著者
田中 翔 柳澤 政生 戸川 望
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-6, 2012-02-24

半導体の微細化技術の向上に伴い,ソフトエラーによる信頼性低下が問題となっている.そのため,LSI にエラー検出機能を組み込むフォールトセキュア設計の必要性が高まっている.一方,微細化技術の向上によりゲート遅延より配線遅延が支配的となったため,高位合成段階で配線遅延を予測する必要が生じている.配線長が不定である従来のレジスタ集中型アーキテクチャに対し,レジスタをチップ内に均等に配置することで配線長を一定とする RDR アーキテクチャが提案されている.本稿では RDR アーキテクチャを対象とした,部分 2 重化によるフォールトセキュア高位合成手法を提案する.提案手法では入力 CDFG の演算ノードを一部 2 重化することで,レイテンシ制約内で信頼性を最大化する.RDR アーキテクチャで生じる空き領域をフォールトセキュア設計に利用することで面積効率を向上させると同時に,2 重化可能な演算ノード数を増加させる.続いて,挿入比較ノード数を最小化するスケジューリング・バインディングを行うことで余分な演算器動作を抑制し,信頼性向上を図る.計算機実験により提案手法は,フォールトセキュア設計を利用しない手法と比して最大 57% 信頼性を向上させるフォールトセキュア高位合成が可能であることを確認した.As device feature size decreases, the reliability improvement against soft errors becomes quite necessary. A fault-secure system, in which concurrent error detection is realized, is one of the solutions to this problem. On the other hand, the average interconnect delay exceeds the gate delay which leads to the timing closure problem. By using regular-distributed-register architecture (RDR architecture), we can estimate interconnection delays very accurately and influence of their interconnect can be much reduced even in the behavioral level. In this paper, we propose a partial redundant fault-secure high-level synthesis algorithm for an RDR architecture. In fault-secure high-level synthesis, a re-computation CDFG a part of normal-computation CDFG must be scheduled and bound to functional units. Firstly, our algorithm re-uses vacant areas on RDR islands to allocate new function units additionally for the re-computation CDFG.Secondly, we propose a scheduling algorithm which minimize the number of insert comparator nodes. We show the effectiveness of the proposed algorithm through experimental results. Our algorithm reduces the soft error rate by an average of 57% compared with the non fault-secure approach.
著者
玄田 英典 生駒 大洋
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.77-77, 2005

地球の海の起源を解明する際に、D/Hが重要な制約として議論される。しかし、その議論では地球に水をもたらしたソースのD/Hが海の形成時やその後の進化の間に不変であることを前提としている。本講演では、水素に富む原始大気中で海が形成され、その後、大気中の水素が散逸した場合、海のD/Hが2~7倍程度高くなることを示す。初期地球には、相当量の水素分子が存在していたはずである。例えば、金属FeによるH2Oの還元で大量の水素が作られる。また、そもそも原始地球がネビュラ中で形成した場合、水素を多く含むネビュラガス(H2)を重力的に捕獲する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1364, pp.2-3, 2013-04-08

PHS事業者のウィルコムと携帯電話事業者4社は、PHS用電話番号と携帯電話用電話番号の間のMNP(携帯番号ポータビリティ)の2014年度中の実現に向けて協議を進めている。MNPを実現する上ではPHSと携帯電話の間でSMS(ショートメッセージサービス)を相互利用できるよ…
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.666, pp.164-166, 2006-11-27

ソフトバンクモバイルでは、10月28日と29日の2日間、携帯番号ポータビリティの申し込み受付を停止した。他の携帯電話会社と情報をやり取りするシステムの遅延が直接の原因である。同社では、ポータビリティの処理に基幹系システムを利用していたが、基幹系を動かすハードが能力不足に陥った。 「システム部門の担当者がさぼっていたわけでも、失敗したわけでもない。
出版者
法政大学史学会
雑誌
法政史学 (ISSN:03868893)
巻号頁・発行日
no.26, pp.p107-113, 1974-03
著者
多田 鉄雄
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.2-5, 1969-12-01
著者
高津 俊司 佐藤 馨一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.553-558, 2004

本研究は、開発者負担金による鉄道整備の事後評価を目的として、都市開発と一体的に整備が進められた臨海副都心線(りんかい線)を事例として、開発者負担金について開発者にアンケート調査を行い、開業後の輸送実績を元にして鉄道計画支援システム(GRAPE:GIS for Railway Project Evaluation)を用いて鉄道整備効果を分析し、開発者負担方式の評価と今後の課題を考察した。その結果、次のような知見が得られた。(1)事後アンケート調査によれば、鉄道に対する評価としては、広域、大量、高速などの特性を評価し、約8割の会社が「受益があるのである程度の負担はしかたない」と回答している。費用負担の額についても、計画時点より現時点の方が、「ほぼ妥当である」との回答が増加している。(2)りんかい線の整備による開発区域内の利用者便益(割引後 30年集計)を GREPEで推定すると、開発者の費用負担金の額を上回った。(3)これらの結果から、鉄道整備の財源方式として、請願駅方式で駅周辺の開発者からの負担金を徴収する方式は、一定程度の妥当性があると想定される。
著者
"柳井 玲子 増田 利隆 喜夛河 佐知子 長尾 憲樹 長尾 光城 松枝 秀二"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.109-119, 2006
被引用文献数
2

"日本人若年男性37名,女性174名を対象に,実測した基礎代謝量を基準にしてタイムスタディ法で算出したエネルギー消費量と,食物摂取頻度調査(FFQg)より得られたエネルギー摂取量との差を△エネルギー量として,食事量の過小・過大評価の実態と要因について検討した. 本研究では,若年男女ともに,エネルギー摂取量はエネルギー消費量より有意に(p<0.01)低く評価された.エネルギー摂取量の過小・過大評価の平均値(△エネルギー量/エネルギー消費量×100)は男性-26±20%,女性-12±26%となっており,女性は男性よりも過小評価率が有意に(p<0.01)低かった.Body mass index(BMI)と △エネルギー量の間には,男女とも有意な(男性p<0.01,女性p<0.001)負の相関関係(男r=-0.463,女r=-0.360)がみられ,BMIが高値の者ほど食事量を過小に見積もっていた.また女性の「やせたい」という意識は食事量の過小評価量を有意に(p<0.01)大きくさせていた.同様に「体を動かす心がけ」という意識は女性の過小評価量を有意に(p<0.05)大きくさせていた.逆に「栄養バランス」を意識する女性は過小評価量が有意に(p<0.05)小さくなっていた.同様に「朝食を食べる」「欠食をしない」女性や「夕食時間を決めている」男性は,過小評価量が有意に(それぞれp<0.05,p<0.01,p<0.001)小さくなっていた.これらの結果から,食事量の過小・過大評価には身体的要因や社会的望ましさといった心理的要因と共に,食に関するライフスタイルが関わっていることが示唆された."
著者
島川 悠太 杉山 純一 中嶋 和成 高木 順子 宇田 渉
出版者
Japanese Society of Agricultural Informatics
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.119-125, 2008
被引用文献数
2

SEICAカタログ番号を含んだ商品バーコード・SEICA商品バーコードで売上を管理するPOSシステム[POS支援システム]を利用して,直売所において農産物の生産情報を効率的に活用する仕組みを開発した.既存のPOS端末と情報開示端末に改良を加え,レジ打ちの際にバーコードで読み取ったSEICAカタログ番号をPOS端末から生産情報開示端末に転送することによってインターネットから最新の生産情報を取得して表示する機能を実現した.これにより,レジ打ちの際に,精算待ちをしている消費者に対して生産情報を発信できるようになった.また,商品バーコードと共に,情報開示用のQRコードを印字できる商品バーコードラベル印刷プログラムを開発し,商品バーコードラベルを通じても生産情報を容易に開示できるようにした.更に,価格マスタの変更を伴うSEICAバーコードラベルの印刷管理を安全かつ容易に行えるよう,商品バーコードラベル印刷プログラムに指紋認証技術を採用した.これらの仕組みにより,既存のPOSシステムでは実現できなかった効率的な生産情報開示と販売管理の両立が可能になった.<br>
著者
尾関 雅章 岸元 良輔
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.5, pp.21-25, 2009

本州中部の八ヶ岳・中信高原国定公園内に含まれる霧ヶ峰において、ニホンジカ(以下、シカ)によるキスゲ類(ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)とユウスゲ)の被食状況を把握するため、両種の花茎の被食分布を調査した。霧ヶ峰の草原内でキスゲ類の生育する65地点のうち、シカによる花茎の被食は57地点(87.7%)で確認された。調査地点全体での花茎の平均被食率は、57.4%であったが、キスゲ類の花茎密度の高い地点のなかには、被食率が80%以上と非常に高い地域もみられた。こうした被食圧の地域差は、シカが人の集中利用地域を忌避してキスゲ類を採食したことにより生じた可能性が考えられた。
著者
横山 晃一郎
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.677-709, 1985-03-25
著者
木村 午朗 近岡 貞志
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.241-247, 1965
被引用文献数
1

1, 7-Diaminoheptane has been synthesized from 1, 7-dichloroheptene-3 through ammonolysis followed by hydrogenation. For the formation of the desirable primary amine in the ammonolysis reaction, the following conditions have been proved favorable: use of liguid ammonia with or without a small amount of water or an organic solvent rather than aqueous ammonia, use of an excessive amount of ammonia, reaction temperatures above 80°C, in case of aqueous ammonia and above 60°C, in case of liquid ammonia, the effects of temperature upon yield being small over the range 100-140°C, and efficient agitation to ensure thorough contact of the reactants. The maximum yield of 1, 7-diaminoheptene-3, however, was 72-73%. Attempts to improve the yield resulted in the formation of secondary and tertiary polyamine by-products. 1, 7-Diaminoheptene-3 thus obtained was readily hydrogenated into 1, 7-diaminoheptane in 96% yield in the presence of Raney nickel catalyst under the atmospheric pressure as well as under pressure. Condensation polymerization of 1, 7-diaminoheptene-3 and that of 1, 7-diaminoheptane with urea proceeded smoothly and white solid polyureas with good spinning properties were obtained. The former polyurea showed m.p. 216°C, d<SUP>20</SUP>4 1.13 and the latter, m.p. 260°C, d<SUP>20</SUP> 1.12. The melting point of the polyurea obtained from 1, 9-noname. thylenediamine fell between that of the two polymers, and the specific gravity of the former was approximately 5% less than that of the latter two. The fiber of 1, 7-diaminoheptene-3 polyurea as well as that of 1, 7-diaminoheptane polyurea showed a slightly better dyeing properties with acidic and dispersing dyes than 1, 9-nonamethylenediamine polyurea, though other properties of those three types of fiber were alike.