著者
國松 敬介 石田 宜子 高見沢 恵美子 北村 愛子
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.51-59, 2019 (Released:2019-03-07)
参考文献数
17

目的:二次救急医療機関で救急隊とのホットライン対応において看護師が感じる困難および対処について明らかにする。 方法:二次救急医療機関で現在救急隊とのホットライン対応を行っている救急外来看護師11名に対し半構成的面接調査を行い、逐語録を作成し、困難および対処を表す部分を抽出し、コード化・サブカテゴリ化・カテゴリ化した。 結果:ホットライン対応の困難は【救急隊から必要な情報が得られない】【患者受入困難に納得できない相手への対応に困る】【電話での医師との連携に困る】【医師と患者受入決定の折り合いがつかないことに困る】【知識不足で情報の収集や選択に迷う】【自分の判断や対応を相手に否定されて困る】【繁忙時、ホットラインに対応しきれずに困る】の7カテゴリであった。ホットライン対応の困難への対処は【アセスメントしながら欲しい情報を意図的に収集する】【医師が迅速に患者受入判断ができるよう情報伝達する】【医師や看護師へ調整を図り連携する】【相手と良好な関係を築くよう対応をする】【医療スタッフに相談する】【その場が円滑に収まる行動をあえてする】【他者や自己と対話する】の7カテゴリであった。 考察:ホットライン対応の困難から、看護師と他職種との連携不足や看護師の知識不足、救急隊との認識の違いが見出された。対処から、今ある知識や能力で工夫すること、多職種との連携強化が見出された。明らかになった困難と対処から、教育や連携への支援の一つとして、医師・看護師・救急隊との合同勉強会の実施が考えられた。
著者
Katsuhiko ARIGA
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
Analytical Sciences (ISSN:09106340)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.1331-1348, 2021-10-10 (Released:2021-10-10)
参考文献数
121
被引用文献数
8

For materials development with high-level structural regulations, the emerging concept of nanoarchitectonics has been proposed. Analytical sciences, including sensing/detection, sensors, and related device construction, are active targets of the nanoarchitectonics approach. This review article focuses on the two features of interface and nanostructures are especially focused to discuss nanoarchitectonics for analytical science. Especially, two selected topics, (i) analyses on molecular sensing at interfaces and (ii) sensors using self-assembled supramolecular nanostructures, are exemplified in this review article. In addition to recent general examples, specific molecular recognition at the air–water interface and fabrication of sensing materials upon self-assembly of fullerene units are discussed. Descriptions of these examples indicate that nanoarchitectonics and analytical science share common benefits, and therefore, developments in both research fields should lead to synergies.
著者
丸橋 裕
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.40-51, 2012-09-30 (Released:2018-02-01)

Viktor von Weizsacker's significance as an originator of "anthropological medicine" and as a critic of medicine oriented solely to the scientific-biological standpoint encourages us in the present critical situation caused in connection with many problems in medical ethics to seek an adequate paradigm of medical ethics in his works. True, he wrote no systematic ethics of anthropological medicine as such. But his 'Euthanasia' and Experiments on Human Beings (1947) was a salient contribution to the foundation of that field, since in it he asserts that the real, though invisible, defendant on the Nuremberg bench was no particular doctor, but the general spirit of scientific-biological medicine, and declares his guiding principle that the solidarity and mutuality of doctor and patient should guide medical practice. Therefore, in this article I intend to describe the origin of the medical ethics inherent in Weizsacker's "Medical Anthropology" (Medizinische Anthropologie) where he formulates the concepts of solidarity and mutuality. First I try to show clearly how he proves, with the help of the principle of solidarity, that there was no "as such justification" for the 'euthanasia' and human experiments Nazi doctors had put into practice, and further how he tested, in every morally doubtful case, whether it complied with the law of mutuality. Secondly I will clarify in what kind of context medical practice must occur under the law of solidarity, if one is taking the law of mutuality seriously in the association between doctor and patient. And thirdly after showing that the concept of "the solidarity of death" tends to reduce various aspects of the personal and social structure of death to an abstract common denominator, I will consider the meaning of Weizsacker's utterance that the order of life is a fusion of "the solidarity of death" and "the mutuality of life."
著者
高久 洋
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.109-121, 1981-02-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
108
被引用文献数
1

8-Oxyquinolyl group has been widely applied to the synthesis of oligonucleotides.
著者
石 弘之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.109, pp.87-89, 2008-07

【あらすじ】時代は1815〜35年。革命後の王政復古とそれに抵抗する市民との戦いで、フランスは騒然としていた。パンを盗んで捕まったジャン・ヴァルジャンは、19年も服役した。出獄後、工場の経営で成功を収め女工の娘コゼットをわが子のように溺愛したが、娘は反王政の貧しい青年マリウスと恋に落ちる。

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出版者
国立国会図書館
雑誌
外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説 (ISSN:13492071)
巻号頁・発行日
vol.(月刊版. 289-1), 2021-09
著者
佐々木 かほる
出版者
群馬県立県民健康科学大学
雑誌
群馬県立県民健康科学大学紀要 (ISSN:18810691)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2009-03

目的:明治期に生きた津久井磯の個人史から「産婆並びに病人看護婦養成」,「群馬産婆会」の創立に至った所以を明らかにする.方法:津久井磯が群馬県知事宛に申請した「私立産婆学校設立御伺書」,「津久井磯遺徳碑」,当時の新聞,群馬県史,前橋市史,議会文書等からの史料収集,整理,精読し,津久井磯の背景と「産婆並びに病人看護婦養成」および「群馬産婆会設立」との関連を分析する.結果:(1)津久井磯は,自ら校長となり私立産婆学校を開校し,人々に最良の看護が受けられるよう質の向上を目指して産婆自身による教育を行った.このことによって無資格者を少なくした.(2)群馬産婆会を組織し,行政や社会へ産婆の質向上を目指して組織的に働きかけると共に,明治期の職業婦人として先駆的役割を果たした.(3)群馬産婆会を組織し,職業的倫理を広め産婆の社会的地位を高めた.(4)津久井磯は,明治の近代化の真っ直中を生きた人であり,常に社会に目を向け,産婆の身分の確立を目指して挑戦し続けたと言える.寄稿
著者
岡松 成太郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1181, 1981-07-20
著者
小関 宏和 村山 雄一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.888-897, 2021-07-10

Ⅰ はじめに 脳動脈瘤は,発生から増大,破裂に至るまでの経過を予測することが極めて困難な疾患であることから,その病態機序の解明には臨床像を模倣した疾患モデルが不可欠である.臨床での動脈瘤壁の病理学的・遺伝学的所見,および血管画像を用いた流体解析などから,脳動脈瘤が血流ストレス依存的な疾患であり,血管壁に炎症を伴う病変であることが示唆されてきたが1-4),それらの因果関係や,炎症に至るまでの機序については未だ不明な点も多い.この課題を解決すべく,70年ほどの間に実験的な脳動脈瘤モデルの開発が進み,それと相まって疾患に対する理解が深まり,そこから生まれてくる新たな課題に対してそれらのモデルが進化を遂げてきた,あるいは新たなモデルが生み出されてきた. 本稿では,実験的脳動脈瘤モデルの歴史を紐解きながら,それらのバリエーションや特徴について概説する.詳細な病態機序の解説については他稿に譲るが,これらの実験的脳動脈瘤モデルによって得られた最新の知見について紹介する.
著者
吉門 洋
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.188-199, 2004-07-10
参考文献数
13
被引用文献数
8

近年再び高濃度化が注目されている光化学オキシダント(O_X)について,特に注意報発令レベルの高濃度の発生状況が系統的に変化したかどうかを概括的に調べた。対象地域は東京都・埼玉県と群馬県南東部に絞り,1989〜91年と1999〜01年の各3年の6〜8月の間の差異に注目した。まず昼夜別平均濃度や日最高濃度の出現頻度分布を岬べた結果,10年の期間に昼間(5〜20時)平均で若干の例外を除き4〜14ppb(体積混合比),夜間平均でも2〜8ppb上昇し,一日最高濃度が60ppb未満の日の比率は全域平均で66%から50%へ減少する一方で,東京・埼玉には120ppb以上の高濃度の出現頻度が23日から50日というように倍加した地区が多いことがわかった。対象期間中の広域気象条件を毎日の天気図により概括判定した結果,90年頃より2000年前後には梅雨期を含む夏季に高気圧圏内に入る日が増加したことがわかった。高気圧圏内の日が増加すれば局地風発連日の増加が予想され,簡単な判定基準による判定の結果,その事実が確認された。好天日の増加はそれだけで平均気温の上昇や期間積算紫外線入射量の増加につながる可能性もあり,0x高濃度の増加要因の一つに数え得る。東京湾から埼玉南部への海風の内陸進入パターンに注目して,その速度の速い日と遅い日のグループを抽出した。10年の間で速い日の頻度が増加している。速い日は東京や埼玉南部のO_X濃度レベルにはあまり変化がなく,より内陸部で90年頃よりも高濃度になっている。遅い日のグループでは全域的に午後のO_X濃度が大幅に増加したことがわかった。局地風とO_X濃度のこれらの変化が重なって,全般的なO_X濃度上昇傾向の中でも地域的な強弱の差が生まれたといえる。
著者
鳥山 成一 山崎 敬久 近藤 隆之 水畑 剛 奥村 秀一 水上 昭弘 神保 高之 木戸 瑞佳 日吉 真一郎 溝口 俊明 杉本 伸夫 松井 一郎 清水 厚
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 : journal of environmental chemistry (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.269-285, 2005-06-24
参考文献数
39
被引用文献数
5 4

2004年2月1日から6月14日まで, ライダーの観測データと, 標高別観測地点におけるSPM, オキシダント等の大気汚染物質観測データを用いて, 黄砂やオキシダントの高濃度の事例に関して総合的に解析したところ, 次のような結果が得られた。<BR>黄砂の規模は地上~2, 000m, 3, 000~6, 000m, 地上~4, 000m等, 種々の気塊で飛来していることが観察された。標高別3地点 (立山室堂, 立山局, 小杉局) のSPM濃度は, ライダーの画像と良く一致した。<BR>富山平野上空に出来た「黄色い帯」は, 珍しく解消されないで残っていた逆転層に大気境界層上空の薄い黄砂層が自然降下し, 形成されたものである。<BR>黄砂飛来と同時にオキシダントを含むと考えられる大気汚染物質で出来た二次粒子等からなる球形粒子がライダーで観測された。バックトラジェクトリーによって, 黄砂飛来と同時にオゾン等の大気汚染物質を含む気塊が, 日本の関西・北九州地方, 中国大陸方面から流入していると考えられた。<BR>2004年6月5日にオキシダント注意報の大規模な発令があった。ライダー画像はオキシダントも含む大気汚染物質で出来た球形粒子の存在を示唆した。バックトラジェクトリーでは, 関東方面の気塊の流入である可能性が高いと考えられた。このような黄砂とは無関係な高濃度のオキシダントは関東, 中京, ないしは関西方面からの気塊で運ばれてくるものと推察された。
著者
名和田 義高 濱田 晃市 斎藤 聡
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.409-416, 2012 (Released:2012-08-09)
参考文献数
23

症例は24歳女性.18歳時より飲酒を開始し,飲酒量は増加し,2011年3月にアルコール性肝炎で他院に入院し保存的加療で改善した.その後も飲酒を継続したところ,同年6月に食欲低下・全身倦怠感が,さらに黄疸・発熱が出現し,当院を受診した.意識は清明なるも,発熱,AST優位の血清トランスアミナーゼの上昇,血清総ビリルビンの高度上昇,ALP・γ-GTPの高度上昇,プロトロンビン時間著明低下,CTにて高度脂肪化を認め,文部省高田班の診断基準に基づき重症型アルコール性肝炎と診断した.ビリルビン吸着療法,プレドニゾロンの投与を行い肝機能の改善を認めた.第30病日のCTで脂肪肝の改善を認め,第50病日に施行した肝生検では重症型アルコール性肝炎回復期の所見で,第72病日に退院となった.本邦の症例報告例の中では,最も若年で発症した重症型アルコール性肝炎かつ救命例であり飲酒量の詳細把握をしえた貴重な症例と考え報告した.
著者
林 朝子 HAYASHI Aasako
出版者
三重大学国際交流センター
雑誌
三重大学国際交流センター紀要 = BULLETIN OF CENTER FOR INTERNATIONAL EDUCATION AND RESEARCH MIE UNIVERSITY (ISSN:21898979)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.127-139, 2017-03-31

We provided foreign students the opportunity of calligraphy. In the activity, they tried to write Kanji by using brush and to appreciate the works of calligraphy. Through the activity, foreign students 1) can have consciousness of details on writing Kanji, for example, the way of writing basic lines, the shape and size of Kanji against the paper and soon, and 2) can perceive calligraphy both as language form and as an appreciation of design. Based on these two points, calligraphy is so useful for the way of teaching and learning letters and is enjoyable art for foreign students.