著者
三村 均
出版者
Japan Society of Ion Exchange
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.45-51, 2014
被引用文献数
2

東日本大震災で発生した大津波は,福島第一原子力発電所を襲い,原子力発電の安全神話を覆すレベル 7 の原子力事故を引き起こした。国内最悪の事故はいまだ収束に至らず,発電所周辺住民は,震災と原子力事故という二重の苦しみの生活を強いられている。事故対策を進める上で,50 万トン規模の高汚染水が大きな障害となっている。海水が混入した高汚染水の浄化,特に Cs の選択的除染に対しては,無機イオン交換体充填吸着塔による循環注水冷却システムが稼動しており,冷温停止が達成されているが,運転システムの高度化や二次固体廃棄物の安全管理および処分が課題となっている。ここでは,ゼオライトを主体とした Cs および Sr 選択性吸着剤の吸着特性および固化特性を比較評価するとともに,吸着剤の高機能化の試みを紹介する。わが国に豊富に産出する天然産ゼオライトは,Cs に高い選択性を有すると共に,高温での Cs ガスのトラッピング機能および安定固化を実現できる自己焼結機能など優れた特性を有しており,高汚染水の処理および処分において今後重要な役割を果たすものと期待できる。<br>
著者
山本 経之
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1104-1108, 2001-12-01
著者
有元 伸子 中元 さおり 大西 永昭
出版者
広島大学大学院文学研究科
雑誌
広島大学大学院文学研究科論集 (ISSN:13477013)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.33-51, 2008-12

Yukio Mishima's own manuscript of his best known work Kinkakuji is now in the possession of the Mishima Yukio Literature Museum in Yamanakako village of Yamanashi prefecture. The purpose of our study is to develop a new reading of Kinkakuji by examining traces which were added and deleted in the manuscript and investigating them in detail.At the beginning of our study of the manuscript of Kinkakuji, in this paper, we examined three motifs: the hero Mizoguchi's friend Kashiwagi, the head priest of Kinkakuji Roushi, and Kinkaku which Mizoguchi is to set fire to at the end of the story. In each case, we analyzed the ways in which Mishima modified the manuscript, and clarified the feature that Mizoguchi consciously and deliberately sets fire to Kinkaku in the story.
著者
藤澤 信義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1621, pp.60-62, 2011-12-19

法改正や判決で、消費者金融業界は壊滅的な打撃を受けている。そんな焦土と化した業界で、勢力を拡大する集団がある。藤澤信義氏が社長を務めるJトラストとネオラインホールディングスだ(この2社に直接の資本関係はない)。 イッコー(現Jトラスト)やクレディア、三和ファイナンス、ロプロなどを傘下に収め、今年8月には楽天KCのカード事業を買収した。
著者
Monroy Carlota Rodas Antonieta Mejia Mildred 田原 雄一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.187-193, 1998
被引用文献数
2 13

チャガス病媒介者であるサシガメ(Triatomadimidiata & T. nitida)が生息する土壁の割れ目やすき間をセメントや石灰で埋めることで, 彼等の生息数を減らす事を試みた。双方(セメント及び石灰)の塗装を行った場合, 翌年は平均92%も生息数が減少した。石灰だけでは34%の減少に止まった。また, 部分的な改善(塗装)では53%の減少であった。他方, 何も施さない場合の生息数には変化がなかった。しかしながら, Tripanosoma cruziの保有率には変化がなかった。また, 研究室内の試験で壁材の塗装はサシガメの寿命に変化を及ぼさなかった。
著者
入江 正洋
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.385-396, 2011-05-01

近年,組織の再編や人員削減,職場での人間関係の希薄化などによって,労働者のメンタルヘルスが概して悪化している.厚生労働省の調査によれば,約6割の労働者が仕事でストレスを感じており,職場の人間関係の問題,仕事の質の問題,仕事の量の問題などが主な要因である.約8%の事業場で,メンタルヘルスに関する理由で連続1ヵ月以上休業あるいは退職した労働者がみられる.職業性ストレスは,メンタルヘルスだけでなく,身体や仕事のパフォーマンスなどにも悪影響を及ぼし,過労死などの脳・心臓疾患や精神障害の労働災害・民事訴訟の事例が増加している.なかでも,職場でのいじめや嫌がらせが注目される.このような問題は,心療内科医や精神科医にとって重要であり,健康障害などを未然に防ぐためには,心身両面から早期にストレスを把握することが望まれる.その一手段として,唾液アミラーゼ活性について検討しているが,個人差が大きく,個体差も少なくないことが問題である.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1626, pp.40-42, 2012-01-30

日産自動車や三菱自動車に比べ、EV(電気自動車)に懐疑的と見られていたトヨタ自動車とホンダ。この2社が今年ついにEVに本腰を入れる。 トヨタの第1弾は1月末に発売する「プリウスPHV」だ。トヨタの内山田竹志・副社長は「電欠のないEV」と説明する。
著者
江川 薫 野中 直子 星野 睦代 高野 真 滝口 励司
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.74-85, 1999-03-31
被引用文献数
1

骨を構築する基質線維は, 圧縮, 牽引, 歪み, 振れなどの応力に対抗するための適合性をもった配列を呈している.骨に加わる応力と骨層板および線維性基質の配列との係わりを検討する目的で, 解剖学実習用男性遺体の脛骨を用いて, 基質線維の配列を高分解能の走査電子顕微鏡で立体的に観察した.緻密骨層板の表層基質線維を観察するための試料は, 実体顕微鏡下で外骨膜の線維層を剥離した.基礎層板とハバース層板の線維性基質を観察するための試料は, 緻密骨の水平断面と垂直断面を作製して, 切断面の研磨を行った.すべての試料はEDTAで脱灰を施し, トリプシン処理後, 導電染色, 上昇アルコール系列による脱水, 液化炭酸ガスによる臨界点乾燥, 白金-パラジウムのイオンスパッタコーティングの後, 電界放射型走査電子顕微鏡で観察した.筋の付着がない脛骨体内側面の外基礎層板の最表層は大部分が骨の長軸方向に配列された基質線維束で構築されていた.脛骨体外側面の中央部の基質線維束も骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体外側縁には約500μmの幅で骨間膜が基質線維束に侵入していた.脛骨体近位端外側面の最表層基質は交錯した基質線維束で構築され, 基質線維東間には前脛骨筋および縫工筋の腱が侵入していた.脛骨体前縁では基質線維束の大部分は骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体後面の近位骨幹端の最表層は交錯した基質線維束で構成されていた.後面中央部および下部の最表層の基質線維束はほぼ骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体の内表面の最表層は大部分が骨の長軸方向に配列された基質線維束で構築されていた.脛骨体の外基礎層板では約5μmの厚さの層板と約3μmの厚さの層板が交互に配列されており, 交互に隣接している層板の基質線維束はやや斜めに交叉していた.ハバース層板を構成する基質線維束はほぼ上下方向に配列された基質線維束からなる厚さ約4μmの層板と, 基質線維束がほぼ同心円状に配列された厚さ約2μmの層板とが交互に配列されていた
著者
清水 泰生 シミズ ヤスオ Shimizu Yasuo
出版者
大阪国際大学
雑誌
国際研究論叢 = OIU journal of international studies : 大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部紀要 (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.91-103, 2017-01

Haruki Murakami is a novelist who also competes in triathlons and marathons. How has his running affected him and his literary work? Furthermore, has he read any books about running that offer interesting viewpoints? In addition, how does he train? For this report, I considered works that feature in printed media, such as interviews, essays and other texts. Since many novelists do not participate in sports, Murakami was regarded as a heretic and received continuous criticism. He fought for people who were criticized all the time. It may be said that he is an atypical runner, and is therefore isolated. Also, it can be seen from the Murakami works that literary language and rhythm are important attributes. As well as music, running must affect the form of writing immensely. Additionally, there is the theoretical question about his training, but it may be said that his original training has helped him form a writing style.
著者
堀口 俊二 下斗米 哲明 HORIGUCHI Shunji SHIMOTOMAI Tetsuaki
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.48, pp.65-77, 2017-01

オランダ測量術が1641年から1649年に日本に伝わった.江戸幕府(1603-1867)は国絵図作成のためにオランダ流測量術を奨励した.秘伝規矩元法別伝・八事絵巻と規矩元法別伝目録秘八目録図解は,清水貞徳(1645-1717)が確立したオランダ流測量術である.絵巻は題名,著者,年代不明である.目録は盛岡藩家臣簗田義智(義和)が1759年に盛岡藩別家の殿様に献上するために書いた.これら2つは,目録の最初の4ページを除けばほぼ同じ内容であり,どちらが古いか以前から問題となっている.本稿の目的はこれを考察することにある.このため我々は2つの違いを詳細に比較する.その結果「絵巻は目録より古いであろう.目録は殿様用に模写・改良したものである.」という結論を得る.さらに清水太右衛門尉貞徳の説明箇所では,絵巻では門弟は「数千人」とある.この「数千人」は当時の清水流測量術の隆盛を示す貴重な数値である.
著者
Kajihara Tadao Ueno Yoshikazu Tsujiura Yuichi Koshiba Yasuko Morimoto Masahiro Kanno Isaku Ishida Kenji
出版者
Institute of Physics
雑誌
Jpn. J. Appl. Phys. (ISSN:00214922)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, 2017-02-03
被引用文献数
8

We investigated piezoelectric vibration energy harvesters with poly(vinylidene fluoride/trifluoroethylene) films and the improved power generation from using multistacked and stretched ferroelectric films on the cantilevers. The energy harvesters generated electric power with a resonant frequency of approximately 25 Hz, which corresponded to the ambient vibration. The power density of four-layered harvesters was estimated to be 2.5 µW/m<sup>3</sup>, which was larger than the power density of previous harvesters. The output power of stretched-film harvesters was 3.6 times the output obtained from unstretched films. In addition, because organic ferroelectric films are flexible, the resonant frequency of each harvester was practically constant even when using the techniques of multistacking and stretching.