出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1143, pp.74-76, 2002-05-27

5月11日、「BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)への感染牛、国内で4頭目を発見」のニュースがマスコミを賑わした。感染牛の発見は、昨年11月以来、約5カ月ぶり。沈静化しかけていた「BSEショック」が、また消費者に広がりつつある。 BSEの恐ろしさは、100%という、発症後の絶望的な致死率にある。同種の病気で、ヒトが発症するクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)も同じだ。
著者
リ シューティン ヤン タン 高島 康裕 村田 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.23, pp.7-12, 2008-05-02

IP再利用等においては,利用するIPの特性を考慮して設計を行う必要がある.特にフロアプランにおいては,近傍の配線の状況の影響を受けやすいIPは障害物として考慮する必要がある.しかし,従来のHPWL方式では,障害物の考慮を評価中に組み込むのは不可能であった.本稿では,ヤンらが[5]において提案した手法を基に,障害物を考慮した最小配線長評価アルゴリズムの改良を検討し,より実用的な近似手法を提案する.実験により,提案手法がHPWL評価手法と比較して,数倍程度の時間で実現できることを確認した.
著者
河上 智也 小林 高嶺 保原 達 春日 純子 松本 真悟 阿江 教治
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

近年の研究では、土壌有機物はリグニン単体と比べて滞留時間が長い事が示されており、鉱物とのキレート結合による化学的吸着が土壌有機物を強く隔離していると考えられている。加えて、土壌有機物の分解過程において、微生物由来のアミノ酸などが増加する事から、新たに物質が生成されている事が示唆されている。 そこで我々は、分解過程で微生物により生成された物質が、鉱物の吸着により安定化し、さらに吸着の度合いによってその蓄積量が左右されると考えた。これを検証するため、吸着度合いが異なる土壌について、本来微生物に速やかに消費されると考えられるグルコースを与えた培養実験を120日間行い、土壌の吸着度合いと炭素蓄積量の関係について調べた。 その結果、グルコース濃度は短期間で急激に減少し、最終的には検出されなくなった。しかし、全炭素量をみると、添加したグルコースに対して多いものでは1/3以上の炭素が残っていた。更に、残った炭素量は吸着度合いの大きい土壌ほど高い値を示した。これらの結果から、微生物によりグルコースは別の物質に変化し、鉱物の吸着により安定化、さらに吸着の度合いによって炭素蓄積量は左右されたと考えられる。
著者
山根 隆志 加藤 孝久 丸山 修 西田 正浩 大久保 剛 佐野 岳志 宮本 祐介
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2003, no.7, pp.79-80, 2003-08-05

A hydrodynamic levitation centrifugal pump is being developed for a long-term implantable artificial heart. The hemocompatibility was investigated with numerical analysis and has been verified with animal blood tests. The hemolytic property was improved by expanding the bearing gap and by adjusting the pressure balance and the antithrombogenicity has been improved by adding deep grooves to the hydrodynamic bearings to increase the flow rate through the bearings.
著者
太田 拓紀
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF EDUCATIONAL SOCIOLOGY
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.169-190, 2012

教師の職業的社会化は養成段階にて始まるわけではない。例えば,ローティは長期間に及ぶ生徒としての学校生活や教師との対面的接触を「観察による徒弟制」と称し,教職の社会化過程として捉えた。この理論的枠組に依拠し,本稿では教員志望者における過去の学校経験の特性を明らかにするとともに,その過程にいかなる教師の予期的社会化作用が潜んでいるのかを検証・考察することを目指した。<BR> まず,大学生対象の質問紙調査のデータから分析を行い,家族関係,学業成績の影響を統制した上でも,生徒時代におけるリーダーの経験が教職志望の判別要因として効果の強いことが明らかになった。それはいずれの学校段階の教員を志望するにしても同様の結果であった。<BR> 続いて,教員志望学生対象のインタビュー調査の結果から,リーダーに教師役割が委任され,指導的なふるまいが期待されていたことに着目した。そしてその過程に,教職への志向性を高める契機が含まれていると考えられた。ただし,指導的な行為に伴う彼らの葛藤は,この段階での社会化の限界を示唆するものであった。また,彼らに教師役割の委任を可能にするのは,学校文化に同化した性向が関係していると考察した。<BR> 最後に,「観察による徒弟制」の観点から,学校経験の過程で形成される教育観には養成段階の教育効果を損なう問題があると論じ,教師教育は過去の学校経験と養成教育との接続にも目を向けるべきであると提起した。
著者
原田 光明 佐野 岳 水上 昌文 居村 茂幸
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.609-611, 2009-08-20
被引用文献数
1

〔目的〕重症心身障害児(者)(以下,重症児(者))は長期間にわたり臥位姿勢で過ごす時間が多く,筋緊張の不均衡や重力の影響により,二次障害として側彎や胸郭の変形などを併発しやすい。また重度の側彎症に伴い胸郭の変形が非対称性に進行してくる等の報告がある。しかし,臨床上において胸郭変形は視診的評価が主であり,客観的評価がなされていないのが現状である。そこで本研究において胸郭扁平率を用いて胸郭変形を検討することを目的とした。〔対象〕重症児(者)17名(平均年齢42.12±9.82歳)と健常成人18名(平均年齢40.56±10.05歳)とした。〔方法〕本研究ではGoldsmithらが考案,今川らが提唱している定量的胸郭扁平率について検討した。〔結果〕胸郭扁平率の平均は,重症児(者):0.63±0.08,健常成人:0.72±0.06であり,重症児(者)にて有意に低値を示した。また重症児(者)の胸郭扁平率は体重との間に有意な相関が認められた(r=0.463)。しかし,身長,BMIとの間には相関は認められなかった。〔結語〕このように胸郭扁平率は健常者に比べて,重症児(者)で低下する傾向にあったことから,胸郭扁平率は胸部変形を反映する指標となりうる可能性が示唆された。また今後の研究課題として症例数の増加による胸郭扁平率の数値的意味の検討,拘束性換気障害との関連性の検討が必要と考えられた。<br>
著者
今田 里佳 小松 伸一
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.91-101, 2009-07-30
被引用文献数
1

ADHDと診断を受けた子ども48名およびPDDと診断を受けた子ども13名の認知的特徴について、今田・小松・高橋(2003)により開発された集団式注意機能検査と日本版WISC-IIIを用い検討した。ADHD群では、WISC-IIIの比較において、標準得点や、PDD群と比較しても、数唱において顕著に低い成績をおさめ、注意機能検査では標準得点、対照群、PDD群とのいずれの比較においても持続的注意の反映と考えられる音数えにおいて特徴的な低下がみられた。PDD群では、WISC-IIIの比較において、標準得点との間に有意な差が認められず、ADHD群との比較においては、語彙に関する知識や即時的な暗記再生、空間の走査に関しての強さが確認できたものの、標準得点との関連から考えてPDD群における固有に強い能力とは言い切れなかった。また、注意機能は比較的保たれていることがわかった。これらの比較から、ADHD群とPDD群の鑑別で決め手となるのは聴覚的な短期記憶と持続的注意機能が保たれているかどうかに注目することであると示唆された。
著者
安藤 耕平 前原 孝光 齋藤 志子 青山 徹 足立 広幸 益田 宗孝
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.367-372, 2011-05-15
被引用文献数
2

原発性自然気胸の再発が予測できるかについて検討するために,初発時に保存的治療を行った218症例を,その後再発した群(74症例)としなかった群(144症例)とに分け,再発に関わる因子について分析した.患者背景は平均年齢24.5歳,男/女199/19症例,対側の気胸の既往あり/なし21/197症例,喫煙歴あり/なし/不明93/75/50症例であった.単変量解析では,25歳未満(再発率42%),女性(63%),対側気胸の既往あり(57%),喫煙歴なし(55%)の症例で有意に再発率が高かった.多変量解析では,喫煙歴がないことのみが独立した再発の予測因子であった(p=0.006,odds比2.410).以上から,非喫煙者の原発性自然気胸は再発率が高いので,初発時でも患者の意向を考慮した上で手術を検討しても良いと考える.また,非喫煙者と喫煙者とでは自然気胸の発生のメカニズムが異なると推測される.
著者
有村 秀孝 窪田 英明 松本 政雄 金森 仁志
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.228-235, 1998

本研究の目的は医療用増感紙-フィルム系に対する特性曲線の形の管電圧依存性を調べることである。管電圧50kVから100kVで5種類の系の特性曲線を測定した。それは両面増感紙/両面乳剤フィルム系 (dual system) を使って作成したX線写真の (1) 両面乳剤,(2) フロント乳剤と (3) バック乳剤の特性曲線とフロント増感紙またはバック増感紙からの光を遮断したdual system (single system) を使って作成したX線写真の (4) フロント乳剤と (5) バック乳剤の特性曲線である。ダブルクロスオーバー光を考慮して特性曲線の形の管電圧依存性を理論的に調べるために, SilbersteinとVybornyの特性曲線の式を変更した。その式を使うために, フロント増感紙が発する露光量に対するバック増感紙の発する露光量の比 (相対露光量) の管電圧依存性を求めた。相対露光量は特性曲線の形に最も影響を及ぼす要因である。結果として, 測定した5種類の特性曲線の形は管電圧にほとんど依存しなかった。本研究で用いた系に関して, 変更した式を使い, 次の2つのことを示した。(1) 管電圧50kVから100kVまでの相対露光量の0.538から0.667の範囲ではdualsystemの特性曲線の形はほとんど変化しない。(2) 相対露光量が0.4以下になる低い管電圧ではdualsystemの両面乳剤の特性曲線の形が明かに変化する。
著者
福田 道雄
出版者
Japan Bird Research Association
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.S7-S11, 2013

1996年 3月から2012年 6月までのあいだ,東京湾内の葛西臨海公園の人工なぎさで休息するカワウ <i>Phalacrocorax carbo</i> の羽数を調べた.カワウの羽数は2月から3月に急減し,6月から9月に急増していた.本調査地の周囲でのコロニーを利用しているカワウは冬期は内陸で採食するものが多く,夏期は海で採食するものが多いと考えられることから,休息地を利用する数にこのような季節変化が見られたものと考えられた.2004年7月以降羽数が次第に減少していたが,近隣コロニーの生息数は減少していなかった.これは,採食地や餌資源量が変化したことを示唆していた.朝,正午,夕方に行なった調査のうち,最多羽数が記録されたのは正午の調査であることが多かった.休息地の近隣のコロニーは立ち入り禁止地にあったので,攪乱はほとんどなく,帰還時間の制約がなかった.そのため,休息していたカワウは夕方をまたずににコロニー戻ることができるため,正午が多かったものと考えられた.