著者
羽山 伸一
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

2011年3月に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の爆発により、放出された放射性物質に、福島県東部に生息するニホンザルが野生霊長類としては世界で初めて被ばくした。申請者は2008年から福島市に生息する本種を対象に妊娠率などを観測してきたが、2011年以降は筋肉中放射性セシウム濃度を測定するとともに、臨床医学的検査および病理学的検査を実施している。本研究では、被ばく後10年間における造血機能や胎子成長の経時的推移を明らかにするとともに、放射線被ばく量との関連も検討する。また、胎子期に被ばくし、妊娠可能年齢に達したメスの妊娠率や排卵率等の推移を観測し、影響を評価する。
著者
山口 正雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.1451-1454, 2016-08-10 (Released:2017-08-10)
参考文献数
13

薬剤アレルギー(drug allergy)は,今まで国内にも国際的にも確立されたガイドラインがなく,眼前で起きてほしくない不運,あるいは予知・予測とはほど遠い偶発的事象と捉えられがちである.確かに,薬剤アレルギーは他の疾患と比べて扱いづらいところがあり,医原性(iatrogenic),そして正確な診断と有症率調査が難しいという特徴を持っている.薬剤アレルギーの患者数を「現時点で症状を有する数」として把握するのは不可能であり,薬剤アレルギーの既往歴を把握する必要があるが,患者の記憶および自己判断に頼らざるを得ない.そして,臨床現場で当該薬剤を投与される患者数を,短期投与から長期投与までを正確に全数把握するのも困難であり,投与患者総数に対して薬剤アレルギーを発症した患者の比率の算出が極めて難しい.薬剤アレルギーの診断基準が確立していないことも問題である.症状,機序が多様であるだけでなく,アレルギー機序で生じたのではない反応(例:X線造影剤によるアナフィラキシー)や,機序不明の反応も薬剤アレルギーに含めることも多く,検査についても万能なものがない.さらには,医師により薬剤アレルギーの解釈が異なっており,IgE依存性のI型反応だけを薬剤アレルギーと称する医師・研究者も少なくない. 2015年にJ Allergy Clin Immunol誌に掲載された米国の報告(平成25年3月19日に開催された,薬剤アレルギーに関するワークショップの概要)1)によると,drug allergyという用語自体が検討対象となっており,代案としてdrug hypersensitivity(薬剤過敏症)も検討されたが,後者については機序が免疫機序に限らない(例えば,代謝酵素欠損による副作用も含むことになる)という懸念が示されている.薬剤アレルギーのうちでも,内科医にとって重症度や緊急度の観点から特に注意を要するのは,即時型反応(アナフィラキシーや蕁麻疹)と重症薬疹である.筆者は,薬疹は専門外ではあるが,本稿では,即時型反応の最近の知見に加えて,重症薬疹に関して欧米の記載を読む際に注意しておくべきポイントについて触れておきたい.
出版者
学士会事務所
巻号頁・発行日
vol.[大正4年], 1915
出版者
学士会事務所
巻号頁・発行日
vol.[大正7年], 1918
著者
橋本 新助
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
機械學會誌 (ISSN:24331546)
巻号頁・発行日
vol.39, no.235, pp.623-627, 1936-11-01 (Released:2017-08-01)

鉄道省流線形車輌一般に就て略述し特に新製大阪神戸間急行用流線形電車の構造及び性能に就き詳述し、最近の実驗数値に基き同電車の消費電力量の節約及び走行抵抗の減少を示し、最後に流線形鉄道車輌の將来を述べたものである。
著者
福澤(岸) 利江子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.733-739, 2016-09-25

細菌学,免疫学,遺伝学からアプローチした映画「マイクロバース」ですが,出産時に合成オキシトシンが使われ過ぎることへの危惧にも言及しています。そして,その問題が世界規模で人類の将来に影響を与える可能性についても警鐘を鳴らしています。日本語字幕の作成者である筆者が,本作のメッセージをまとめました。

2 0 0 0 OA 日本経済叢書

著者
滝本誠一 編
出版者
日本経済叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.巻16, 1917
著者
小林 正佳
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.246-251, 2014-07-25 (Released:2018-02-13)
参考文献数
26
被引用文献数
4 3

嗅覚はにおいを感じる化学感覚で,これに異常が生じた状態を嗅覚障害という.嗅覚障害は量的障害と質的障害に分類され,量的障害には低下と脱失があり,質的障害には異嗅症,嗅盲,嗅覚過敏,その他(悪臭症,自己臭症,幻臭,鉤回発作)がある.嗅覚障害は障害発生部位に基づいて呼吸性,嗅粘膜性,混合性,末梢神経性,中枢性の5つに分類される.嗅覚障害の原因疾患は慢性副鼻腔炎,感冒,頭部外傷の順に多く,これらを嗅覚障害の三大原因という.嗅覚障害の有病率は米国で人口の1〜3%であるが,日本ではまだ調査報告がなく,不明なので今後の疫学調査が望まれる.
著者
Christian Bizer Tom Heath TimBerners-Lee 翻訳:萩野達也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.284-292, 2011-03-15

人間の知的創造物であるコンテンツを,記録し配信するメディアの手段として,今日,IT技術,とりわけインターネットの果たす役割は大きい.その中で,LODが今後メディア業界で担っていくであろう役割を考える.具体的事例として,BBCとThe New York Times が取り組んでいる施策を紹介し,考察する.また,広くメディアの歴史を概観する中で,LODの立ち位置を考える.その過程では,データとしてのコンテンツよりも,それらを「つなぐ」ことに価値があるという世界が明らかになるだろう.筆者らは,データのみならず,アプリケーション,さらに,サービスを「つなぐ」,LOAおよびLOSを提唱したい.
著者
小山 清男
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.37-42, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
著者
小西 史子 香西 みどり 古庄 律
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

老化促進マウス(SAMP8)を、対照群、ムクナ豆粉末低投与群、ムクナ豆粉末高抗投与群の3群に分けた。ムクナ豆粉末低投与群には、ムクナ粉末を1.5g/体重kgに調製した飼料を、ムクナ豆粉末高投与群には、ムクナ粉末を15g/体重kgに調製した飼料を投与した。それぞれの飼料におけるL-DOPA含量は、0.6mg/体重kgおよび6mg/体重kgである。飼育期間は、11週齢から40週齢までである。飼育後、脳を取り出し、N-PER試薬を用いてたんぱく質を抽出、遠心後、上清を用いて、ウェスタンブロッティングを行い、タウタンパク質のリン酸化の程度を調べた。用いた抗体は、抗リン酸化タウS199,S262,T181マウスモノクローナル抗体である。その結果、タウタンパク質のセリン262,スレオニン181のリン酸化の程度には、群間で有意な差は認められなかった。しかし対照群に比べ、ムクナ豆粉末高投与群においてタウタンパク質セリン199におけるリン酸化が有意に抑制されていた。このことから、ムクナ粉末の投与は、老化によるタウタンパク質リン酸化の増加を抑制することが示唆された。ムクナ豆を用いた加工食品の調製では、ムクナ豆焙煎粉末を小麦粉に0,5,10,15,20%に添加した麺を作成した。その結果、ムクナ豆焙煎粉末の添加量の増加とともに、抗酸化能が上昇した。また、これらに重曹を添加すると中華麺になり、風味が増したが、抗酸化能は低下した。
著者
竹内 裕美 寺井 堅祐 梅沢 章男
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.14-20, 1999

本研究は, 実験的ストレッサーに対する心臓血管反応性とアレキシサイミア人格特性の関連性を明らかにすることを目的とした.健康な男女大学生25名に対して, 暗算(能動的対処課題)と寒冷昇圧(受動的対処課題)の2種類の課題を提示した.また, 全被験者に対しトロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)とMMPIを施行した.被験者はTAS-20の中央値によって, アレキシサイミア高・低群に分けられた.心拍数(HR)と平均血圧(MBP)を分析したところ, 以下の所見を得た.(1)HR, MBPは, 実験的ストレッサーに対して有意な増加を示した.(2)アレキシサイミア高群は, 低群と比較して, 有意に低いHR反応性を示した.(3)MBP反応性については, アレキシサイミア高・低群に統計的な差異は認められなかった.(4)アレキシサイミア高群は, 低群と比較すると, MMPI妥当性尺度の修正点(K)が有意に低く, 抑うつ(D), 精神衰弱(Pt), 社会的内向性(Si)尺度において高い丁得点を示した.これらの結果より, アレキシサイミア傾向の高い個人は, 強い主観的な不適応感を持っているにもかかわらず, ストレス刺激に対する心臓側の反応性は決して高くないと考えられた.
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.3, 2004

<p>東京大学生産技術研究所教授から日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の研究所長になり、日本TIの社長を務め、この10月にJST研究開発戦略センター長に就任した生駒さん。その迫力ある変身で培った研究者精神と経営者マインドの双方を駆使して、いま日本の科学技術戦略を構築中だ。</p>