きも出てきている。なかでも石川県小松市がこのほど行った宮本三郎美術館提案競技は,ヒアリングも最終審査も報道陣に公開するという徹底ぶり。応募総数508件と,内容的にも注目度の高かった同コンペの選考過程をリポートする。 2月7日午前9時40分。
著者
亀本 洋
出版者
千葉大学法学会
雑誌
千葉大学法学論集 (ISSN:09127208)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.9-83, 2014-08

『千葉大学法学論集』第29巻第1・2号 宮崎隆次先生・嶋津格先生 退職記念号Hogaku Ronshu(Chiba Journal of Law and Politics) Vol.29 No.1・2 Essays in Honor of Professors Ryuji Miyazaki and Itaru Shimazu at their Retirement from Chiba University
著者
安村 克己
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.366-377, 1996-12-30 (Released:2009-10-13)
参考文献数
42
被引用文献数
1

本稿の目的は, 観光の社会学関連文献をレヴューしながら観光社会学の対象領域を俯瞰し, 観光社会学の学問的意義を再考することにある。現代観光の影響は, 個人の行為レベルから世界システムのレベルに至るまで広範囲に及び, 多様かつ多大である。したがって, 観光はいまや社会学者にとって看過できない社会現象であるが, それに対する社会学の取組みはほとんどなされていない。とりわけ日本の社会学者は, 観光研究に無関心であるようだ。こうした観光社会学の現状を勘案し, 本稿は, 観光社会学の現代的意義を検討していく。観光社会学の成果にはすでに注目すべき業績も見られるが, それらの成果を体系的に整理する作業は, いまだなされていない。本稿では, 観光社会学の対象領域を明確にするために, 社会学的空間レベルの4つの区分- (1) 行為者, (2) 社会的相互作用, (3) 社会システム, (4) 世界システム-に対応させて, 観光社会学関連の既存の経験的研究結果を4つの対象領域タイプ- (1) 観光者類型, (2) 観光のホスト-ゲスト関係, (3) 社会的・文化的インパクト, (4) 国際観光とマスツーリズムに分類する。この準拠枠に従って, 観光社会学の射程となる対象領域を概観し, その学問的意義を吟味していきたい。
著者
中村 匡 福井県立大学教養センター
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.2-42, 2002-10-20

本稿は"電磁気学への応用を例とした微分形式の入門"であると同時に"微分形式を使った電磁気学の解説"となるのが目標である。われわれのよく知っているベクトル解析は,3次元空間の微積分をdivやrotなどの座標によらない演算子でシステマティックにあつかえるが,1920年頃に数学者のE.カルタンによって定式化された微分形式は,それをさらにすすめて一般の次元でも,特定の座標にずに見通しよく微積分演算をあつかうことを可能にする。従来,この理論は宇宙論や素粒子論の研究者には知られていたが,近年になってひろく他の物理の分野からも注目されるようになってきた。たとえばコンピューターの発展によって可能になった,複雑な曲線座標のもとでの計算機実験などに微分形式は威力を発揮する。本稿ではこの微分形式によって電磁気学を見直してみる。標準的な教科書にある電磁気学の微分形式による表現の他に,「もし3(空間)+1(時間)次元以外の物理があったら電磁気学はどうなるのか」という話題と,「時間と空間を平等にあつかう正準形式」という話題を紹介し,微分形式と電磁気学の両方に対する解説になることを目指した。
著者
TERASAKI Koji MIYOSHI Takemasa
出版者
(公社)日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2017-028, (Released:2017-09-15)
被引用文献数
18

An observation operator to assimilate satellite radiances with the Non-hydrostatic Icosahedral Atmospheric Model (NICAM)-based Local Ensemble Transform Kalman Filter (LETKF) is newly developed using the radiative transfer model RTTOV (Radiative Transfer for the TOVS (TIROS Operational Vertical Sounder)) version 11.1. Here we assimilate the Advanced Microwave Sounding Unit-A (AMSU-A) brightness temperature observations which are known to bring a large improvement to global numerical weather prediction. We apply the online estimation of bias correction for both airmass and scan biases, or the biases originating from the atmospheric state and scan position. Comparing the two experiments with and without the AMSU-A radiances, we find that the adaptive bias correction methods work appropriately, and that the analysis is significantly improved by assimilating the AMSU-A radiances. This is an important step toward assimilating different types of satellite radiances with NICAM-LETKF.
著者
奥野 克巳
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.53-53, 2010

マレーシア・サラワク州(ボルネオ島)ブラガ川沿いの、人口約500人の狩猟民プナンは、動物と人間の近接の禁止と魂の連続性をつうじて、動物に対する生殺与奪をいわば反省なしに行う西洋とも、動物を殺生する宿命を認めながらも、動物の魂に感謝する日本とも異なる動物との関わり方を発達させてきた。本発表では、プナン社会における動物と人間の関係を民族誌的に記述した上で、自然と社会の二元論について再検討する。
著者
土坂 恭斗 尾関 基行 岡 夏樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.61-66, 2015-01-23

ポケットモンスターの人対人の対戦では,相手との意図の読み合いが一つの魅力である.しかし,ゲーム付属のNon Player Character(NPC)では戦略が単純すぎて意図の読み合いが発生せず,人同士の対戦の練習にはならない.そこで本研究では,対戦相手の意図推定の深さに応じて行動戦略のレベルを選択するNPCを構築し,行動戦略レベルを固定したNPCとの比較実験を行った.
著者
Takahiro Tabuchi Hiroyasu Iso Eric Brunner
出版者
日本疫学会
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20160206, (Released:2017-11-18)
参考文献数
32
被引用文献数
13

Previous systematic reviews of population-level tobacco control interventions and their effects on smoking inequality by socioeconomic factors concluded that tobacco taxation reduce smoking inequality by income (although this is not consistent for other socioeconomic factors, such as education). Inconsistent results have been reported for socioeconomic differences, especially for other tobacco control measures, such as smoke-free policies and anti-tobacco media campaigns. To understand smoking inequality itself and to develop strategies to reduce smoking inequality, knowledge of the underlying principles or mechanisms of the inequality over a long time-course may be important. For example, the inverse equity hypothesis recognizes that inequality may evolve in stages. New population-based interventions are initially primarily accessed by the affluent and well-educated, so there is an initial increase in socioeconomic inequality (early stage). These inequalities narrow when the deprived population can access the intervention after the affluent have gained maximum benefit (late stage). Following this hypothesis, all tobacco control measures may have the potential to reduce smoking inequality, if they continue for a long term, covering and reaching all socioeconomic subgroups. Re-evaluation of the impact of the interventions on smoking inequality using a long time-course perspective may lead to a favorable next step in equity effectiveness. Tackling socioeconomic inequality in smoking may be a key public health target for the reduction of inequality in health.
著者
村川 勇一 南木 伸基 宮崎 慎二郎 寒川 美由紀 堀 竜馬 中井 友里恵 名出 美紀
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.65-69, 2017-09-01 (Released:2017-11-10)
参考文献数
16

【目的】当院市中肺炎患者における入院時栄養状態がADL能力に及ぼす影響を明らかにすること.【方法】対象は当院へ市中肺炎の診断で入院となり,呼吸リハ介入を行いデータ収集が可能で生存退院された41名とした.調査項目は,年齢,性別,身長,体重,BMI,総入院日数,A-DROP,リハ開始日数,開始・退院時BI,BI効率,TP,Alb,Hb,経口・経腸栄養開始日数,GNRI,CONUTをカルテより後方視的に抽出した.【結果】栄養良好群は,不良群と比較して退院時BIも有意に高かった.また退院時BIは,TP,Alb,経口・経腸栄養開始日数,GNRI,CONUTと有意な相関関係が認められた.退院時BIに最も影響を及ぼす因子として経口・経腸栄養開始日数が抽出された.【結論】高齢市中肺炎患者において入院時の栄養状態を適切に評価し,早期に栄養介入をしながら呼吸リハを実施する必要がある.
著者
澤井 敦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.118-134, 2002-06-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

現代社会は死をタブー視する社会であると度々指摘される.しかしメディアにおいて死が頻繁に話題になるようになり, 死はタブーから解放されたとする見方もなされている.本稿の目的は, 「死のタブーからの解放」とは何を意味しているのか, また, 依然として死がタブー視されているとすれば, それはどのような意味においてなのか, という点を検討し, それを通じて「死のタブー化」の概念の実質を明確にすることにある.本稿ではまず, P.アリエスやG.ゴーラーによる古典的定式化の再検討, および, 死の「公的な不在, 私的な現存」というテーゼの批判的検討を行い, 死のタブー化という概念の実質的な意味が, 死にゆく者や死別した者との「関係」の忌避という点にあることを明らかにする.そして次に, メディアにおいて流通する, 死をめぐる多様な情報の質的差異について考察し, それらの情報が, ゴーラーのいう「死のポルノグラフィ」としての性質を有すると同時に, 死や死別の受容の仕方を教示する「死のガイドライン」としての性質を有することを確認する.そして最後に, 死のタブーからの解放という見方は, この「死のガイドライン」としての情報がメディアを通じて流通するという現象を指し示すものであるということ, しかしながら, そうした「解放」にもかかわらず, 死を身に帯びた者との関係の忌避という意味での死のタブー化は, 依然として存続していくことを指摘する.