著者
井上 満郎
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.306-330, 1972-05-01

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著者
久川 慶貴 佐藤 和紀 三井 一希 高橋 純 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.141-144, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
4

本研究は,小学校高学年児童の学校生活におけるグループでのチャットの活用の特徴を明らかにすることを目的とする.公立小学校の第6学年における,グループでのチャット(チャットルーム)の活用状況を調査した.その結果,児童がチャットルームを開設する目的は,「学校行事」「学年行事」「有志活動」であった.開設された目的によって,活用の頻度に差が見られること,同じ目的で開設されたものであっても,具体的な活用のされ方は異なることが示唆された.また,情報共有の手段の一つとしてチャットルームを活用している可能性が示唆された.
著者
野村 文子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.169-181, 2006-03-15

布橋灌頂会(ぬのはしかんじょうえ)とは,江戸時代の民俗行事であり,宗教儀礼である。女性は明治5年まで「女人禁制」のために立山に登拝できず,それゆえに,立て前としては極楽往生できなかった。実際には,それの代替えとも言うべき儀礼が女性救済のために用意されており,それが,布橋灌頂会であった。本稿では,立山博物館を中心とした研究・調査に基づいて再現された,この宗教儀礼2回(1996年・2005年)に参加した体験をもとに,この儀礼の意義を考察する。富山県国民文化祭立山フェスティバルの中心的イベントとして再現された第1回の時点では,白い死装束を着て女人衆を演じ,その後9年ぶりに再現された第2回の時点では,観客として参加した。伝統文化の継承,及び,女性学(女人救済・女人禁制)の視点に加え,2005年の調査では新たに「生と死」,すなわち,再生儀礼の要素を重要視する。目隠しをして布橋を渡り,血脈(けちみゃく)をいただき,いったん死んで,生き返る。これは現代人にも魅力ある一種の癒し儀礼とも考えられる。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1905年09月06日, 1905-09-06
著者
菊池 武彦 田中 一成 齊藤 寿幸
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.457-466, 2006-09-25 (Released:2009-08-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

東京電力(株)が過去40年以上にわたって実施してきた送電設備に関する着氷雪対策技術の状況についてまとめた.本報告書では着氷雪現象のうち特に樹氷型着氷と湿型着雪を対象とした.現象の把握や送電設備への機械的影響,その影響を軽減するための対策技術について述べる.観測データは,現地での有人による直接的な調査や実規模試験線などを用いた調査結果である.着氷雪現象の物理的理論や数値解析,対策技術(偏心重量錐と回転自在型スペーサ,ルーズスペーサなど)の基本的考え方は,各検討段階において学識者やメーカ各社と協働で蓄積した.それらの技術が現実的に有効であるか否かについて,現地で自然発生する着氷雪や強風に曝される実規模試験線(高石山試験線,最上試験線)を用いて観測した.観測の結果,送電線への着氷雪に伴う荷重の増加量や振動抑止装置の効果を再現性あるデータで示すことができた.これらの成果は,現在運用されている送電設備に適用され,安定運用に貢献している.
著者
渡邊 克巳 JOHANNSON Andres.Petter JOHANNSON Andres Petter
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

人間は時には自分の意図を正しく理解していないばかりか、自分の行動を説明するためのストーリーを「後付けで」構築する傾向がある。この現象を実験心理学的に調べることのできる「Choice Blindness(選択盲目)」現象の成立過程を調べるために、平成20年度はChoice Blindness現象が、購買行動のシミュレーション場面で、選択要因が明言されている場合にも起きるかを調べた。その結果、購入するもののポジティブな側面とネガティブな側面の一部を入れ替えても、それに気づく被験者は少ないことが分かった。さらには、それらの選択要因の重要度もすり替える事によって変化する可能性が明らかになった。この知見は、Choice Blindness現象が「全体的な印象」だけでなく「選択の明言的な要因」にも起きる事を示している。この結果は、国内外の学会でするとともに、いくつかの研究会でも紹介した。さらに本年度は「Choice Blindness」現象の解明に加えて、自己の発話中の情動とそのフィードバックの影響を調べる新しい実験パラダイムを考案し、情動理解における内的状態と外的条件の関係を調べる研究をスタートした。その結果、外的に操作された情動フィードバックが被験者の情動に影響を及ぼす可能性を示唆するデータを得た。以上の研究成果は、すでに国際学会などで発表しているが、今後の共同研究のなかで発展させていく予定である。
著者
菊地 政則 中島 幸一 浅野 行蔵 高尾 彰一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.176-180, 1996-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
11
被引用文献数
4 4

北海道の伝統的漬物,ーシン漬の発酵品質に及ぼす食塩濃度および発酵温度の影響について検討し,以下のような結果を得た.発酵の初期段階では,野菜由来のグラム陰性細菌が多かったが,乳酸菌の増殖に伴なう乳酸の生成によって,発酵が進行するに連れてグラム陰性菌は減少した.野菜由来の乳酸菌は乳酸球菌が主流で,106/gであるのに対し,乳酸桿菌LactobaciLLiは103/g以下であった.食塩3.5%添加では,2.0%に比べ乳酸菌の増殖は緩慢で,そのたあ,グラム陰性細菌の増殖が若干認められた.漬物の発酵は5℃より10℃の方が速く進んだ.これは乳酸菌の増殖が,5℃より10℃で速やかに行なわれたためである.しかしながら,10℃発酵では,後半にPichia属の増殖が認められ,品質が不安定となった.したがって,ニシン漬の発酵温度は比較的低温の5℃のものが長期間の品質維持には有効と思われる.
著者
渡辺 幸三 大村 達夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G (ISSN:18806082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.94-104, 2006 (Released:2006-02-21)
参考文献数
41

ダム湖は河川水生昆虫の幼虫と成虫の移動を阻害し,ダム上下流間の遺伝的分化やそれに伴う遺伝的多様性の低下を引き起こす恐れがある.本研究は湛水面積が異なる複数のダム湖周辺でヒゲナガカワトビケラ,ウルマーシマトビケラ,クロマダラカゲロウの3種の水生昆虫地域集団のRAPD解析を行った.解析の結果,ヒゲナガカワトビケラの遺伝的分化は6つのダム湖のうち湛水面積が 3.27 km2 以上の2つの大きなダム湖で遺伝的に分化していたが,ウルマーシマトビケラは湛水面積が小さい場合でも分化することがあった.また,ウルマーシマトビケラの遺伝的多様性の低下要因として,集団サイズの低下とダムによる生息地分断化の2因子が働くが,残り2種は集団サイズの低下のみが主に働いていることが明らかになった.