著者
Yoko Niimi Charles Yuji Horioka
雑誌
AGI Working Paper Series
巻号頁・発行日
vol.2018-08, pp.1-36, 2018-10

This paper analyzes the determinants of the wealth decumulation behavior of the retired elderly in Japan using unique information from two household surveys, and by so doing, attempts to assess the relative importance of precautionary saving and bequest motives in explaining the lower than expected rates of wealth decumulation of the retired elderly. Taken together, our analyses of these two datasets show that precautionary saving plays a relatively important role in explaining the lower than expected wealth decumulation rate of the retired elderly, at least in the case of Japan, even though both precautionary saving and bequest motives are important drivers behind this puzzle. Our results also suggest the possibility that financial burden of parental care may also affect the wealth decumulation behavior of the retired elderly in Japan. Given that parental care responsibilities tend to arise relatively late in life, often after retirement, in the case of Japan, our results suggest that the financial burden of parental care may be a relevant issue when analyzing the wealth decumulation behavior of the elderly.
著者
吉田 弥生
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.831, pp.61-70, 2010-01-01
著者
吉田 直樹 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.669-676, 2012-10-23

耐タンパーソフトウェアの構成法として自己書換えを用いた方法が知られている.組込みシステム向けの一部のマイコンでは,機械語プログラムを書換える方法が適用できない場合があり,そのような場合においても有効となる方法にニーズがあると考えられる.本稿では,データメモリに可変な中間コードとして振舞うデータ部を格納し,命令メモリにそれを実行するインタプリタ部を格納する2部構成の耐タンパーソフトウェアの作成方法を提案する.この方法は,命令メモリを書換えられないマイコンに適用できるだけでなく,命令メモリ内の機械語プログラムを自己書換えする方法に比べて一般的に高速な実行が可能であるという特徴を有する.
著者
三浦 元喜
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1125, 2018-11-15

学生のタイピングスキルと,成績の相関について調べたところ,相関が有意に高いクラスがあった.しかし,特定のスキルの優劣が成績に影響する状況は望ましくない.説明を丁寧にしたり,エディタの自動補完機能をカスタマイズしたりするなどの工夫によって,近年は有意な相関はみられなくなってきた.社会的スキルに関しても調査したところ,トラブル処理に関する能力と講義の成績に弱い負の相関がみられた.また,社会的スキルが高い学生は演習やグループ協働活動の点数が高く,逆に社会的スキルが低い学生は定期試験の点数が高い傾向にあった.学習者のスキルや特性によって,一部の受講者が不利益を被らないような検討が求められる.
著者
古川 一夫 筧 捷彦 谷 聖一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1114-1123, 2018-11-15

国際情報オリンピック(IOI)は,中高生を対象とした情報科学分野の国際科学オリンピックである.情報科学の中でも,特に,問題を分析しアルゴリズムを設計する能力を競う.2018年のIOIは日本での初めての開催となった.アルゴリズムの若き精鋭が世界中から集まり競技を行い,また,各国の選手・教育者同士の国際交流を図るイベントも開催された.IOI 2018 JAPANの準備・開催について報告する.
著者
廣橋 容子 李 相済 ヒロハシ ヨウコ リ サンジェ Yoko Hirohashi Sang-jae Lee
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-47, 2009-10-31

In this article, we make it clear that elderly people are placed in poorquality facilities with an unsuitable environment and are not treated with proper respect as human beings. And we point out that a delay in the improvement of welfare facilities for elderly people depended on policies. Visits to Savonlinna city in Finland were made in August 2008, with research being conducted at welfare facilities for the Elderly. The characteristics of the welfare facilities for elderly people in Finland are : 1. The care respected elderly people. 2. The switch from “a care offer type institution” to “an independence support model house”. From comparison with welfare facilities for elderly people in Finland, we explain the new role of welfare facilities for elderly people, and we also offer suggestions for the improvement of living conditions and environment of welfare facilities for the elderly.
著者
樋口 雄大 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1274-1283, 2016-04-15

本論文では,スマートフォン等のモバイル機器に内蔵された加速度センサと磁気センサとを組み合わせることで,端末保持者が乗車する電車の移動状態を高精度に検出する手法を提案する.提案方式では,磁気センサを用いて鉄道車両の電気系統の動作状況を検出するとともに,走行状態に応じた特徴的な加速度特性をもとに判定結果を補正することで,揺れの少ない車両でも高精度な移動状態判定を実現している.京阪神エリアの複数の鉄道路線においてフィールド実験を実施し,電車の移動状態の検出精度を,従来方式と比較して大幅に改善できることを確認した.
著者
塩田 昌弘 Masahiro SHIOTA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.55-74, 2016-03-31

公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団は、二つの意義あるミュージアムを持っている。それは、日清食品の創業者、安藤百福の意思を具現化したものである。一つは、池田市にあるインスタントラーメン発明記念館であり、あと一つは、横浜市にある安藤百福発明記念館である。両者に共通するものは、人間の創造力を通して、発明・発見のヒントを来館者に提示して、来館者に発明・発見の萌芽を涵養させようとする点にある。この二つの体験型の食育ミュージアムは、「食足世平」(食足りて世は平らか)という安藤百福の語録の具現化したものである。安藤百福は、インスタントラーメン、カップヌードル、スペース・ラムを発明し、また食文化に革新をもたらした。さらに、人間の幸福とは何か、人類の平和とは何か、を食の分野から解明しようとした真のベンチャー・スピリットを持った起業家であった。本論考は、安藤百福の最初の発明であったインスタントラーメンを研究した池田市に建っている記念館に焦点をあて世界的起業家・日清食品創業者 安藤百福について論考するものである。
著者
竹内 章 鵜木 祐史 飯田 弘之
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-33, no.13, pp.1-7, 2015-02-26

プロ棋士レベルの柔軟な戦略や芸術性評価の実現には,エキスパート特有の何らかの評価指標が関与しているものと想定される.そのような評価指標の有力候補として,局面の難易度があげられる.本稿では,将棋を題材とした局面の難易度推定のために,ゲーム木のリーフノードにおける評価値の正/負の比率を計測し,カルマンフィルタを用いて解析する手法を提案する.提案手法を用いてプロの棋譜を解析した結果,ルートノードとリーフノードの評価値の相関係数に着目することで,局面の難易度を推定できることを確認した.
著者
土方 希 鹿間 脩斗 藤代 一成
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.37-38, 2017-03-16

近年コミックやアニメを原作とした実写化のドラマや映画が流行している.しかし,俳優が原作のキャラクタに「似ている」という感覚には個人差があり,ミスキャスティングであると視聴者が感じてしまう場合が存在する.本研究で開発しているシステムCoCoAでは,原作のコミックまたはアニメのキャラクタの情報を入力とし,キャスティングの候補となる俳優のリストを出力する.特徴点検出を用いた顔の外面的特徴の類似度に,年齢や性格などの内面的特徴の客観的評価を組み合わせて,視聴者の感覚の個人差に依存しない,精度の高いキャスティング支援システムを実現する.
著者
片山 大河 廣瀬 繁雄 望月 翔平 金松 基孝
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.375-376, 2018-03-13

PostgreSQLは外部のデータベースにアクセス可能にする仕組みForeign Data Wrapperがある。この機能はデータベースのマイグレーションや複数の異種データベースを併用するシステムなどで利用され、近年その機能強化が盛んに行われている。ユーザは、この仕組みに基づいて各データベース向けに実装されたモジュールをインストールすることで、任意のデータベースにアクセス可能になる。この度、この機能を用いてPostgreSQLからインメモリデータベースGridDBにアクセス可能にした。GridDBはIoTデータ向けのNoSQLデータベースで、その特徴的な仕様や利用方法に従ってモジュールを実装する必要がある。本稿ではその実現方法について説明する。
著者
島崎 千江子 蘆田 秀昭 福井 就 酒井 健 SHIMAZAKI Chieko ASHIDA Hideaki FUKUI Shu SAKAI Takeshi
出版者
大手前短期大学
雑誌
大手前短期大学研究集録 = Otemae Junior College Research Bulletin (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.001-025, 2018-07-31

大手前短期大学生の生活状況に関するアンケート調査を行い、充実した学生生活を過ごすための課題を探った。その結果、大多数の学生は学生生活には充実・満足していた。その理由は、「自由に過ごせる」、「興味のある授業」を挙げていた。一方、授業以外に「友人との交流」に時間をかける反面、予習・復習、読書に充てる時間は少ないことが明らかとなった。また、自宅から通っている学生と、睡眠時間は就寝時間に関わらず6時間未満の学生が各々で約8割を占め、生活費は約6割で保護者が負担し、4割がアルバイトで賄っており、現在アルバイトをしている学生は約7割であった。生活面では、1日3食を摂り、昼食は弁当持参で夕食は自炊を含めて自宅で摂る学生が多いものの、3割の学生が孤食であることも判明した。悩みや不安に関する項目では「進路や就職のこと」「対人・恋愛関係」と「心身の健康」を挙げた。就職に関しては転職しても自分に合った仕事がしたいと考えている学生が約5割いることがわかった。他の項目についても、「私立大学学生生活白書2015」(以下、白書という)、「学生生活に関する調査報告書」(以下、報告書という)、「2014年大学生の意識調査概要報告」(以下、概要報告という)での学生の動向と同じような結果となった。しかし少数ではあるが学生指導上気になる特徴を持っている学生もみられた。そのことが充実した学生生活を過ごす上でどのような影響があるかについては、今後、継続した調査が必要である。
著者
佐藤 得志
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = Bulletin of Miyagi University of Education
巻号頁・発行日
vol.52, pp.85-96, 2018-01-31

Riemann積分の定義の方法には2つの流儀があり,それは,Riemann和から定義するものと,Darbouxの上積分,下積分から定義するものである.この2つの定義の同値性を証明するための鍵となるのがDarbouxの定理であるが,その証明はRiemann積分の理論の中では最も難しいものである.本稿においては,初学者の理解の手助けとなるように,Darbouxの定理の厳密かつ丁寧な証明を与える.また,積分可能な関数とLipschitz連続な関数の合成関数の積分可能性を証明し,これを用いて積分可能な関数の絶対値や積の積分可能性を導く.
著者
鎌田 真人
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27(2009-GI-21), pp.25-32, 2009-03-02

9路盤囲碁は,囲碁の入門用に使われているだけでなく,プロ棋士同士の対局やコンピュータ囲碁大会でも行われている。今回,1968年~2009年1月に行われたプロ棋士対プロ棋士の9路盤囲碁の棋譜846局の序盤の変化を分析した。19路盤に比べると棋譜の数が非常に少なく,また持ち時間も少ないが,プロ棋士の長年の研究の成果が窺える。当初は,初手天元が多かったが,コミが5目半から6目半に変わった頃から,初手3四,4四,4五が増えてきた。ほとんど打たれなくなった手や,結論が出ているのに打たれている手も見られる。また,初手から同じ手順の棋譜が多く見られ,定石化されてきたと思われる手順もある。
著者
山下 一也 井山 ゆり 松本 亥智江 井上 千晶 松岡 文子 磯村 由美 飯塚 桃子 梶谷 みゆき 吾郷 美奈恵 齋藤 茂子 湯澤 雄一郎 片倉 賢紀 橋本 道男 加藤 節司 Kazuya YAMASITA Yuri IYAMA Ayako MATSUOKA Yumi ISOMURA Momoko IIZUKA Miyuki KAJITANI Minae AGO Sigeko SAITO Yoichiro FUKUZAWA Masanori KATAKURA Michio HASHIMOTO Setsuji KATO
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.25-30, 2007-12-10

高齢者の趣味の有無が認知機能と関連しているとの報告が多くなされている。今回、地域在住一般高齢者272名(平均年齢72.3歳)を対象に趣味の有無と認知機能の関連を検討した。趣味を有する群(186名)と無趣味群(86名)では、主観的幸福感、抑うつ程度、 日常生活動作には有意差は見られなかったが、認知機能においては、趣味を有する群では無趣味群に比して有意に高値であった。また、趣味を有する群では、無趣味群に比して、物事に好奇心があり、社交的な性格であった。認知症予防において、趣味を持つことを積極的に勧めることは重要と思われる。